春の雪 5      100句

良寛のひとりあそびに春の雪    高島茂

春の雪  春雪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ペンギンの十字に泳ぐ春の雪 松井倫子 火星 200605
飛び石の形まちまち春の雪 安田とし子 ぐろっけ 200605
春の雪白鳥句碑の辺より解け 内藤恵子 万象 200605
唇に触れて消えゆく春の雪 田所洋子 雨月 200605
灯の映る川面ぞ消ゆる春の雪 青木政江 酸漿 200605
子に近くをりて孤独や春の雪 川上弥生 200605
曇天の日が立春の雪降らす 長沼三津夫 200605
傍らにあたたかき人春の雪 田中藤穂 あを 200605
お茶の葉のゆつくりひらき春の雪 飯島かほる 対岸 200605
屋根石の尚磊々と春の雪 瀧春一 常念 200606
春の雪乗せて始発の電車発つ コ田正樹 河鹿 200606
お手玉の杵柄古りて春の雪 園田その子 河鹿 200606
転勤の友を惜しめば春の雪 峰尾秀之 200606
父恋へば問はず語りに春の雪 市ヶ谷洋子 馬醉木 200606
葬りの穴に降り込む春の雪 山口素基 万象 200606
大三輪の神杉に降る春の雪 谷村幸子 200606
粉砂糖ふるひしほどの春の雪 与川やよい 遠嶺 200606
春の雪焦げ目程よきマドレーヌ 佐山苑子 遠嶺 200606
日の当る葉蘭の奥の春の雪 長田曄子 火星 200606
春の雪全館チヤイムの朝食刻 丸山冬鳳 京鹿子 200606
春の雪館内傘壽の「誕生会」 丸山冬鳳 京鹿子 200606
諍ひも母子の仲や春の雪 吉田多美 京鹿子 200606
春の雪足の跡よりにじみ溶け 丹生をだまき 京鹿子 200606
東京に陋巷のなし春の雪 瀧春一 瓦礫 200606
スコアボードきれいに消され春の雪 城間芙美子 対岸 200606
父母の寄り添ひてゆく春の雪 松谷知子 対岸 200606
コーヒーにシナモンステイツク春の雪 林いづみ 風土 200606
春の雪一人で入るロードシヨウ 奥田弦鬼 風土 200606
おもむろに雪沓運ぶ春の雪 内田和子 酸漿 200606
しばらくは楽しく見をり春の雪 大野ツネ子 酸漿 200606
前山を忽ち覆ふ春の雪 大野ツネ子 酸漿 200606
約束の一つ果せず春の雪 内山巳代子 酸漿 200606
かつて来し町に迷ひて春の雪 福間須美江 200606
風の間に浮力捉へて春の雪 湯川雅 ホトトギス 200607
しろがねの淡きことづて春の雪 佐土井智津子 ホトトギス 200607
春の雪文束ねればオルゴール 井上菜摘子 京鹿子 200607
驚きはいつも新鮮春の雪 高安勝三 遠嶺 200607
春の雪積もりし朝の静けさよ わかやぎすずめ 六花 200607
忘れたき想い覚ますな春の雪 わかやぎすずめ 六花 200607
頬伝う涙が春の雪となる わかやぎすずめ 六花 200607
山焼の残りし阿蘇や春の雪 竹内志げ子 酸漿 200608
明け鴉春の雪踏みはしゃぎ鳴く 漢隆司 八千草 200608
漂着のハングル文字に春の雪 井上博 八千草 200608
春の雪あらもう晴れてしまひけり ことり 六花 200609
春の雪風鶴居士の肩にかな 林いづみ 風土 200611
みささぎの杉より春の雪しづり 浅田光代 風土 200611
春の雪囁くやうに降りにけり 須藤美智子 風土 200701
嵩なして退職の日の春の雪 小林呼渓 200703
スリッパのつま先の闇春の雪 山尾玉藻 火星 200703
その下に小流れをきき春の雪 中山純子 万象 200704
湖に鴨ゐてけふの春の雪 山尾玉藻 火星 200704
産月の牛が人恋ふ春の雪 小山香月 酸漿 200704
若狭から届きし魚と春の雪 竹中一花 200705
心字池に舞うて入りけり春の雪 谷村幸子 200705
限りなく零に近づく春の雪 中村恭子 200705
春の雪湖国に古き駅舎あり 七種年男 200705
定住の老いし野良猫春の雪 長谷川としゑ ぐろっけ 200705
焼きたてのパン買ひに行く春の雪 苑実耶 200705
とある宿出づれば飛騨路春の雪 中島静子 酸漿 200705
春の雪沁みこむ鍋をかこみゐて 松下幸恵 六花 200705
安住の地に光秀の墓春の雪 衣斐ちづ子 200705
日を置いて書かれし葉書春の雪 斉藤裕子 あを 200705
降り積る茂吉の墓に春の雪 阿部月山子 万象 200706
春の雪ぜんまい織の筬響 阿部月山子 万象 200706
稲荷山に春の雪呼ぶ省二かな 竹内悦子 200706
百年の蔵取り壊す春の雪 山路紀子 風土 200706
投票に土足を許す春の雪 杉田春雄 風土 200706
昭和恋し面影橋に春の雪 岩淵彰 遠嶺 200706
奥日光雨音止みて春の雪 新倉舒子 200706
若草山の焼けあとしるく春の雪 石垣幸子 雨月 200706
火入れ待つ素地の匂へり春の雪 荒井千佐代 200706
放哉に道ならぬ恋春の雪 木田千女 200707
光陰はのこぎり屋根に春の雪 小林和子 風土 200707
力強く生きよと春の雪舞へり 安田久太朗 遠嶺 200707
甲斐駒の雲の乱れや春の雪 永見嘉敏 酸漿 200707
雪国の面目たちし春の雪 堀前小木菟 ホトトギス 200708
蛇塚に吹き上げられし春の雪 竹中一花 200708
喪の旅となりてふるさと春の雪 森ひろ 馬醉木 200710
日の中に生まれし春の雪なりし 中野京子 翁草 200710
ト書から荷くづれの音春の雪 井上菜摘子 京鹿子 200801
日輪のかたちに降れる春の雪 山田六甲 六花 200802
斜めなる竹に降りつむ春の雪 山田六甲 六花 200802
春の雪悲の君の便りとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
留守番の犬を包める春の雪 山田六甲 六花 200803
目を伏せし睫毛を濡らす春の雪 ことり 六花 200803
張り詰める唇ほどく春の雪 ことり 六花 200803
二・二六とふ日のありし春の雪 水原春郎 馬醉木 200804
いつのまに雨に変はりし春の雪 吉沢陽子 200804
拳玉のすとんと坐る春の雪 浜口高子 火星 200804
遠見なる橋は丹塗よ春の雪 林翔 200804
春の雪ボレロ半音づつ上がり 荒井千佐代 200804
黒服に溶ける間のあり春の雪 甲州千草 200804
ラジオいま子犬のワルツ春の雪 西山美枝子 酸漿 200804
いくたびも鵯のくる日や春の雪 根橋宏次 やぶれ傘 200804
高圧線の下の住宅春の雪 丑久保勲 やぶれ傘 200804
春の雪コーンフレークさわさわと 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804
伊丹には鬼貫ありき春の雪 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804
傘赤き舞妓の肩へ春の雪 池田加寿子 200805
めざめ急くなと枝々へ春の雪 田中春生 200805
春の雪見つめ遥かを見つめをり 山中宏子 200805
春の雪 6      

 

2022年2月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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