春の雪 6      101句

逢ふための一歩踏み出す春の雪    清水甚吉

春の雪  春雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
軸替ふに男手借りる春の雪 田原陽子 200805
人形の睫毛にほこり春の雪 中山賠雪 200805
綾取りの橋や帚や春の雪 関根洋子 風土 200805
刺繍さす一針ごとの春の雪 奥田茶々 風土 200805
アドリブのごとく銀座に春の雪 七種年男 200805
かたはらに『正法眼蔵』春の雪 小澤克己 遠嶺 200805
香を焚く推敲の窓春の雪 上田繁 遠嶺 200805
春の雪鳥の足跡石に消ゆ 上田繁 遠嶺 200805
遅れ来るバス待つ子等や春の雪 小國佐世子 遠嶺 200805
廃船の水漬く入江や春の雪 布村松景 春燈 200805
お地蔵の帽子にふはり春の雪 綱川恵子 万象 200805
春の雪軒に櫂吊るあふみかな 野上智恵子 万象 200805
洞門のむかう補陀洛春の雪 雨村敏子 200805
春の雪素焼の壷の底にかな 岩月優美子 200805
出口なき夢に覺めをり春の雪 加藤富美子 200805
火の神や愛宕の山に春の雪 谷村幸子 200805
フロントに葉書を託す春の雪 丸山照子 火星 200805
マネキンを男が運ぶ春の雪 米澤光子 火星 200805
老いるとは眠たきことか春の雪 柴田佐知子 200805
邸址とて楽の神守る春の雪 豊田都峰 京鹿子 200805
初恋を憶ひ出させる春の雪 川崎光一郎 京鹿子 200805
ずんずんとなにはを圧す春の雪 大橋晄 雨月 200805
転ばじの身を引き締むる春の雪 落合由季女 雨月 200805
立春の雪降り神武即位の地 片山喜久子 雨月 200805
春の雪傘で足場を探りつつ 森山八重子 ぐろっけ 200805
母の忌や記憶に春の雪降れり 渡邉友七 あを 200805
老犬の赤きベストや春の雪 伊庭玲子 200806
ユトリロの白と思へり春の雪 千坂美津恵 200806
春の雪まろくつもりて消えにけり 島谷征良 風土 200806
ひとり居といふ贅沢や春の雪 吉田康子 火星 200806
照り陰りはげしや山の春の雪 椋本一子 雨月 200806
夫に粥煮てゐる窓の春の雪 田所洋子 雨月 200806
一羽づつ翔つ折鶴や春の雪 松井悦子 京鹿子 200806
掻くほどのこともなく消え春の雪 松本善一 やぶれ傘 200806
静けさに気付きたるとき春の雪 岩垣子鹿 ホトトギス 200807
春の雪記憶のやうに消えてゆく 佐土井智津子 ホトトギス 200810
春の雪すれちがふとき傘の触れ 鶴岡加苗 200811
雪割りのきのふに了へて春の雪 瀧春一 深林 200901
春の雪路地に淋しく固まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
限りなき空の変幻春の雪 稲畑汀子 ホトトギス 200902
まみどりの苔に溶け消ゆ春の雪 林翔 馬醉木 200903
ちち恋へばちちが降らせむ春の雪 荒井千佐代 200904
ビロードの鼻緒の濡るる春の雪 石田静 200904
切りわけるシフォンケーキや春の雪 赤座典子 あを 200904
西伊豆の達磨山にも春の雪 須賀敏子 あを 200904
ポストまで傘に重たし春の雪 三川美代子 200905
始皇帝守る埴輪や春の雪 中島玉五郎 200905
誰が楽をなし春の雪降らしめむ 西川火尖 炎環 200905
戯るるもの風ばかり春の雪 藤井圀彦 200905
春の雪茶房は壺を傘立てに 塚越美知子 200905
磔刑の硝子絵に添ふ春の雪 西村純太 200905
トロ箱の井桁に組まれ春の雪 平野みち代 200905
下書きのままの遺言春の雪 平野みち代 200905
春の雪をどりをどりて着地せり 竹内弘子 あを 200905
昭和とは麻酔のごとし春の雪 森岡正作 200905
春の雪餅のふくるる夕べかな 宮崎安汀 春燈 200905
春の雪天気予報あたりけり 渡辺鶴来 春燈 200905
豆四五個沈みてゐたり春の雪 山本耀子 火星 200905
放りある大根の葉に春の雪 山本耀子 火星 200905
ベル押して郵便夫の来し春の雪 米澤光子 火星 200905
温め酒となりてをりしか春の雪 西山美枝子 酸漿 200905
胴炭の尉を払へり春の雪 花岡豊香 酸漿 200905
激しさを見せて積らず春の雪 高木千鶴子 酸漿 200905
音もなく春の雪呑む流れかな 廣瀬雅男 やぶれ傘 200905
春の雪止みたる昼を女客 中野あぐり 春燈 200905
赤松の幹の匂ひや春の雪 中野あぐり 春燈 200905
小柄なる夢千代像や春の雪 鈴木照子 200906
ペンギンの同行二人春の雪 中島陽華 200906
ポンペイの深き轍や春の雪 三宅一城 200906
外灯のひかり踊らせ春の雪 永澤芳子 200906
一台は春の雪置く通勤車 加古みちよ 火星 200906
梛の葉の雫となりぬ春の雪 大坪景章 万象 200906
春の雪光琳笹の根に残る 吉村光子 万象 200906
薬草の土鍋ふつふつ春の雪 清水明子 遠嶺 200906
恐ろしき頼家の面春の雪 芳賀雅子 遠嶺 200906
白妙の女神の像や春の雪 山野惣一郎 遠嶺 200906
無言館出て無言なり春の雪 堀口希望 200906
田の神の鬟や春の雪ゆたか 荒井和昭 200906
来歴の掘り深き文字春の雪 荒井和昭 200906
春の雪何か明るき心地なる 後藤とみ子 ぐろっけ 200906
踏みごたへなきを踏みしめ春の雪 堀田こう 雨月 200906
夫の打つ二人の蕎麦よ春の雪 岡田房子 酸漿 200906
春の雪女医先生の笑窪あり 東芳子 酸漿 200906
積るがに見ゆや夜明の春の雪 井口初江 酸漿 200906
窓に来て大きくなりし春の雪 柴田佐知子 200906
ふと舞うてふと舞ひ止みぬ春の雪 井上浩一郎 ホトトギス 200907
舞ひそむることもはかなく春の雪 井上浩一郎 ホトトギス 200907
庄内の女は白し春の雪 大坪景章 万象 200907
春の雪ぬるま湯で拭く母の顔 田中道江 万象 200907
春の雪曲はワルツに変りけり 西山美枝子 酸漿 200907
介護車のドア閉まる音春の雪 荒木甫 200908
春の雪子の掌ぬらして止みにけり 淺場英彦 万象 200910
春の雪とは消えさうに舞ふことよ 稲畑汀子 ホトトギス 201002
さつきまで舞うてをりたる春の雪 稲畑汀子 ホトトギス 201002
春の雪昨日の記憶遠ざかる 稲畑汀子 ホトトギス 201002
くるぶしを伝うて来たる春の雪 山田六甲 六花 201002
ぼるがへはやゝ下り坂春の雪 佐藤喜孝 あを 201002
春の雪降りし東京語らばや 稲畑汀子 ホトトギス 201003
積らざる都心の春の雪とこそ 稲畑汀子 ホトトギス 201003
春の雪気づきてよりの止む早さ 稲畑汀子 ホトトギス 201003
春の雪もう青空となる都心 稲畑汀子 ホトトギス 201003
春の雪→ 7      

 

2022年2月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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