ほほづき            71句

くちすへばほほづきありぬあはれあはれ    安住敦

鬼灯  ほほづき  酸漿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ほほづきを舌下にしまふ愚と鳴りぬ 中原道夫 銀化 199810
目鼻なきほほづき人形夜の風 田中藤穂 水瓶座 200002
ほほづきよ暮れて祖霊の息を借る 柿原金米 船団 200006
ほほづきやかごめの鬼のままでゐる 栗栖恵通子 200008
ほほづきを揉み破りたる母の父 山田六甲 六花 200008
普段着のほほづき市も久しぶり 熊谷みどり いろり 200009
青ほほづき完封のままふくらみ来 内山和江 奧嶺 200010
ほほづきを吊し魂棚ととのひぬ 鈴木ゆき子 風土 200111
ほほづきに虫食ひの跡微かなり 山遊亭金太郎 百鳥 200210
娘の恋やほほづきの実の色づきし 小林あかり 遠嶺 200212
聞分けのよきほほづきの灯らぬなり 井上菜摘子 京鹿子 200212
枯ほほづき書棚の隅に挿してある 竹内弘子 あを 200302
ほほづきの鬼の灯ならず花の白 大橋敦子 雨月 200308
青ほほづき夜遊びの猫戻りくる 木野本加寿江 火星 200310
ほほづきの朱を尽したる東慶寺 高野美佐子 雲の峰 200310
ほほづきの破れはすぐに見捨てられ 塩川雄三 築港 200410
ほほづき市雨の廂に子を背負ひ 安宅弘子 百鳥 200410
ほほづきを鳴らす昔と同じ音 神谷孝子 対岸 200411
ほほづき祭巫女いくたびも水撒いて 藤田悦子 対岸 200411
つらつらと釈迦苦行像虫ほほづき 近藤喜子 200411
土ものの上にほほづきのせてあり 杉浦典子 火星 200511
霊棚やほほづきは子が培ひし 瀧春一 瓦礫 200606
いぬほほづき此処に彼処に島日和 阿部ひろし 酸漿 200608
ほほづきの大きく派手な母衣まとひ 鈴木榮子 春燈 200609
尊敬の的なりほほづき鳴らしたる 岩松八重 六花 200610
ほほづきを一本挿せば盆が来る 大西八洲雄 万象 200611
ほほづきを鳴らせば雲よりとほき音に 豊田都峰 京鹿子 200612
ほほづきの色褪せてそのかろさかな 稲次登美子 雨月 200612
昭和の日海ほほづきの詩を朗読 中山純子 万象 200808
ほほづきを鳴らしあひし日いまもみづいろ 豊田都峰 京鹿子 200810
ほほづきの赤は母なり波寄する 近藤公子 200901
ほほづきを鳴らすことなく逝きし吾子 野沢しの武 風土 200906
各々に赤きほほづき浅草寺 森下康子 200909
ほほづき市思はぬ二人見かけたり 三村八郎 炎環 200909
ほろほろとほほづき一つ転がしぬ 水谷洋子 十進法 200911
ほほづきの鉢を両手に渡舟待つ 大西八洲雄 万象 200911
地に近くほほづきひとつ灯りけり 田口紅子 201001
ほほづきに紅さしそむる小さき幸 荘司正代 春燈 201002
赤きほほづき人臭くなりにけり 近藤喜子 201011
閼伽桶にほほづき一つ浮きゐたり 浜口高子 火星 201111
ほほづきや我を塒に幾魑 小形さとる 201112
ほほづきを灯せこの世の混沌に 安居正浩 201210
ほほづきを一枝足せり妹の墓 伊川玉子 万象 201210
ほほづきや赤べこ意地の首を振る 鈴鹿仁 京鹿子 201311
鬼ほほづき正論のやや疎ましき 北川孝子 京鹿子 201312
病むほどにほほづき紅し草の中 神蔵器 風土 201409
草刈女青ほほづきは刈り残し 内海良太 万象 201410
ほほづきのむかし遊びや母を恋ひ 佐用圭子 201411
ほほづきや遊びし玩具毬ひとつ 根本公子 末黒野 201411
ほほづきに深爪の爪立ててをり 佐藤凉宇子 ろんど 201502
葉隠れて青ほほづきの差恥心 丸井巴水 京鹿子 201512
鬼灯を買うてほほづき色の空 田代貞枝 201512
魂遊ぶ網ほほづきとなる日まで 服部早苗 201601
青ほほづき自分育ては死ぬるまで 楠原幹子 201607
地蔵会の山盛りほほづき転がりさう 池田光子 風土 201611
孫吊りしほほづき残し退院す 大坪景章 万象 201612
ほほづきを雪洞として峡の雛 田代民子 201705
ほほづきや父母を迎ふる青畳 磯貝尚孝 清閑 201804
地の息を溜むるほほづき赤極め 下村たつゑ 201810
姉の仏前ほほづき多に活けて寧し 綱徳女 春燈 201811
ほほづきも火星も赤く盆が来る 窪みち子 201902
ほほづきや昼の敦賀の写真館 山田六甲 六花 201909
初恋の色に鳴るなりうみほほづき 大谷満智子 春燈 201909
ほほづきや故郷恋ふる火種とも 種山啓子 201910
道沿ひのほほづき熟れて揺れゐたる 松村光典 やぶれ傘 201911
いちぬけてほほづき鳴らす里ごころ 村田あを衣 京鹿子 201911
ほほづきを鳴らせて見せぬ子供らに 太田チヱ子 末黒野 201911
網ほほづき昔噺に鬼の出て 増成栗人 202011
父母のなき故郷は他郷ほほづき熟る 安田優歌 京鹿子 202011
ほほづきの口を舌もて探りけり 升田ヤス子 六花 202012
急ぐまいほほづきの芯ほぐしをり 時澤藍 202112

 

2022年8月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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