作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
校舎より見下ろす枇杷の袋掛 |
植田のぼる |
雨月 |
199807 |
白昼の川のうすさよ枇杷熟れて |
岡本眸 |
朝 |
199809 |
枇杷色となりゆく枇杷を蔑めり |
青山丈 |
朝 |
199809 |
落潮の高鳴る渦や枇杷熟るる |
長谷川閑乙 |
馬醉木 |
199810 |
犬枇杷や八犬伝の砦あと |
藤井圀彦 |
狩 |
199812 |
寺山の枇杷の甘さを夫が知れり |
萩原記代 |
朝 |
199901 |
子育ての母のひと世や枇杷実る |
斉藤由美子 |
ぐろっけ |
199902 |
枇杷好きの父と知る人減りにけり |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
199906 |
種ころんころん枇杷食べ終りけり |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
199906 |
太陽の色を貰ひて枇杷熟るる |
稲畑汀子 |
ホトトギス |
199906 |
茶席てふ作法は言はず枇杷すする |
稲畑廣太郎 |
ホトトギス |
199906 |
磯山の照り降り忽と枇杷の頃 |
小野恵美子 |
馬醉木 |
199907 |
枇杷啜りをり白雲の進みをり |
伊丹さち子 |
馬醉木 |
199908 |
暮れなづむ岬見下ろしに枇杷を捥ぐ |
前田青紀 |
馬醉木 |
199908 |
枇杷の種ある朝風の畳かな |
米小山森生 |
槐 |
199908 |
枇杷むくや手も汚れなき修道女 |
中島徳子 |
酸漿 |
199908 |
枇杷の実や開聞岳の直立す |
千明武 |
遠嶺 |
199908 |
枇杷熟るる吃水深き伝馬船 |
堀井より子 |
春耕 |
199908 |
庭枇杷の落ち放題の葬あと |
武政礼子 |
雨月 |
199908 |
枇杷の実のたわゝに熟れて人住まず |
久保田一豊 |
いろり |
199908 |
金色の鈴のごとくに枇杷熟るる |
広場伝 |
俳句通信 |
199908 |
階の途中に枇杷を剥いてをり |
山西雅子 |
槐 |
199909 |
道狭くなるぞと枇杷の実の青き |
市場基巳 |
槐 |
199909 |
枇杷の実の小さきが黄を得つつあり |
出原博明 |
円虹 |
199909 |
枇杷買つて駅前ぐらし古りにけり |
岡本眸 |
朝 |
199909 |
枇杷の皮きれいにむけて一呼吸 |
八木下巌 |
朝 |
199909 |
枇杷の実は男の子の数だけ揺れて |
川島ひとみ |
船団 |
199909 |
枇杷の実のあおさに重なる空の青 |
甲田夏湖 |
船団 |
199909 |
枇杷熟れてにじみはじめる指の傷 |
南村健治 |
船団 |
199909 |
無造作に聞かされしこと枇杷の種 |
大東由美子 |
火星 |
199910 |
枇杷の実の硬く気持ちの行き止まり |
河野志保 |
海程 |
199910 |
枇杷の種磁力隠してゐはせぬか |
水内慶太 |
銀化 |
199910 |
枇杷たわわ宇宙ことばの少女かな |
小枝恵美子 |
ポケット |
199911 |
心音を重ねて眠る枇杷の種 |
小枝恵美子 |
ポケット |
199911 |
枇杷の実にはにかむ笑い君凹む |
廣嶋美恵子 |
船団 |
199912 |
枇杷をむくハーレー・ダビッドソン止まり |
須山つとむ |
船団 |
199912 |
枇杷熟れる我に関心のなき君 |
田中桜子 |
船団 |
199912 |
この町はみな出払って枇杷熟れて |
寺田良治 |
船団 |
199912 |
枇杷食べてその後のこと忘れたり |
小西昭夫 |
船団 |
199912 |
枇杷熟れて大きな看板精神科 |
わたなべじゅんこ |
船団 |
199912 |
枇杷食べて小さな自分になっている |
津田このみ |
月ひとしずく |
199912 |
住なれて今年は枇杷の生るらしき |
中村七三郎 |
七三郎句集 |
200001 |
凡庸な子を守らんと枇杷の家 |
星野早苗 |
空のさえずる |
200002 |
足首のきれいな人へ枇杷熟るる |
夏秋明子 |
ヒッポ千番地 |
200003 |
暁光のつつむ仏陀か枇杷の核 |
本橋怜加 |
冬牡丹 |
200003 |
枇杷熟れて雨のち晴れの天気予報 |
わたなべじゅんこ |
鳥になる |
200003 |
枇杷買うて童貞という潔さ |
塩見恵介 |
虹の種 |
200005 |
種を取る仕種それぞれ枇杷食ぶ |
松尾緑富 |
ホトトギス |
200006 |
枇杷に種枇杷男に確と詩種あり |
中原道夫 |
銀化 |
200006 |
時化波や半漁の町に枇杷点る |
小林和子 |
風土 |
200007 |
はぐれ猿枇杷熟るる日を知りてをり |
小山香月 |
酸漿 |
200008 |
枇杷うれて海光まぶし安房の町 |
佐藤フクエ |
春耕 |
200008 |
枇杷すでに青からずして日暮なり |
山西雅子 |
槐 |
200009 |
枇杷の實に太られてゐる火宅かな |
小山森生 |
槐 |
200009 |
朝の日が枇杷の産毛を捉へをり |
梶本佳世子 |
円虹 |
200009 |
満月の光あつめて枇杷熟るる |
大木あきら |
春耕 |
200009 |
熟れ枇杷の釣月軒を大方覆ふ |
茂里正治 |
濱 |
200009 |
枇杷剥いて忌籠めける爪のいろ |
岡本眸 |
朝 |
200009 |
人伝のごとくに枇杷の黄ばむかな |
青山丈 |
朝 |
200009 |
たわわなる旧家の枇杷のみな小粒 |
合川月林子 |
ぐろっけ |
200009 |
枇杷熟るる丘に出船を見てをりぬ |
野口光江 |
遠嶺 |
200010 |
船笛の吠ゆる岬や枇杷熟れて |
河口宏子 |
船団 |
200010 |
指濡れしままにて次の枇杷を剥く |
阿部寒林 |
「夢」 |
200010 |
枇杷の黄を雨がきれいに拭ひたる |
長沼三津夫 |
朝 |
200010 |
枇杷熟れる頃よ鵺塚に参る |
中北綾子 |
海程 |
200012 |
さみしさの穴があいてる枇杷熟れる |
南村健治 |
船団 |
200101 |
枇杷の種笑いころげて客帰る |
須山つとむ |
船団 |
200102 |
九十九・百・百一と枇杷の家 |
須山つとむ |
船団 |
200102 |
枇杷の実を五つラケット水平に |
延原ユキエ |
船団 |
200102 |
枇杷熟れて勉強ぎらいだった頃 |
今城知子 |
船団 |
200105 |
小さき庭にも枇杷熟るる刻の来て |
宮本俊子 |
雨月 |
200107 |
船繰りに布良はてまどり枇杷熟るる |
大西桑風 |
馬酔木 |
200108 |
枇杷熟れて遠出戻りに三崎の灯 |
大西桑風 |
馬酔木 |
200108 |
枇杷の実の袋をはづす日の斑かな |
外川玲子 |
風土 |
200108 |
庭の枇杷豊かに生けて客迎ふ |
林敬子 |
酸漿 |
200108 |
枇杷黄なり今日もリハビリ変らずに |
桑原敏枝 |
いろり |
200108 |
枇杷食べつ見てをり窓の外の雨 |
宮津昭彦 |
濱 |
200108 |
枇杷の種子落ちて跳ねたり木の床に |
宮津昭彦 |
濱 |
200108 |
光陰を惜しむ二人の前に枇杷 |
村越化石 |
濱 |
200108 |
生き難く生き来て枇杷を賜りぬ |
村越化石 |
濱 |
200108 |
つぶらなる目に見つめられ枇杷をむく |
朝妻力 |
俳句通信 |
200108 |
枇杷の実に夕餉のあとの日が余り |
桑田眞佐子 |
火星 |
200109 |
初枇杷のほとけ顔する日曜日 |
木山杳理 |
京鹿子 |
200109 |
頭から何か飛び去る枇杷の種 |
滝沢環 |
京鹿子 |
200109 |
枇杷の種磨き上げたる艶もてる |
西村しげ子 |
雨月 |
200109 |
石橋に副はす木橋や枇杷熟るる |
間島あきら |
風土 |
200110 |
枇杷のもう出しか食べさせ貰ひをり |
田所節子 |
沖 |
200110 |
枇杷熟れて径は谿へとなだれをり |
木村真魚奈 |
京鹿子 |
200111 |
入母屋に菊間瓦や枇杷熟るる |
福盛悦子 |
雨月 |
200111 |
熟れ枇杷に遺書の下書き怠けおり |
北原志満子 |
海程 |
200111 |
枇杷を噛むこんな日はキスがしたくて |
滝浪貴史 |
船団 |
200111 |
枇杷の木が路地くらくする冬隣 |
戸田喜久子 |
朝 |
200202 |
枇杷もぐや大荒れの海まなかひに |
皆川美恵子 |
春耕 |
200206 |
嘴でもぐ落ちる枇杷あり鴉の目 |
森理和 |
あを |
200207 |
塔跡に汁したたらせ枇杷食うぶ |
朝妻力 |
雲の峯 |
200207 |
母の忌の近づく枇杷のうすあかり |
今村恵子 |
沖 |
200208 |
実の八つ枇杷の一枝貰ひけり |
松本文一郎 |
六花 |
200208 |
鈴なりの枇杷の実小さく色づきぬ |
小黒加支 |
酸漿 |
200208 |
電線の鴉ぷいつと枇杷の種 |
赤座典子 |
あを |
200208 |
野仏の手が屆きさう枇杷熟るる |
宮原みさを |
花月亭 |
200208 |
枇杷 2→ |
2021年7月1日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。