麦 酒     53句

里の子等庭に見てゐる麦酒酌む   富安風生

麦酒  ビール

作品
作者
掲載誌
掲載年月
二十歳は猛禽麦酒ごくりと一杯目 塩見恵介 船団 199903
喉深く祖父となりたる麦酒飲む 朝妻力 俳句通信 199908
甘露忌やワイン麦酒の世となりて 庄中健吉 199910
青島の麦酒にて旅始まれり 脇本千鶴子 200002
麦酒飲む瀬音の上の板に坐し 朝妻力 俳句通信 200008
やはり晴女でありぬ麦酒持ち 朝妻力 俳句通信 200108
麦酒酌むいちにちぶんの死を祝ひ 亀田愚風 銀化 200108
握手して片言交じり麦酒注ぐ 山口庸子 ぐろっけ 200112
地麦酒の夜のうらぎり蛍烏賊 森理和 あを 200205
麦酒酌む月の棚田を奢らしめ 小野寺節子 風土 200208
此の辺が落し所か麦酒乾す 丸山大手門 帆船 200208
ガード下電車が揺らす麦酒の卓 広渡紀子 200208
七人の敵の一人と黒麦酒 渡辺嘉幸 帆船 200209
麦酒干すベガにもつとも近き席 今村恵子 200210
すつかりこけ顔へ夏越の黒麥酒 堀内一郎 あを 200309
夕暮れは麦酒の色に遊園地 瀬下るか 200710
注ぎ足しの麦酒に酔うてをりにけり 山田六甲 六花 200806
缶開けて注ぐ麦酒の泡涼し ことり 六花 200907
麦酒注ぐ漢のそばのリュックかな 片岡啓子 遠嶺 200908
一つ灯や髪かきあげて麦酒抜く 黒川俊郎 200908
新麦酒今宵満たさん備前焼 鎌田悟朗 ろんど 200909
人の世の縁の不思議麦酒酌む 布川直幸 201007
乾杯も酌むも一人の麦酒の夜 布川直幸 201007
南座をなぞへに麒麟生麦酒 佐藤凉宇子 ろんど 201009
沈黙に耐へられず干す麦酒かな あさなが捷 201012
恐縮は麦酒を注ぐ泡加減 丸井巴水 京鹿子 201109
一日の力仕事に麦酒注ぐ 苑実耶 201112
父の忌の供ふる麦酒大ジョッキ 鈴木礼子 末黒野 201210
麦酒試飲ほろ酔のまま帰路のバス 森理和 あを 201210
砂利を踏む麦酒の酔が顎にも 吉弘恭子 あを 201210
チェコよりのアロマホップの麦酒試飲 吉弘恭子 あを 201210
時に吹く微風麦酒の歩をはやむ 吉弘恭子 あを 201210
大国魂神社奉納薦麦酒 吉弘恭子 あを 201210
中年の悪の愉しさ黒麦酒 竪山道助 風土 201211
麦酒ほす下戸の家系に生れしが 徳田千鶴子 馬醉木 201509
銀盃をキンキンにして麦酒の夜 井上石動 あを 201509
麦酒飲む夫は傘寿をすぎにけり 國保八江 やぶれ傘 201510
おほかたは諦めてゐる麦酒かな 高倉和子 201511
麦酒泡髭に咲かせて憂さ晴らす 丸井巴水 京鹿子 201609
生麦酒帰巣本能失せがちに 甲州千草 201708
敗戦日祖母は麦酒を喇叭呑み 山田六甲 六花 201708
夫麦茶私麦酒の祝婚日 竹内喜代子 雨月 201809
きんきんに冷した麦酒我にくれよ 谷口一献 六花 201809
時間割無き休日の麦酒かな 高倉和子 201809
乾杯にかへて献杯麦酒酌む 岩田登世 雨月 201810
齟齬相互誤解曲解して麦酒 わたなべじゅんこ 船団 201812
船の出て黄昏色の麦酒乾す 谷口一献 六花 201910
爽やかや昼の麦酒の白き泡 森なほ子 あを 201912
献杯は麦酒で最後まで麦酒 今井肖子 ホトトギス 202008
蕎麦すする誰言ふとなく昼麦酒 谷口一献 六花 202010
湯のほてり仇となりたる麦酒かな 山田六甲 六花 202206
熟田津は熱し熱しと麦酒干す 山田六甲 六花 202206
口唇の麦酒ひとあわ紅解く 鈴鹿呂仁 京鹿子 202306

 

2023年6月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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