ビール 3     200句

ビール苦く葡萄酒澁し薔薇の花   正岡子規

麦酒  ビール

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ビール干すあなたの愛を受け止めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
日本一美味き焼き鳥屋のビール 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
乾杯はヴァイツェンビール白夜かな 能村研三 201007
灯を卓を躱しつつ来る生ビール 千田百里 201007
空論や選挙の近し缶ビール 高野幸次 201007
ミユンヘンのジヨッキにビール満たさうか 堀百合子 201008
ひとり酌むビールのつれは山の星 豊田都峰 京鹿子 201008
ビール酌む沖漁火へ挙げもして 豊田都峰 京鹿子 201008
わが小言ホップの効かぬビールかな 中島玉五郎 201008
「先づビール」今も忘れぬ亡夫の声 藤見佳楠子 201009
胸中は秘めしままなりビール酌む 森下康子 201009
水槽にぐつと手を入れビール買ふ 福島茂 201009
正論は袋叩きにされビール 柴田佐知子 201009
ビール注ぐ泡の高さを測りつつ きくちきみえ やぶれ傘 201009
無器用に生きて器用にビール飲む 遠藤実 あを 201009
商談は出だし肝心生ビール 北尾章郎 201010
失業者ばかりの囲む缶ビール 小山ミツ子 末黒野 201010
外堀はどうにか埋めてビール干す 奥田筆子 京鹿子 201010
上司にも悩み色々黒ビール 島本知子 ぐろっけ 201010
昼下りビールいっきの気分よき 宮越久子 201011
異邦人と語る天平缶ビール 雨宮しをん 201011
地ビールや切岸遠く灯りけり 渡邉美保 火星 201011
串焼き売りの横で気楽なビール売り 島本知子 ぐろっけ 201011
生ビール飲むに大きな下足札 垣岡暎子 火星 201012
変らぬと云ひ合ひ乾杯のビール 園部早智子 ろんど 201012
寒酒の美味さよされどビール党 古俣万里 ろんど 201103
その中にコロナビールを置く茶店 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
飛機降りるよりビール欲る六腑かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
始りは駿河台下黒ビール コ田千鶴子 馬醉木 201107
屋上のマーチ背後にビール酌む 宇治重郎 201108
ノンアルコールビールも宜し油照 土井久美子 201109
ほろ酔へばつひ国訛り地ビールに 藤見佳楠子 201109
真つ青な空持ち上げてビール乾す 市村健夫 馬醉木 201109
卒寿とよ子等に感謝のビール注ぐ 茂木なつ 春燈 201109
農日誌閉ぢてビールを開けにけり 大木清美子 201109
ビール交す半世紀超す交はりに 大橋晄 雨月 201109
かけ声の気合で運ぶ生ビール 山口天木 雨月 201109
みんなで泣いてビールの泡のほろ苦き 堀内一郎 あを 201109
入道雲ビール工場の上に立つ 大橋晄 雨月 201110
弱り目を横目にビール飲んでをり だいじみどり 201111
ビール飲むグラスに透けて日本海 柴田久子 風土 201111
越南のビールはぬるめ一人旅 吉田和子 ぐろっけ 201202
テキパキとバテてビールのジュース割り 中原幸子 船団 201206
五月晴れ泡に口つけてビールかな 柳田晧一 かさね 201207
来るを待つ舌舐め喉鳴るビールかな 丸山酔宵子 かさね 201208
結論は方向転換黒ビール 町山公孝 201208
一句得る昂ぶりありて生ビール 黒澤登美枝 201208
ビール干す老いはこれから正念場 折橋綾子 201208
メキシカンコロナビールに喉鳴らす 土井くみ子 201209
先づビール言ひて顔ふく指定席 川井素山 かさね 201209
テニス終へ甲で泡ふくビールかな 岡野安雅 かさね 201209
正論の少し曲がりてビール飲む 亀井紀子 201209
ビール工程を聞きつつビール干す 佐藤健伍 201209
ビール酌む詩吟に火照る喉ぼとけ 佐藤健伍 201209
戦友会最後の会のビールかな 鶴巻誉白 ろんど 201209
喉ごしのビールの旨さ下戸に説き 国包澄子 201210
高々とビールのジヨッキ浜の宿 能勢栄子 201210
先生がいつも標的ビール酌む 千出百里 201210
ビール缶へこませて観るサスペンス 三橋早苗 ぐろっけ 201210
やはらかき泡に味あり新ビール 須賀敏子 あを 201210
無機質のビール工場百日紅 森理和 あを 201210
大江戸の地ビールごくり川下り 土井くみ子 201211
父の子の四番目ビール党なれや 大橋敦子 雨月 201211
妹のビール党には恐れ入る 大橋敦子 雨月 201211
長女吾少しのビールさへ呑めず 大橋敦子 雨月 201211
生涯をビール酌むとは言ひ難し 大橋敦子 雨月 201211
優勝のロボットビール浴びせらる 品川鈴子 ぐろっけ 201211
ビール酌むいつしか歌ふ周航歌 小島昭夫 春燈 201212
ビール酌むつまみは全て畑のもの 久世孝雄 やぶれ傘 201301
浪花にはキタ派ミナミ派生ビール 高田風信子 京鹿子 201301
釣人に声かけながら缶ビール 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
はじまりは駿河台下黒ビール コ田千鶴子 馬醉木 201306
手づくりのビールを試す修道女 臼杵游児 春燈 201310
ソラマチにまづ再会の生ビール 森岡正作 201310
ビール乾し恋の話にはづみつく 柴田近江 201310
同窓会ビールに笑顔溶けてを り辰巳あした 雨月 201310
ビール酌み別れの刻をひきのばす 安田とし子 ぐろっけ 201310
独り身を背中で通しビール抜く 高野春子 京鹿子 201311
ビール少々梅酒少々京終に 雨村敏子 201311
垂直に食道通過生ビール 吉田美智子 末黒野 201311
少しだけ子が注ぎくれるビールかな 向江醇子 ぐろっけ 201311
生ビール運ぶ襷の胸豊か 荒木治代 ぐろっけ 201311
別れにはいつも明日ありビールあり 今井千鶴子 ホトトギス 201312
稽古終へ冷えしビールを求め行く 松村光典 やぶれ傘 201312
秘仏観てご馳走食べて生ビール 篠田純子 あを 201406
断捨離のひとつに野望ビール酌む 千田百里 201408
「生きてたら」と弱音吐き合ひビール呑む 谷口俊郎 201408
旧友の名の浮かび来ずビール注ぐ 谷口俊郎 201408
缶ビール丸ごといのちいつぱいに 熊川暁子 201408
座布団をすこしはみ出しビールつぐ 小林朱夏 201408
言訳はもう大概に生ビール 森清信子 末黒野 201409
焼酎の男ビールの女かな 根岸善行 風土 201409
勝率を問へばビールをまづ干せり 辻美奈子 201409
労ひのビール黙して注ぎにけり 石川かおり 201409
冷しビール撒いて太宰の墓清む 山田春生 万象 201409
日暮門の麟麟彫刻ビール欲し 坂上香菜 201409
ビール旨し病なしとの太鼓判 千葉榮 ろんど 201409
ビール酌むふといつまでの二人なる 楠原幹子 201409
一口のビールたちまち冗舌に 鈴木セツ 201409
けふはビール旨いぞと云ふのビール 篠田純子 あを 201409
肩書の無きが身に添ひ缶ビール 齋藤眉山 末黒野 201410
曖昧な返事は嫌ひビール干す 大室恵美子 春燈 201410
七不思議のひとつや私ビール呑む 森下康子 201410
湯上りの首にタオルと手にビール 大堀賢二 201410
銅ジョッキならではと夫黒ビール 田村園子 201410
ピンヒール素足の肌の締りけり 江島照美 201410
喉仏しきりにビール所望する 今中榮泉 ホトトギス 201411
ちびちびと酒ごくごくとビールかな 今中榮泉 ホトトギス 201411
一杯のビールにさらり一ト日終ふ 今中榮泉 ホトトギス 201411
向かひ合ひ心読まれて生ビール さとう充 201411
けふはビール旨いぞと云ふ日のビール 篠田純子 あを 201411
再会の宵のオリオンビールかな 原ゆき 船団 201502
うつ、ビールに浮いてた羽虫のんじゃった 阪野基道 船団 201502
太宰忌やビールの泡に泡の音 吉田香津代 201505
ビール干す佳人の喉でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
乾杯はぶだう酒よりもビールでせう 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
ビール干す血液型を争点に 塩野谷慎吾 201508
缶ビールシユワツシユワツと弾けたる 今井充子 201508
われ喜寿の祝のビール一気飲み 杉本光祥 201509
豆はじくビールの泡の弾けをり 江見巌 六花 201509
八射一中射会の後の生ビール 石崎和夫 201510
冷えごろを遺影に供へ缶ビール 杉山瑞恵 雨月 201510
地ビールや紬の町の夏座敷 田中たつを 雨月 201510
短冊の生ビール指すカフェの客 村上倫子 201510
句会終へ喉越しのよき生ビール 丹羽武正 京鹿子 201511
流木にゆはへて冷す缶ビール 山田春生 万象 201511
同郷の奇縁称へてビール乾す 谷村祐治 雨月 201511
あの日よりビールを断ちし漢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
ビール飲むあの喉仏欲しくなる 小林朱夏 201607
イカリワク怒り湧く度ビール飲む 篠田純子 あを 201607
同期会黙祷ありてよりビール 松村光典 やぶれ傘 201608
生ビール一切を無に流しけり 中田禎子 201608
さりげなくチップや老いの生ビール 長谷川歌子 春燈 201609
鴫焼や妻と頒け合ふ缶ビール 松本三千夫 末黒野 201609
夕立を眺めるビール飲み乍ら 森直子 あを 201609
打上げやビール一気の喉仏 渡部良子 馬醉木 201610
お父さんビールですよと夫の墓 戸田澄子 末黒野 201610
河昏しカギヤタマヤとビール酌む 三枝正子 万象 201610
地下街や亡き師の姿あるビール 西住三恵子 201611
生ビール残暑払ひとしたりけり 田中臥石 末黒野 201611
笑ひつつビールの泡を拭ひけり 久世孝雄 やぶれ傘 201612
泥棒と言われてにゃーと缶ビール 夏冬春秋 船団 201707
デパ地下にドスンプシュと缶ビール たかはしすなお 201709
奔放とはほど遠く生き生ビール 吉田政江 201709
ネクタイを緩めビールの一気飲み 黒澤佳子 あを 201709
山荘の一卓を占む缶ビール 箕輪カオル 201710
肘の位置決め立ち呑みの生ビール 南うみを 風土 201710
長口舌ビールの泡が消えてゆく 石井秀一 風土 201710
雪渓を掘つてとりだす缶ビール 山田春生 万象 201710
ビール飲む検査結果が出るまでは 濱上こういち 201711
ビール注ぐ優勝杯になみなみと 近藤真啓 春燈 201712
漱石ビール安兵衛煽りし酒屋にて 篠田純子 あを 201801
ビールほす宝探しの地図広げ 中井保江 船団 201805
定期船熟女いきなり缶ビール 東英幸 船団 201806
論客の片隅に居てビール干す 辻前冨美枝 201807
黒ビール魔女といはれし人も老ゆ 宮内とし子 201808
仏壇の親父は肴生ビール 黒木東吾 やぶれ傘 201808
結局は水掛け論やビール干す 木村梨花 春燈 201809
地球儀をポンと叩いて生ビール 平井奇散人 船団 201809
オムレツとジャズシンガーと生ビール 波戸辺のばら 201809
無季ですねなんて言われて黒ビール たかはしすなお 201809
ビール酌む同窓にまた不帰の客 竹内文夫 六花 201810
缶ビール一本分けて嫁姑 小池みな 末黒野 201810
検査良しと出でたる夫のビール飲む 住田千代子 野に遊ぶ 201811
説明長きビールの試飲日短 布施由岐子 末黒野 201903
四温晴れ捨つるに惜しきハイヒール 長尾タイ 末黒野 201905
卒業生袴姿のハイヒール 佐藤まさ子 春燈 201906
商ひは向かぬと思ふ生ビール 曽根富久恵 201907
令和元年黒鯛魚拓生ビール 荒井慈 春燈 201909
「一世紀生きよ」とビール酌む子かな 廣瀬克子 春燈 201909
気の抜けしビールの泡のやうな夏 水沢和世 201909
ビール飲む大言壮語の泡をのむ 赤松赤彦 六花 201909
梅雨寒の優先席のハイヒール 大日向幸江 あを 201909
ビール飲む狩猟民族の末裔 小西雅子 船団 201910
拓けゆく地上に待つてゐるビール 阪西敦子 ホトトギス 201910
労ひのビール泡噴く夕べかな 金森信子 雨月 201910
遅れ来し人にビールを注ぎにけり 住田千代子 六花 201910
ビール飲む昼は妖しき柳筋 善野行 六花 201910
授るは娘ばかりやビール飲む 平居澪子 六花 201910
槍の穂を仰ぎてビールすすみけり 平居澪子 六花 201910
町会の褒美にひとつ缶ビール 廣畑育子 六花 201910
ビールが兼題引つ提げて町を行く 廣畑育子 六花 201910
飲めたらなあ酒舗にながめるビールかな 廣畑育子 六花 201910
店先の樽のテーブルビール干す 石黒興平 末黒野 201911
何よりもビールが好きで痩せてゐて 今井千鶴子 ホトトギス 201912
ビールさへあれば留守番するといふ 今井千鶴子 ホトトギス 201912
口実は何でもよろしビール酌む 松本善一 やぶれ傘 201912
口実は何でもよろしビール酌む 松本善一 やぶれ傘 201912
桟橋に立つ中年の缶ビール 十一 船団 201912
ペンよりもビールぞ佳けれ灯ぞ佳けれ 池田澄子 船団 201912
降誕祭来るもう履けぬハイヒール 杉田智榮子 馬醉木 202002
幸せと思ふ一杯目のビール 木村享史 ホトトギス 202002
どう生きるなんてさておき生ビール 中井保江 船団 202003
紫蘇入りの餃子や進む缶ビール 津野桂子 末黒野 202008
二人掛けのベンチにひとり缶ビール 今村千年 末黒野 202008
ビール→ 4

 

2021年6月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。