鬼 灯 4        103句 

ほむらなす鬼灯幾夜ペルシャの壷に    高島茂 冬日

酸漿   ほほづき

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鬼灯のくれなゐの闇鑑真忌 雨村敏子 201510
甘受せり鬼灯市の人いきれ 田村園子 201510
仏前に鬼灯供へ御明しと 大橋胱 雨月 201510
鬼灯を鳴らし女の意地通す 尾野奈津子 春燈 201511
鬼灯の彩をこぼして露地点す 松本鷹根 京鹿子 201511
鬼灯を抱へ祇園の橋の上 雨村敏子 201511
たましひの熱きをさらし虫鬼灯 近藤喜子 201511
鬼灯市妻大胆に値切りをり 石黒興平 末黒野 201511
軒に吊る青鬼灯や三味の音 福田禎子 末黒野 201511
鬼灯に奥つ城所埋まりし 長崎桂子 あを 201511
鬼灯や語れば嘘の厚み増す 山本無蓋 201511
鬼灯の灯り父母ゐる気配 安居正浩 201511
鬼灯を買うてほほづき色の空 田代貞枝 201512
紐長き裸電球鬼灯売 杉田春雄 風土 201512
鬼灯の彩づき省二の笑顔かな 前田美恵子 201601
鬼灯の色深まりて忌日かな 野畑さゆり 201602
鬼灯や永劫母はわたしのもの 吉田葎 201602
ちんまりと青鬼灯の生れてあり 加藤みき 201607
青鬼灯太宰忌子の忌近きかな 石橋邦子 春燈 201608
鬼灯の日々成長の若緑 安部和子 雨月 201608
鬼灯の花に伊吹のとの曇り 佐藤花木 雨月 201610
鬼灯すだれ縁側に茶をいただきぬ 山田六甲 六花 201610
鬼灯や虫食跡のうつくしき 廣畑育子 六花 201610
鬼灯にまだ灯のつかぬ青さかな 竹内悦子 201611
鳴らすため鬼灯ただ今熟成中 加藤峰子 201611
鬼灯や大人になつて分かること 菊川俊朗 201612
鬼灯の一つ灯りし庭の隅 岡淑子 雨月 201612
鬼灯やこれから老いてゆくところ 高木晶子 京鹿子 201612
ディオールの小袋に受く紅鬼灯 高橋道子 201612
赤赤と鬼灯われに為すことあり 岩岡中正 ホトトギス 201612
帰るさに請ひし鬼灯三つかな 赤座典子 あを 201610
鬼灯をなだめて鳴らす暮つ方 赤座典子 あを 201610
鬼灯にやつと灯のつく米寿かな 竹内悦子 201701
鬼灯と木の実供ふる六地蔵 南雲秀子 万象 201701
鬼灯の鉢抱き祈ることのあり 岡本まち子 馬醉木 201707
鬼燈市職人の影折つて寄る 石川桂郎 風土 201708
葉とまがふ青さに揺るる青鬼灯 蒲田雅子 雨月 201709
鬼灯や十六歳にて姉嫁きしよ 野沢しの武 風土 201710
青鬼灯良辨ここに生を享け 岩木茂 風土 201710
瓶にさす鬼灯の朱の日々に増す 近藤紀子 201710
真青なる鬼灯風の湿りたる 稲垣佳子 末黒野 201710
恋心ありて鬼灯ともるなり 高橋将夫 201711
風騒ぐ鬼灯市の下駄の音 太田利明 末黒野 201711
ひとところ鬼灯明り草の市 丸尾和子 雨月 201711
鬼灯を鳴らし郷愁濃くしたり 稲岡みち子 雨月 201711
鬼灯をもめば地軸の生臭き 山田六甲 六花 201711
子ら巣立ち庭の鬼灯明りかな 今井吉子 馬醉木 201712
今日よりは明日鬼灯明りかな 中山皓雪 201712
デートさえ忘れ鬼灯鳴らし合い 中谷富子 201801
鬼灯を鳴らし昭和の子となりぬ 須崎淑子 馬醉木 201802
鬼灯の熟るる誰にも愛されず 田岡千章 201801
笹舟を流す鬼灯ひとつ乗せ 天谷翔子 201803
仏壇に鬼灯のみが残りけり 小林朱夏 201809
幾百の鬼灯の赤鳴りにけり 雨村敏子 201809
ありのまま見せれば我も虫鬼灯 近藤喜子 201811
鬼灯の水絶ちしより紅深む 雨村敏子 201811
一人はや鬼灯鳴らす遊びとて 日置游魚 201811
胸に秘する鬼灯愛の責務とす 卯木堯子 春燈 201812
鬼灯や鏡の中のもう一人 中田禎子 201812
鬼灯の鳴る子鳴らぬ子頬赤く 池乗恵美子 末黒野 201812
鬼灯の宇宙のなかの真理かな 中川のぼる 201904
青鬼灯婚再びの友を訪ふ 池野つむぎ 馬醉木 201908
鬼灯市袖笠雨となりにけり 広渡敬雄 201909
鬼灯の一途に咲きし花の数 雨村敏子 201909
入母屋の裏の鬼灯花あかり 黒滝志麻子 末黒野 201910
鬼灯のさても大きく朱の濃し 大橋晄 雨月 201910
あゝ今日は鬼灯市か浅草は 安藤久美子 やぶれ傘 201910
鬼灯は死者のはにかむ色香らし 出利葉孝 201911
鬼灯の灯れば黄泉路明るくて 高橋将火 201911
鬼灯の落暉の色を我がものと 河崎國代 春燈 201911
鬼灯市百の鉢よりひとつ選り 山本久枝 やぶれ傘 201911
鬼灯の鬼の猛りの色なれや 辻田玲子 雨月 201911
鬼灯や大事大事の一人っ子 金森教子 雨月 201911
鬼灯の虫喰網目闘病記 中田みなみ 201912
鬼灯揉むやさしくやさしく時かけて 森幸 雨月 201912
軒先に鬼灯吊らる隣家かな 吉宇田麻衣 201912
鬼灯鳴らす二枚の舌のあるやうに 小倉征子 202010
からからと鬼灯の朱褪せ初める 赤座典子 あを 202010
鬼灯の百の灯るは百の塊 雨村敏子 202011
鬼灯を含む音色やおてもやん 出利葉孝 202011
炎の色の鬼灯の実を手のひらに 藤原明美 202011
鬼灯を鳴らして母のくつろげる 藤生不二男 六花 202011
をんな三人寄れば青春鬼灯市 安田優歌 京鹿子 202011
鬼灯に夕日の色の集まりぬ 黒滝志麻子 末黒野 202011
鳴らすこつ得て鬼灯の破れけり 住田千代子 六花 202012
いざこざは鬼灯吹いた夜のこと 谷口一献 六花 202012
鬼灯や芭蕉泊りし旅籠跡 延川五十昭 六花 202012
床の間に鬼灯ひとつ灯しけり 延川笙子 六花 202012
麦藁で吹く鬼灯の紅風船 延川笙子 六花 202012
鬼灯を友の馴染みの店にかな 延川笙子 六花 202012
鬼灯や祈る形に手を合す 和田華凛 ホトトギス 202101
還らざる日々鬼灯の音色にも 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
ひと叢の青鬼灯に通り雨 天野美登里 やぶれ傘 202109
還らざる日々鬼灯の音色にも 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
省略を尽し虫鬼灯鎮座 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
闇灯すほどに鬼灯色付ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
鬼灯の鳴れば故郷近くあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
鬼灯は死者の織りなす宴かな 出利葉孝 202109
荒庭の虫鬼灯や夕日影 岡野里子 末黒野 202112
一株の鬼灯残る更地かな 土井ゆう子 風土 202112
鬼灯やかくした嘘が赤くなる 鈴木順子 京鹿子 202112
旅の中虫鬼灯が残されて 木村瑞枝 やぶれ傘 202112
ブイブイと鬼灯の笛なりにけり 小泉量香 やぶれ傘 202112
鬼灯 →1

 

2021年8月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2022年8月30日