春の水 2     130句

上京や友禅洗ふ春の水    河東碧梧桐

春の水  春水  水の春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
無心とは雲を遊ばす春の水 深田雅敏 200406
沈黙の唇濡らす春の水 玉川梨恵 200406
ヘリの音重しと凹む春の水 清水ミツコ 200406
春の水戸口に架かる板の橋 清水ミツコ 200406
オフェリアは歌つています春の水 宇垣みきえ 200406
陶硯へ足すスポイトの春の水 田村園子 200406
春の水叩いて母をふりむかす 山尾玉藻 火星 200406
春の雲はつきり映し春の水 松岡路石 対岸 200406
春の水はづみつきたる子の走り 金川眞里子 百鳥 200406
失念の淀みなきまで春の水 中野哲子 六花 200406
小魚を小鳥がねらふ春の水 池田いつ子 酸漿 200407
春の水星の渦より汲んできし 高橋将夫 200407
眼鏡橋のその名知らしむ春の水 石岡祐子 200407
一本の杭に躍りし春の水 飛山ますみ 遠嶺 200407
島影へひたすら春の水尾のびる 豊田都峰 京鹿子 200408
降り込めるもの満面に春の水 矢島久栄 200408
ゆく春の水はすがたのままに暮れ 八田木枯 夜さり 200409
春の水飲んで平常心保つ 瀬下るか 200501
岩の上無傷に流れ春の水 小松道子 対岸 200504
しがらみにしがまれてゐる春の水 山田六甲 六花 200504
川幅の広がるところ春の水 今井浄子 200505
春の水日陰に深さ増しにけり 太田佳代子 春燈 200505
岩あれば岩のかたちに春の水 中尾公彦 200505
ブロンズ像洗ひてゐたり春の水 佐野和子 栴檀 200505
春の水コップより胃に移りけり 宮津昭彦 200505
鵲村字小鮒江の春の水 田中藤穂 あを 200505
発掘の四隅にありし春の水 浜口高子 火星 200506
翡翠の瑠璃ひきとべる春の水 谷村祐治 雨月 200506
翔けば珠とひかるや春の水 南うみを 風土 200506
ひとり子を禰宜にせしとふ春の水 井上信子 200507
春の水寺の宝蔵裏流れ 大竹淑子 風土 200507
下掛けの水車の撥ねる春の水 奥田弦鬼 風土 200507
春の水零るる指の隙間より ことり 六花 200507
二羽の鴨ぐるぐる廻り春の水 植木やす子 200508
春の水醜の闘魚とひとは云へど 瀧春一 菜園 200509
笹舟は一枚仕立て春の水 鷹羽狩行 200603
弾むときしぶく時あり春の水 稲畑汀子 ホトトギス 200603
水底の石を巻き込み春の水 稲畑汀子 ホトトギス 200603
春の水流るる先のなき如く 稲畑汀子 ホトトギス 200603
あしはらの中ながるゝや春の水 久保田万太郎 春燈 200603
薄皮をぬぎつつ春の水仙は 山田六甲 六花 200603
湯治湯は棚田の上や春の水 山田六甲 六花 200603
直心は樹芯をのぼる春の水 小澤克己 遠嶺 200604
水族館の中のクリオネ春の水 鈴木榮子 春燈 200604
春の水人差し指で計りけり 山田六甲 六花 200604
春の水岩に分かれて膨らみぬ 山田六甲 六花 200604
墓石にたつぷりかけし春の水 鈴木多枝子 あを 200604
鯉跳ねて早春の水翻す 森永敏子 河鹿 200605
草々に声をかけゆく春の水 池谷市江 200605
密院のまぶしさにあり春の水 高橋将夫 200605
大絵馬や山の霊気と春の水 谷村幸子 200605
水滴の河豚の口より春の水 大坪景章 万象 200605
たまきはる命を洗ふ春の水 本多俊子 さくらの音 200605
生まれては光りてゐたり春の水 掛井広通 200606
発電の水車へ急ぐ春の水 足利徹 ぐろっけ 200606
春の水さびしきときはせせらぎて 蔦三郎 ホトトギス 200607
春の水散るもの待ちてのたりかな 荻野千枝 京鹿子 200607
春の水甕に満たせばゆらぎけり 竹下昌子 200607
春の水影洗ひつつ流れけり ことり 六花 200607
映るもの全て揺らして春の水 ことり 六花 200607
春の水野太く鯉の泳ぎたる ことり 六花 200609
水尾交差して春の水らしくなる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
春の水もて研ぐ前の刃を濡らす 伊藤白潮 200704
少年のじつと見てゐる春の水 近藤喜子 200705
切売りのできぬたましひ春の水 高橋道子 200705
大鯉の背に一枚の春の水 百瀬七生子 海光 200705
鳶の笛春の水面の風となり 北島和奘 風土 200705
真間の井戸注連清らかに春の水 渡辺玄子 酸漿 200705
わが影の流れたがりて春の水 長沼三津夫 200705
春の水とげぬき地蔵を降りてゆく 東亜未 あを 200705
人の世の触れてうれしき春の水 浜田はるみ 遠嶺 200706
早春の水のうすぎぬ堰越ゆる 山田弘子 ホトトギス 200707
釣り上げし魚の鰭より春の水 布村松景 春燈 200707
蹼のなき手を入るる春の水 成田美代 200707
保津川の岩打つ筏春の水 池崎るり子 六花 200707
ねんごろに堰を乗りこえ春の水 鷹羽狩行 200803
さよならのはじめは春の水の音 竹貫示虹 京鹿子 200803
沢庵を春の水もて洗ひけり 山田六甲 六花 200803
水生園いのちはじまる春の水 阿部ひろし 酸漿 200804
白鳥のいたはず春の水平ら 坪内稔典 稔典句集 200804
まぎれなき翁ぞ春の水鏡 伊藤白潮 200805
稚の見る水はじめての春の水 服部早苗 200805
人の住む静けさ春の水餅に 中山純子 万象 200805
畦川を泡立て走る春の水 木内美保子 200805 200805
一押しの春の水汲むポンプ井戸 菊池由惠 酸漿 200805
立春の水のはしやぎや丸太橋 中川雄作 遠嶺 200806
春の水たどりし奥に山居あり 小國佐世子 遠嶺 200806
観音の御肩拭ふ春の水 久本久美子 春燈 200806
蜷見んと坐せば囁く春の水 博多永楽 雨月 200806
鯉の影ゆらめき見ゆる春の水 荻原麗子 酸漿 200806
春の水岩越すときはひかりけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200806
息深くたたずむための春の水 高橋道子 200807
河内野の土塀奥より春の水 奥田順子 火星 200807
ささやきは彩をうつせる春の水 荻野千枝 京鹿子 200807
ほろ酔ひの五指やはらかき春の水 倉持梨恵 200808
気がかりを春の水へと解き放す 倉持梨恵 200808
春の水砂にせせらぎ海へ入る 瀧春一 深林 200901
落石を倒木を越え春の水 鷹羽狩行 200904
すこしづつ春の水ある未亡人 田中まや 炎環 200904
クレソンの叢より叢へ春の水 山尾玉藻 火星 200904
橋脚の等間隔を春の水 泉田秋硯 200905
枝先の雫光も春の水 山本無蓋 200905
甲斐の山恋へども遠し春の水 田中藤穂 あを 200905
水母その身のおほかたは春の水 辻美奈子 200905
瀬田唐橋くぐりて迅し春の水 片山博介 春燈 200905
春の水一合の米研ぎにけり 棗怜子 春燈 200905
五位鷺の影をつつみて春の水 北川とも子 ぐろっけ 200905
春の水満てるをんなのいのちかな 中野英伴 春燈 200905
くるぶしを過ぎゆく刻や春の水 山田六甲 六花 200905
春の水呑み干せし掌に生命線 泉田秋硯 200906
むかはりの墓に提げゆく春の水 岩木茂 風土 200906
比叡より奔り下りて春の水 上野昌子 春燈 200906
開脚のキリンのうなじ春の水 佐藤喜孝 あを 200907
鯉動き出すより春の水となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
雨水も水道水も春の水 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
湧くところすこしくぼみて春の水 鷹羽狩行 201004
洛北に春の水汲む詩仙堂 林日圓 京鹿子 201004
和紙揉めば紅のさざ波春の水 田中美智子 201004
ストレスは爪に横線春の水 木下もと子 201005
堰越ゆるときを懸命春の水 安武農子 201005
まづ掬ふ隊商宿の春の水 秋田建三 201005
歩みきてその他大勢春の水 堀内一郎 あを 201005
日光をころがしてゐる春の水 西山春文 201006
十年を伏流したる春の水 甕秀麿 201006
春の水きつかけふつと歩み寄る 清水佑実子 201006
のつとりと堰を落ちゆく春の水 鈴木鳳来 春燈 201006
金魚泛くあぶらのやうに春の水 佐藤喜孝 あを 201006
舟唄や早き流れも春の水 小野すみ子 風土 201007
燃えさしの棒切れの浮く春の水 田村園子 201007
春の水送り来る懸樋かな 安江笥子 雨月 201007
梅の花 →2      

 

2021年2月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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