春立つ 3     100句

オリオンの眞下春立つ雪の宿   前田普羅   普羅句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
柴犬の尻尾きりりと春立つ日 遠藤とも子 ぐろっけ 200506
らうらうと唄ふさくらや春立ちぬ 大平未知子 200506
とりどりに春立つ色の金米糖 米岡幸子 200506
人の去る気配は哀し春立つ日 若泉真樹 200506
春立つや縄飛の脚いま宙に 田中美智代 200508
花づくり町に春立つ潮ぐもり 遠藤真砂明 波太渡し 200510
天竜川へ奔る水音春立てり 高橋あゆみ 200510
春立つや筬の目粗き葛布機 菅野末野 風土 200511
春立つと夜明の丘に星一つ 阿部ひろし 酸漿 200603
アコーディオンカーテンを開け春立つ日 山田六甲 六花 200603
痩せもせず枯れもせず春立ちにけり 山田六甲 六花 200603
マジックテープはがれる音に春立てり 松本圭司 200604
一齟齬のありて別るる春立つ日 服部早苗 200604
探しもの見つからぬまま春立ちぬ 植竹惇江 春燈 200604
春立ちてダイオードめく日の反射 松崎鉄之介 200604
春立ちて束ね熨文の帯並ぶ 松崎鉄之介 200604
待兼ねし絵筆とどきて春立つ日 渡邊紅華 酸漿 200604
湯守女の欠伸を小さく春立てり 上薗櫨夫 河鹿 200605
どこか水もれてゐる音春立てり 芝生南天 河鹿 200605
ゆつくりと水呑む鴉春立ちぬ 橋口礼子 河鹿 200605
部屋中に差し込む日射春立つ日 瀬尾幸代 200605
春立つや師の詩いまも山を恋ひ 木山白洋 馬醉木 200605
春立つや刻苦勉励死語ならず 生方義紹 春燈 200605
神牛の鼻紋小さく春立てり 藤井佐和子 200605
春立てり天狗は下駄を響かせて 瀬下るか 200605
心にも力ありけり春立つ日 近藤きくえ 200605
春立てり屑籠にれ鬼の面 川崎光一郎 京鹿子 200605
中天に噴煙残し春立つ日 元田千重 火星 200605
ふかふかの畑踏むなり春立つ日 三輪慶子 ぐろっけ 200605
引つ越し荷おほかたほどけ春立ちぬ 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200605
春立つ日椅子のカバーを花柄に 松原智津子 万象 200605
春立つと一乗谷の盧の丈 中川志帆 万象 200605
毘盧舎那仏耳の大きく春立てり 中川志帆 万象 200605
観音の背に祖父の名や春立ちぬ 神田一瓢 雨月 200605
春立てり柴燈護摩会の燻り火に 河合佳代子 栴檀 200605
高ぶれる心で迎ふ春立つ日 藤原浩 栴檀 200605
散乱の机上そのまま春立てり 野口孝子 栴檀 200605
横書きの木の名草の名春立てり 久保田妙 百鳥 200605
なないろの付箋のノート春立てり 小島和子 百鳥 200605
一人なる朝の仕度に春立てり 永見嘉敏 酸漿 200605
春立ちぬ銀杏並木の背伸びして 武藤嘉子 200605
哺乳瓶の穴を拡げて春立てり 和田満水 200605
聖堂に溢るるひかり春立てり コ田正樹 河鹿 200606
春立ちて心の扉ひらきけり 中元英雄 河鹿 200606
春立つや分厚くなりし旅雑誌 久保田至誠 200606
蠢きてあうらから春立ちのぼる 吉弘恭子 あを 200606
さゞ波も立てゝ揖保川春立つか 浅井青陽子 ホトトギス 200607
臍出して笛吹く菩薩春立ちぬ 木田千女 200607
春立てり一人旅こそ良き齢 大西正栄 雨月 200607
赤信号をゆったり待てり春立てり 平野きぬ子 八千草 200608
懐妊の知らせ届くや春立つ日 金丸まさ子 四葩 200609
春立つや予約の本を受け取りに 須藤美智子 風土 200701
一つづつ行事終へつつ春立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200702
過ぎるもの風の如くに春立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200702
猫の目の爛々として春立ちぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
春立つとややの拳の湿りかな 稲葉ちよこ 風土 200703
自転車が小石を弾き春立てり 竹内弘子 あを 200703
春立つや四条烏丸大通り 杉本薬王子 風土 200704
追伸の方が本文春立てり 成宮紀代子 200704
地卵に和毛ひとひら春立てり 富川明子 200704
春立てり光あつまる泡立て器 小嶋洋子 200704
春立つや飄々と立つ澪標 石原光徳 酸漿 200704
春立つと今朝画眉鳥の声高し 青木政江 酸漿 200704
裁ち落す端布より春立ちにけり 志村美江 酸漿 200704
早朝に宅急便来て春立ちぬ 松嶋一洋 200704
わが輩は猫の暗誦春立ちぬ 池田光子 200704
活断層ゆつくり動く春立つ日 池田光子 200704
春立つや瓦一枚づつ見えて 柴田佐知子 200704
太郎冠者の声朗々と春立ちぬ 小林成子 200705
理髪屋に紀香ポスター春立てり 次井義泰 200705
神祀り鬼門祓えり春立つ日 後條さと子 200705
春立つや公会堂のフラダンス 岩下芳子 200705
靄ごめの風の手のひら春立てり 中野京子 200705
かまびすし父似母似と春立てり 河本由紀子 春燈 200705
湯疲れなど言ふを咎めて春立てり 大西八洲雄 万象 200705
春立つや音のそろひし津軽三味 大西八洲雄 万象 200705
五重の塔星またたきて春立てり 小林愛子 万象 200705
点滴の小さき勾玉春立ちぬ 古屋元 200705
鬼のゐぬ家こそばゆし春立てり 齊藤實 200705
春立ちぬ抜け路地あちこち先斗町 小倉綾子 ぐろっけ 200705
春立つも病める師思ひ心千々 久保晴子 雨月 200705
春立つや飛行機雲の次々と いしだゆか 遠嶺 200705
春立つや肩にふはりと白き羽根 小林眞彦 遠嶺 200705
味噌汁の豆腐の白さ春立てり 大石よしはる 酸漿 200705
意味のあることと解して春立つ日 松下幸恵 六花 200705
春立つやうがひ薬のうすみどり 城孝子 火星 200705
春立てり指の真珠のひとつぶも 吉田島江 火星 200705
死神のいちじ退散春立ちぬ 小島みつ代 200705
灯を消すや春立待の月明り 岡用章子 ぐろっけ 200706
春立つや施設の昼食旬のもの 鈴木多枝子 あを 200706
かんじきを吊りし戸口に春立ちぬ 瀧春一 200706
庭といふ館の歳月春立てり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
オルガンの輝きに春立ちにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
一村の春立つ雨となりにけり 野中亮介 馬醉木 200803
九龍伝説の香港春立ちにけり 平野加代子 春燈 200803
春立つやおのづと濡れて椎の幹 ほんだゆき 馬醉木 200804
かはたれに口笛響き春立てり 高木曽精 春燈 200804
山伏問答錫杖鳴らし春立ちぬ 乗光雅子 雨月 200804
春立ちし野にあり師の句口ずさみ 安達風越 雨月 200804
象の背のやうな稜線春立てり 荒井千佐代 200804
春立つ→4      

2021年2月15日 作成

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