萩 9         90句

野分あと風遊びをる萩の花  高浜虚子  句日記

  枯萩  山萩

作品
作者
掲載誌
掲載年月
立札に恋の古歌あり萩こぼれ 若江千萱 雨月 200609
萩くくる佳人を囲ふにも似たり 伊藤白潮 200610
萩蝶に小花の魅せし彩が好し 鈴鹿仁 京鹿子 200611
人の意とせず宮萩の露こぼす 鈴鹿仁 京鹿子 200611
萩に蝶かけがへのなき宮の風 鈴鹿仁 京鹿子 200611
萩すすきもうその頃となりにけり 鷹羽狩行 200611
萩に吹くかぜや袖口身八口 中山純子 万象 200611
萩の句を綾子の書きし古扇 塩由造 万象 200611
走り旅芭蕉ゆかりの萩の寺 塩由造 万象 200611
こぼれ萩書いてまた消す句読点 小嶋洋子 200611
狩衣の業平の顕つ乱れ萩 南幸子 春燈 200611
甲冑の遠き日偲ぶ萩の月 松本静江 遠嶺 200611
白萩や太閤利休点茶の間 水原春郎 馬醉木 200611
触れぬことおほき再会萩月夜 山岡季郷 馬醉木 200611
白萩のこぼれて親し高台寺 山岡季郷 馬醉木 200611
慎ましく萩の花咲く墓石かな 丹羽敦子 酸漿 200611
七草の萩の垂れて見せにけり 田中喜久子 酸漿 200611
とびとびに大鬼瓦萩の径 森山のりこ あを 200611
古版木読めぬ字もあり萩の寺 森山のりこ あを 200611
雨粒を飾りて萩のさかりかな 鎌倉喜久恵 あを 200611
萩咲けり海へまつすぐ下る坂 泉田秋硯 200612
上州の刺身蒟蒻萩の宿 木暮剛平 万象 200612
萩泳ぎそれぞれ捌く風の道 狭川青史 馬醉木 200612
紅萩の喝采神へ近づけり 丸井巴水 京鹿子 200612
志貴皇子のかをりせめても萩の寺 荻野嘉代子 春燈 200612
白萩や惑星ひとつ外さるる 前川明子 200612
一切が夢であります萩の露 秋岡朝子 200612
白萩をよごさぬやうにくぐりけり 岩下芳子 200612
雨音に女声紛るる夜の萩 小澤克己 遠嶺 200612
萩寺に佇むひとの帽白し 小山徳夫 遠嶺 200612
一陣の風に喜ぶ萩の花 三沢蘭 遠嶺 200612
自画像の山高帽子萩の風 府川房江 遠嶺 200612
胸中をともに濡らして萩ゆする 横松しげる 遠嶺 200612
山雨いまたばしる径のみだれ萩 半谷弘子 遠嶺 200612
二夜庵はたやあん>萩の盛りに来合せる 神蔵器 風土 200612
再びの勢至菩薩へ萩くぐる 鈴木とおる 風土 200612
萩の咲く新薬師寺に宿を借り 鈴木とおる 風土 200612
萩咲くや名刺受けあり虚子の墓 山田暢子 風土 200612
萩の風京へをんなの一人旅 山田暢子 風土 200612
山の萩尻で揺らすや畝づくり 南うみを 風土 200612
かろきものばかり着慣れて萩の花 柴田久子 風土 200612
萩寺の天井に舞ふ天女たち 井出やすはる 酸漿 200612
山萩や人目も虫も引き付けて 高橋玲水 酸漿 200612
白萩の咲きそめし朝皇子生るる 坂本幸子 酸漿 200612
閑庭の径をせばめて萩こぼる 森山のりこ あを 200612
平らかに母と歩まむ萩の風 斉藤裕子 あを 200612
萩散りて苗字を変へず住みつづく 蒔田しをん 200701
本名は破魔子萩咲く汀女の忌 木田千女 200701
双蝶のもつれあひつつ萩の墓 坊城俊樹 ホトトギス 200701
虚子の世を偲ぶ御寺の萩の花 安原葉 ホトトギス 200701
二度くぐる萩のトンネル浄土かな 田原陽子 200701
萩叢の黄蝶の群の珊瑚礁 小山徳夫 遠嶺 200701
朝粥に友の笑顔や萩の宿 永田歌子 遠嶺 200701
観音にひかり宿りて萩の花 竹内文子 遠嶺 200701
白萩や城をまぢかに波の音 林友次郎 遠嶺 200701
読経して萩も名残の寺まうで 加藤北天 雨月 200701
鏡中に胸中あふれこぼれ萩 舩越美喜 京鹿子 200701
遷都古る御所の宮居を萩が守る 岩崎憲二 京鹿子 200701
平戸へ来し松陰萩の花終へし 松崎鉄之介 200701
分け入れば萩のとりまく墓どころ 荒木治代 ぐろっけ 200701
乱れ萩括り石工は仏彫る 今井忍 ぐろっけ 200701
野良猫と潜つて居りぬ萩の道 片野光子 ぐろっけ 200701
萩の風萩の筆選る白毫寺 橋添やよひ 風土 200701
水音に白萩の散りそめにけり 笹村政子 六花 200701
この道や咲きたる萩を散らす雨 牧原佳代子 酸漿 200701
萩伐つて言葉少なき朝ゆふべ 田中藤穂 あを 200701
きりぎしに萩の乱るる海蔵寺 服部早苗 200701

 『益子』序句

萩すすき桔梗なでしこ益子焼

鷹羽狩行 200702
僧が行き巡査が戻る萩の道 川口襄 遠嶺 200702
咲き満ちてより紅萩の落着かず 高橋さえ子 200702
身の丈の萩こぼしつつ径抜くる 内山けい子 200702
残り萩静かに風を流しけり 斎藤ふき 200702
萩どさり馬穴にゆらし銀座裏 山元志津香 八千草 200702
黎明の光とこぼれ萩の花 高橋さえ子 200702
咲きそめて萩繚乱の日も近し 安原葉 ホトトギス 200703
枝垂萩車庫にベンツを幽閉す 平野きぬ子 八千草 200703
萩しだれ地を擦つて花こぼしけり 小山梧雨 200703
高野道萩に隠るゝ道祖神 秋田直己 ぐろっけ 200703
手古奈みち萩みだるるもこぼるるも 山下良江 万象句集 200703
萩の風妣の箪笥に加賀手毬 直江由季子 万象句集 200703
群萩や雄岡雌岡の山の坂 松下幸恵 六花 200705
また一人加はる忌日萩の露 安原葉 ホトトギス 200706
まのあたり風の過ぎたるこぼれ萩 瀧春一 200706
燈籠の小障子白し萩の中 瀧春一 200706
燈籠のほとりに暗し萩の叢 瀧春一 200706
水打つて萩の病葉ながれ出づ 瀧春一 200706
茘枝熟れ萩咲き時は過ぎゆくも 加藤楸邨 ぐろっけ 200708
萩揺れて狭庭に風の通り道 稲畑汀子 ホトトギス 200709
又萩に又萩に歩のいざなはれ 稲畑汀子 ホトトギス 200709
萩の花穂いとけなきかな極楽坊 飛高隆夫 万象 200709
乱れみせはじめ宮城野萩見ごろ 山仲英子 200709
萩10→      

 

2021年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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