墓洗ふ 2    90句

どの家にも修羅一人あり墓洗ふ   櫂未知子   貴族

墓参 展墓

作品
作者
掲載誌
掲載年月
戒名をなぞりて兄の墓洗ふ 西田史郎 201310
水たつぷり父よ母よと墓洗ふ 小倉正穂 末黒野 201311
墓洗ふ塩噴く腕黒光り 池田喜代持 六花 201311
妹と父母を語りつ墓洗ふ 川山根征子 201311
閼迦そそぐ雨の洗ひてゐる墓に 瀧春一 花石榴 201312
多摩の端の空は清朗墓洗ふ 安田とし子 ぐろっけ 201312
墓洗ふ背なに白山よりの風 三屋英俊 万象 201312
墓洗ふ同じ日付の三人の名 佐藤喜仙 かさね 201312
鍬鎌に生きたる父祖の墓洗ふ 佐藤山人 201312
何くれと世話やく弟墓洗ふ 山本とく江 万象 201312
マニキュアの赤ためらひつ墓洗ふ 国包澄子 201312
墓洗う死んでも妻に言えぬこと 貝森光洋 六花 201410
薫風や母の忌日の墓洗ふ 吉田きみえ 末黒野 201411
筆順に正しく墓を洗ひけり 矢崎すみ子 201411
墓洗ふやうに父の手をさする 柳川晋 201411
墓洗ふやがて無縁となる墓を 江島照美 201411
墓洗ふ比叡の嶺ををろがみて 谷村祐治 雨月 201411
松籟を聞き逆縁の墓洗ふ 土田亮 末黒野 201412
夫ゆきてはやも三年や墓洗ふ 田村加代 末黒野 201412
母の名のまだ朱き墓洗ひけり えとう樹里 201412
墓洗ふ吾が戒名に指入れて 中山皓雪 201412
話しかけ又話しかけ墓洗ふ 加藤静江 末黒野 201412
十字架の墓石洗う夢の中 岡崎禎子 201412
この先のことは思はず墓洗ふ 工藤ミネ子 風土 201511
墓洗ふ家より真水運び来て 工藤ミネ子 風土 201511
あれからのこれからのこと墓洗ふ 鈴木庸子 風土 201511
海鳴りを遠くに聞きて墓洗ふ 犬塚李里子 201511
墓洗ふ母に聞きたきことひとつ 武生喜玖乃 雨月 201511
この先のことは目つむり墓洗ふ 藤原照子 201511
竹林の風を背に受け墓洗ふ 貫井照子 やぶれ傘 201512
つくづくと親不孝なり墓洗ふ 佐藤雄二 万象 201512
繋ぎゆく命の重さ墓洗ふ 五島富佐子 雨月 201602
雨雲に急かされ父祖の墓洗ふ 野畑さゆり 201602
墓洗ふ柄杓や杉の香の立ちぬ 波多野孝枝 末黒野 201604
花の雲十九の兄の墓洗ふ 山崎刀水 春燈 201606
酒好きは遺伝や父の墓洗ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
竹生島見ゆる浦曲の墓洗ふ 駒井でる太 馬醉木 201610
父母の墓洗ふ額の汗清し 神田惣介 京鹿子 201610
母の面拭ふ心地に墓洗ふ 山本ひろ 雨月 201611
墓洗ふ父の分骨せし墓を 江島照美 201611
墓洗ふ白いリボンに髪束ね 布川孝子 京鹿子 201611
墓洗へば翠黛の影映りけり 片山博介 春燈 201611
新しき戒名増えし墓洗ふ 赤羽陽子 春燈 201611
胸濡らし母抱くかに墓洗ふ 荒井ハルエ 春燈 201611
父母の年超えたる幸や墓洗ふ 吉田きみえ 末黒野 201611
一族の疎遠となれる墓洗ふ 下平しづ子 雨月 201612
墓洗ふ父の知らざること言はで 下平しづ子 雨月 201612
墓洗ふ愚痴二つ三つこぼしつつ 山西商平 ホトトギス 201612
墓洗ふ父母に阿弟に詫びいくつ 赤岡茂子 春燈 201612
墓石の裏に我が名や洗ひたる 土井三乙 風土 201612
墓洗ふ父の知らざること言はで 下平しづ子 雨月 201612
一族の疎遠となれる墓洗ふ 下平しづ子 雨月 201612
娘の洗ひくれたる妻の墓を拭く 木村享史 ホトトギス 201701
背を流すごとく墓石洗ひをり 久保東海司 201710
先づ無沙汰詫びて先祖の墓洗ふ 大石喜美子 雨月 201711
墓洗ふ無口な亡夫のなほ無口 間谷雅代 馬醉木 201711
帰郷して真つ先き父母の墓洗ふ 河口仁志 201711
顔知らぬ遥か先祖の墓洗ふ 大野芳久 やぶれ傘 201712
墓洗ふ水浸く屍となりし叔父 佐津のぼる 六花 201712
墓洗ふ夢をまた見し誰が墓ぞ 飛高隆夫 万象 201712
長靴を履いて先祖の墓洗ふ 赤松赤彦 六花 201801
父の業継げざる墓を洗ひけり 竹下陶子 ホトトギス 201802
墓洗ふ元禄の文字あざやかに 磯貝尚孝 清閑 201804
墓参り満足にして手を洗う 林田麻裕 船団 201806
姉に聞く父母のいろいろ墓洗ふ 須賀敏子 あを 201810
父の墓洗ふ父より長く生き 園部蕗郷 春燈 201811
病む腕を伸ばして洗ふ父母の墓 鈴木石花 風土 201811
ふるさとや先づは婚家の墓洗ひ 下田奉枝 雨月 201811
一族の古老となりて墓洗ふ 大橋淳一 雨月 201811
墓洗ふ仏座間近き堂の裏 浅井青二 雨月 201811
戦争を語らぬままの墓洗ふ 市村明代 馬醉木 201811
墓洗ふ御破算にする親不幸 江島照美 201811
秋の水光とともに墓洗ふ 横山さくら 春燈 201812
男ひとりわし掴みして墓洗ふ 岸洋子 201902
墓洗ふ届かぬところそのままに 横田敬子 201902
たっぷりと墓碑冷ゆるまで洗ひけり 森脇貞子 雨月 201910
墓洗ふ死んでも吾子は鎹に 倉科紫光 馬醉木 201911
墓洗ふ終の栖と懇に 塩見英子 雨月 201911
一喝は父の愛情墓洗ふ 西村白杼 京鹿子 201912
よく叱られた親父だったな墓洗う 藤野雅彦 船団 201912
曾祖父の顔知らぬ孫墓洗ふ 山本久枝 やぶれ傘 201912
近況を無沙汰詫びつつ墓洗ふ 野上あつ子 雨月 202001
母の背をやさしく流し墓洗ふ 江島照美 202011
墓洗ふあかつき闇の風の中 升田ヤス子 六花 202011
蝉の殻そのままにして墓洗ふ 藤生不二男 六花 202011
空蝉のすがりたる墓洗ひけり 藤生不二男 六花 202012
墓洗ふ →1      

 

2021年8月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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