初景色      223句

東京がじつとしてゐる初景色    黛まどか

初景色  初山河

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初景色三河の神の本宮山 松崎鉄之介 199903
佐渡ヶ島の翼を張るを初景色 石井たを子 199903
枝折戸を押し蕉庵の初景色 水野あき子 遠嶺 199905
葛飾は霜に芦伏す初景色 能村登四郎 芒種 199911
小松原朝の靄這ふ初景色 能村登四郎 芒種 199911
龍神の障の神訪う初景色 金子兜太 海程 200001
妙見を人の下りくる初景色 高野清風 雲の峰 200003
山坂のかかりの村の初景色 奥田節子 火星 200004
初景色羽根を傷めし白鳥も 山田美恵子 火星 200004
初景色マンション一つ加はりぬ 塩田博久 風土 200004
なんのかんのとミレニアムの初景色 澤本三乗 200004
愛車いま六十里越え初景色 吉田飛龍子 春耕 200009
どこまでも富士の蹤きくる初景色 鷹羽狩行 200101
一本の欅を据ゑし初景色 豊田都峰 京鹿子 200102
鷹の舞ふマッターホルン初景色 牧悦子 200103
四本の点滴壜も初景色 池尻足穂 俳句通信 200103
遠富士を背の大鳥居初景色 阿久津都子 春耕 200103
野壼にも日のあたりそめ初景色 遠藤若狭男 200202
鳶鳴きて源氏の宮の初景色 朝妻力 雲の峰 200202
多摩の尾根木立の透ける初景色 増田八重 酸漿 200203
富士の嶺に白雲流る初景色 小菅高雪 春耕 200203
果樹畑を番ひの雉や初景色 太田陽子 春耕 200203
壁面に象とキリンや初景色 植松美根子 200204
曳船の綱に瘤ある初景色 藤井淑子 百鳥 200204
わが村の紫がかる初景色 岸本林立 雨月 200204
初景色皇居の松のよく映えて 萩谷幸子 雨月 200204
葱畑の畝の高さや初景色 水田清子 200204
耳癈ひず眼翳まず初景色 後藤比奈夫 ホトトギス 200205
丸山の松の緑も初景色 桑田青虎 ホトトギス 200207
初景色蛇口の水が天向いて 嵯峨根鈴子 火星 200207
たまに飛ぶものを加へて初景色 鷹羽狩行 200301
どんよりと山河ありけり初景色 塩川雄三 築港 200303
餌付場に鳥の群れゐる初景色 上原一郎 築港 200303
ハリーポツター箒の先の初景色 神蔵器 風土 200303
日の丸の息吹きかへす初景色 にいざ蚯蚓 銀化 200303
初景色撮らむと夫の翁眉 谷口みちる 200303
降る雪に鶉のきらきら初景色 長田秋男 酸漿 200303
林立の杭に川鵜や初景色 網野茂子 酸漿 200303
貫之の渡りし海や初景色 次井義泰 200304
初景色耳刺す光ありにけり 鳴海清美 六花 200305
初景色なにを噛まんと立つクレーン 芦川まり 八千草 200308
初景色三町合併甲斐市成る 小田切陽子 帆船 200402
湾凪ぎて歩けさうなる初景色 高橋としを 酸漿 200402
多摩の尾根木立に透ける初景色 増田八重 酸漿 200403
静かなる白波寄する初景色 梅田秀子 酸漿 200403
青鷺に迎へられたり初景色 原田敦子 酸漿 200403
動くもの雲とすずめと初景色 神蔵器 風土 200403
籬垣に鹿顔を出す初景色 岡本明美 雲の峰 200403
体操をする老人も初景色 青山丈 200403
蒼穹へ富士玲瓏と初景色 山口順子 200404
この峰に晴子立ちゐし初景色 大山文子 火星 200404
何も無きことなどはなし初景色 八田木枯 夜さり 200409
曳航の水脈を一つに初景色 鷹羽狩行 200502
乗り越して戻る車窓の初景色 大串章 百鳥 200502
雪のほか何も見えざり初景色 長田秋男 酸漿 200503
かもめなど数へてをりぬ初景色 徳植よう子 200503
鴨の向き一つに揃ふ初景色 大庭三千枝 200503
信貴生駒歴然とあり初景色 塩川雄三 築港 200503
生駒より一目八景初景色 塩川雄三 築港 200503
二月堂望む生駒の初景色 塩川滋也 築港 200503
立ち並ぶ松に風格初景色 増田敏子 築港 200503
高階に日の丸なびく初景色 内海なみ 200503
いかづちに照らし出さるる初景色 中條睦子 万象 200504
房総の潮目あざやか初景色 加藤和子 六花 200504
合併に島の名残す初景色 二階堂妙子 河鹿 200504
縞馬も獏も横向き初景色 大山夏子 200507
海鳥の命耀ふ初景色 田所節子 涼しき嵩 200511
初景色礎石の並ぶ都府楼趾 安田繁子 200603
見慣れたる我家の庭の初景色 東芳子 酸漿 200603
連山の煙に歪む初景色 高倉和子 200603
ながさきもうつすらと雪初景色 苑田ひろまさ 200604
まるごとに遠嶺を視野の初景色 野田梅月 遠嶺 200604
佐保川に鳥の遊べる初景色 小池槇女 火星 200604
金鈴子古都に仰ぐも初景色 永田二三子 酸漿 200604
赤き実を鵯ながめをる初景色 北島上巳 酸漿 200604
沖待ちのなべて富士向く初景色 栗下廣子 万象 200605
詠ふゆゑ一樹は丘の初景色 豊田都峰 京鹿子 200702
初景色湖美しき郷に住み 本藤みつ 200703
初景色二礼して発つ明鴉 天野きく江 200704
鳰たちに顔ありにけり初景色 城孝子 火星 200704
ひと雨のありし運河の初景色 垣岡暎子 火星 200704
いつまでも更地のままに初景色 池崎るり子 六花 200704
初景色今日より通行止めの道 布川直幸 200705
初景色湖面ひそかな流れもち 秋山ユキ子 200705
電線に鴉待機の初景色 中島英子 八千草 200707

 「伊吹嶺」十周年を祝して

富士につづきて伊吹嶺の初景色

鷹羽狩行 200801
九十を三つ越えたる初景色 冨田みのる 200801
湧き水の山河わが町初景色 白澤よし子 馬醉木 200803
深ぶかと雪に明けたる初景色 金山千鳥 酸漿 200803
離陸いま首都の灯傾ぐ初景色 薮脇晴美 馬醉木 200804
空港の展望デッキや初景色 山崎泰世 200804
海彦も山彦もゐる初景色 丸山照子 火星 200804
能舞台めぐる水面の初景色 中野京子 200804
初景色版画にも似て音の無し 山田をがたま 京鹿子 200804
戸を繰れば庭の草木も初景色 東芳子 酸漿 200804
穏やかな波に鳥浮く初景色 邑橋淑子 遠嶺 200805
オリオンの残像著き初景色 小澤克己 遠嶺 200901
お包みの嬰のくつさめ初景色 山尾玉藻 火星 200902
石走る垂水の杜の初景色 大橋晄 雨月 200902
白鷺の立つ影川に初景色 谷寿枝 酸漿 200903
目の前に日の射しわたる初景色 東芳子 酸漿 200903
真青なる空一枚や初景色 田島洋子 200903
我が句碑のほとり艶めく初景色 藤岡紫水 京鹿子 200904
天地の容整ふ初景色 鈴木撫足 春燈 200904
しののめの河内山城初景色 谷村幸子 200904
大岩に鳶の下り立つ初景色 樋口みのぶ 200904
ほとけ等のでこ大きかり初景色 城孝子 火星 200904
戸を操りて松冴々と初景色 大塚洋子 酸漿 200904
タワーより京八方の初景色 横井博行 万象 200905
ひたち野に風の百態初景色 布川直幸 201001
見回して山ばかりなる初景色 滝沢伊代次 万象 201001
湖の鴨が田にゐる初景色 山尾玉藻 火星 201002
初景色携帯電話胸に挟み 堀内一郎 あを 201002
潮風に浜の砂飛ぶ初景色 阿部月山子 万象 201003
楢山の木立浮びし初景色 八木岡博江 酸漿 201003
安芸よりも伊予の山巓初景色 和田照海 京鹿子 201004
父母のなき故郷の初景色 金子つとむ ろんど 201004
宿を出て十歩の富士を初景色 乙坂きみ子 末黒野 201004
あをあをと日本の空初景色 岡田誠吾 201004
どの船も大漁旗立つ初景色 松井千鶴子 201004
見慣れたる窓改る初景色 稲畑汀子 ホトトギス 201007
かはせみの失せたる杭も初景色 山尾玉藻 火星 201102
山神を祀りし漁村初景色 坂上香菜 201103
初景色古都を俯瞰の鬼瓦 前川ユキ子 201103
新塔に未来ふくらむ初景色 宮内とし子 201103
静寂の四方真白なる初景色 横井明子 201104
日の海を鵜のよぎりたる初景色 西本才子 万象 201104
初景色真摯に渡る青信号 久米なるを 201104
初景色松影喜々と惜しみなく 鴨下昭 201104
水見つつ水に寄る鹿初景色 城孝子 火星 201104
山鳩の番むつめる初景色 菅野日出子 末黒野 201104
見なれたる二タ上山なれど初景色 石垣幸子 雨月 201104
初景色琵琶と比叡を前後ろ 岸本久栄 雨月 201104
ビル街に居て初景色とは孤独 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
初景色てふ狭庭にもある気品 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
初景色火の島一つ海上に 吉永すみれ 風土 201112
富士よりも故郷の山の初景色 高橋将夫 201201
初景色とは六甲の白さにも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
初景色とは万物を白くして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
手向花ふるへをりけり初景色 山田六甲 六花 201201

 岡崎伸句集『遠眼鏡』

初景色手筒絞りの遠眼鏡

能村研三 201202
鳥の来て煌めく川面初景色 山本孝夫 201203
煙突のめつきり減つて初景色 辻直美 201203
初景色しばらく富士に真向へり 小林共代 風土 201203
富士の山白無垢姿初景色 安藤虎酔 かさね 201203
世界一のスカイツリーや初景色 安藤虎酔 かさね 201203
東雲に今年占ふ初景色 小池清司 かさね 201203
北に箕面東に生駒初景色 大橋晄 雨月 201203
山と川痩せゐる里の初景色 中山皓雪 201204
あららぎの風鐸の鳴る初景色 村上すみ子 201204
眼間に伊豆七島や初景色 西川みほ 末黒野 201204
今年また鎌倉を詠む初景色 大西よしき ろんど 201204
今年またかまくらを詠む初景色 大西よしき ろんど 201204
ショベルカー止まりしままや初景色 涼野海音 火星 201204
御陵越しの金剛山葛城山初景色 石垣幸子 雨月 201204
山里の明けの金色初景色 出口貴美子 雨月 201204
黒潮に入日を惜む初景色 西出しず子 雨月 201204
初景色見慣れし町の清々し 関根ひろみ 201205
相生の松白銀に初景色 中條今日子 万象選集 201205
しぶきあげ川鵜翔け出す初景色 大村峰子 万象選集 201205
大川に茜さしたる初景色 森岡恵子 万象選集 201205
能登富士のくつきり見ゆる初景色 伊藤美音子 万象選集 201205
光圀の現れさうな初景色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
君忘る事勿れこの初景色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
初景色言ふたらやつぱ富士でせう 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
子規虚子を学ぶ心に初景色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
荒風のけふは息継ぎ初景色 山田六甲 六花 201301
千年の景なる塔の初景色 橋本靖子 201303
音すべて静まりてをり初景色 赤座典子 あを 201303
人波の城へつづける初景色 加古みちよ 火星 201304
明けてゆく四周ひろがる初景色 原田達夫 201304
鉛筆を揃へ机上の初景色 雨村敏子 201304
一本の松より開く初景色 内藤静 風土 201304
霧晴れて生駒連山初景色 大石喜美子 雨月 201304
たたなはる大和青垣初景色 村上悦子 雨月 201304
初景色雀と猫と亭主どの 高野春子 京鹿子 201304
日の丸を風の押しあぐ初景色 城戸緑 末黒野 201304
丹沢の山越しに富士初景色 濱野新 やぶれ傘 201304
初景色神の賜ひしものばかり 松田明子 201304
世界一スカイツリーや初景色 安藤虎酔 かさね 201312
しろがねの山を屏風に初景色 山田六甲 六花 201401
かたはらに錆錨ある初景色 伊藤白潮 201401
木場堀を和船行き交ふ初景色 鈴木良戈 201403
連歌所に雀来てゐる初景色 林範昭 火星 201403
ひよどりの声の行き交ふ初景色 荒木甫 201403
ローカル線下りて広がる初景色 金井裕子 風土 201404
三山に気球とどまる初景色 城孝子 火星 201404
さくらさくら白湯に浮かびて初景色 浜福惠 風土 201404
家並に日の丸の無き初景色 すずき巴里 末黒野 201404
水鳥の啼き交し飛ぶ初景色 平居澪子 六花 201404
着水の音たてて鴨初景色 佐々木秀子 201404
光溜る枝に雀や初景色 田代貞枝 201404
真青なる空一枚の初景色 松田明子 201406
寝姿の但馬連山初景色 山田六甲 六花 201501
あをぞらに世界遺産の初景色 すずき巴里 ろんど 201501
庭に来て飛び交ふ鳥や初景色 塩路五郎 201503
一峰を父と仰げり初景色 塩路隆子 201503
山並を分けて日の出の初景色 笹井康夫 201503
刈込みし木々の小庭も初景色 植田初美 春燈 201503
百八つの鐘の余韻の初景色 押田裕見子 201504
見霽かす大和三山初景色 北尾章郎 201504
雨戸繰り白銀眩し初景色 阪本哲弘 201504
初景色流れのままに川の影 市川伊團次 六花 201504
しばらくは鶚の空や初景色 比嘉半升 万象 201505
唐崎の松荘厳の初景色 播磨武子 雨月 201505
悠久の大河横たふ初景色 竹下陶子 ホトトギス 201508
初景色虚無僧の佇つ深編み笠 大山夏子 201508
ふる里の路地に思ひ出初景色 布川直幸 201601
まだ闇の手の内にある初景色 安居正浩 201603
大学の塔の輝く初景色 大橋晄 雨月 201603
父母の墓訪ふ沿線の初景色 岸洋子 201603
新塔に雲のたなびく初景色 五十嵐章子 201604
江の島に鳶の高舞ふ初景色 佐々木よし子 201604
初景色遠き汽笛を入れにけり 小林陽子 201604
一舟もなき大灘の初景色 和田照海 京鹿子 201604
綿雲を褥に富岳初景色 西川みほ 末黒野 201604
見慣れたる海峡なれど初景色 笹村政子 六花 201604
明石の門一鳥渡る初景色 森脇貞子 雨月 201604
ペンキ絵のやうに富士立つ初景色 金子正道 京鹿子 201605
大学の塔の輝く初景色 大橋晄 ホトトギス 201606
海の上に橋横たはる初景色 岡村尚子 201606
上州の空を切り取る初景色 木暮陶句郎 ホトトギス 201607
出湯川白鷺一羽初景色 吉永すみれ 風土 201610
初景色 →2      

 

2021年1月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。