17  200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨水に押されふくるる萩の塵 南うみを 風土 201612
山の萩風に瀬音に散り急ぐ 南うみを 風土 201612
坊守の語尾やはらかし萩の風 布施政子 馬醉木 201612
武家屋敷に遊子の琴や萩の風 平田はつみ 馬醉木 201612
こぼれ萩ぢぢとばばとが清めたり 久保夢女 201612
声明や萩のほころぶ石畳 杉原ツタ子 201612
白萩のバケツいつぱいでも淋し 後藤マツエ 201612
山萩の風の強きに撓りける 蒲田豊彦 雨月 201612
真盛りの萩に風雨のつのり来る 西村しげ子 雨月 201612
武士の世の残り香確とこぼれ萩 頓所友枝 201612
こぼれ萩いつも会へども名を知らず 頓所友枝 201612
白萩やこころの折れは音のせず 七種年男 201701
白萩の香に包まれし忌日かな 野畑さゆり 201701
雑布は固く絞る性萩こぼる 藤本啓子 京鹿子 201701
白萩の夜の白さに鶴を折る 村田あを衣 京鹿子 201701
やはらかに昆布煮上る萩月夜 北川孝子 京鹿子 201701
目礼のさりげなかりし萩のまへ 中村嵐楓子 春燈 201701
萩括る医師の診断疑はず 井上正子 童女 201701
この句座を去りゆく人に萩名残 古賀しぐれ ホトトギス 201701
乱るるが盛りなりけり萩の風 古賀しぐれ ホトトギス 201701
白萩や花より多き雨雫 河野美奇 ホトトギス 201701
荒るるとの予報に萩をくくりけり 笹倉さえみ 雨月 201701
萩すでに色深めをり宝戒寺 鍋島武彦 末黒野 201702
一叢の萩の大揺れ小揺れかな 岡野里子 末黒野 201702
萩の濃き籬やいよよ路地細し 川村みよき 万象 201702
毛氈の野点の茶釜萩日和 井上和子 201702
川合ひの静脈めきで萩の声 山本久江 201702
落葉踏む萩往還の石畳 川上恵子 雨月 201702
萩碗に桜湯ひらく安けさよ コ田千鶴子 馬醉木 201703
お城まで馬追の径萩の径 浜崎素粒子 ホトトギス 201704
鬼貫父子の墓碑に影置く萩若葉 森幸 雨月 201708
萩揺れて昨夜の嵐の語部に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
萩の花雨滴と零れ風一過 稲畑汀子 ホトトギス 201709
薫風の萩垣そなふ能舞台 林いづみ 風土 201709
紅は風白は水面に解けて萩 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
咲くままにこぼるるままに萩の宮 藤岡紫水 京鹿子 201711
風誘ふ梨木さんの萩の径 鈴鹿仁 京鹿子 201711
萩ゆらす風の意となる神の技 鈴鹿仁 京鹿子 201711
嫋やかに人招き入る萩の露 鈴鹿仁 京鹿子 201711
紅絹裏に風の零るる萩の宮 鈴鹿呂仁 京鹿子 201711
道行きの二人の定め萩の蝶 鈴鹿呂仁 京鹿子 201711
喜寿の妻萩の主となり給ふ 竪山道助 風土 201711
萩咲くや水でつながる美濃の里 川内谷育代 馬醉木 201711
萩揺れて羽音縮んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
千年の史を語るや萩の露 前田美恵子 201711
いくさなど無いといいのに萩ほつほつ 安居正浩 201711
紅萩を零しひとりに戻る径 井尻妙子 京鹿子 201712
萩の寺素心で閻魔の前に立つ 山中志津子 京鹿子 201712
神水は人を濁さず萩真白 村田あを衣 京鹿子 201712
萩あかりひとつ空け置く母の席 村田あを衣 京鹿子 201712
女の香劣化する日の萩うねり 伊藤希眸 京鹿子 201712
風の萩ゆうらり白き深海魚 塩貝朱千 京鹿子 201712
白萩や黒きネイルの娘の祈り 塩貝朱千 京鹿子 201712
萩の道風の道へと咲き続く 杉本薬王子 風土 201712
日に幾度過ぎゆく雨や萩の花 高村令子 風土 201712
目をこらし失せもの探す萩の声 秋川泉 あを 201712
萩叢を三巡りすれば叶ふ恋 久保夢女 201712
隣との御縁深しやこぼれ萩 吉田とよ子 春燈 201712
おだやかな日差し雀がこぼす萩 浅田セツ子 春燈 201712
括る間も白萩白をこぼしけり 荒井ハルエ 春燈 201712
こぼれ萩耳の忘れてをらぬ声 坂場章子 201712
萩こぼる風の甘かり獣道 阪倉孝子 201712
父母の眠る墓域の萩咲けり 堺昌子 末黒野 201712
萩夕べ昔がたりに湧く瀬音 井尻妙子 京鹿子 201712
山門になだれ咲く萩風いなす 島田和枝 万象 201712
円空仏の粗さやさしさこぼれ萩 コ田千鶴子 馬醉木 201712
ゴム紐が蛇に見えたる萩の風 田中藤穂 あを 201801
萩揺るる風と話をするやうに 岩崎武士 万象 201801
靴下を編む木洩れ日にこぼれ萩 岡本敬子 万象 201801
こぼれ萩あしたはきつと風になる 井尻妙子 京鹿子 201801
青春は発見ばかり萩くれなゐ 井尻妙子 京鹿子 201801
日と月の菩薩かがよふ萩のころ 北村梢 京鹿子 201801
紅小萩いくつこぼせば恋成就 北村梢 京鹿子 201801
萩なごり妣の仕草と京ことば 本郷公子 京鹿子 201801
師はけふも萩の乱れに立ち給ふ 土井三乙 風土 201801
帚目をもれたる風のこぼれ萩 佐藤保子 馬醉木 201801
観音水含みて巡る萩の寺 小木曽文明 雨月 201801
空構様怪し萩叢大揺れに 大橋晄 雨月 201801
日に遊び風にあそぶや萩の花 小山繁子 春燈 201801
ゆるゆるの手加減がよし萩括る 宮内とし子 201801
光る波溢れて寄せる萩の池 廣畑育子 六花 201801
くちびるのふたたび濡るるこぼれ萩 藤生不二男 六花 201801
心療科の窓すこし開く萩の月 直江裕子 京鹿子 201802
萩刈るや吹つ切るものの二つ三つ 溝越教子 春燈 201802
虚子句碑の根締めのごとし萩の紅 堺昌子 末黒野 201802
よき風を集めて萩のすがれゆく 今橋眞理子 ホトトギス 201802
初萩のはやもこぼれし汀かな 三村純也 ホトトギス 201802
萩刈られ寺苑くまなく日当れり 播磨武子 雨月 201803
種の浜思ひて蒐め萩の塵 後藤比奈夫 ホトトギス 201804
皆が詠む萩に隠るる百度石 後藤比奈夫 ホトトギス 201804
青萩の風吹き抜くる下地窓 持田信子 春燈 201808
紅萩はかるし白萩重かりし 沼田巴字 京鹿子 201809
境内の真昼の闇や萩白し 沼田巴字 京鹿子 201809
館の萩とは子規偲ぶ色として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
萩芒庭の一劃野に仕立て 稲畑汀子 ホトトギス 201809
咲きさうでまだ咲き初めぬ萩の花 稲畑汀子 ホトトギス 201809
こぼれ萩池騒がせてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
紅萩に羽音風音二重奏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
亀山といふは鴨山萩密に 山田六甲 六花 201810
群狼の離別の地なり萩揺れて 能村研三 201810
弾力にゆだねて括る走り萩 能村研三 201810
風を得て深井をかくす萩すすき 能村研三 201810
栗を剥くアーミーナイフと萩の皿 七郎衛門吉保 あを 201811
神苑の鎮もるなかの萩の蝶 鈴鹿仁 京鹿子 201811
紅萩の蕪雑に守るや翁堂 鈴鹿呂仁 京鹿子 201811
巫女の髪束ねて黒し紅小萩 鈴鹿呂仁 京鹿子 201811
走り萩添へて灑水を奉る 宮原悦子 雨月 201811
紅白の萩の枝垂れて野点かな 手島伸子 雨月 201811
乱れ萩嵐のせいではなかりけり 高橋将夫 201811
こぼれ萩神のあそびの風のいろ 鈴鹿仁 京鹿子 201811
鈴の緒は母の手ざはり紅小萩 村田あを衣 京鹿子 201811
萩黄葉そこより庭のはじまれる 稲畑汀子 ホトトギス 201811
七回忌過ぎたる庭や月の萩 鈴木としお 春燈 201812
亡きひとを恋へばこぼるる雨の萩 中里よし子 春燈 201812
白は散り紅は遅れて萩の花 辻美奈子 201812
萩の風こんがらがりて抜け出せぬ 中島昌子 201812
半世紀の思慕運び来る萩の風 近藤紀子 201812
白萩の鼓動を胸へ抱き起こす 熊川暁子 201812
箒目の乱れのあらず萩の寺 森清堯 末黒野 201812
潮風の肌のしめりや萩の花 黒滝志麻子 末黒野 201812
風立ちて萩の繚乱宝戒寺 早川八重子 末黒野 201812
風鐸を揺らせる風や萩の波 峰幸子 末黒野 201812
なにかあるな萩百株と神の水 伊藤希眸 京鹿子 201812
白萩の地につく祈りただ平和 松本鷹根 京鹿子 201812
萩闌ける延命橋の反り深し 鈴鹿呂仁 京鹿子 201812
萩尾花風を一つにしてゐたり 増成栗人 201901
萩盛ん小谷(おだに)の里の保育園 本郷公子 京鹿子 201901
短冊ゆれ今日宮萩の晴れ舞台 本郷公子 京鹿子 201901
厄介はやつかいとして萩括る 井尻妙子 京鹿子 201901
いつの間にか還りごころを萩月夜 伊藤希眸 京鹿子 201901
萩の花くくりてあたり軽くせり 望月晴美 201901
山内の静寂を風の乱れ萩 宮平静子 雨月 201901
子規句碑へ一際白し萩の花 宮平静子 雨月 201901
萩揺れてゲートボールの声弾む 大石喜美子 雨月 201901
紅白の萩逝きし娘に捧げなむ 大橋晄 雨月 201901
赤門へ辿る坂道こぼれ萩 梅田武 末黒野 201902
白萩の汚濁の世相清めむと 山中志津子 京鹿子 201902
萩の宿仲居は塗師の父語る 佐々木あつ子 やぶれ傘 201902
訪ぬれば萩早散りぬ寺詣 阿部重夫 末黒野 201904
退屈を描けば空や乱れ萩 日置游魚 201905
ある日ひとり萩括ることしてをりぬ 安住敦 春燈 201909
馬追や月をよこぎる萩一枝 水原秋櫻子 馬醉木 201909
さらさらと物忘れして萩の露 田中藤穂 あを 201910
廃校門萩の呟き遠谺 松本鷹根 京鹿子 201911
名水の雨を拒まず宮の萩 鈴鹿呂仁 京鹿子 201911
候へば小御所に聞こゆ萩一首 鈴鹿呂仁 京鹿子 201911
神と風何色と問ふ萩真白 鈴鹿呂仁 京鹿子 201911
白萩や香煙なびく父祖の墓地 高木邦雄 末黒野 201911
仰ぎたる磴はさかりの萩の中 出牛進 201911
愛の木のここに幸汲む萩の宮 鈴鹿呂仁 京鹿子 201911
地に還す色は持たざり宮の萩 鈴鹿呂仁 京鹿子 201911
地を這ひて小米散らして蒔絵萩 大内幸子 六花 201911
冠木門くぐれば目路の萩の風 水田壽子 雨月 201911
萩の花影のなかまで影のある 佐藤恭子 あを 201912
白萩や夕風のわが机まで 田中藤穂 あを 201912
萩零れもう遊びでは終らない 山中志津子 京鹿子 201912
白萩は風をにごさず神の宮 村田あを衣 京鹿子 201912
神に一礼白萩に逢ひに来し 塩貝朱千 京鹿子 201912
もの思ふことの多かり乱れ萩 矢野美沙子 201912
括り紐ぷつんと萩を放ちけり 兵藤惠 201912
出で入りの裾を気遣ふ萩の門 石田阿畏子 馬醉木 201912
蹌踉け立つ身ほとりに添ふ萩の風 浅田セツ子 春燈 201912
雨上がり萩のしらつゆ光り合ふ 中里よし子 春燈 201912
紅萩や分限者の塀低からず 永井惠子 春燈 201912
白萩の咲き初む神に近きより 熊川暁子 201912
城跡の礎石を隠す乱れ萩 高木俊朗 雨月 201912
萩咲いて今日は遷座の一仏 浅田光代 風土 201912
萩くぐり不在の彼の家を過ぐ 重原爽美 201912
萩枝垂れ御嶽山を称ふ句碑に触る 森田節子 風土 202001
なまこ壁続く街道萩の花 延川笙子 六花 202001
ねねの道こぼして行くや萩の道 江見巌 六花 202001
地にも触れ萩の盛りとなりにけり 藤生不二男 六花 202001
萩の戸を入るも父母とうになし 志方章子 六花 202001
山内に知らぬ花あり萩の風 鈴木千恵子 末黒野 202001
鐘の音や夕風つのる萩の寺 岡井マスミ 末黒野 202001
白萩の散りこぼるるや地蔵堂 岡田史女 末黒野 202001
白萩の垂れ箒目なぞりをり 石黒興平 末黒野 202001
杣道とも獣道とも萩乱れ 松本三千夫 末黒野 202001
萩すすき五重塔の黄金色 藤原明美 202001
萩の虻何をするにも体当り 片山煕子 京鹿子 202001
萩叢を抜けたしかめる現在地 井尻妙子 京鹿子 202001
白萩の風のうねりも平家琵琶 佐藤千恵 京鹿子 202001
萩日和秘めごともなき眼鏡拭く 村田あを衣 京鹿子 202001
白萩や譲り合ひたる石畳 岡井マスミ 末黒野 202001
膝小僧やさしく撫ぜて萩括る 丸井巴水 京鹿子 202001
萩の花こぼして誘ふ寺の坂 山下朝香 春燈 202001
萩刈られ真円大き思案石 鈴木石花 風土 202001
箱根路の萩の名残に会ひ得たり 林いづみ 風土 202001
先のことよりまづは萩括るべし 松橋利雄 春燈 202001
萩散るや終のひかりの糸をひき 桐本美惠子 馬醉木 202001
白萩の風に肩組む道祖神 中江はるみ 馬醉木 202001
菩提寺の軋む裏木戸こぼれ萩 大川暉美 末黒野 202002
萩刈つて角の尖りし石畳 柿沼盟子 風土 202002
茅葺の館の垣は萩の叢 湯本正友 やぶれ傘 202002
萩叢に山の風くる日矢が降る 荒川心星 202002
萩むらへ集まつてゆく風の道 今橋眞理子 ホトトギス 202002
己が闇仕上げて萩の盛りかな 湯川雅 ホトトギス 202002
萩むらの緩やかな揺れ夕日影 田中嘉信 京鹿子 202002
校訓を刻みし石碑こぼれ萩 亀井福恵 京鹿子 202002
萩の風終の住処を思ひをり 三上程子 風聴くや 202003
萩 →18      

 

2021年10月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。