春立つ 6     171句

春立つや雪降る夜の隅田川  角川春樹  関東平野

作品
作者
掲載誌
掲載年月
匙に乗る顔の逆さま春立てり 高橋道子 201704
バースディカードの届く春立つ日 塩貝朱千 京鹿子 201704
一山を仏と化して春立ちぬ 頓所友枝 201704
春立つや大きあくびの赤ん坊 大畑善昭 201704
春立つやオムレツ掬ふ銀の匙 大石誠 201704
春立ちてルーチンひとつ増やしけり 太田佳代子 春燈 201704
織殿の機に春立つひかりかな 高橋たか子 馬醉木 201704
襲名の子役の美声春立てり 大島寛治 雨月 201705
茹卵つるりと剥けて春立てり 森なほ子 あを 201704
春立つや故郷の地の米を研ぎ 坂場章子 201705
春立つやフルート二人瞳で合図 平居澪子 六花 201705
床の花葉蘭に替へて春立ちぬ 大内幸子 六花 201705
ちぎり絵の糊の匂へり春立つ日 古川幸子 春燈 201705
健やかな眠りたつぷり春立つ日 森清信子 末黒野 201705
春立つや背山へ鳶の急降下 吉田きみえ 末黒野 201705
春立てり渚に鳥の足の形 福田禎子 末黒野 201705
どの子にも光のあふれ春立つ日 塩川君子 末黒野 201705
春立つや原稿用紙の梯(きざまし)に 吉田孝江 京鹿子 201706
春立つも春遠き国砂の国 平野多聞 201706
教へ子も師も白髪や春立つ日 窪みち子 201706
春立つや魔除けの鈴に土の音 山本則男 201706
水漏れの音に春立ちゐたりけり 山田六甲 六花 201803
春立つや紅白饅頭貰ひたる 前田美恵子 201804
春立てり鬣伏せし波頭 松井志津子 201804
城垣の反りきはやかに春立てり 柴崎英子 201804
水音をまるく結んで春立てり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201804
雲影のひとつ無き空春立てり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201804
ペン先に届く光や春立てり 加藤良子 春燈 201804
水琴窟春立つ音を奏でをり 鈴木静恵 春燈 201804
春立つ日雀連れ朝豆拾ふ 長崎桂子 あを 201804
かけぬける足音かろし春立や 柴田靖子 201805
春立つや君と歩く水無川 谷口一献 六花 201805
ポケットの中をきれいに春立つ 伊藤希眸 京鹿子 201805
柳生流生まれし村も春立てり 山中志津子 京鹿子 201805
恐竜のたまご転がる春立つ野 井尻妙子 京鹿子 201805
春立つやビルはひかりを奪ひ合ひ 雨宮桂子 風土 201805
春立つや懐紙に受くる黄身しぐれ 安斎久英 末黒野 201805
梵鐘の春立つ朝の音色かな 岡野里子 末黒野 201805
春立つや野鳥水浴ぶ手水鉢 田中繁夫 末黒野 201805
掃除機に豆の入る音春立つ日 きくちきみえ やぶれ傘 201805
四回転ジャンプできさう春立ちぬ 藤井啓子 ホトトギス 201806
透きとほる真青なる空春立てり 太田チヱ子 末黒野 201806
雲ほぐれゆける早さや春立つ日 今井肖子 ホトトギス 201903
コンクリートの街に土の香春立てり 篠田純子 あを 201904
春立や寄せ植こんもり日に映えて 長崎桂子 あを 201904
春立つや大きチェックの子の上着 片桐てい女 春燈 201905
猪の宮にけものの匂ひ春立てり 橋添やよひ 風土 201905
若杉の迷ひなき芯春立てり 工藤ミネ子 風土 201905
置き薬減らずにありぬ春立てり 升田ヤス子 六花 201905
春立つや白きタンカー入港す 安斎久莫 末黒野 201905
割れば黄身二つの卵春立てり 岡田史女 末黒野 201905
待ちわぶる雨や春立つあかしとも 菅野日出子 末黒野 201905
櫂音も景色の一つ春立ちぬ 斉藤マキ子 末黒野 201905
天つ日の力増したり春立つ日 高木邦雄 末黒野 201905
春立つやなき炉煙舎を捜す癖 小林清子 末黒野 201905
春立つや白内障のもや晴れて 谷貝美世 末黒野 201905
メサイアの余音をひきて春立ちぬ 平野秀子 末黒野 201905
紅白の達磨のみくじ春立てり 横井遥 201905
貝張に裁つ絹の布春立てり 田辺満穂 201905
やはらかく墨磨つて春立つ日なり 和田遊 201905
切抜きの染の型紙春立つ日 水谷はや子 201905
笛吹きケトル高鳴りをして春立つ日 五十嵐敏子 201905
切抜きの染の型紙春立つ日 水谷はや子 201905
着水の風切羽よ春立てり 藤原明美 201905
図書館の窓は金色春立てり 藤原明美 201905
ペガソスのはばたく音や春立ちぬ 有松洋子 201905
直会に鬼と河童や春立てり 竹中一花 201905
天神の四方より春立て人の波 高野昌代 201906
朝霧の猛き雷鳴春立てり 田中信行 201906
春立つや川は素顔を取りもどす 亀井福恵 京鹿子 201906
ただいまと春立つ島の風の中 火箱ひろ 201906
実感の離るる季語や春立ちぬ 宮崎他異雅 末黒野 201906
待ち侘ぶる名のみと言へど春立つ日 石川東児 201907
邪宗門の青春遠く春立つ日 江口九星 201907
春立つや美しきもの見に行かむ 江島照美 発火点 201909
猫座る草やはらかく春立ちぬ 半谷洋子 201904
若杉の迷ひなき芯春立てり 工藤ミネ子 風土 201905
着水の風切羽よ春立てり 藤原明美 201905
切抜きの染の型紙春立つ日 水谷はや子 201905
やはらかく墨磨つて春立つ日なり 和田遊 201905
貝張に裁つ絹の布春立てり 田辺満穂 201905
春立つや白内障のもや晴れて 谷貝美世 末黒野 201905
天つ日の力増したり春立つ日 高木邦雄 末黒野 201905
櫂音も景色の一つ春立ちぬ 斉藤マキ子 末黒野 201905
待ちわぶる雨や春立つあかしとも 菅野日出子 末黒野 201905
割れば黄身二つの卵春立てり 岡田史女 末黒野 201905
春立つやなき炉煙舎を捜す癖 小林清子 末黒野 201905
春立つや白きタンカー入港す 安斎久莫 末黒野 201905
メサイアの余音をひきて春立ちぬ 平野秀子 末黒野 201905
置き薬減らずにありぬ春立てり 升田ヤス子 六花 201905
紅白の達磨のみくじ春立てり 横井遥 201905
笛吹きケトル高鳴りをして春立つ日 五十嵐敏子 201905
図書館の窓は金色春立てり 藤原明美 201905
直会に鬼と河童や春立てり 竹中一花 201905
猪の宮にけものの匂ひ春立てり 橋添やよひ 風土 201905
ペガソスのはばたく音や春立ちぬ 有松洋子 201905
春立つや大きチェックの子の上着 片桐てい女 春燈 201905
実感の離るる季語や春立ちぬ 宮崎他異雅 末黒野 201906
天神の四方より春立て人の波 高野昌代 201906
春立つや川は素顔を取りもどす 亀井福恵 京鹿子 201906
朝霧の猛き雷鳴春立てり 田中信行 201906
ただいまと春立つ島の風の中 火箱ひろ 201906
邪宗門の青春遠く春立つ日 江口九星 201907
待ち侘ぶる名のみと言へど春立つ日 石川東児 201907
春立つや美しきもの見に行かむ 江島照美 発火点 201909
春立つや買ふつもりなき花舗たづね 西本花音 春燈 202004
春立つや自給自足の無き暮し 荒井千瑳子 202004
春立てりその日暮しの施設にも 土屋啓 馬醉木 202004
雨あとの木々の息吹きや春立ちぬ 延川笙子 六花 202004
三年振り句友親しく春立つ日 片岡さかえ 末黒野 202005
亀の首伸びきつてゐる春立つ日 黒滝志麻子 末黒野 202005
春立つや刻み歩きの兄夫婦 ふなかわのりひと 202005
京菓子に絹の手ざはり春立つ日 藤岡紫水 京鹿子 202005
春立つや庭へ出てみただけのこと 谷口一献 六花 202005
存分に倒す背もたれ春立ちぬ 笹村政子 六花 202005
春立つ日句集喜悦の薫りかな 近藤紀子 202005
春立つや書店の棚の新刊書 青木まゆ美 202005
春立つや発つ日数ふる島の旅 尾崎千代一 末黒野 202005
一筆啓上春立つ穂先馴らしけり 小坂優美子 馬醉木 202005
薦被り割れば杉の香春立ちぬ 田中とし江 202010
春立つや嫁入道具の裁ち鋏 吉田悦子 202010
石鹸の泡細やかに春立つ日 押田裕見子 202010
弓川の文字細々と春立ちぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
春立つや去年の種だね踊り出で 後藤美智子 202102
リモコンの電池とり替へ春立つ日 長崎桂子 あを 202104
春立つ日うたふと決めし「早春賦」 森なほ子 あを 202104
春立つや泥んこになるスクーター 篠田大佳 あを 202104
珈琲の豆挽いてゐる春立つ日 瀬島洒望 やぶれ傘 202105
棒切れで土を掘る子等春立てり 渡邊孝彦 やぶれ傘 202105
おはようの子供の声に春立てり 中西厚子 202105
繊月をあげて春立つ雑木山 三代川玲子 春燈 202105
干し野菜笊に彩おき春立てり 橋添やよひ 風土 202105
春立つやふるさとは雪七尺と 土井三乙 風土 202105
ほとばしる蛇口の水や春立てり 岡野里子 末黒野 202105
春立つや森林の香の入浴剤 斉藤マキ子 末黒野 202105
窓打ちて紅絹のはたきに春立たす 市川夏子 末黒野 202105
卵かけご飯の黄身に春立てり 阿部眞佐朗 202105
春立つや木地師木を選る指の腹 森村江風 202105
子パンダのでんぐり返し春立つ日 小澤えみ子 202105
春立つ日ひと日厨を磨き上げ 仁上博恵 202105
不自由な暮しの中に春立ちし 山崎貴子 ホトトギス 202106
遠富士へ一気といふ空春立てり 森祐司 202110
春立つ日なりパレットに色を溶く 相川健 202110
赤鬼は子のヒーローよ春立てり 井尻妙子 京鹿子 202203
きのふより遠くを見れば春立ちぬ 千田百里 202204
切株の同心円に春立てり 辻美奈子 202204
春立つや水平線はコップにも 林昭太郎 202204
プレードの削るリンクや春立てり 藤原若葉 春燈 202205
春立つや水のはたらく発電所 林昭太郎 202205
駅長の指差し喚呼春立つ日 能美昌二郎 202205
春立つや縁に揃ひの小座布団 岡野里子 末黒野 202205
渓谷に生まるるこだま春立てり 太田良一 末黒野 202205
笹竹の葉擦れの音や春立ちぬ 太田良一 末黒野 202205
春立つや水脈鮮やかに出航す 加藤静江 末黒野 202205
暁へ向く深呼吸春立ちぬ 木下晃 末黒野 202205
病室の名札とりさり春立つ日 小嶋紘一 末黒野 202205
春立ちて鈍色の雲去りにけり 上野静子 末黒野 202205
東風未だ吹かぬに暦春立てり 伴秋草 末黒野 202205
炒豆を飯に炊き込み春立つ日 森田節子 風土 202205
点滴は赤白黄色春立ちぬ 苑実耶 202205
春立ちぬ風呂沸くまでのスクワット 小巻若葉 やぶれ傘 202206
あたり前のままならぬまま春立ちぬ 蔵岡信彦 京鹿子 202206
メタセコイアの静かな鼓動春立てり 井上つぐみ 202206
春立つや撒餌の騒ぎ神苑に 加藤静江 末黒野 202206
春立つや朝の光の木々の色 廣部尚美 末黒野 202206
春立つや海を見たくて降りる駅 玉手のり子 ホトトギス 202207
春立つや毘沙門堂に槌の音 田中とし江 202208
三度目のワクチン接種春立てり 畑田久美子 202210
春立つや耳朶の産毛を金色に 田岡千章空 202211
遠山に日矢突き立てて春立てり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
春立てり言の葉交すことの無く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
春立つ→ 1

 

2023年2月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。