春の雪 8      200句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
天のあり受くる地のあり春の雪 山根征子 201105
庭のものみな清浄に春の雪 廣瀬義一 雨月 201105
もう一度白紙にもどし春の雪 中野京子 201105
まなうらに灯る笑顔や春の雪 木村傘休 春燈 201105
追ひ打ちのごと被災地の春の雪 小野口正江 末黒野 201106
津波跡隠しきれずに春の雪 中田寿子 ぐろっけ 201106
原子炉も地震も鎮まれ春の雪 近藤きくえ 201106
世の雑事包み込むやに春の雪 家塚洋子 酸漿 201106
瑞垣のむかうまさらの春の雪 瀬川公馨 201106
新刊の蕪村を買ひに春の雪 福田雅子 万象 201106
春の雪露地の奥まではなやげり 山田正子 201106
春の雪誰かのせいにしたくなり 倉持梨恵 201106
春の雪真珠の海に残る秘話 岩永充三 201106
春の雪高速艇のすべり出す 高木篤子 ぐろっけ 201106
春の雪降る激震の後の町 菅野蒔子 末黒野 201106
春の雪光となりし湖面かな 中川すみ子 201106
春の雪ばさりばさりと杉木立 福田かよ子 ぐろっけ 201106
春の雪だれかヘメールしたくなり 五十嵐章子 201106
春の雪すぐに雫となりにけり 蟻蜂 六花 201106
幼子は厨が好きで春の雪 苑実耶 201106
野良猫の足跡著し春の雪 金森涼 春燈 201106
明け方に一と時盛ん春の雪 鈴木とおる 風土 201106
名園に点景残し春の雪 橋本くに彦 ホトトギス 201106
病窓の一日飽かず春の雪 山口まつを 雨月 201106
被災跡被ひつくせぬ春の雪 山田をがたま 京鹿子 201106
伝言板に群がる人や春の雪 西垣順子 201106
弟のむかはり修す春の雪 乗鞍三彦 春燈 201106
ダイヤモンドダストのごとく春の雪 上村葉子 風土 201106
チェンソーの吃りの中を春の雪 久世孝雄 やぶれ傘 201106
アカペラの歌声背にし春の雪 西躰いとの ぐろっけ 201107
春の雪同窓会が馴初めに 苑実耶 201108
春の雪湯屋まで猿の下り来たる 柳澤宗正 万象 201108
春の雪待合室の人いきれ 高橋均 やぶれ傘 201108
ヨセミテの谿谷靄ふ春の雪 竹内悦子 ちちろ虫 201108
土塊に濡れてをりけり春の雪 根岸善行 風土 201201
ともかくも山より下りて春の雪 稻畑汀子 ホトトギス 201202
春の雪帰路に不安のつのる午後 稻畑汀子 ホトトギス 201202
春の雪つのるばかりの帰路となる 稻畑汀子 ホトトギス 201202
山降りて来たる安堵の春の雪 稻畑汀子 ホトトギス 201202
調律師来てゐる家や春の雪 西村節子 火星 201203
ねぎらはれほどけゆくもの春の雪 篠田純子 あを 201203
柿葺の八脚門に春の雪 松下八重美 夢見の鐘 201203
春の雪畑の起伏そのままに 石黒興平 末黒野句集 201203
春の雪紅茶に落すブランデー 吉岡孝子 末黒野句集 201203
一分の黙祷ながし春の雪 堀内一郎 あを 201203
古木の洞埋めるごとくに春の雪 早崎泰江 あを 201204
谷崎が筆止めし窓春の雪 品川鈴子 ぐろっけ 201204
洗場の掟仰ぐや春の雪 坂上香菜 201204
初春の雪踏む若狭一の宮 田中佐知子 風土 201204
春の雪道路の隅に残りをり 田島昭久 かさね 201204
春の雪首都一円を制したり 大橋晄 雨月 201204
春の雪紅少し濃く家を出る 田中藤穂 あを 201204
春の雪境界線の血糖値 渡辺安酔 201204
春の雪花見小路に若き僧 杉本薬王子 風土 201204
春の雪スカイツリーの竣工す 須賀敏子 あを 201204
野仏のあたま丸く春の雪 大日向幸江 あを 201204
「和顔愛語」五合庵に降る春の雪 杉本薬王子 風土 201204
児童画のかがやいてをり春の雪 早崎泰江 あを 201204
不老水青竹のふた春の雪 田中藤穂 あを 201204
熱あれば母ひとりじめ春の雪 河崎尚子 火星 201204
歳月に欠けし狛犬春の雪 田中藤穂 あを 201204
土手蔽ふ小笹の間に春の雪 森理和 あを 201204
電車待つはや薄白く春の雪 長崎桂子 あを 201204
おくれ毛のカールに絡む春の雪 橋本正二 201204
カフェラテにハートの形春の雪 座古稔子 201204
湖に落ち水に溶け込む春の雪 坂上じゅん かさね 201205
ひたすらに秒針ひたむきに春の雪 栗栖恵通子 201205
あるごとくなきがごとくに春の雪 黒澤登美枝 201205
喪の明けし三日ばかりを春の雪 奥田順子 火星 201205
千枚の記憶画一握の春の雪 栗栖恵通子 201205
絶対はひとひら舞へる春の雪 中野京子 201205
銀鈴の鳴り出す如く春の雪 柳生千枝子 火星 201205
西洋医学厭ひて逝けり春の雪 笠井敦子 201205
とぶやうに若者は行く春の雪 山崎靖子 201205
眼科医の指やはらかし春の雪 谷田部栄 万象 201205
掌の中にマウスの火照る春の雪 林昭太郎 201205
梛の葉の雫となりぬ春の雪 大坪景章 万象選集 201205
六十四年遂に一人や春の雪 大島翠木 201205
そろそろと歩む坂道春の雪 町山公孝 201205
春の雪妣愛用の姫鏡台 松岡和子 201205
春の雪父の遺影の笑みさみし 井上春子 春燈 201205
春の雪日がな機織り唄かなし 三谷道子 万象 201205
春の雪太筆に墨含ませて 杉浦典子 火星 201205
春の雪積もる名残の寒椿 塩田博久 風土 201205
春の雪雀は足をすべらしぬ 三輪慶子 ぐろっけ 201205
春の雪光の中を落ちにけり 森高武 風土 201205
灰色の空割り春の雪降れり 岡野ひろ子 201205
その下に小流れをきき春の雪 中山純子 万象選集 201205
せつかちに溶くる都会の春の雪 川崎真樹子 春燈 201205
有耶無耶へ返すうやむや春の雪 だいじみどり 201205
せせらぎの水に戻りし春の雪 山田正子 201205
宝冠のごと棒杭に春の雪 河口仁志 201205
百蕾の息潜ませて春の雪 犬塚李里子 201205
半鐘ある十戸の村です春の雪 浅野吉弘 201205
音もなくカーテンよぎる春の雪 市橋香 ぐろっけ 201205
梅が枝の震となりし春の雪 大坪景章 万象 201205
二十六聖人み足に春の雪しきり 南光翠峰 馬醉木 201205
豆を煮る焔@細めし春の雪 中野あぐり 春燈 201205
天つちの呼応は無音春の雪 山崎靖子 201205
カップ麺曇った窓と春の雪 篠田純子 あを 201205
わた菓子のやうにふんはり春の雪 吉野夢宙 201205
鎮魂の大海原や春の雪 上家弘子 ろんど 201206
町並を白に浄めて春の雪 中野久雄 末黒野 201206
玄関に女の声や春の雪 大坪景章 万象 201206
金剛の麓寺巡り春の雪 岡田満喜子 ぐろっけ 201206
静けさや湯島の坂に春の雪 稲垣佳子 末黒野 201206
ちりばめる万葉仮名や春の雪 池内結 万華鏡 201206
松が枝の払ふに惜しき春の雪 塚越弥栄子 末黒野 201206
小流れの音のふくらみ春の雪 吉田きみえ 末黒野 201206
初恋の記憶あやふや春の雪 宮井知英 201206
瓦礫やまやさしく抱く春の雪 古林田鶴子 ぐろっけ 201206
外つ国を眞白に染めし春の雪 水谷直子 京鹿子 201206
露座仏の目鼻失ひ春の雪 田村加代 末黒野 201206
春の雪舞ひきて頬の涙となり 水谷直子 京鹿子 201206
春の雪真夜隣人の音響く 福田かよ子 ぐろっけ 201206
春の雪降りたり亡夫の誕生日 野澤あき 火星 201206
春の雪パソコンしたり猫したり 中原幸子 船団 201206
春の雪べらんめえ調に消えゆけり 竹田ひろ子 ろんど 201206
流れたる句会降り積む春の雪 石黒興平 末黒野 201206
いつまでも娑婆に未練の春の雪 滝沢幸助 春燈 201206
宗鑑は一間に寝起き春の雪 細川知子 ぐろっけ 201206
綿菓子のさまや小枝の春の雪 清水和子 末黒野 201206
夢殿の屋根よりしづる春の雪 山田春生 万象 201206
捨てきれぬ句のたまりをり春の雪 戸田澄子 末黒野 201206
本といふ魔物のとりこ春の雪 永塚尚代 ぐろっけ 201206
しんしんと川面に消ゆる春の雪 石黒興平 末黒野 201206
梅林の「あらあら」の声春の雪 白石正躬 やぶれ傘 201206
一生はまばたきに似て春の雪 伊藤7紀子 ろんど 201206
ポタポタと雫急くなり春の雪 坂上じゅん かさね 201206
閏日の街しんしんと春の雪 河合とき 末黒野 201206
あの人も同じ眺めか春の雪 松本アイ ぐろっけ 201207
春の雪風評害の石積まれ 伊藤希眸 京鹿子 201207
春の雪八百屋までとて油断せり 児玉有希 京鹿子 201207
出席と返事出せずに春の雪 児玉有希 京鹿子 201207
音もなく降り音なく止む春の雪 古川忠利 ろんど 201207
三尊の二尊は低し春の雪 柴田佐知子 201207
天帝の瞬かれたる春の雪 竹下陶子 ホトトギス 201208
松に載り石には消ゆる春の雪 木村享史 ホトトギス 201209
糶終へて河岸の台車に春の雪 北崎展江 くりから 201209
猫と犬ゆきし足跡春の雪 神山市実 やぶれ傘 201209
春の雪握り鋏に熱籠り 林昭太郎 あまねく 201210

 銑錘脹匁勺常用漢字表から除外

銑鉄は井桁に積まれ春の雪

高橋龍 201212
とことはに地にはとどかぬ春の雪 佐藤喜孝 あを 201212
先斗町灯ともし頃を春の雪 尾崎みつ子 雨月 201301
枝々へ花にならんと春の雪 布川直幸 201301
一二片やがて無尽に春の雪 布川直幸 201301
降り積むは常磐木にこそ春の雪 細野恵久 ぐろっけ 201302
喧噪のMRI抜け春の雪 細川洋子 201303
蔵街の灯の濡るる春の雪 高橋あさの 201303
軽井沢には春の雪よく似合ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201303
折り紙の音の続きぬ春の雪 辻美奈子 201303
極楽坊あたりはげしき春の雪 山尾玉藻 火星 201303
杖置いて父は来世へ春の雪 柴田佐知子 201303
春の雪降るかな知れぬ旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201303
春の雪景色も旅の一部分 稲畑汀子 ホトトギス 201303
春の雪より抜け出でし旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 201303
集合は軽井沢駅春の雪 稲畑汀子 ホトトギス 201303
指置けばくもる鍵盤春の雪 林昭太郎 201303
白無垢と見たてし松の春の雪 安藤虎酔 かさね 201303
東京にふたたび春の雪の朝 稲畑汀子 ホトトギス 201303
印象の去らぬ明るさ春の雪 稲畑汀子 ホトトギス 201303
置き去りの水色自転車春の雪 陽山道子 おーい雲 201304
見下ろせる川面や消ゆる春の雪 石原節子 春燈 201304
喧噪のMRI抜け春の雪 細川洋子 201304
蔵街の灯の濡るる春の雪 高橋あさの 201304
けふの眉歌麿めくや春の雪 西郷慶子 201304
折り紙の音の続きぬ春の雪 辻美奈子 201304
あはあはと積りて融けて春の雪 和田郁子 201304
春の雪カフェラテにはシュガー抜き 杉本薬王子 風土 201304
春の雪アダモの歌の遠くなり 竹内悦子 201304
いつせいに壺の花咲く春の雪 戸栗末廣 201304
指置けばくもる鍵盤春の雪 林昭太郎 201304
突き出しはのれそれといふ春の雪 杉本薬王子 風土 201304
黒づくめの人版画めき春の雪 小澤菜美 201304
行間のゆるみ気になる春の雪 大湊栄子 春燈 201304
中空のすきますきまに春の雪 大東由美子 火星 201305
知恵のやうに切株据る春の雪 宇都宮敦子 201305
大磯の町を一刷毛春の雪 川村文英 ろんど 201305
薪割りの翁のけぶる春の雪 坂口夫佐子 火星 201305
神鈴の紐の古りざま春の雪 宮崎紗伎 春燈 201305
幾たびも春の雪降る別れかな 上山永晃 鶴翼 201305
新宿の空より来たる春の雪 きくちきみえ やぶれ傘 201305
焼鳥屋のバーナー赤し春の雪 藤本千鶴子 火星 201305
街道の六足門や春の雪 藤本秀機 201305
肋木の片側につく春の雪 竹内弘子 あを 201305
露天湯の母子のこゑや春の雪 成田美代 201305
春の雪壁に青児のをんなかな 土井ゆう子 風土 201305
春の雪舞ふ馬場町交差点 小林成子 火星 201305
春の雪赤い車に降つてをり すずき巴里 ろんど 201305
春の雪新幹線に喪服着て 門伝史会 風土 201305
春の雪消えゆく先の潦 古川夏子 201305
春の雪志功菩薩の黒ほくろ 高橋照葉 ぐろっけ 201305
迷ひ猫探す貼紙春の雪 桂敦子 201305
万霊を鎮めて積もる春の雪 佐藤信子 春燈 201305
あつといふ間にも町へと春の雪 出口誠 六花 201305
本堂の和讃の声や春の雪 森清信子 末黒野 201305
忘却の二・二六事件春の雪 藤田かもめ ぐろっけ 201305
母の忌のまたひとしきり春の雪 武生喜玖乃 雨月 201305
家具店の鏡に春の雪頻り 村上倫子 201305
風止んでふらふらと落つ春の雪 出口誠 六花 201305
春の雪→ 9      

 

2022年2月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。