牡丹鍋       118句

牡丹鍋青笹川は夜も白し    武井久雄

牡丹鍋  猪鍋  山鯨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
本音とはときに激しく牡丹鍋 山田弘子 春節 199503
出稼に行く父囲む牡丹鍋 野原春醪 馬醉木 199902
食細き男の誘ふ牡丹鍋 中谷まもる 火星 199904
牡丹鍋すでにして橋がかりなり 岡井省二 199911
大阪の真ん中は人牡丹鍋 信崎和葉 六花 200002
峠路にさしかかる家牡丹鍋 黒坂紫陽子 馬醉木 200003
裏山に騒ぐ夜風や牡丹鍋 岩崎きゑ子 馬醉木 200004
能勢にまだ日のあるうちの牡丹鍋 菅谷弘子 雨月 200004
目の覚むる赤さに能勢の牡丹鍋 堀田清江 雨月 200004
湯の神と隣合はせに牡丹鍋 山田弘子 円虹 200005
来る筈の無き人のゐる牡丹鍋 山尾玉藻 火星 200012
秩父嶺の晴れわたる日の牡丹鍋 竹内喜代子 雨月 200103
火のまはりよき花冷えの牡丹鍋 能村登四郎 200108
庭見ゆる窓くもらせて牡丹鍋 辻のぶ子 雲の峰 200202
岩山の闇しんしんと牡丹鍋 加瀬美代子 200202
牡丹鍋怒り上戸と泣き上戸 谷渡末枝 万象 200212
晩酌の追加してゐる牡丹鍋 安部義子 築港 200302
牡丹鍋力合せて食ひにけり 大串章 百鳥 200303
牡丹鍋噂話を火のごとく 谷上佳那 百鳥 200304
婿殿の奉行ぶりよし牡丹鍋 原田喜久子 八千草 200306
何事もなきかに囲む牡丹鍋 柴田佐知子 200312
一家言ある顔並ぶ牡丹鍋 折橋綾子 200403
武勇伝誇大に語り牡丹鍋 北川光子 ぐろっけ 200405
仕留めたる男のつくる牡丹鍋 中和田洋美 万象 200409
山宿の重き丹前牡丹鍋 内藤ゑつ ゑつ 200411
牡丹鍋焦跡のある座卓かな 山遊亭金太郎 百鳥 200502
地酒酌み口なめらかや牡丹鍋 泉田秋硯 200503
一発で仕留めしと言ふ牡丹鍋 谷田部栄 万象 200504
花びらのたちまち崩る牡丹鍋 寺尾とよ子 築港 200505
皆が皆母を語りし牡丹鍋 森理和 あを 200512
間伐の杉の枝をくべ牡丹鍋 赤松郁代 万象 200602
娘らの山賊笑ひ牡丹鍋 木寺仙游 四葩 200602
さんざめく板戸一枚牡丹鍋 大西和子 ぐろっけ 200602
乾杯のグラスを置くや牡丹鍋 早水秀久 河鹿 200603
山並の昏るるを待ちて牡丹鍋 松村多美 四葩 200603
牡丹鍋ふうふういづれも健啖家 丹生をだまき 京鹿子 200704
大声の男ばかりや牡丹鍋 谷田部栄 万象 200705
人魂を真実見しと牡丹鍋 岡村一郎 200705
おのづから席のきまりて牡丹鍋 さのれいこ 春燈 200712
門灯へななめの雨や牡丹鍋 貴志尚子 200802
山里の闇被さり来牡丹鍋 山下佳子 馬醉木 200803
団参の序列はづれて牡丹鍋 山崎靖子 200803
牡丹鍋美女と囲みて渓の宿 金山藤之助 200804
山刀を携へをりし牡丹鍋 堀志皋 火星 200804
両国広小路牡丹鍋とて名題なる 鈴木榮子 春燈 200804
ひよつとこもえびすも笑めり牡丹鍋 内野俊子 春燈 200804
牡丹鍋家族揃はぬこと多し 高倉恵美子 200805
渓水をとほす山家や牡丹鍋 鈴木直充 素影 200811
弁慶も入りし岩風呂牡丹鍋 小阪律子 ぐろっけ 200905
甦へる丹波の記憶牡丹鍋 塩路五郎 201001
草食系男子はおらぬ牡丹鍋 福田漣 201003
篠山や母系の里の牡丹鍋 太田良一 末黒野 201003
牡丹鍋つつく一人が怪気炎 福島茂 201004
牡丹鍋立山颪が戸を鳴らす 小坂優美子 馬醉木 201005
漢垂れを出世頭に牡丹鍋 守屋井蛙 酸漿 201101
ノーベル賞に縁なき顔や牡丹鍋 北川キヨ子 201103
猩猩とつついてゐたる牡丹鍋 高橋将夫 201103
遥かより秩父ばやしや牡丹鍋 山田春牛 万象 201103
牡丹鍋味噌も野菜も地のものを 田中春子 雨月 201103
大部屋に声まじり合ふ牡丹鍋 鎌倉喜久恵 あを 201103
鍋四つ村人四分牡丹鍋 能勢栄子 201104
血の濃ゆき者が囲みし牡丹鍋 丸井巴水 京鹿子 201105
牡丹鍋かつて生徒の髯愛し 相沢有理子 風土 201202
外つ国の人の興味や牡丹鍋 坂根宏子 201203
牡丹鍋ふしくれ指の箸使ひ 小野寺節子 風土 201203
猪肉を分けて村人牡丹鍋 奥村真人 雨月 201203
銃声の意外に近し牡丹鍋 コ田千鶴子 馬醉木 201204
橋の灯と人かげ見ゆる牡丹鍋 大崎紀夫 やぶれ傘 201205
山音に膝寄せ合へる牡丹鍋 野上杳 201212
筆太に始めましたと牡丹鍋 秋葉雅治 201302
隈笹に降る雨音や牡丹鍋 広渡敬雄 201303
牡丹鍋牡丹模様の皿にあり 溝渕弘志 六花 201401
ししむらの力満ちくる牡丹鍋 森岡正作 201402
闇深き峡に火の美し牡丹鍋 片山博介 春燈 201403
山宿の主の捌き牡丹鍋 丸尾和子 雨月 201403
父娘句碑に先づの表敬牡丹鍋 大石よし子 雨月 201403
風吠ゆる峡の湯宿の牡丹鍋 今井洋子 雨月 201403
牡丹鍋勇者の如く囲みたる 宮井知英 201404
山里の炭火かぐはし牡丹鍋 松田和子 201404
こんな時だからみんなで牡丹鍋 高橋将夫 201404
国東に千年の寺牡丹鍋 あさなが捷 201502
停学に慣れし子と食む牡丹鍋 松田都青 京鹿子 201506
埋め合せいつかするから牡丹鍋 中谷三干子 船団 201508
風は夜のこゑあげてゆく牡丹鍋 大崎紀夫 虻の昼 201510
鞍馬路の暮色にはかや牡丹鍋 奥村直女 馬醉木 201603
健吟の顔揃ひたり牡丹鍋 大石よし子 雨月 201603
大輪を縁よりくづし牡丹鍋 蒲田雅子 雨月 201603
山風のおらび初めたり牡丹鍋 田中珠生 馬醉木 201604
紫に暮れゆく山河牡丹鍋 吉永すみれ 風土 201604
射止めたる者を真中に牡丹鍋 石川叔子 201606
酔ふほどに声高くなる牡丹鍋 梅村すみを 201702
目の前の山がまつくら牡丹鍋 根橋宏次 やぶれ傘 201703
古稀の顔傘寿の顔や牡丹鍋 中山皓雪 201703
村を出る話また聞く牡丹鍋 吉田葎 201704
牡丹鍋あやしき酔ひのきつつあり 戸栗末廣 201705
この続き風に吹かれて牡丹鍋 長沼佐智 船団 201707
父娘句碑に先づの表敬牡丹鍋 大石よし子 雨月 201803
山国の闇をそびらに牡丹鍋 藤岡紫水 京鹿子 201803
牡丹鍋大皿に花は満開 溝渕弘志 六花 201803
軽口と無口むきあひ牡丹鍋 久保東海司 201804
無理難題押しつけらるる牡丹鍋 高倉和子 201806
牡丹鍋囲み大人の話とか 久保夢女 201903
看板の無き山小屋の牡丹鍋 三谷さかゆ 風土 201904
背山より風の下り来る牡丹鍋 福永みち子 馬醉木 202001
牡丹鍋ひざつきあはせをりにけり 山田六甲 六花 202002
民宿の主はまたぎ牡丹鍋 尾崎みつ子 雨月 202003
笑ひすぎて顔の戻らぬ牡丹鍋 高倉和子 202007
久闊を叙する湯宿や牡丹鍋 佐俣まさを 春燈 202102
飴色の廊を渡りて牡丹鍋 石黒興平 末黒野 202103
牡丹鍋丹波に先祖探す旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
風音と水音と君と牡丹鍋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
牡丹鍋食はず嫌ひのまま通す 山田暢子 風土 202202
霊山の麓の里や牡丹鍋 太田良一 末黒野 202203
軒低き門前町や牡丹鍋 久米憲子 春燈 202204
両国に江戸の残り香牡丹鍋 頓所友一枝 202204
どぶろくを甕より掬ふ牡丹鍋 松本胡桃 風土 202204
牡丹鍋兵庫に生れし矜恃かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202212
店までの勾配きつし牡丹鍋 竹中砂帰路 春燈 202306
剥製の視線を背に牡丹鍋 喜田君江 末黒野 202302

 

2023年12月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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