7   100句

蟻出て川のごとくに行方もつ   矢島房利

  羽蟻

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山蟻の瞬時に接触密偵技 森理和 あを 200909
箒にて断ち切れど又蟻の列 堤内久美子 六花 200909
マシュマロを岩のごとくに曳ける蟻 堤内久美子 六花 200909
蟻の列時にはみ出し走りけり 堤内久美子 六花 200909
芍薬の蕾に蟻も見に来たり 島崎勇作 酸漿 200909
わが歩み蟻より遅きかも知れず 中緒和子 酸漿 200909
大蟻の菩薩へ寄り道してをりぬ 西村滋子 京鹿子 200909
考へて走り出す蟻沖縄忌 次井義泰 200910
針箱に釦さがすや羽蟻の夜 柴崎富子 春燈 200910
石垣を蟻も伊賀者登り来る 豊谷青峰 春燈 200910
蟻走る誰彼遠くなりしかな 大島翠木 200910
たいがいにあきらめ戻る蟻のゐて 久津見風牛 200910
だれかれに辞儀して蟻の穴出づる 淺場英彦 万象 200910
獲物曳く赤蟻しどろもどろたり 原田達夫 200910
滑り台上つてゐたる蟻の列 KOKIA 六花 200910
蟻の荷のかるがるとゆく柳腰 梶浦玲良子 六花 200910
空き缶に集まる蟻のありにけり 猿橋二三雄 ぐろっけ 200910
眠る子の眠るかたちに蟻の道 山高真木子 炎環 200910
覗くほど闇の濃くなり蟻の穴 増田守 炎環 200910
山を曳き出さんとばかり蟻の列 定梶じょう あを 200910
蟻払ひ末期の蝉に水をやる 城下明美 ぐろっけ 200911
蟻の列忙し卵の運ばれつ 花岡豊香 酸漿 200911
蟻がゐて地中海めく潦 彦根伊波穂 200912
女王守るいのち積み上げ蟻の塔 竹下陶子 ホトトギス 200912
ありまきに蟻のむらがり葉の黒し 加賀葉子 万象 200912
延々と粛々とあり蟻の道 竹下陶子 ホトトギス 201001
熊野への蟻の一歩や茶の木咲く 土居通子 ろんど 201001
祈りつつ大蟻踏みつルルドまで 荒井千佐代 201002
俳磚を確かめに蟻穴を出づ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
親鸞の腰掛石に蟻のぼる 山田春生 万象 201006
雨後や渦巻き現るる蟻の群 ことり 六花 201006
山蟻の隊列続く古戦場 塩路隆子 201007
可愛ゆしと見てゐし小蟻つぶしけり 中田みなみ 201007
目をむいて餌を引きずる蟻もをり 秋千晴 201007
まぼろしの大本營や蟻の列 大坪景章 万象 201007
特ダネをつかみし蟻の大手振 太田實 ぐろっけ 201007
只働くだけとは蟻は考へず 篠田純子 あを 201007
山の地図蟻を払ひてたたみけり 穐好樹莵男 馬醉木 201008
空海の坐りし石ぞ山の蟻 南うみを 風土 201008
高階に蟻来て曾良の忌なりけり 和田あきを 風土 201008
つれだちて蟻の駈け込むクルス門 三枝正子 万象 201008
蟻の列無声映画の焦士かな 古屋元 201008
五百羅漢過りて蟻の列つづく 白数康弘 火星 201008
霊木の中へ消えたる蟻の道 歌代進 ろんど 201008
納骨経放心の目に蟻往き来 中原吟子 雨月 201008
納骨に馳せ参ずかに蟻の列 中原吟子 雨月 201008
漆黒の蟻に羽ありもてあそぶ 中村恭子 201008
山蟻の跨いでゆきぬ蟻の道 佐藤喜孝 あを 201008
地蔵堂揺るがす気なり蟻白き 竹内悦子 201009
児の指の来すパニック蟻の道 阪本哲弘 201009
巣に帰りつくか七階迷ふ蟻 飛高隆夫 万象 201009
殿のひとり寄り道蟻の列 矢口笑子 春燈 201009
長城の銃眼に蟻長考す 中山皓雪 201009
美術館に守一がゐて蟻がゐて 相良牧人 201009
来し方の足音聴こゆ蟻の列 大沼遊魚 倭彩 201009
倒木の瘤にはじまる蟻の列 中村洋子 風土 201009
解り合ふことは聞くこと蟻の列 高村令子 風土 201009
蟻たちは蟻の地響き立てて進む 柴田佐知子 201009
蟻出でてくるキラキラとキラキラと 柳生千枝子 火星 201009
寄せ墓や隙間のあらば蟻の道 笹村政子 六花 201009
蟻の道有縁無縁の墓つなぎ 本多正子 雨月 201009
蟻の乗る笹舟渦の真中かな 中田禎子 201010
帰る巣の在り処聞きたし夜の蟻 久世孝雄 やぶれ傘 201010
同じ道乱さぬ不思議蟻の列 中山静枝 201010
蟻掴み蟻にかまれてしまひけり 仁平則子 201010
力石迂回してゆく蟻の列 高嶋文清 春燈 201010
多羅葉の幹に長々蟻の列 室谷幸子 万象 201010
立ち止まる蟻の思案や大仏殿 丸井巴水 京鹿子 201010
蟻の道たどる一匹づつたどり 涼野海音 火星 201010
蟻塚に力抜きたる穴ひとつ 佐藤凉宇子 ろんど 201010
涎掛け干せば蟻来てをりにけり 志方章子 六花 201010
葬礼やうつつの蟻が足を這ひ 竹内弘子 あを 201010
蟻踏まぬやうに歩きてつまづきし 田中藤穂 あを 201010
浅間嶺にリュックを置けば蟻走る 須賀敏子 あを 201010
何事の起りしか蟻駆くるなり 水原春郎 馬醉木 201011
子の時間ゆつくり進み蟻の道 涌羅由美 ホトトギス 201011
結界の蟻おのづから列たゞす 松永唯道 ホトトギス 201011
蟻ひとつ枯山水の海わた 松永唯道 ホトトギス 201011
蟻の角甘さ青さをふり立てて 小堀寛 京鹿子 201011
凌霄の登るテラスに蟻の列 梅田秀子 酸奬 201011
蟻つぶし今生の罪重ねけり 安武晨子 201012
ニンゲン国三十五階蟻迷ふ 栗原京子 201012
蟻の這ふ二百十日の畳かな 島谷征良 風土 201012
大海も水の一滴蟻の道 大森尚子 風土 201012
岩陰に沿ふ蟻の道ありにけり 湯本実 やぶれ傘 201012
苔桃の熟れて山蟻せはしなく 志奈禮子 万象 201012
爪切るや片つ端から運ぶ蟻 滝浪さかゑ 万象 201012
大き蟻墓の供物をかぎつけて 恒成久美子 ぐろっけ 201012
ふくらみつ又細りつつ蟻の列 山本敏子 ぐろっけ 201012
大蟻と小蟻とつひにかかはらず 竹内弘子 あを 201012
蟻 →8      

 

2021年8月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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