引 鴨 2     77句

春の鴨  残り鴨  引鴨  鴨帰る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
引鴨の群れの助走の気迫かな 金子慶子 遠嶺 200807
鴨引いて池を広しと思ひけり 塩千恵子 200808
引鴨の何処で竿に交はらむ 末吉治子 春燈 200905
鴨引きて電話ボックス灯りゐる 浜口高子 火星 200905
鴨引くやつぶやき眠る雨後の沼 渡邉友七 あをかき 200906
鴨引いて吊せし侭の双眼鏡 松本文一郎 六花 200907
引鴨のあと雲の浮く日本海 安達実生子 201005
鴨引くや転勤なしの子の家族 竹内悦子 201005
引く鴨にいよよ幼しかいつぶり 竹内弘子 あを 201005
引鴨にまだととのはぬ空のいろ 林郁子 201006
日当りに引鴨濡羽繕へる 小野良高 酸漿 201006
鴨引いて元の中州となりにけり 白石正躬 やぶれ傘 201006
鴨引きてむなし野池の鎮もるる 博多永楽 雨月 201006
鴨引くや渚に果つる波ばかり 小林朱夏 201006
引く鴨に月山空を拡げけり 伊藤ふみ 馬醉木 201006
引鴨や人は踵をかへすのみ 竹内弘子 あを 201008
引鴨に明るき空や多宝塔 雨村敏子 201008
鴨引いて魂抜けの水広々と 井上浩一郎 ホトトギス 201009
鴨引きてさざなみ途切れとぎれかな 柿沼盟子 風土 201101
十五夜を明日に鴨の引きにけり 丸山照子 火星 201102
鴨引いて昏れゆく空のあるばかり 上原恒子 雨月 201105
引鴨の終ひの拠り所の汽水池 田中貞雄 ろんど 201106
鴨引くや塩田の町暮れなづむ 和田孝村 春燈 201106
引鴨のくつがへしたる沼一つ 熊川暁子 201107
鴨引きて水面平らになりにけり 村田慶子 末黒野 201107
鴨引きぬ大阪城の陣を解き 古賀しぐれ ホトトギス 201107
引くといふこと鴨にあり人にもあり 安住敦 春燈 201112
鴨引いて湖面虚しくなりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
鴨引いて行く大地震を見下して 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
鴨引きし濠の水面を雨の打つ 久永つう 瀬戸の海 201203
鴨引きてぽつねんと浮く竹生島 浅井吉雄慈 夕端居 201203
鴨羽撃つ引く日間近かの昂りに 谷田部栄 万象 201205
引鴨を仰ぎ己の影残る 柳生千枝子 火星 201205
漣に言葉残して鴨引けり 生田恵美子 風土 201206
鴨引いて川面にきょうの日が昇る 鎌田悟朗 ろんど 201206
引き鴨を発たせむと寄す大き波 宮坂恒子 201304
鴨引きし水の夕べとなりにけり 井上春子 春燈 201306
引鴨の気配の池のただならず 鈴木一三 末黒野 201306
引く鴨に水そはそはと日を返す 和田照海 京鹿子 201306
引鴨の田面に巨石坐りあり 山田六甲 六花 201403
引き支度整ふ鴨の羽艶かな 塩路隆子 201404
引鴨の雲居より日矢さしこぼれ 室伏みどり 雨月 201405
引鴨や磁針の北を指すがごと 高橋明 末黒野 201406
鴨引きて浜に安堵の戻りけり 後藤マツエ 201406
引き鴨の群れの阿畔の呼吸かな 西川みほ 末黒野 201407
鴨引いて風の湖面となりにけり 森俊人 201408
鴨引きし川面に街の灯影かな 石原節子 春燈 201505
鴨引きて一湾の星錆びにけり 福永みち子 馬醉木 201506
引鴨や西郷どんの目になみだ 山田春生 万象 201506
鴨引きし沼にさざなみ昼下り 久世孝雄 やぶれ傘 201506
鴨引いて杭一本の残る池 福永幸子 末黒野 201507
べちゃべちやと引きどきの鴨水噛める 佐藤喜孝 あを 201604
手ぬかりのなき引鴨の離着水 松林依子 201605
引鴨の鼻梁りりしく翔ちにけり 森岡正作 201605
鴨引きて雨が水輪を生むばかり 馬屋原純子 馬醉木 201606
鴨引きて月せつせつと湖照らす 吉田順子 201606
鴨引くや光に聡き水の皺 福田禎子 末黒野 201606
鴨引くや群青もどる山上湖 森清堯 末黒野 201606
引鴨や末広がりのあかね空 黒滝志麻子 末黒野 201607
鴨引くや湖を一気に薄くして 七種年男 201704
水位標錆びたる河口鴨引けり 間宮あや子 馬醉木 201707
引鴨のこころ急かるる河明り 松尾龍之介 201707
番鴨引きたる池の静寂かな 川西栄江 末黒野 201707
鴨引きし湖に夕波走りけり 柴田佐知子 201707
引く鴨の空の続きに鹿島灘 岡田貞峰 馬醉木 201707
初鴨の離宮の池に水尾を引く 飛高隆夫 万象 201802
豊かなる水を残して鴨引けり 笹村政子 六花 201806
引鴨へ日和つづきの湖平ら 和田照海 京鹿子 201806
鴨引くや酒のにほひの藏の上 中島陽華 201807
鴨引いて水面余白を広げゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
引きどきの干潟に鴨の来るは来るは 増成栗人 202002
引鴨に引力消えてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202103
放心の池を残して鴨引けり 浜田はるみ 202106
引鴨の渚に藻屑寄せゐたり 浅田光代 風土 202106
引鴨や湖へせり出す浮御堂 田中佐知子 風土 202205
鴨引くや香月泰男の絵具箱 鈴木崇 202206
引鴨や沼にそぼそぼそぼと雨 北村操 202206
引鴨 →1

 

2023年5月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。