初山河       118句

初山河まづ日輪の渡りけり   藤井照子

初景色  初山河

作品
作者
掲載誌
掲載年月
煙這ひしあとちちははの初山河 浜口高子 火星 200104
夢褪せし大東亜なる初山河 佐藤海史 船団 200105
郵便の音の大きく初山河 田中矢水 遠嶺 200204
初山河心にともす国訛 高田好子 京鹿子 200204
初山河ふるさとの村透けて見ゆ 中杉隆世 ホトトギス 200205
人間の猪突止まらず初山河 西村みもざ 京鹿子 200206
よき泪ながせしあとの初山河 小澤克己 遠嶺 200210
初山河灯のこぼれゐる家のあり 山本田津子 200303
船笛の谺となりし初山河 近藤幸三郎 風土 200304
初山河見て来し妻の寝息かな 石川英利 百鳥 200304
頬挟む両手がありて初山河 柴田佐知子 200403
提督のぐいと見据ゑる初山河 原田竜子 河鹿 200404
初山河殊に襞濃き神の山 安藤ヒサ子 河鹿 200404
「天下の嶮」中学唱歌初山河 深川敏子 春燈 200503
降る雪にくるまれにけり初山河 長谷川春 200504
意気込みのさらりと眉に初山河 大曽根育代 遠嶺 200504
師の言の心に深し初山河 浅井美子 遠嶺 200504
示源流の一撃響む初山河 有島扇水 河鹿 200505
アポロンの神に砂絵や初山河 本田俊子 200506
初山河ふるさとに妻伴へる 淵脇護 河鹿 200604
黄せきれい山鳩ゐたり初山河 黒田咲子 200604
生かされし命しみじみ初山河 木下ふみ子 馬醉木 200703
黒々と龍の句碑立つ初山河 柴田佐知子 200703
無音界なりあかときの初山河 坂上香菜 時流 200703
長城へつづく禿山初山河 中島玉五郎 200704
初山河石を濡らして鷺立てり. 鈴木直充 素影 200811
今生の一句まだなし初山河 加藤克 200902
灘よりの永久の日の出を初山河 小野喬樹 馬醉木 200903
メールにて愛の告白初山河 佐藤良重 炎環 200903
初山河そのまま比叡の大三角 豊田都峰 京鹿子 200903
住み慣れし峡の景色も初山河 井関祥子 酸漿 200903
明るさの西へ西へと初山河 冨松寛子 200904
悠久の木曽の流れも初山河 服部珠子 雨月 200904
紫の雲の翼に初山河 松田都青 京鹿子 200905
濁り来し水晶体や初山河 田中良弘 200906
初山河そのかなたなるわが山河 豊田都峰 京鹿子 201003
氏神へ参る朝の初山河 井関祥子 酸漿 201003
アポロンの神駈けてくる初山河 谷中弘子 201003
歳時記の例句しみじみ初山河 遠藤和彦 遠嶺 201004
天の磐戸よりの歳月初山河 根岸善行 風土 201004
宇治橋に佇ち見て飽かぬ初山河 丹生をだまき 京鹿子 201104
生き生きと雲の生まるる初山河 山田春生 万象 201201
あらたまの鳶の一笛初山河 雲所誠子 風土 201201
はればれと一切空の初山河 遠藤真砂明 201203
初山河唯々日々の寧かれと 仙石君子 雨月 201203
大いなる空の下なる初山河 座古稔子 201204
初山河いつもの位置に正座して 上辻蒼人 風土 201204
初山河子はふるさととして仰ぎ 深澤鱶 火星 201204
龍天に昇るを見たり初山河 河内桜人 京鹿子 201204
ひろびろとわれのありけり初山河 井上菜摘子 京鹿子 201205
水音のこの道が好き初山河 井村和子 万象選集 201205
一声の汽笛突き抜け初山河 藤井君江 馬醉木 201212
まづまづは斎きごころに初山河 豊田都峰 京鹿子 201303
磯松の力秘めたる初山河 佐久間由子 201303
記紀の代のままに出雲の初山河 山本喜朗 雨月 201303
震度七以上の確率初山河 鴨下昭 201304
騎士の舞ふからくり時計初山河 延広禎一 201304
初山河橋の長きをとほりゆく 本多俊子 201304
点滴は脈に重なり初山河 中野京子 201304
海光に一人一世の初山河 遠藤真砂明 201403
まづ洗面済まし八十路の初山河 土井三乙 風土 201404
この下をリニア走るぞ初山河 甕秀磨 201404
初山河寂光放つ月の山 池内結 末黒野 201404
初山河とぼしき命ひとしおに 覚本秀子 ろんど 201405
日を浴びていよよととのふ初山河 布川直幸 201501
初山河形すなはち心なり 高橋将夫 201501
初山河道しるべ無き旅路かな 王岩 あを 201501
鳶の目に常の景あり初山河 菊川俊朗 201503
初山河見慣るる湖の青さかな 竹内悦子 201503
吾にまた白紙の心初山河 佐用圭子 201503
初山河飛び立つときは風に向かひ 大谷茂樹 京鹿子 201504
歳月の確かな重み初山河 寺田すず江 201504
初山河絵ごころあらば描かむも 玉置かよ子 雨月 201504
初山河吉祥の風立ちにけり 鈴木静恵 花こぶし 201508
動きそむ高層よりの初山河 窪田佳津子 雨月 201602
ふるさとへ弥増す思ひ初山河 荒井千瑳子 201603
初山河未来は今の中にあり 高橋将夫 201603
初山河大気の満つるところかな 岩下芳子 201603
初山河ノアの夢見し大地かな 有松洋子 201603
みささぎに続く玉砂利初山河 雲所誠子 風土 201604
あをかりし父母との旅の初山河 高橋道子 201604
いとしきものあるが幸せ初山河 椿和枝 201604
指文字は宇宙のことば初山河 中島陽華 201605
初山河ノアの夢見し大地かな 有松洋子 201608
石鎚山の空蒼茫と初山河 石本秋翠 馬醉木 201703
とぶ鳥の自在まぶしき初山河 山崎靖子 201704
ほのぼのと霊気漂ふ初山河 植村蘇星 京鹿子 201704
蜜柑山は大き日溜り初山河 池田光子 風土 201704
瑞祥の色に染まれる初山河 山本漾子 雨月 201704
彼の人の訛りあたたか初山河 北上正枝 201707
はればれと男杖持つ初山河 松橋利雄 春燈 201803
川底へとどく水音初山河 石橋邦子 春燈 201803
想はねば遠ざかるなり初山河 笹村政子 六花 201804
青年の視線は遥か初山河 片山煕子 京鹿子 201804
大天守出城山城初山河 植村蘇星 京鹿子 201812
伝書鳩放つ一戸や初山河 落合絹代 風土 201901
この道はいつか来た道初山河 沼田巴字 京鹿子 201901
空よりも川の明るき初山河 小林共代 風土 201903
初山河ましてや比叡の男振り 藤岡紫水 京鹿子 201903
初山河潜水艦のハッチ開け 三木亨 201904
初山河すつくと伸びし心柱 藤田美耶子 201904
初山河背すぢのばせと父のこゑ 池田光子 風土 201904
初山河胸裡しづかに流れゆく 西村白杼 京鹿子 201904
父祖眠る墓域の見えて初山河 藤生不二男 六花 201904
紙縒りめく煙ひとすぢ初山河 原友子 201906
師系五代しつかと繋ぐ初山河 上村葉子 風土 202004
信仰といふには遠く初山河 西川麻規 馬醉木 202004
師系五代しつかと繋ぐ初山河 上村葉子 風土 202102
一歩ふみだす初山河まのあたり 鷺山珀眉 京鹿子 202104
産土の大気満ちたる初山河 小林拓路 末黒野 202105
鶏鳴のこだま返しや初山河 和田照海 京鹿子 202203
君がいていいねと思う初山河 阿部さちよ 202204
窓越しの富岳阿夫利嶺初山河 今村千年 末黒野 202204
酒も良し句作もよろし初山河 岡田史女 末黒野 202204
寂しさはさみしさとして初山河 笹村政子 六花 202204
初山河父の大島紬着て 林徹也 202210
初山河大きな景の句を詠まむ 神田たみ子 202212

 

2023年1月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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