昼 寢 2           99句

天寿とは昼寝の覚めぬ御姿    阿波野青畝

三尺寝   昼寝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
棹差して下流にをりぬ昼寝覚 槻木珠美 銀化 200011
昼寝覚相変らずの世なりけり 鶴目鯛遊子 六花 200011
山中と気づく風なり昼寝覚 平居澪子 六花 200011
忌ごゝろの解けず遺影の間に昼寢 大槻竹帛子 円虹 200012
新聞の中よりいびき秋晝寢 小山森生 200012
牛歩き犬昼寝してカトマンズ 須賀敏子 あを 200101
胎内にゐるなりをして昼寝せり 堀田政弘 200102
葉桜やついて仕舞った昼寝癖 大平保子 いろり 200106
子供等と桃源郷に昼寝かな 小泉洋一 円虹 200106
昼寝覚わが血おくれて覚めにけり 鷹羽狩行 200107
吾をらぬことのたとへば昼寝かな 鈴木鷹夫 200107
大の字の昼寝羅掛けらるる 栢森定男 あを 200107
ひだり腕すこし長くて昼寝せり 能村登四郎 200108
こんじきのわれ山に現れ昼寝覚 岡井省二 200108
歳時記を枕にいつか昼寝かな 熊谷みどり いろり 200108
昼寝して寝だめとならぬ夜となりて 桑垣信子 いろり 200108
でつぷりとトマトケチャップ大昼寝 辻享子 シャガールの女 200108
果肉より芳香の屆く晝寢覺 中原道夫 銀化 200108
蹠に利き耳移し昼寝かな 森谷彰 銀化 200108
読みかけの詩集を胸に昼寝かな 清水晃子 遠嶺 200109
石室を鎖でしばり昼寝村 山尾玉藻 火星 200109
昼寝覚つくり欠伸をひとつして 山口秋子 酸漿 200109
凱旋の半ばに昼寝覚めにけり 後藤雅夫 百鳥 200109
昼寝覚ひとに別れしごとくをり 多田ユリ子 百鳥 200109
昼寝覚部屋にバーベル置いてあり 平野きらら 百鳥 200109
合歓咲いて鉱泉宿の昼寝どき 安陪青人 雨月 200109
昼寝覚め肩の痩せしを言はれけり 松崎鉄之介 200109
昼寝覚どこぞ触れ合ふ猫の夢 山県總子 銀化 200109
一仕事了へし思ひの昼寝覚 白岩三郎 馬醉木 200110
駄菓子屋に潮の香通ふ昼寝刻 安達実生子 馬醉木 200110
昼寝せる仔犬腹式呼吸して 渡辺正子 百鳥 200110
昼寝覚どこかのチャイム鳴つてゐる 小林あつ子 火星 200110
むつくりと無職は無職昼寝覚 中村興人 酸漿 200110
まるき山二つころがり昼寝覚 澤本三乗 200110
昼寝覚五臓ふはりと戻りけり 掛井広通 200110
昼寝児にベッドの裾を貸してをり 田所節子 200110
昼寝などしていなかつた顔をして 山田弘子 円虹 200110
昼寝覚ピアノ練習曲運ぶ風 三枝邦光 ぐろっけ 200110
あづかつてゐること忘れ昼寝の子 細野みさを 200111
たましひの軽さが戻る昼寝覚 有働亨 馬醉木 200111
シャガールの青世界より昼寝覚 小島和子 百鳥 200111
富士山の爾来三百年昼寝 利根川博 銀化 200111
昼寝の子蝶来て卵産みつける 利根川博 銀化 200111
にんにくの転がつてをる昼寝覚 小形さとる 200111
電気治療その間昼寝にも誘ふ 岡田芳子 ぐろっけ 200111
救急車近くに止まる昼寝覚 片野光子 ぐろっけ 200111
万能薬と言ひつつ昼寝憚らず 下平しづ子 雨月 200112
目が見えて耳が聞えて昼寝覚 近藤忠よし 百鳥 200112
二階より降り来る昼寝覚の顔 近藤忠よし 百鳥 200112
そつけなき手足や秋の昼寝覚 坂本京子 200112
本に顔噛みつかれいる昼寝 貝森光大 六花 200112
しばらくは他人の身体昼寝覚 岡田章子 ぐろっけ 200112
昼寝覚がらんどうなる体かな 掛井広通 200201
昼寝覚ぐるり動物園なりき 岡井省二 200201
昼寝醒めはるかに今日の空の色 稲用飛燕 船団 200201
昼寝覚夢の続きのゴビ砂漢 濱口宏子 船団 200202
昼寝より覚め二日酔ひからも醒め 稲森柏郎 200203
留守と言へ我は只今昼寝中 小川匠太郎 200207
覚えなき声に起され昼寝覚め 小川匠太郎 200207
昼寝するために励んでゐるやうな 稲畑汀子 ホトトギス 200207
昼寝覚め仕事のつづき待つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200207
大覺は教へぬものや昼寝覚 葛迫空山 銀化 200207
昼寝子のからだゆるりとほどけたる 石山正子 銀化 200207
回帰線たゆたふ船に昼寝せり 品川鈴子 ぐろっけ 200207
世の端につくづく居りし昼寝覚 亀丸公俊 銀化 200208
揺り椅子の昼寝の揺れの止まりけり 竹山みや子 築港 200208
うろくづの張りついてをる昼寝覚 栗栖恵通子 200208
転がつて昼寝子母の胸に止まる 岩木茂 風土 200209
昼寝さへ夫唱婦随と決めてゐる 石岡祐子 200209
なにもかも放棄してみる大昼寝 塩川雄三 築港 200209
昼寝より覚めて遠くに土不踏 鷹羽狩行 200209
しばらくは血を横たへて昼寝覚 鷹羽狩行 200209
傍流をはばかることもなく昼寝 片山由美子 200209
大西部昼寝びたりのバスの旅 中村克久 雲の峰 200209
昼寝覚め顔の凹凸確かめて 市川英一 遠嶺 200209
四次元の薄日の中の昼寝覚 石山惠子 遠嶺 200209
呆け護符を枕に入れて昼寝かな 白鳥義岳 帆船 200209
肉塊の饐えゆくごとく昼寝せる 亀田憲壱 銀化 200209
漣は空にもありて昼寝覚 奥澤和子 200209
かたはらに携帯電話昼寝覚め 平万紀子 200210
全開の寺に昼寝の園児たち 福田蔦恵 帆船 200210
昼寝夫甲冑のごと口開けて 升田ヤス子 200210
昼寝中宅急便に起されし 小泉豊流 酸漿 200210
予後更に小さくなりぬ昼寝妻 小泉豊流 酸漿 200210
ひと見舞ふことの続きし昼寝かな 中原春代 百鳥 200210
一畳に納まつてゐる昼寝かな 八田春木 百鳥 200210
薪割りて山の昼寝を楽しめり 岡田信雄 百鳥 200210
午後二時の練習開始まで昼寝 青池亘 百鳥 200210
昼寝覚め天井の染み笑ひをり 山遊亭金太郎 百鳥 200210
解体の古家の蔭に昼寝する 岸直人 築港 200210
翁眉だいじに昼寝し給へり 木曽岳風子 六花 200210
アルバムの開いてありし昼寝覚 米澤光子 火星 200210
甲子園すでに決着昼寝覚 泉田秋硯 200211
昼寝の子勉強中の札を掛け 池谷市江 200211
龍宮に暫し遊べり昼寝覚 小林あかり 遠嶺 200211
昼寝覚干物たたむ母のそば 秋田谷明美 帆船 200211
触れ合へるふくべの音の昼寝覚 城孝子 火星 200211
永眠と昼寝の間の口渇く 武田菜美 銀化 200211

 五千石忌近し

秋昼寝先師のおほきこゑに覚む

八條凛子 銀化 200211
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2021年6月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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