羽 蟻   46句

飛蟻とぶや富士の裾野の小家より   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
羽蟻殖ゆ夜の白山に神ねむり 丸山海道 海道全句集 199910
夫の餉の遅々とすすまず羽蟻の夜 萩原記代 199912
羽蟻群れゆくクレヨンで描く東京 塩見恵介 虹の種 200005
一群の羽蟻突然飛びたちぬ 孝子・フォン・ツェルセン 円虹 200010
酒舌に苦き宵なり羽蟻くる 田中藤穂 あを 200107
殺生石羽蟻が粗き翅つかふ 酒井多加子 俳句通信 200108
詫び状を二通したため羽蟻の夜 佐藤博美 200108
夜の羽蟻ひとかたまりの偏頭痛 守谷茂泰 海程 200112
百薬の長買いにゆく羽蟻の夜 藤田守啓 船団 200112
透きとほる翅を重しと夜の羽蟻 沖祐里 200208
羽蟻とび老農死期を悟れるか 谷榮子 雨月 200208
山番が定年をいふ羽蟻の夜 藤森すみれ 200209
寺町の崩れ土塀に羽蟻飛ぶ 景山まり子 百鳥 200212
知恵の輪のはずれにくくて羽蟻飛ぶ 松山律子 六花 200308
頼りゐし棟梁老いて羽蟻とぶ 植村よし子 雨月 200308
うかと書を閉ぢて羽蟻を死なせけり 林翔 200407
あまたなる羽蟻しづかに出でにけり 西畑敦子 火星 200409
羽蟻飛ぶ世に狼藉の輩増え 堀井英子 雨月 200509
音叉にも似たる羽蟻の発ちにけり 工藤進 200510
法一の琵琶の音かとも羽蟻の夜 片山タケ子 200609
苛立ちの明滅はげし羽蟻の灯 宮津昭彦 200609
羽蟻湧く人工島に日の差して 丸山照子 火星 200610
月光浴なんぞする気か飛ぶ羽蟻 山元志津香 八千草 200701
立ち飲みの気安さ羽蟻吹き飛ばし 森下賢一 春燈 200709
封切れば私信はらりと羽蟻の夜 佐藤博美 200710
放水に隣家解体羽蟻とぶ 岸はじめ ぐろっけ 200807
羽蟻の羽を落せし黒さかな 森山暁湖 万象 200901
腰おろす切株くづれ羽蟻飛ぶ 堤内久美子 六花 200909
針箱に釦さがすや羽蟻の夜 柴崎富子 春燈 200910
龍馬行く潮騒の朝羽蟻の夜 延広禎一 201008
ガラス戸を覆ふ羽蟻や御巣鷹忌 上家弘子 ろんど 201011
顔のなき仏ばかりや羽蟻の夜 矢野百合子 201109
堂々とよぎる片羽蟻のもの 橋本くに彦 ホトトギス 201110
羽蟻の夜書淫の夫を斜に見て 千田百里 201110
羽蟻の夜甘えて泣けばをかしくなる 丸山佳子 京鹿子 201208
わんわんと羽蟻とび出し日を汚す 中田みなみ 201310
川ほとり羽蟻飛び交ふ先陣碑 難波篤直 201404
直ぐに抜け羽蟻の羽の灯をはじく 小川玉泉 末黒野 201408
能面のふくみ笑ひや羽蟻の夜 水野恒彦 201409
羽蟻とぶ夜の陶狸のうす笑ひ 山尾玉藻 火星 201409
羽蟻の夜蔵の三和土の湿り艶 小河原清江 201409
句座に来て選句に参加する羽蟻 上原重一 201509
羽蟻とぶ先に昼月ぼんやりと 大崎紀夫 虻の昼 201510
実在論白紙へ羽蟻落ちにたり 定梶じょう あを 201607
真実をかくして語る羽蟻の夜 樋口みのぶ 201609
夜に入りて羽蟻落ちくる帳簿閉づ 曽根富久恵 201907
築きたるものの崩るる羽蟻の夜 高橋将夫 202008
ぞろぞろと羽蟻這ひ出る走り梅雨 小池一司 やぶれ傘 202108

 

2022年5月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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