薔 薇 9   106句

薔薇熟れて空は茜の濃かりけり   山口誓子

薔薇  バラ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
青い薔薇旧知のようにアダルトマダム 梨地ことこ 船団 201811
ただ一輪剪るや兜太へ赤い薔薇 南北佳昭 船団 201811
登りつめ薔薇の黄色に染まる虫 南北佳昭 船団 201811
薔薇の昼兄への粥を助手席に 荒井千佐代 201811
薔薇崩れ風音生るピアニシモ 藤田美耶子 201811
蔓薔薇もいろとりどりや洋菓子舗 石川倜子 馬醉木 201811

 「冬野」一千百号合同句集

一世紀目指し百万本の薔薇

稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
薔薇一輪異人が呉れたバレンタイン 渡辺節子 201902
訃報きく真紅の薔薇が咲きし昼 浦川哲子 201902
時として自由は孤独薔薇乱れ 渡部恭子 201902
生き急ぐ空の青へと薔薇紅 渡部恭子 201902
威風ある命名薔薇の謂れかな 小沢えみ子 201902
薔薇園に庭師来てゐる六日かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201903
園に入る薔薇の香りに誘はれて 大川暉美 末黒野 201904
薔薇百花競ふ色香に酔ひにけり 大川暉美 末黒野 201904
薔薇の芽を指して見返り美人かな 山田六甲 六花 201904
三人の讃岐美人に薔薇遠慮 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
庭の薔薇勇りて香りを移す部屋 稲畑汀子 ホトトギス 201905
薔薇に雨旅路を濡らしはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 201905
白鷺のねぐらは薔薇の香をまとひ 稲畑汀子 ホトトギス 201905
快晴の昨日は遠し薔薇の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201905
薔薇の芽やほほえむ子らに声のなし 雨宮桂子 風土 201905
薔薇二輪相思相愛まぎれなし 沼田巴字 京鹿子 201905
ひらがなの会話に木香薔薇香る 大沢美智子 201906
薔薇の芽の枕交してのちの色 ふけとしこ 船団 201906
薔薇の芽の艶を深めて朝日影 森清堯 末黒野 201906
薔薇咲くやわが家全室南向き 出牛進 201907
薔薇の香に沈む散策朝まだき 中澤弘 春燈 201907
誂へのスーツの傍の薔薇かな 横山さくら 春燈 201907
とこしへの明治の遺産薔薇芽吹く 栗坪和子 201907
薔薇の蔓家を出るとき触れにけり 松村光典 やぶれ傘 201907
薔薇の芽や沖に艦船遊覧船 岡田史女 末黒野 201907
剪定の済みし薔薇園海たひら 加藤静江 末黒野 201907
薔薇の芽や帆檣詠める子規の句碑 今村千年 末黒野 201907
薔薇の芽の赤に秘めたる力かな 野村重子 末黒野 201907
バイオリンの稽古もれくる薔薇の雨 間宮あや子 馬醉木 201908
薔薇園の薔薇カタカナの名に咲けり 出牛進 201908
薔薇に棘なければ摘む気にはなれず 高橋将夫 201908
薔薇の湯に首あづけし昼の月 竹内悦子 201908
遠く来し風の憩ふや薔薇の園 有松洋子 201908
咲き満ちし香をひと色に薔薇の風 吉田順子 201908
洋館へ誘ふ薔薇と車寄せ 岡田桃子 201908
妬心ふと棘を研ぎたる夜の薔薇 五十畑悦雄 201908
動くとは思へぬ空母薔薇開く 高橋まき子 風土 201908
薔薇の庭白より咲きてアーチ成る 折田京子 風土 201908
色づきし薔薇の蕾よときめきよ 山岸明子 201908
色づきし薔薇の蕾よときめきよ 山岸明子 201908
夕風の来る薔薇の香をのせて来る 山岸明子 201908
横須賀や真紅の薔薇と軍艦と 松本三千夫 末黒野 201908
軍港の波音静か紅薔薇 森清信子 末黒野 201908
薔薇闌くる園燦燦と亭午の日 高木邦雄 末黒野 201908
木香薔薇アーチの先の空青く 湯本正友 やぶれ傘 201908
幾年や無人の家の花薔薇 ふなかわのりひと 201909
クイーンてふ名のつく薔薇の中の薔薇 中島秀夫 王水 201909
足許のよろけて薔薇をつかみけり 山田六甲 六花 201908
紫の薔薇の群れだけ静もりて 田尻勝子 六花 201908
薔薇咲いてただ其れだけのこと日暮 若泉真樹 201909
ジヤズ流すかつて宮家の薔薇の庭 大山夏子 201909
薔薇のアーチ覗けば高層ビルの群 都築繁子 201909
ビルに牧場アルパカ・小山羊・紅い薔薇 田中藤穂 201909
手入れ良き薔薇の庭なり憩う午後 植木やす子 201909
ばら祭り巨大な赤き薔薇オブジェ 篠田純子 201909
色と香の溢るる薔薇の旧宮邸 大山夏子 201909
薔薇咲くや男もすなる薄化粧 菅野日出子 末黒野 201909
薔薇剪りし悔いうめきれぬ一日かな 石黒興平 末黒野 201909
園児らの列や木香薔薇満開 岡野里子 末黒野 201909
野薔薇の花のをちこち里曲道 堺昌子 末黒野 201909
燦々と日の差す園や薔薇蘭けて 高木邦雄 末黒野 201909
浜風の丘の洋館薔薇の風 今村千年 末黒野 201909
広大なる薔薇園ばらに疲れ果て 伊藤由良 末黒野 201909
薔薇の風路面電車は窓開けて 有賀鈴乃 末黒野 201909
傷みたる薔薇の香りや風渡る 有賀鈴乃 末黒野 201909
薔薇園に正午の汽笛氷川丸 横路尚子 末黒野 201909
薔薇一本卓に飾りて誕生日 高橋正江 末黒野 201909
白薔薇や美人と言はるる孫娘 井上正子 春燈 201909
園丁は黒子に徹す薔薇の園 吉川 春燈 201909
薔薇赤し身ほとりにもう宵が来て 山岸明子 201909
薔薇剪定静かな庭に戻りけり 山岸明子 201909
水滴の黄のしたたれる薔薇の雨 志方章子 六花 201909
花殻にとりどりの色薔薇の庭 廣畑育子 六花 201909
庭の薔薇絵にする人と写メとる子 北村ちえ子 六花 201909
剪らないで剪つてと薔薇に見詰めらる 柴崎富子 白地 201909
棘を秘する故の魅惑か薔薇真紅 隅田恵子 雨月 201909
薔薇からばらへ過ちをくりかへし 井上菜摘子 京鹿子 201909
薔薇の芽を食ってみようかこんな日は 小坂恵美子 船団 201910
挿木せし鉢の薔薇の真くれなゐ 草柳忍 201910
薔薇園にいて草を抜きたい衝動 波戸辺のばら 201910
青薔薇挑む男にある不信 近藤綾 201910
妖精にお供はひとり薔薇の園 たかはしすなお 201910
ねぎらひの言葉庭師へ薔薇の園 水田むつみ ホトトギス 201910
薔薇一花一花綺羅おく雨上り 水田むつみ ホトトギス 201910
薔薇咲くや鼻先寄する癖今も 石黒興平 末黒野 201910
咲く薔薇へ崩るる薔薇へ足止めて 大川暉美 末黒野 201910
白薔薇の風うっふっふふふふふふ 太田沙良 201910
薔薇園の見どころにある木のベンチ 山本久枝 やぶれ傘 201911
薔薇満ちて亡き人偲ぶ須磨離宮 えとう樹里 201911
薔薇の名を聞いて忘れて戻りけり 亀田虎童子 201911
薔薇園の薔薇まだらなりビルの群 山田佳子 201911
路面電車人に寄り添う薔薇の花 大山夏子 201912
何色の薔薇の花芽と問ふことも 稲畑汀子 ホトトギス 202003
薔薇園の盛りと聞けば行かずとも 稲畑汀子 ホトトギス 202005
君だけが似合ふ百万本の薔薇 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
薔薇百花足して令和の夜明かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
一輪の薔薇は現場を知つてゐる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
夜の薔薇卓の柾目の美しき 荒井千佐代 202006
あふれくる光の中に薔薇を剪る あさなが捷 202007
薔薇 →10      

 

2021年7月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。