鬼 灯 2        133句 

ほむらなす鬼灯幾夜ペルシャの壷に    高島茂 冬日

鬼灯  ほほづき  酸漿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
鬼灯の疹いて熟るる秘密かな 後藤眞由美 春燈 200411  
鬼灯や山谷の簡易宿泊所 須佐薫子 帆船 200411  
鬼灯を鳴らし挽歌を詠みてをり 中島瑞枝 百鳥 200411  
鬼灯の紅天辺まで上ぼりける 雨村敏子 200411  
鬼灯の鳴りてうれしき家路かな 市堀玉宗 栴檀 200411  
青鬼灯口紅ほどの紅をちゅと 大橋麻沙子 雨月 200411  
鬼灯に千代紙着せて母の笑む 榊澄子 草の花 200411  
鬼灯の母衣網となり風かろし 鎌倉喜久恵 あを 200411  
虫喰ひの鬼灯夕日の中にあり 彦坂範子 ぐろっけ 200411  
一束の鬼灯もまた厨の灯 安永圭子 風土 200412  
鬼灯の網ふえにけり神無月 石川一郎 対岸 200412  
鬼灯や入谷裏道荒格子 堀内千鶴子 帆船 200501  
水やりて青鬼灯の紅の斑 廣戸次郎 200501  
鬼灯や姉には敵はぬことばかり 松井洋子 ぐろっけ 200502  
草むらに鬼灯赤い灯をともし 笹川イツ子 200505  
鬼灯の赤少し褪せ旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 200509  
量刑のやう青鬼灯を過ぎにけり 伊藤早苗 200509  
何か聞こゆる鬼灯叢のあたり 雨村敏子 200510  
鬼灯に母のぬくみのありにけり 城孝子 火星 200510  
芸人の街や六区の花鬼灯 山田美江 風土 200510  
鬼灯の燃ゆる宇宙と云ふべかり 天野きく江 200511  
鬼灯や軸の佛を掛け流す 飯塚ゑ子 火星 200511  
鬼灯の一つ残りて侘の寺 青木久子 遠嶺 200511  
鬼灯の熟れて静かな夜の雨 藤井英子 対岸 200511  
鬼灯の供華灯をともす山の墓 小牧弘治 河鹿 200512  
道すぢに鬼灯売るや峡の村 石堂絹子 河鹿 200512  
孔雀明王鬼灯の二三本 石脇みはる 200512  
夕べ来て鬼灯色を見せにけり 長沼紫紅 200512  
暮れ残る鬼灯に雨やさしくて 長沼紫紅 200512  
雨落ちて鬼灯色を見せにけり 長沼紫紅 200512  
鬼灯やいまだ少女の夢捨てず 長沼紫紅 200512  
括られて捨てられし鬼灯の朱 佐藤淑江 対岸 200601  
鬼灯の尖にみどりの残りたる 狩野みほ 百鳥 200601  
鬼灯の赤おそろしき敗戦日 塚本富士子 栴檀 200601  
鬼灯を鳴らしてこの頃遠目ぐせ 西野初音 京鹿子 200601  
守り受く身籠りし女(ひと)青鬼灯 和田照子 200602  
鬼灯や昔をみなを攫ひたる 吉村たけを 海市蝶 200606  
鬼灯の花と幼き実を吊りし 木村迪子 酸漿 200609  
石切や青鬼灯の鉢二つ 石脇みはる 200610 石切神社
母あらば家にもありし青鬼灯 近藤幸三郎 風土 200610  
青鬼灯のさきの尖りや布の靴 柿沼盟子 風土 200610  
犬鬼灯猫も気儘の小島なり 中里 カヨ 酸漿 200610  
鬼灯の赤し少子化進みけり 宮内とし子 200611  
鬼灯の花や死ぬまで筆折らず 小宮山勇 遠嶺 200611  
鬼灯と錆の滑車が濡れてゐる 小形さとる 200611  
貴様とは暴言ですか青鬼灯 山元志津香 八千草 200703  
黄泉からも鬼灯提灯見えますか 真木早苗 八千草 200703  
うつむけば心急くなり青鬼灯 真木早苗 八千草 200703  
赤子泣く路地に鬼灯色付きぬ 中村外紀子 万象 200709  
鍛練や鬼灯にいろ見えにける 中貞子 200710  
どぶ板バザール青鬼灯も出てゐたり 落合絹代 風土 200711  
鬼灯や萼が網目となり透ける 宮津昭彦 200711  
青鬼灯日増しに紅の色目立ち 近藤豊子 雨月 200711  
鬼灯のぽつとあからむ吾妻橋 上谷昌憲 200711  
怪我ばかりして青鬼灯の夜は 小形さとる 200712  
鬼灯の日々甚平を着て下駄はいて 鴨下昭 200712  
鬼灯や犬をいつぴき預かりぬ 米澤光子 火星 200712  
鬼灯を添へ忌の膳の運ばるる 西口鶴子 遠嶺 200801  
鬼灯鳴らす遠方の沈下橋 陽山道子 船団 200803  
鬼灯や巧みに動く母の口 宮崎左智子 200809  
鬼灯を鳴らせば羽音ついて来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809  
鬼灯や頬ばつかりが膨みて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809  
鬼灯や女系といふは芯強き 鈴鹿仁 京鹿子 200809  
葉の中に青鬼灯としての青 湯川雅 ホトトギス 200810  
青鬼灯炎しづかにゆれてをり 近藤紀子 200810  
万太郎句碑青鬼灯の香の中に 北川とも子 ぐろっけ 200810  
鬼灯も乗つて終電車となりぬ 青山丈 200810  
鬼灯の鉢が席占め舟の出る 館容子 200811  
墓鴉供華の鬼灯かつ攫ふ 勝野薫 ぐろっけ 200811  
鬼灯も点す娘の霊供棚 鈴木愛子 ぐろっけ 200811  
鬼灯の一束おかれ遭難碑 小谷延子 万象 200811  
鬼灯の泥まみれなる川の土手 関口青稲 万象 200812  
鬼灯の虫喰網目闘病記 中田みなみ 200812  
耳元に鬼灯ならし別れけり 中条さゆり 200812  
鬼灯や日ごと色濃く父母遠し 野畑小百合 200812  
鬼灯をほぐす思ひのほか上手 服部早苗 200901  
存在の青鬼灯と知るまでは 稲畑汀子 ホトトギス 200907  
気づかれぬ青鬼灯の育ちゆく 稲畑汀子 ホトトギス 200907  
鬼灯を鳴らし前世のことをふと 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908  
鬼灯に数十年を引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908  
鬼灯の呼びあふごとき赤さあり 阿部ひろし 酸漿 200908  
花も見ず青鬼灯のはや下る 石川元子 酸漿 200908  
鬼灯市善男善女になりたくて 遠藤実 あを 200909  
鬼灯を売っていなせな男衆 田村加代 末黒野 200910  
鬼灯の葉籠る朱色姉訪はな 和田政子 200910  
だしぬけに犬に吠えらる青鬼灯 中谷葉留 風土 200910  
助手席に平らに乗せて青鬼灯 奥田茶々 風土 200910  
赤くなりきれぬ鬼灯いとほしき 大橋敦子 雨月 200910  
どの顔も若返りをり鬼灯市 木下もと子 200910  
無慾とは言はず鬼灯市に来て 木下もと子 200910  
鬼灯の遊び知らぬといぶかる児 竹内悦子 200911  
鬼灯の赤不可侵を誓はねば 西川火尖 炎環 200911  
鬼灯市白潮先生見失ふ 宮崎高根 200911  
鬼灯の匂ひ夕陽の朱の匂ひ 柳生千枝子 火星 200911  
鬼灯や鯱張りの古写真 鈴木藤子 ろんど 200911  
鬼灯のたれも持ちゐるかんしやく玉 小嶋洋子 泡の音色 200912  
立花なす鬼灯墓を明るうす 雨村敏子 200912  
鬼灯や内弁慶の子でありし 木村眞樹子 遠嶺 200912  
鬼灯市虫喰ひ鉢を値切つて買ふ 和田孝村 春燈 200912  
鬼灯を添はせて雨の魂送 金澤明子 火星 200912  
鬼灯の赤は大日如来かな 竹内悦子 201001  
鬼灯や灯の点りたる腹の芯 中野京子 201001  
子の知らぬ鬼灯鳴らす遊びかな 佐藤静子 やぶれ傘 201002  
鬼灯を揉むたび母へ近づけり 片田きく 201002  
鬼灯をふくめば青さ匂ひけり 能美昌二郎 201101  
鬼灯の枯れて緋色の深くなる 雨村敏子 201103  
鬼灯市鉢を片手にいなせな娘 西田史郎 201109  
鬼灯の剪らるるも赤志す 大橋敦子 雨月 201110  
青鬼灯に風の来てゐる露地ひぐれ 豊田都峰 京鹿子 201110  
ふたみすぢ朝の風ある青鬼灯 豊田都峰 京鹿子 201110  
風鈴と青鬼灯を山の家 石脇みはる 201110  
鬼灯の固く封じて青の時 中村恭子 201110  
鬼灯市泣虫の妻紛れけり 藤井彰二 馬醉木 201110  
霊棚へ庭の鬼灯飾りけり 数長藤代 201111  
鬼灯の赤さのややに赤過ぎぞ 大橋敦子 雨月 201111  
鬼灯の熟れ三分なり雑司ケ谷 佐々木紗知 京鹿子 201111  
鬼灯を求め色付き待てる日々 西垣順子 201111  
留守番の夫鬼灯を会得せる 松岡和子 201111  
鬼灯や雨音三日聴き暮れて コ田千鶴子 花の翼 201111  
鬼灯の網目浮き立つ省二ノ忌 延広禎一 201112  
鬼灯熟る昨夜の雨の半ばより 和田紀夫 201112  
鬼灯の茎長きまま墓前へと 高倉恵美子 201112  
母の忌や朱の鬼灯を供花に添へ 波多野孝枝 末黒野 201201  
下駄履きのうしろつきゆく鬼灯市 根本ひろ子 火星 201209  
鬼灯や銭湯で躾教りし 江見巌 六花 201209  
昼少し俄雨あり鬼灯市 北崎展江 くりから 201209  
よく晴れて鬼灯市の円暮なり 辻直美 201209  
青鬼灯触れてもみたり杖の先 滝澤千枝 春燈 201209  
地下鉄に鬼灯市の客も乗り 小池清司 かさね 201209  
鬼灯や実らぬ恋は色褪せず あさなが捷 201210  
鬼灯市着きし荷を解く二天門 塩見英子 雨月 201210  
鬼灯の花抱き帰る芸子かな 山田春生 万象 201210  
明日帰る青鬼灯のいろづきし 小林成子 火星 201210  
鬼灯籠提げゆく人や裏通り 岡井マスミ 末黒野 201210  
声嗄れて鬼灯市の乙女かな 岡井マスミ 末黒野 201210  
鬼灯市鉢の麻紐ゆるみなき 岡井マスミ 末黒野 201210  
青鬼灯公園暮れてきたりけり 佐橋敏子 春燈 201210  
鬼灯や道の半ばにさしかかる 中貞子 201210  
鬼灯の種抜くこつを知つてをる 山根征子 201211  
鬼灯を灯して闇を親しゆうす 雨村敏子 201211  
狸小路ぬけて鬼灯市の灯へ 酒井秀郎 返り花 201211  
鬼灯や母を語れば訛出て 師岡洋子 ぐろっけ 201211  
虫鬼灯たましひ柔らかく呆け 近藤喜子 201211  
向う脛打つや鬼灯熟れてをる 竹内悦子 201211  
挿されたる壺の鬼灯いろ増して 堀田順子 馬醉木 201211  
鬼灯の葉陰やつと白き花 筒井八重子 六花 201212  
鬼灯や絶やしてならぬことありて 花田心作 201212  
鬼灯市追加の鉢の届きけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201212  
鬼灯や妻の栞りし日記よむ 中沢三省 風土 201212  
鬼灯の卑弥呼の色となりゆけり 小林共代 風土 201212  
鬼灯鳴らす子ども名手の居た頃よ 浜福惠 風土 201301  
指先で揉む鬼灯のぷによぷによと 有賀昌子 やぶれ傘 201301  
赤き実の枯鬼灯の網目より 丑久保勲 やぶれ傘 201304  
水打って青き香の立つ鬼灯市 浜口高子 火星 201309  
刈り残す青鬼灯のよるべなし 生田恵美子 風土 201310  
仲見世の賑はひ鬼灯市へ列 森下康子 201310  
青鬼灯手荒く市に並べられ 松井洋子 ぐろっけ 201311  
鬼燈の縦一列の系図かな 久染康子 201311  
鬼灯を提げゐし右手重かりし 城孝子 火星 201311  
舐めてみて鬼灯苦き一つ星 山田美恵子 火星 201311  
鬼灯やかの世この世の道標 上村葉子 風土 201311  
鬼灯を鳴らして母を恋しがる 瀬戸悠 風土 201311  
鬼灯に入る何から何かまで 北村香朗 京鹿子 201311  
灯ともれる鬼灯さげて家路なる 豊田都峰 京鹿子 201311  
絵すがたは鬼灯市の幼き日 豊田都峰 京鹿子 201311  
鬼灯の朱に誘われ今日命日 松本アイ ぐろっけ 201312  
鬼灯の寥々と鳴る本調子 山口ひろよ 201312  
身の程の暮らしいとほし青鬼灯 北川孝子 京鹿子 201312  
鬼灯の一顆を入れてグラス売る 中根美保 風土 201312  
叱られて青鬼灯の中にゐる 荒田義枝 京鹿子 201401 鬼灯→ 1

 

2020年8月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。