春炬燵 2      100句

妻老いぬ春の炬燵に額伏せ   富安風生

炬燵  春炬燵

作品
作者
掲載誌
掲載年月
何事も動ぜぬ婆の春炬燵 喜多初枝 雨月 200405
春炬燵魅了されゐる或るドラマ 多田節子 雨月 200405
漱石庵全集ならぶ春炬燵 早崎泰江 あを 200405
芥川賞の受賞作読む春炬燵 小林成子 200405
春炬燵漢字談義の意地を張る 片山茂子 遠嶺 200405
春炬燵指輪を回す癖ひとつ 田辺美栄子 遠嶺 200405
探しものはじめはいつも春炬燵 横山淑子 200405
独り酒呑めばこぼるる春炬燵 芝生南天 河鹿 200405
そこにまだ亡妻が居りさう春炬燵 芝生南天 河鹿 200405
頬の肉相応なりし春炬燵 高田令子 200405
春炬燵黄門さまの高笑ひ 沼口蓬風 河鹿 200406
足触るる者の居ぬなり春炬燵 藤井美智子 対岸 200406
春炬燵茅葺きの家守りきし 杉江美枝 百鳥 200406
春炬燵ぽつと老眼鏡置かれ 高卯石男 200406
里の犬われに寄りくる春炬燵 小松鈴子 酸漿 200406
怒りから遠く離れて春炬燵 斉藤利枝子 対岸 200406
笑ふこと考へてゐる春炬燵 高倉恵美子 200407
春炬燵遠近めがね磨きをり 村田冨美子 京鹿子 200407
春炬燵来し方しのぶ姉妹 芝宮須磨子 あを 200407
新聞を拡げしままの春炬燵 永本純子 200407
旅なれや炬燵嫌ひの春炬燵 橘澄男 山景 200408
春炬燵電動ゲーム飽きもせで 橘澄男 山景 200408
色糸のそろふ針箱春炬燵 安達広子 200502
春炬燵辞書の道草多かりし 河本美智雄 築港 200503
バナナ篭据ゑ誰もゐぬ春炬燵 山尾玉藻 火星 200503
晩学の灯を煌々と春炬燵 渡辺周子 雲の峰 200504
どこへでもお行きと夫は春炬燵 赤座典子 あを 200504
春炬燵妻の趣味には立入らず 岩谷丁字 春燈 200505
春炬燵よれば大樹の心地せり 市川玲子 春燈 200505
星座表大きくひろげ春炬燵 新井徳子 万象 200505
春炬燵鉛筆の芯匂ひけり 草野英子 対岸 200505
ギターカタログ散らばりゐたる春炬燵 高橋道子 200505
今日ひと日何もせぬ気や春炬燵 石川英利 百鳥 200505
地球儀をまた廻したる春炬燵 戸栗末廣 火星 200505
灯点して子の辞書使ふ春炬燵 波田美智子 火星 200505
職退いて出るに出られぬ春炬燵 五十嵐道夫 築港 200505
長老と云はれて籠る春炬燵 三浦澄江 ぐろっけ 200505
目の覚めて眼鏡をさがす春炬燵 柿澤喜三郎 百鳥 200506
一歩ひき生きるのも楽春炬燵 細川知子 ぐろっけ 200506
方言の尽きること無し春炬燵 水野範子 ぐろっけ 200506
出不精の夫と向き合ふ春炬燵 石井邦子 酸漿 200506
夫読書吾はもの書く春炬燵 二瓶洋子 六花 200506
母似なる古稀の姉をり春炬燵 原島ふじ子 遠嶺 200507
旅終へて山のやうなる春炬燵 戸栗末廣 火星 200507
春炬燵心寄せ合ふ寡婦仲間 水野範子 ぐろっけ 200507
お茶漬けの味や夫と春炬燵 蔦森弘子 帆船 200507
春炬燵奥より声する駄菓子店 佐藤忍 万象 200507
散らかしてあれば落ちつく春炬燵 並木重助 酸漿 200507
書に倦むやうたた寝にも倦む春炬燵 御古ゆたか 200508
シャラポワのテニス談議や春炬燵 本多通博 八千草 200508
春炬燵株には縁の無き暮し 矢野律子 200604
綾取りの子のはみ出せる春炬燵 鈴木栄子 酸漿 200604
校了のゲラ刷を置き春炬燵 徳丸峻一 風土 200605
釣宿の奥の座敷の春炬燵 水田清子 200605

 末の子と妹を信州に疎開させて

春炬燵吾が友に吾が子迎へられ

瀧春一 常念 200606
メダルには遠き五輪や春炬燵 沼口蓬風 河鹿 200606
睡魔には抗ひきれず春炬燵 大隅三虎 200606
聞き役のゐなくなりけり春炬燵 垣岡暎子 火星 200606
歳時記のうつろに置かれ春炬燵 木村克子 対岸 200606
ながらへて独り守りをり春炬燵 廣瀬義一 雨月 200606
電子辞書買うてとりくむ春炬燵 村田さだ子 酸漿 200606
番頭の福耳赤し春炬燵 阿久津勝利 万象 200606
寛ぐも偲ぶもひとり春炬燵 白井友梨 馬醉木 200607
洒落心失せし媼の春炬燵 足利ロ子 ぐろっけ 200607
うからやからが春炬燵まさぐりぬ 深澤鱶 火星 200609
かけ算の九九そらんじて春炬燵 赤木真理 ぐろっけ 200702
トランプで恋を占ひ春炬燵 赤木真理 ぐろっけ 200702
句作練る雨半日を春炬燵 渡辺安酔 200704
正座して宇治十帖を春炬燵 水谷ひさ江 六花 200704
歌よりも声誉めてをり春炬燵 斉藤裕子 あを 200704
飢餓の世のありしを語り春炬燵 柴野静 200705
約稿の手付かぬままや春炬燵 水原春郎 馬醉木 200706
癌の句のやがて百句や春炬燵 小林昭 春燈 200706
役員の改選担ふ春炬燵 仁平則子 200706
古民家に裂織掛けし春炬燵 杉田春雄 風土 200706
春炬燵窓辺の木々は天を衝く 佐々木はな子 遠嶺 200706
春炬燵ルーペ上下に株価欄 尼嵩太一郎 ぐろっけ 200706
腰痛も怠けも少し春炬燵 後藤洋子 ぐろっけ 200706
春炬燵同じ銘酒を飽かず飲む 武藤士侑 ぐろっけ 200706
玉石の話をよそに春炬燵 青山悠 200707
スイッチも入れず不貞寝の春炬燵 今井忍 ぐろっけ 200707
春炬燵退職状に切手貼る 今井忍 ぐろっけ 200707
他愛なき会話の三時春炬燵 野中啓子 200708
猫の尾を踏んでしまへり春炬燵 赤松郁代 万象 200708
春炬燵虫歯堪えて丸く寝る 今井忍 ぐろっけ 200708
春炬燵話し上手に聞き上手 村越化石 200804
開拓を語る翁や春炬燵 仁平則子 200805
島よりの黒糖菓子や春炬燵 米山喜久子 200805
春炬燵小さき痛みの去りやらず 前川明子 200805
預かりし孫泣きにくる春炬燵 笹村政子 六花 200805
力入る横綱相撲春炬燵 杉野原弘幸 200806
芙美子の居更紗かけたる春炬燵 内田郁代 万象 200806
春炬燵囲むはらから喜寿米寿 柳澤宗正 万象 200806
二度聞きの話となりぬ春炬燵 藤井佐和子 200806
春炬燵株価の話夫とかな 勝見玲子 200806
春炬燵かはらぬ夫の諏訪訛 青木民子 酸漿 200806
夫点てしお茶の大ぶく春炬燵 八染藍子 200807
朗報を待つもどかしさ春炬燵 深沢龍三 200807
春炬燵ふたりの記憶つなぎ合ひ 乗光雅子 雨月 200807
同じこと聞き返しては春炬燵 柴田良二 雨月 200807
春炬燵→3      

 

2021年3月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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