2     100句

倦める日や鎖の音す蟻の列    西村みもざ

  羽蟻

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蟻道を熟熟つらつらたどるうすら惚け 今井竜蝦 海程 200012
鉛筆で蟻殺してる夜の躁 榎本愛子 海程 200012
蟻渇くコピー機の気流ふいに私に 森央ミモザ 海程 200012
山蟻や基壇の磴のすり減りて 澤田緑生 馬醉木 200101
悩ましきもののひとつに蟻の腰 樫井賢一 船団 200102
リストラも不景気も無く蟻走る 川副民子 船団 200102
蟻スズメ私プラタナスの下 池田澄子 船団 200102
山蟻や出合頭のないしよごと 北村きぬよ 京鹿子 200103
傘よりの雫に乱る蟻の列 品川鈴子 船出 200104
啓蟄の蟻めく吾ら街壊れ 品川鈴子 船出 200104
蟻ひとつぶいのちのつかみかげんかな 塩見恵介 船団 200105
臀をみてゆくほかなくて蟻の列 八幡酔鵬 200106
甲冑の黒づくめなる蟻の列 八幡酔鵬 200106
蟻塚の群れや熱帯雨林晴れ 柴田由乃 風土 200106
蟻穴を出て滝風に吹かれゐる 大串章 百鳥 200106
羅漢石蟻の密議のすぐ終る 宇都宮滴水 京鹿子 200106
芍薬の一蕾一蟻さぞ甘き 林翔 200107
蟻穴のどの目の玉も夕陽なる 丸山分水 200107
先導のあるらしく蟻出でにけり 川崎不坐 火星 200107
洗ひ場の束子に蟻のとまどへる 大串章 百鳥 200107
箒目で空手練習宮の蟻 丸山佳子 京鹿子 200107
大蟻のふりさけみれば湖の国 小堀寛 京鹿子 200107
イソップの世界に遊ぶ蟻の道 早崎泰江 あを 200107
芍薬に付く蟻退治儘ならず 信国善保子 火星 200108
蟻登る三本杉に謂れあり 大串章 百鳥 200108
青竹を滑り落ちたる山の蟻 郷田健郎 百鳥 200108
ガリバーになったつもりの蟻の国 保坂加津夫 いろり 200108
山蟻の運びきれない荷が寺に 丸山佳子 京鹿子 200108
山蟻のいく重の陣に配所古る 豊田都峰 京鹿子 200108
山蟻の密議咫尺の間を出ず 宇都宮滴水 京鹿子 200108
戒名の朱色の墓石蟻の列 西川よし子 春耕 200108
夏の風邪流しに蟻の二三匹 山荘慶子 あを 200108
十字架の慰霊碑辿る蟻の列 水原春郎 馬酔木 200109
蟻の列石段のぼる百のぼる 西山美枝子 酸漿 200109
蟻一匹遊行柳を降りて来し 大串章 百鳥 200109
一大事あるかに蟻の列走る 谷村祐治 雨月 200109
蟻の列波郷の墓につづきをり 皆川盤水 春耕 200109
分校の錆鉄棒や山の蟻 斉藤やす子 春耕 200109
蝶を曳く蟻のまつりを見て通る 中原道夫 銀化 200109
一滴をもて捌かるる蟻の道 森麟 銀化 200109
どこからのはたどこまでの蟻の列 蔵持柚 銀化 200109
蟻たちの無言を武器と歩きゆく 中原幸子 船団 200109
蟻さんよピンチはチャンスそれは本 中原幸子 船団 200109
戦争の人馬征くごと蟻の列 保坂加津夫 いろり 200109
小町塚より牛塚へ蟻連らね 品川鈴子 ぐろっけ 200109
うごめきて虫の形に蟻の群 南うみを 風土 200110
蟻のぼる城壁の弧は海へ延び 近藤暁代 馬醉木 200110
山の蟻叫びて木より落ちにけり 大串章 百鳥 200110
蟻色に蟻の群がるくわりん糖 飯塚ゑ子 火星 200110
蟻道に太極拳の始まりぬ 飯塚ゑ子 火星 200110
大蟻のかぶり振りをり雷来るか 桑田眞佐子 火星 200110
大蟻や佛ごころを探しゐる 鈴鹿仁 京鹿子 200110
蟻のごと群れてクレムリン・赤広場 西條李稞 京鹿子 200110
山蟻の僧兵ばしり坊泊り 和田照海 京鹿子 200110
蟻の列梵字運びてゐたりけり 森谷彰 銀化 200110
階段教室アナグラムのように蟻 小野裕三 海程 200110
虫と蟻と共存すわたしのいちご 堀真知子 海程 200110
蟻の道避けて水打つ忌日かな 久保東海司 200110
林中に蟻踏んで身の匂ひ出す 水野恒彦 200110
一塊の土負ひ蟻の穴出づる 能村登四郎 羽化 200110
蟻走る万葉人の恋の歌碑 大井邦子 ぐろっけ 200110
俄雨巣穴八方蟻走る 勝野薫 ぐろっけ 200110
ひたすらといふこと蟻を曳く蟻は 中本憲巳 200111
蟻のぼる女人高野の鎧坂 橋添やよひ 風土 200111
大師堂へあとひと曲り蟻の道 邑橋節夫 遠嶺 200111
山蟻や板東一の巨き鐘 小山徳夫 遠嶺 200111
蟻つぶす酒もつまみも俺の物 吉牟田京師 百鳥 200111
蟻のみち榧の下よりつづきけり 水野恒彦 200111
健康をむだ使ひして山の蟻 柴田いさを 船団 200111
蟻の列鳥居の元に収斂す 田中武彦 六花 200112
ゴミの分別迷ひてをれば蟻が刺す 田中武彦 六花 200201
蟻は穴にわたし九階隆A室に 丸山佳子 京鹿子 200202
鉄の日の集まる蟻と木の葉つぱ 寺田良治 船団 200202
掌にのぼる蟻に重さのありにけり 新開一哉 円虹 200203
啓蟄を待てず出で来し蟻いくつ 小泉当子 酸漿 200205
穴出でし蟻の確かな小走りよ 富田直治 春耕 200205
穴を出る京都時間の蟻もゐし 丸山佳子 京鹿子 200206
並べ置く獅子の頭に山の蟻 古市文子 春耕 200206
むか腹を立てし蟻なり蟻酸充つ 中原道夫 銀化 200206
蟻穴を出て供物のにほふ處かな 中原道夫 銀化 200206
辿るべく蟻をこぼして來しといふ 中原道夫 銀化 200206
齷齪と死語を曳きゆく蟻の列 中原道夫 銀化 200206
おにぎりをお城の蟻に惚れらるる 山田六甲 六花 200206
一病のわが字の歪み蟻の列 斎藤道子 馬醉木 200207
蟻の列どこが先頭かは知らず 塩川雄三 築港 200207
蟻のゐて狭き浴室逃げまどふ 寛節子 築港 200207
いつからかその中にをり蟻の列 亀田憲壱 銀化 200207
蟻の列路面電車の音墓地へ 皆川盤水 春耕 200207
働く蟻よ勤勉は美徳ならずとよ 富安風生 200207
ひらひらと蟻びらひらと岩の照 岡本眸 200207
蟻穴を出るや宇宙と交信す 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200207
石仏を埋めし城壁蟻出づる 野口喜久子 ぐろっけ 200207
あめつちを知らざる蟻も穴を出づ 山口速 200208
蜥蜴来る蟻来る森の切株に 塩谷康子 百鳥 200208
何も云ふな蟻が一匹前を行く 松田克行 帆船 200208
この道の他に道なし蟻も行く 松田克行 帆船 200208
急くことの理探しゐる蟻か 中原道夫 銀化 200208
蟻溺る人は知らじなにはたづみ 市場基巳 200208
板の間を蟻の伝令走りけり 山田六甲 六花 200208
巣穴まで最短距離の蟻の列 山田六甲 六花 200208
蟻 3→      

 

2021年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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