熱 燗 2       163句

熱燗や討入り下りた者同士    川崎展宏

熱燗  温め酒  燗酒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
熱燗に酔ひて他愛もなく泣けり 上坂渥子 雨月 200703
熱燗や客の一人は吉良びいき 古谷弥太郎 馬醉木 200705
熱燗や日頃無口が堰をきる 丹生をだまき 京鹿子 200705
熱燗が好きこれまでもこれからも 嶋木勝次郎 遠嶺 200705
熱燗や黒白をつけたがる癖 岩岡中正 ホトトギス 200706
じやこ三尾熱燗で酔ひ意気地なし 木田千女 200707
熱燗をこんにゃくで呑む欣一忌 山口素基 万象 200802
仏人の夫婦熱燗所望せり 木暮剛平 万象 200803
熱燗に立て膝なせり鍋奉行 阿部範子 200803
熱燗や鯛の兜煮子が作り 詫摩まつ子 200803
そのままも熱燗もよし忘年会 林美智 ぐろっけ 200803
熱燗やまづ一献を遺影へと 平居澪子 六花 200803
熱燗の胸に落ちゆく早さかな 守屋井蛙 酸漿 200803
熱燗や当るはずなきくじも買ひ 三村純也 ホトトギス 200804
熱燗に世辞など要らぬ輩かな 三村純也 ホトトギス 200804
熱燗や小さき決断できてをり 山本喜朗 雨月 200804
熱燗に盛り上りけり幼どち 池田加寿子 200805
猫舌に又熱燗をすゝめをり 稲畑汀子 ホトトギス 200812
熱燗の不死男直伝とはゆかず 鷹羽狩行 200812
熱燗に二人の絆毀れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
熱燗や返らぬ日々の童唄 木下忠雄 酸漿 200901
熱燗に本音を少し男の背 黒澤登美枝 200902
熱燗やいつか宇宙へ行く話 清水晃子 遠嶺 200902
七輪に熱燗こぼれ聖夜かな 小堀寛 京鹿子 200902
熱燗や残年がもう楽しくて 守屋井蛙 酸漿 200902
熱燗や箸置にする箸袋 根橋宏次 やぶれ傘 200902
熱燗や寡黙のふたり残りゐて 辺見狐音 炎環 200903
熱燗や竹筒にある節ぢから 加藤峰子 200903
熱燗や関西弁の鍋奉行 竹島勝代 200903
熱燗をつがれ決意のなしくづし 石田きよし 200903
熱燗や今日のいのちは今日限り 藤岡紫水 京鹿子 200903
熱燗にしばし席占めふいと去る 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200903
熱燗や四十二階のビストロに 木村茂登子 あを 200903
熱燗や天下論ぜし友ありき 小原徳男 遠嶺 200904
熱燗や母も夫もはや眠り 愛甲厚子 200904
熱燗やおつとつとつとおつとつと 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
遅れとり戻す熱燗勇の忌 森下賢一 春燈 201002
熱燗や鬼平しのぶ店にをり 三羽永治 遠嶺 201002
熱燗や酒に料理に一家言 中原敏雄 雨月 201002
熱燗やいつもの客は見当らず 田中文治 火星 201002
熱燗や子規を身内のやう語り 千田敬 201003
熱燗を翔先生と耕二かな 鈴木良戈 201003
熱燗を受くや小指までひろげ 上野進 春燈 201003
熱燗や夫矍鑠と寮歌出で 山口順子 201004
熱燗の猪口夫より大きくて 神田小夜子 ろんど 201004
熱燗や迷惑なのは耳のたぶ 渡部磐空 201004
熱燗や天下御免の口をきく 秋田建三 201004
青竹の熱燗酒や閑子の忌 冨山俊雄 山居抄 201008
熱燗を重ね俳論乱れくる 米山喜久子 201101
熱燗や菜の支度の間に合はず 堀田順子 馬醉木 201102
熱燗や昔手塩と言ふ小皿 平絵美子 春燈 201102
旅了へてより熱燗の席に着く 小林正史 201102
熱燗やその話には乗らぬなり 小林正史 201102
熱燗や百歳はまだ先のさき 山田春生 万象 201102
熱燗や男が本音で話す顔 服部郁史 京鹿子 201102
ぐい呑みはひとつ熱燗分けあへる 年森恭子 ぐろっけ 201102
熱燗のあとの寂しさ如何せん 内藤三男 ぐろっけ 201102
熱燗や光秀贔屓われひとり 片山博介 春燈 201103
熱燗や能登一望の湯に漬かり 雨宮しをん 201103
熱燗や昭和を生きし友二人 加藤克 201103
熱燗や八十路になほも未来あり 上原恒子 雨月 201103
下戸なれど熱燗欲しやぶり大根 竹内悦子 201104
熱燗は夫手作りの竹徳利 安本恵子 201104
熱燗やぽろり私事ですが 千田敬 201104
熱燗をはやく呑まねばならぬ也 佐藤喜孝 あを 201104
熱燗やテーマいつしか横取られ 藤沢秀永 201105
熱燗のむかしの恋に及びけり 小林愛子 万象 201105
人肌もよけれど熱燗更によし 内藤三男 ぐろっけ 201105
熱燗やともに貧しきゆゑ親し 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
落つる雁見とどけ熱燗酌み交す 鈴木千恵子 万象 201109
ほろほろと熱燗酌みて人を恋ふ 渡辺安酔 201201
病癒え友と熱燗細き腕 水野弘 ぐろっけ 201201
夢いくつ棄て熱燗に辿り着く 秋葉雅治 201201
熱燗や赤き月蝕窓にして 鈴木照子 201202
熱燗と言葉そろへる飲み仲間 渡辺安酔 201202
熱燗や八十路の夢を嗤はるる 塩田博久 風土 201202
生まれ日の熱燗酌めば夢すこし 芝田幸惠 末黒野 201202
熱燗やまだまだ生きさう姉いもと 渡辺数子 火星 201202
熱燗やまた鬼平を気取りたる 森岡正作 201203
熱燗に竹のかをりの芳しき 山田春生 万象 201203
熱燗に強き風音遠のけり 藤波松山 京鹿子 201203
熱燗や人情話沁みる夜 笹井康夫 201204
熱燗や猪口の絵柄も呑み干して 宮田香 201204
熱燗やどこかでねぢれたる話 菅谷たけし 201204
熱燗の晩酌楽しむ一人かな 佐藤健伍 201205
熱燗に新旧の友妻の留守 村田とくみ ぐろっけ 201206
熱燗や隙間なき世になじめざる 松田都青 京鹿子 201206
赤貝のひもで熱燗外は雨 丸山酔宵子 かさね 201212
熱燗の喉鳴るほどの旨さかな 渡辺安酔 201301
熱燗にやかんの記憶達磨の忌 菊川俊朗 201301
熱燗や品書のみな魚偏 林昭太郎 201302
熱燗といふしみじみとしたるもの 根岸善行 風土 201302
熱燗や猪口をあれこれためしつつ 鶴巻誉白 ろんど 201302
熱燗のあと一本がくせもので 相良牧人 201303
亡夫恋ふちよこ一杯の熱燗に 山本敏子 ぐろっけ 201303
熱燗やたまに艶なる話など 吉田宏之 201304
熱燗や妻の不在に手酌酒 渡辺安酔 201304
熱燗や友と走りし日を語る 柳田晧一 かさね 201207
赤貝のひもで熱燗外は雨 丸山酔宵子 かさね 201212
熱燗の喉鳴るほどの旨さかな 渡辺安酔 201301
熱燗にやかんの記憶達磨の忌 菊川俊朗 201301
熱燗や品書のみな魚偏 林昭太郎 201302
熱燗といふしみじみとしたるもの 根岸善行 風土 201302
熱燗や猪口をあれこれためしつつ 鶴巻誉白 ろんど 201302
熱燗のあと一本がくせもので 相良牧人 201303
亡夫恋ふちよこ一杯の熱燗に 山本敏子 ぐろっけ 201303
熱燗やたまに艶なる話など 吉田宏之 201304
熱燗や妻の不在に手酌酒 渡辺安酔 201304
熱燗やうしろ気になる国なまり 太田良一 末黒野 201305
熱燗にひっそり沈む牡蠣二つ 赤座典子 あを 201401
熱燗や胃に届くまで熱きまま 溝渕弘志 六花 201401
熱燗が良いねとおでん頬張れる 土井久美子 201402
熱燗やこころの奥の夫と酔ひ 久保久子 湖心 201402
熱燗や笑ひ上戸と泣き上戸 松下八重美 201402
翔先生亡くて熱燗ほどほどに 鈴木良戈 201402
貫乳やだんだん熱燗泌みてくる 中島昌子 201402
熱燗や一刻ほぐれ喪の心 林八重子 馬醉木 201403
熱燗や弱気の虫の居直りぬ 甕秀麿 201403
熱燗や酔はずば読めぬ母の文 吉川隆 春燈 201403
熱燗や話は右往左往して 小田里己 201403
熱燗やなにを塞いでおとうとよ はしもと風里 201403
熱燗に馬刺しハングル飛ぶ屋台 中島玉五郎 201404
熱燗やひとりで祝ふ誕生日 難波篤直 201404
熱燗や二杯目からは手酌して 大野芳久 やぶれ傘 201406
熱燗や母から継ぎし燗どころ 吉武千束 太古のこゑ 201411
熱燗は十杯までといふ佳人 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
歓迎のまづは熱燗神楽 坂上香菜 201501
夢いくつ棄て熱燗にたどり着く 秋葉雅治 201501
熱燗に咽ぶひと口遠き齟齬 黒澤登美枝 201501
熱燗やをんな河童に魅せらる 小林久子 201502
熱燗や無口となりし夜のありぬ 藤井彰二 馬醉木 201503
手のひらに熱燗を抱く女正月 中貞子 201503
熱燗や女将の娘嫁ぎ行く 田中信行 201503
熱燗やゆるりと訪へるわが老後 安西信隆 201503
熱燗の熱き匂ひとなりにけり きくちきみえ やぶれ傘 201503
熱燗や上司はなほも無言にて 安西信隆 201503
熱燗や過ぎし思ひ出セピア色 吉田宏之 201503
熱燗やほのともどりし俺おまへ 吉村摂護 201504
熱燗や京の和風のおもてなし 秦和子 201504
熱燗の坐高低きに並々と 本多和子 201505
アドレスは熱燗二合カバなひと 梨地ことこ 船団 201508
泡ひとつ立つ熱燗のチロリかな 大崎紀夫 虻の昼 201510
熱燗やトリコロールに献杯す 田中信行 201602
待ちぼけて熱燗ぐいや赤提灯 上家正勝 末黒野 201602
前掛けを取る熱燗の冷めぬうち きくちきみえ やぶれ傘 201603
熱燗や来し方語る忌の座敷 西川みほ 末黒野 201603
熱燗や米寿媼のクラス会 伊藤由良 末黒野 201603
熱燗を飲みたき夜となりにけり 野口朝世 やぶれ傘 201604
熱燗の透明にして我酔はす 出口誠 六花 201604
威勢よく熱燗刺身お待ちどう 溝渕弘志 六花 201604
熱燗の上げ底振つてもう一丁 中島芳郎 201604
熱燗や父子の会話長々と 田部富仁子 201905
熱燗や二軒目のママ姉に似て 小田嶋野笛 末黒野 201905
夫あらば熱燗乞はる寒さかな 杉崎妙子 201905
熱燗や干物あぶっておらが春 澤田蔦惠 船団 201906
鮟肝と熱燗常陸の旅はじめ 酒井たかお 201907
熱燗や静寂の夜を過ごすとす 谷口一献 六花 202001
熱燗の手酌がすすむ屋台かな 柴崎甲武信 京鹿子 202002
熱燗や落ちる涙と冷や汗と 谷口一献 六花 202003
熱燗や自慢話に尾鰭つく 岡田ちた子 雨月 202003
熱燗を注ぐ手に燃ゆるネイルかな 谷口一献 六花 202003
熱燗や渡れぬ鳥に仲間ゐて 田中信行 202003
熱燗→ 1

 

2020年12月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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