三尺寢 1            100句

見る夢はみな過去の人三尺寝   清水保

三尺寝   昼寝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
乙訓の風をたのしむ三尺寝
山田弘子
春節
199503
潮騒を枕としたり三尺寝
山田弘子
円虹
199909
スコップを立てて昼寝や三尺寝
坂井まさき
六花
199911
鳶職が足場の板に三尺寝
永野秀峰
ぐろっけ
199911
三尺寝する暇のなく記念館
稲畑廣太郎
ホトトギス
200007
石の亀真前に漢三尺寝
山城やえ
春耕
200009
三尺寝ピサの斜塔をささへたる
田畑保英
火星
200010
船揺れに身を任せたる三尺寝
柴田由乃
風土
200106
杉山のちかぢかと有る三尺寝
大和田鏡子
俳句通信
200109
三尺寝箒に乗って空を飛ぶ
田中藤穂
あを
200109
地下足袋の脱ぎ散らかされ三尺寝
辻由紀
雨月
200111
三尺寝鳶職ビルの鉄骨に
永野秀峰
ぐろっけ
200111
わたつみを犀と駈けける三尺寝
延広禎一
200207
鳶の男足場の上の三尺寝
中野たけみ
雨月
200208
三尺寝釦の跡が二の腕に
篠田純子
あを
200208
舟番のかはりばんこの三尺寝
桑田眞佐子
火星
200209
首筋に太き静脈三尺寝
陶山泰子
ぐろっけ
200212
三尺寝和蘭陀塀の影を借り
宮津昭彦
200308
神木によき風生るる三尺寝
川村政枝
築港
200309
風のみちここぞと決めて三尺寝
岡野俊治
遠嶺
200310
三尺寝札所めぐりの運転手
城下明美
ぐろっけ
200310
三尺寝千畳閣のど真ん中
谷口智子
200312
目覚めても起き上がられず三尺寝
永田勇
六花
200312
三尺寝して囲む碁の順を待つ
加藤抱石
帆船
200409
食ひだふれ生き永らへて三尺寝
大島寛治
雨月
200409
磁気浮上させたき体三尺寝
楯野正雄
200410
読みかけの書を俯伏せに三尺寝
安藤ヒサ子
河鹿
200410
傀儡めく見習コック三尺寝
篠田純子
あを
200410
実習の牧夫寝藁に三尺寝
佐藤哲
万象
200411
櫂の音遠くなりゆく三尺寝
馬場秀
万象
200503
世の隅を借りる思ひや三尺寝
吉田裕志
200509
大樟のおどろの下に三尺寝
水野加代
万象
200510
駱駝飼駱駝の陰の三尺寝
金山藤之助
200512
三尺寝の漢未完のガレージに
平野きぬ子
八千草
200602
三尺寝人魚に蹠掻かれたる
延広禎一
200608
ルビコンを渡つてからの三尺寝
高橋将夫
200609
縞馬の縞のよろける三尺寝
野澤あき
火星
200609
隣り家を壊す轟音三尺寝
泉田秋硯
200611
大志てふ言葉むなしく三尺寝
吉田裕志
200611
闇に浮く御用提灯三尺寝
梶浦玲良子
六花
200708
作業車にずらりシャツ干し三尺寝
石田玲子
200710
繕ひし網を枕に三尺寝
吉沢陽子
200710
鉋屑足に絡めて三尺寝
窪田粧子
馬醉木
200711
六尺のベンチに足りて三尺寝
岩垣子鹿
ホトトギス
200712
勾玉のかたちさながら三尺寝
有吉桜雲
200802
槍岳への鎖場前に三尺寝
藤井久仁子
ぐろっけ
200802
川端は句作ジョギング三尺寝
稲畑廣太郎
ホトトギス
200807
エンジンの地にひびきゐる三尺寝
浜口高子
火星
200809
三尺寝夢の記憶に盆踊り
笠井清佑
200810
大き足宙に突き出し三尺寝
森岡正作
200810
棟梁の屈託のなき三尺寝
北川とも子
ぐろっけ
200811
仏師の座穢してならじ三尺寝
天野みゆき
風土
200811
錆の浮くフェリー大型三尺寝
山本浪子
風土
200908
宇宙食を所望したりき三尺寝
延広禎一
200909
鳶職が柱に凭れ三尺寝
中山静枝
200909
松の根を枕にしたる三尺寝
山田六甲
六花
200909
てのひらの万金丹の三尺寝
西村純太
200910
草に頬くすぐられ覚む三尺寝 田辺博充 201008
地下足袋を重ねし枕三尺寝 吉村摂護 201009
いくさ世の文庫砦に三尺寝 田下宮子 201010
霊峰の風真つ向に三尺寝 宮井知英 201010
裏方の小屋の奈落に三尺寝 松田明子 201011
本尊に足向けてをり三尺寝 山田六甲 六花 201105
さらばへて無口のほかは三尺寝 堀内一郎 あを 201107
読みかけのニーチェ片手に三尺寝 石川かおり 201110
三尺寝足場の陰をたつぷりと 甲州千草 201110
職人の鉢巻きのまま三尺寝 江見巌 六花 201110
見習ひのほどよき距離よ三尺寝 亀井紀子 201205
琉球の畳に遊ぶ三尺寝 山田六甲 六花 201206
一のゴビ二のゴビの間に三尺寝 鳥居おさむ 万華鏡 201206
庭師らは顔にタオルの三尺寝 増本明子 ぐろっけ 201208
腹に伏せし本上下する三尺寝 史あかり ぐろっけ 201209
罪のない顔を並べて三尺寝 小池清司 かさね 201210
出漁の前の船縁三尺寝 中村嚢介 ホトトギス 201210
工事場に安全の文字三尺寝 栗原公子 201210
鳶職の場所を選ばず三尺寝 小倉純 末黒野 201211
腕時計外し男の三尺寝 横内かよこ ぐろっけ 201211
棟梁に間を置き弟子の三尺寝 岡野里子 末黒野 201211
職人の袢纏枕に三尺寝 安藤虎酔 かさね 201301
アイロンをかける夢みる三尺寝 宮田香 201310
黄道や壁にはりつく三尺寝 中島陽華 201310
山頂に三尺寝せる漢かな 林紀夫 春燈 201310
あかんぼが河馬のとなりで三尺寢 佐藤喜孝 あを 201311
邯鄲の夢に焦がるる三尺寝 村上倫子 201410
胃カメラに癌はにつこり三尺寝 西田孝 ろんど 201411
山あらし針をたたんで三尺寝 後藤眞由美 春燈 201412
船鍛冶の土間つつ抜けや三尺寝 鈴木鳳来 故山 201505
恙なしところ選ばぬ三尺寝 新海英二 春燈 201509
百丈の阿倍野ハルカス三尺寝 柳川晋 201510
二リットル入りペットボトル枕に三尺寝 篠田純子 あを 201510
棟梁の枕は木切れ三尺寝 岡野里子 末黒野 201511
道具みな数へなほして三尺寝 吉田葎 201511
論文の山を枕に三尺寝 近藤真啓 春燈 201512
四阿を出て行く影や三尺寝 山田六甲 六花 201609
普陀落の風を盗みて三尺寝 熊川暁子 201610
ケセラセラ斯く心得て三尺寝 久保夢女 201610
手を入れしばかりの樹下に三尺寝 中根美保 風土 201610
店番の二人媼や三尺寝 佐藤哲 万象 201611
釣り糸をたらし木蔭に三尺寝 佐藤康子 末黒野 201611
それぞれに好みの場所や三尺寝 小島翠波 201612
三尺寝 →2      

 

2023年7月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。