春の月 2      100句

春の月さはらば雫たりぬべし   一茶

春の月  春月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
チヂミ焼くホットプレート春の月 片岡静子 200405
木の洞に伝はる湯鳴り春の月 藤田あけ烏 草の花 200405
春の月道行ならば手と手取り 加藤峰子 200405
いつ唄ひ出すやも知れぬ春の月 保科次ね子 百鳥 200405
二十二時すつぱいやうな春の月 高田令子 200406
揃ひたる家族の夕餉春の月 中村重雄 百鳥 200406
眦をこぼれおちたる春の月 吉弘恭子 あを 200406
岩田帯受け来し吾子に春の月 綱川恵子 万象 200407
紀の国の山深々と春の月 大久保恵美子 遠嶺 200407
業平の歌碑は翳りて春の月 藤田かもめ ぐろっけ 200407
しののめの糸の如くに春の月 飯田泰子 八千草 200408
回覧板そつと置かれる春の月 河西志帆 京鹿子 200409
春の月天心にあるよそよそし 木村みかん 200410
地下街を出て新宿の春の月 岡崎和子 200503
浮雲のかたちいくつも春の月 阿部ひろし 酸漿 200504
路地裏の約束の地や春の月 竹内美智代 酸漿 200504
春の月追ひ出されたる鬼ばかり 今瀬剛一 対岸 200504
古稀の宴果てて佗しき春の月 今井浄子 200505
地階より竹の伸びたり春の月 秋田谷明美 帆船 200505
春の月鯱消えし天守かな 白鳥義岳 帆船 200505
丘にいま夜明も近き春の月 阿部ひろし 酸漿 200505
春の月夜明烏をさそひけり 阿部ひろし 酸漿 200505
いないいないばあをしてゐる春の月 東亜未 あを 200505
東京に鑑真在す春の月 曷川克 遠嶺 200506
鄙住みや髪にしたたる春の月 浅野洋子 春燈 200506
大釜を伏せある路地の春の月 高松由利子 火星 200506
手を添へて廻してみたし春の月 保科次ね子 百鳥 200506
まどかなり有明にして春の月 石井邦子 酸漿 200506
春の月色紙窓よりこぼれゐし 吉弘恭子 あを 200506
春の月おぼろおぼろと蟹ほそる 中元英雄 河鹿 200507
糧のため秘めし心願春の月 北川慶子 200507
湯もみする乙女の声や春の月 石山民谷 遠嶺 200507
つれあひは白狐となれり春の月 深澤鱶 火星 200507
濯ぎたき身のうち春の月あかり 坂本京子 200507
曖昧な輪郭残す春の月 森山のりこ あを 200507
春の月櫟一樹にかかりけり 水田清子 200603
昼月か夕月かとも春の月 林翔 200604
丘も木も消して円かや春の月 阿部ひろし 酸漿 200604
とある夜の窓に覗けり春の月 阿部ひろし 酸漿 200604
とりとめもなきこと夜半の春の月 阿部ひろし 酸漿 200604
火を消せばあらためてさす春の月 阿部ひろし 酸漿 200604
干蛸の踊り出でたる春の月 穐好樹菟男 馬醉木 200605
鬼いつも跣で逃げて春の月 柴田佐知子 200605
送別の鯛のかぶと煮春の月 竹腰千恵子 200605
峰寺に虚子の句碑あり春の月 熊岡俊子 雨月 200605
ポスターの地球羽根あり春の月 藤本鷹山 百鳥 200605
春の月彦左衛門の串ダンゴ 東亜未 あを 200605
春の月西の星座をのこしける 瀧春一 常念 200606
羽根ペンの踊る窓辺や春の月 祐森彌香 遠嶺 200606
あの山の向かうは海か春の月 市川英一 遠嶺 200606
送別の宴も果てて春の月 伊藤晴英 対岸 200606
明けやらぬ障子に春の月明り 名取すみ子 酸漿 200606
春の月からころ上がる下がるかな 梶浦玲良子 六花 200607
もののけの遊ぶ吉野の春の月 岩垣子鹿 ホトトギス 200608
熱海峠箱根峠の春の月 嶋田一歩 ホトトギス 200608
海ばかり見ての生活に春の月 嶋田一歩 ホトトギス 200608
偽らぬ者は死者のみ春の月 滝沢幸助 春燈 200608
何れ採る帰俗か離俗春の月 川口襄 遠嶺 200608
逝きし娘の顔せ浮ぶ春の月 一宮十鳩 ホトトギス 200610
暈を被てマリアならずや春の月 鷹羽狩行 200704
帰路は目にとび込んで来る春の月 稲畑汀子 ホトトギス 200704
龍太逝きて七日の後の春の月 神蔵器 風土 200704
簪へ落ちんばかりの春の月 滝沢伊代次 万象 200704
明けそめし空に残れる春の月 山本康郎 酸漿 200704
さし入るや箱の兎へ春の月 定梶じょう あを 200704
もの掬ふかたちに春の月低く 伊藤早苗 200705
うかうかと肥えて恥らふ春の月 大口憧遊 春燈 200705
杖をつく母となりたり春の月 柴田佐知子 200705
白樺の一樹濡れたり春の月 小澤克己 遠嶺 200705
台北の夜の市照す春の月 平照子 酸漿 200705
真珠いろして早春の月上る 柳生千枝子 火星 200705
攻め焚きをいま了へし窯春の月 泉田秋硯 200706
「百戸の谿」読み返しけり春の月 坂上香菜 200706
母汲みし古井戸照らす春の月 池田光子 200706
疾風に流されさうな春の月 高橋将夫 200706
湖に真の闇あり春の月 岩下芳子 200706
曼陀羅の奥は明るし春の月 加藤富美子 200706
春の月水の生れてくるところ 倉持梨恵 200706
春の月眠つて重くなる子抱き 杉田春雄 風土 200706
ふうはりと春の月ある鴟尾の上 金田きみ子 200706
春の月子らを迎への妻と遇ふ 瀧春一 200706
洞出でて洞に入る間の春の月 浜口高子 火星 200707
知り尽くす露路横丁や春の月 小林和子 風土 200707
マニキュアの乾くを待てり春の月 坂本知子 酸漿 200707
春の月照らし過ぎないやうに照る 木村淳一郎 ホトトギス 200708
春の月尖りしままに潤みけり 山田閏子 ホトトギス 200709
外風呂へ連立つ春の月夜かな 川島澄子 酸漿 200711
長崎は家の灯重ね春の月 柴田佐知子 200804
教会に触るるばかりや春の月 都丸スミ代 やぶれ傘 200804
下町やビルのあはひの春の月 折橋綾子 200805
ポストまで二百歩春の月育つ 神蔵器 風土 200805
春の月不意に泣きたくなりにけり 須藤美智子 風土 200805
囲碁のあと家路に仰ぐ春の月 大西裕 酸漿 200805
全山の座禅ほどくや春の月 中川雄作 遠嶺 200806
引く波の忘れてゆきし春の月 雨村敏子 200806
大皿に残つてゐたる春の月 貴志尚子 200806
春の月格子戸多き町に住む 大西八洲雄 万象 200806
マドンナを胸に棲まはせ春の月 今井弘雄 春燈 200806
ただ歩くだけの恋せり春の月 井上信子 200806
なげ上ぐるこの修羅受けよ春の月 湯浅夏以 樹も鳥も 200806
春の月→ 3      

 

2021年3月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。