昼 寢 1            100句

ひたひたと母のすぎゆく晝寢覺    高島茂

三尺寝   昼寝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
競馬には負けて昼寝がしたくなる 山田弘子 春節 199503
肉むらのいちまいつなぎ昼寝覚 栗栖恵通子 199808
あめつちに癌の身委ね昼寝せり 三浦勲 199808
昼寝より覚めて世間といふところ 岡部玄治 199809
昼寝覚ゑのころ草が総揺れに 山尾玉藻 火星 199810
起工式蝉も昼寝の昼下り 神沢雄次郎 ホトトギス 199810
昼寝覚ほんたうに母死に給ふ 竪岩百合子 199810
遺跡掘りの昼寝まで見る見学者 金升富美子 199810
昼寝さめ友の訃報の電話なり 的場うめ子 ぐろっけ 199810
舟にゐることは忘れて昼寝覚 三浦美穂 199811
昼寝覚めさみしきものに足の裏 三浦美穂 199811
昼寝だけして帰りたる夫婦かな 木野本加寿江 火星 199811
指の血の美しきかな昼寝覚 鳥居真里子 船団 199811
秋晝寢莫告藻を曳く重さあり 中原道夫 銀化 199811
旅いよよ淋しき昼寝覚めにけり 岡本眸 199811
昼寝覚め時計の針も盗まれぬ 川島ひとみ 船団 199812
猫、おとこ昼寝のわたしを越えてゆく 川島ひとみ 船団 199812
ふくろうへ内緒のお昼寝そっとキス 尾上有紀子 船団 199902
昼寝妻さめて厨へ辿るなり 皆吉爽雨 船団 199903
昼寝覚薔薇垣いつか見飽きたり 皆川盤水 高幡 199905
椋鳥の並びてゐたる昼寝覚 山尾玉藻 火星 199907
武士道の昔ありけり昼寝せり 栃内和江 199907
手はじめに地獄へ墜ちる昼寝かな 山野みどり 銀化 199907
手枕は釈迦に倣ひて昼寝びと 鷹羽狩行 199908
天竺よりやうやく戻り昼寝覚め 鷹羽狩行 199908
次の間に脚の在るなり昼寝覚 亀丸公俊 銀化 199908
只今の声に目覚める大昼寝 大平保子 いろり 199908
言い訳は充電中と昼寝かな 伊藤一歩 いろり 199908
鍵かけて留守をよそほふ昼寝かな 八染藍子 199909
浴室に蟷螂のゐる晝寢覺 小山森生 199909
毅然たる母の横顔昼寝顔 八木岡博江 酸漿 199909
昼寝より覚め一憂に戻りたる 山田弘子 円虹 199909
関西弁ふえをり車中昼寝覚 林翔 199909
建具師の昼寝にひらく鉋胼胝 大畑善昭 199909
濤音のすこし淋しき昼寝覚 山田三江子 199909
昼寝覚め夢のつづきの浪の音 明田和子 199909
網戸洗ひ透き来る風の昼寝かな 大橋晄 雨月 199909
こゑ阿々と出しゐる嬰の昼寝覚め 朝妻力 俳句通信 199909
盆の窪に残る昼寝の深さかな 朝妻力 俳句通信 199909
晝寢覺宇治の早瀬を近うして 中原道夫 銀化 199909
晝寢覺かの世の疊目の粗き 中原道夫 銀化 199909
昼寝子の何を夢みるうす笑ひ 山本潤子 いろり 199909
昼寝覚め釦ひとつをかけ違へ 有吉桜雲 199910
長かりき昼寝よりぬけ水を打つ 神蔵器 風土 199910
水中を歩いて来たる昼寝覚 奥田節子 火星 199910
声阿々と出しゐる嬰の昼寝覚 朝妻力 春耕 199910
しばらくは宙見つめゐる昼寝覚 岡本明美 俳句通信 199910
昼寝覚むどうも一ト雨来る気配 保坂加津夫 いろり 199910
夕佳亭深き昼寝のときを得て 保坂加津夫 いろり 199910
眼鏡頭に胸裸さらして昼寝かな 太田蓁樹 馬醉木 199911
昼寝覚まともに暑き日矢来るとき 金子兜太 海程 199911
落し穴から星見えている昼寝覚 村山和子 海程 199911
箍なしの樽でありたる秋晝寢 中原道夫 銀化 199911
尖塔傾ぐにまかす秋晝寢 中原道夫 銀化 199911
スコップを立てて昼寝や三尺寝 坂井まさき 六花 199911
奈落より戻りしごとき昼寝覚 能村登四郎 芒種 199911
しばらくは長昼寝せし悔の中 能村登四郎 芒種 199911
退院後妻の昼寝が続きをり 永野秀峰 ぐろっけ 199911
柔道刈り昼寝の鼾二階まで 水野範子 ぐろっけ 199911
目覚めゐて光が匂ふ秋昼寝 川島真砂夫 199912
残暑かな火の字のような昼寝相 董振華 海程 199912
オウム貝古代の夢を抱き昼寝 吉村玲子 船団 199912
昼寝より覚めしウツボの大欠伸 吉村玲子 船団 199912
全身を放り出したり昼寝の子 津田このみ 月ひとしずく 199912
昼寝子の大人の如く淋しき貌 本橋怜加 冬牡丹 200003
バオバブの花見たやうな昼寝覚め 深澤鱶 ヒッポ千番地 200004
花火師が昼寝している河川敷 三宅やよい 玩具帳 200004
川の字のまん中は母昼寝かな 三井孝子 六花 200006
昼寝より目覚め見廻しても一人 中村祭生 ぐろっけ 200006
保母一人大忙しや園昼寝 稲畑廣太郎 ホトトギス 200007
昼寝起少し世情は変はりしか 稲畑廣太郎 ホトトギス 200007
頬杖の支へはづれて昼寝覚 鷹羽狩行 200007
昼寝覚め外は紫紅に昏れてゆく 保坂加津夫 いろり 200007
のどちんこ見せ愛妻の大昼寝 築城百々平 馬醉木 200008
しばらくは昼寝重りの手足かな 鷹羽狩行 200008
昼寝より覚め空でなし海でなし 村山秀雄 200008
一次元失せたる心地昼寝覚 塩路隆子 精鋭選集 200008
藤椅子や亡父昼寝せしときのまま 永野秀峰 ぐろっけ 200008
地下足袋の鞐はづして杣昼寝 藤谷紫映 馬醉木 200009
目の前に犬の腹ある昼寝覚 大山文子 火星 200009
風鈴を吊し馬術部昼寝中 高村梢子 火星 200009
子蟷螂昼寝の猫の鼻の先 鈴鹿百合子 京鹿子 200009
子の名前決めかねてゐる昼寝かな 森裕子 円虹 200009
萬里來て戻れぬ日なり晝寢覺 中原道夫 銀化 200009
吹抜けの拝殿昼寝許されよ 宮川杵名男 春耕 200009
のどぼとけ鳴らし昼寝をめざめけり 岡田鉄 200009
昼寝覚め祖母のタンスを眺めたり 篠田三七子 いろり 200009
束の間の昼寝に本の崩れをり 桑垣信子 いろり 200009
老いてなほ現役の医師昼寝せる 永野秀峰 ぐろっけ 200009
脊の骨を抜きて干したる昼寝かな 森猿彦 200010
昼寝覚まはりのもののたてよこに 田中英子 火星 200010
窯の火を止めし昼寝でありにけり 福山悦子 円虹 200010
浜風や父と昼寝の茣蓙伸ばす 大木あきら 春耕 200010
昼寝かな亀を盥に泳がせて 白瀬露石 春耕 200010
昼寝する手枕なればすぐ覚めて 保坂加津夫 いろり 200010
本読めばいつか昼寝をして仕舞ふ 熊谷みどり いろり 200010
蜆汁昼寝覚雲の落し穴に落ちて しおやきみこ 船団 200010
田舎より出て来てすぐに昼寝の母 阿部寒林 200010
畳より我が身をはがす昼寝覚 南方惇子 馬醉木 200011
船宿に昼寝の足の見えてをり 吉岡久江 火星 200011
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2021年6月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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