青き踏む 1     378句

青き踏む左右の手左右の子にあたへ    加藤楸邨

青き踏む  踏青

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山の声近々と聞き青き踏む
山田弘子
春節
199503
青き踏む永遠なる嶺を見据ゑつつ
小澤克己
遠嶺
199805
いづれにも与すことなく青き踏む
市川英一
遠嶺
199809
復元の朱雀門より青き踏む
長谷川翠
馬醉木
199902
青き踏む娘の靴なんぞ踵高
林翔
199904
無精髭それもいとしや青き踏む
林翔
199904
よきいろの饅頭を食ひ青き踏む
皆川盤水
春耕
199904
心搏は脱兔の所爲や青き踏む
中原道夫
銀化
199904
羽搏いて飛べぬ鶏青き踏む
金藤優子
199906
青き踏むガラスのペンを懐に
宮澤さくら
遠嶺
199906
青き踏むジーンズの膝抜けてをり
野口光江
遠嶺
199906
渡舟場につづく土堤道青き踏む
木下英一
春耕
199906
貝塚に貝の眠りや青き踏む
穴澤光江
花菜風
199907
おしやべりな名古屋の人と青き踏む
武井康隆
船団
199909
ジーパンに詰め込む肢体青き踏む
能村登四郎
芒種
199911
青き踏みゐる老人のスニーカー
能村登四郎
芒種
199911
青き踏む足を見上げる皃のあり
柿原金米
船団
199912
伊勢を去る砂浜を踏み青き踏み
鷹羽狩行
200005
青き踏む足早くなり抱かれる
新関一杜
京鹿子
200005

 「遠嶺」8周年記念へ自祝

一歩とは永遠への意志や青き踏む

小澤克己
遠嶺
200005
花綏の重さのおさげ青き踏む
中原道夫
銀化
200005
文芸に身捨てんとして青き踏む
岩岡中正
円虹
200006
青き踏むとは哀歓を踏むごとく
岩岡中正
円虹
200006
青き踏む哀しみもまた糧として
岩岡中正
円虹
200006
青き踏み旅の時間を余らせず
福場朋子
200006
高松古墳壁画の果ての青き踏む
神蔵器
風土
200006
急ぐこともなき晩年の青き踏む
堀米洋江
風土
200007
風車背にドンキホーテと青き踏む
吉村春風子
遠嶺
200007
「ひと」と呼ぶ動物出でて青き踏む
金子兜太
海程
200007
青き踏む哀感いきなり鳥飛行
山中口子
海程
200007
記念館までの川畔の青き踏む
大槻秋女
円虹
200007
ホップステップあなたの胸の青き踏む
近藤千雅
船団
200010
青き踏む産婆のやうな鞄提げ
戸田春月
光陰
200012
腕組みしこと蘇り青き踏む
市川伊團次
六花
200104
蛇怖じぬ女と言はれ青き踏む
鎌倉喜久恵
あを
200104
青き踏む父のステッキふりまはし
那須淳男
馬醉木
200105
櫓山荘跡の起伏の青き踏む
山田弘子
円虹
200105
ここよりは風に順ひ青き踏む
奥田節子
火星
200105
青き踏む襁褓の両面テープかな
水口佳子
銀化
200105
滝ざくら少し離れて青き踏む
神蔵器
風土
200106
青き踏むはじめて靴をはきし児と
菅野啓子
百鳥
200106
ピアニストめざす少女と青き踏む
坂田曜梨
百鳥
200106
嬰児のせがむ声背に青き踏む
大塚民枝
酸漿
200106
青き踏み阿波一番の札所かな
平山八十子
雨月
200106
青き踏む地雷をつくる日本です
河原珠美
海程
200107
青き踏む足蹠の大きさうに踏む
後藤立夫
ホトトギス
200107
青き踏むこころに干潟見てゐたり
岡本眸
200107
口いつぱい「ぱ行」発して青き踏む
北原武巳
船団
200108
虚子系につながり細く青き踏む
佐々木峻
船団
200109
青き踏む癒えたる脚のこおどりす
浮田胤子
ぐろっけ
200109
五時起きの青き踏みまた立ち尿る
五十嵐研三
海程
200110
青き踏み流れに沿うて来られたる
稲畑汀子
ホトトギス
200203
おもひ出せぬ草の名ひとつ青き踏む
島谷征良
風土
200203
子が選ぶ一歩となりて青き踏む
永井たえこ
馬醉木
200205
一本の孔子木あり青き踏む
島田和子
風土
200205
青き踏むぐいぐい嶺を引き寄せつ
小澤克己
遠嶺
200205
青き踏む逢ふかも知れぬあの人に
松下幸恵
六花
200205
青き踏む忘れゐしこと思ひ出す
松下幸恵
六花
200205
青き踏む携帯電話どなたから
松下幸恵
六花
200205
青き踏む母の両手を引く姉弟
高木智
京鹿子
200205
青き踏む海坂の弧のやはらかく
西村葉子
京鹿子
200205
青き踏む心発光せむ地まで
白髭美佐子
200206
青き踏む蕪村脈々の毛馬塘
水島夜雨
京鹿子
200206
未来への道の半ばの青き踏む
環順子
遠嶺
200206
楢山の裾へ裾へと青き踏む
藤森すみれ
200206
癒えし身にそそぐ陽光青き踏む
杉江茂義
雲の峰
200206
二十四の瞳の島や青き踏む
伊藤重美
雲の峰
200206
青き踏む風やはらかき萱の御所
辰巳陽子
雲の峰
200206
しあわせの村の広さの青き踏む
小田ひろ
円虹
200206
弁当に塩焼の鯉青き踏む
蟇目良雨
春耕
200206
笛ひびく箱根の山の青き踏む
小菅高雪
春耕
200206
いたはりの言葉さがして青き踏む
池崎るり子
六花
200206
旅立ちや旅行案内青き踏む
池崎るり子
六花
200206
青き踏む今日で四日目車椅子
池崎るり子
六花
200206
じゆん菜の模様の陶碗青き踏む
市川伊團次
六花
200206
青き踏みノーベル賞を夢見をり
河内童楽
六花
200206
楊貴妃と青き踏む夢見てをりぬ
河内童楽
六花
200206
青き踏み来て突堤に何となく
加瀬美代子
200206
少年にポケット大事青き踏む
加瀬美代子
200206
堅穴の距り測る青き踏み
品川鈴子
ぐろっけ
200206
大半は同世代なり青き踏む
高村洋子
遠嶺
200207
青き踏む都心の翳りかさね踏む
戸村よねこ
遠嶺
200207
今日一と日補陀落山の青き踏む
綿谷美那
雨月
200207
あをぞらを先へ先へと青き踏む
冨田正吉
200207
青き踏むワンラウンドの一万歩
松木清川
ぐろっけ
200207
戦争の九死に生きて青き踏む
有田蟻太
200208
繰り返す犬の調練青き踏む
松本文一郎
六花
200208
青き踏みボツチチエリの女神行く
遠藤とも子
ぐろっけ
200208
青き踏む野に善悪の二面石
森脇恵香
雲の峰
200304
八ヶ岳の風満身に青き踏む
宮坂恒子
雪底
200304
鳥の名を花の名をあげ青き踏む
萩谷幸子
雨月
200305
ステッキに青き突かせて青き踏む
林翔
200305
青き踏む母をいたはる歩幅にて
樋口英子
200305
大地よりもらふ治癒力青き踏む
谷口みちる
200305
内にある弱さ確かめ青き踏む
北川とも子
ぐろっけ
200305
この辺りむかし海底青き踏む
岩月優美子
200306
大観の「生々流転」青き踏む
中村洋子
風土
200306
青き踏むゴヤの「巨人」の大地かな
中村洋子
風土
200306
この星のこの一点の青き踏む
長谷英夫
馬醉木
200307
青き踏むいつしか川の辺りかな
稲辺美津
遠嶺
200307
勝馬の覆面をとり青き踏む
真塩実
200307
曳いてきし犬に曳かれて青き踏む
嶋田摩耶子
ホトトギス
200308
海坂を目指すごとくに青き踏む
馬場公江
200310
青き踏む青年われに即答す
上野澄江
百鳥
200402
講座終へ宮址の中の青き踏む
木下栄子
築港
200404
山鳩はおどろきやすし青き踏む
渡邉友七
あを
200405
花博の名残の庭に青き踏む
志水芳秀
雲の峰
200405
足湯して浜辺つづきの青き踏む
淵脇護
河鹿
200405
青き踏むリュックに鳥の図鑑かな
杉江美枝
百鳥
200405
力抜くことにも慣れて青き踏む
西川五郎
馬醉木
200405
碧落や吟行の足青き踏む
中田征二
ぐろっけ
200405
青き踏む蕪村に高き毛馬堤
中田征二
ぐろっけ
200405
青き踏む遙か先ゆく反抗期
清水ミツコ
200406
膨みし飛行機雲や青き踏む
高尾豊子
火星
200406
青き踏む奥の細道十念寺
小林共代
風土
200406
あどけなき幼の笑や青き踏む
小松鈴子
酸漿
200406
二度となき今日と言ふ日の青き踏む
石見実人
草の花
200406
遠き日を思ふ爆音青き踏む
大久保恵美子
遠嶺
200406
井戸あれば井戸を覗きて青き踏む
淺場英彦
万象
200407
青き踏むラ・マルセーユを口ずさみ
堀百合子
200407
塔の跡回廊の跡青き踏む
今瀬剛一
対岸
200407
百歩より一歩が大事青き踏む
大貫保子
帆船
200408
青き踏む野守の鏡持つ鬼と
岡ハツ子
帆船
200408
霧ごめのロワール川や青き踏む
小谷延子
栴檀
200408
青き踏む未だ渡欧の叶はずに
矢島久栄
200408
青き踏む水を朗読するやうに
河西志帆
京鹿子
200409
青き踏む餓鬼大将でありし丘
滝沢伊代次
万象
200502
キヤラメルの黄色い天使青き踏む
竹貫示虹
京鹿子
200503
揺れ止まぬ身内のクルス青き踏む
石田静
200505
降つて湧くことば虚心の青き踏む
小澤克己
遠嶺
200505
遊びにも鞄をもちて青き踏む
堀内一郎
あを
200505
電子辞書もちて異国の青き踏む
白神知恵子
春燈
200506
青き踏む蹠勢ふや身の奢り
徳永辰雄
春燈
200506
死は確と老いはそれぞれ青き踏む
藤原照子
200506
青き踏む鞄の中の抹茶碗
花岡孝子
帆船
200506
輪中村の昔を思ひ青き踏む
大石よし子
雨月
200506
ソビエト館ありしはこの辺青き踏む
大橋晄
雨月
200506
ポケツトに過去しのばせて青き踏む
関根洋子
風土
200506
こだはりは一片の雲青き踏む
関口幹雄
遠嶺
200507
青き踏む幼の靴の真新し
桑久保奈美子
酸漿
200507
青き踏み阿騎野の古き世にひたる
西村しげ子
雨月
200507
青き踏む河童伝説聞きながら
青山悠
200507
坊ちゃんも山嵐もいて青き踏む
浦川哲子
200508
青き踏む一歩もためらいなかりけり
貝森光大
六花
200508
りんご畑ぬけて城まで青き踏む
三好かほる
万象
200509
青き踏むズボンの裾の力布
高橋あゆみ
200510
やりくりは妻に任せて青き踏む
丁野弘
200603
解脱へのいまだに青き踏み出せり
小澤克己
遠嶺
200604
火の島は薩摩のまほら青き踏む
徳田正樹
河鹿
200605
ふりむけば団塊世代青き踏む
大森春子
200605
いづれかが杖となるらん青き踏む
横田初美
春燈
200605
堰落つる水へと寄りて青き踏む
藤井昌治
200605
青き踏む五重の塔の影も踏む
荒木英雄
対岸
200605
確かなる大地の息吹青き踏む
コ田正樹
河鹿
200606
青き踏む地球やはらかなりしかな
高橋瑛子
河鹿
200606
病抜けて足どりしかと青き踏む
安達加寿子
200606
青き踏む歩調合はすは所詮無理
陳錫恭
春燈
200606
青き踏む兄弟に畦ふたつあり
清水公治
200606
青き踏む足裏よりつきあげるもの
佐々木よし子
200606
青き踏み叱り上手に犬をつれ
丸山佳子
京鹿子
200606
青き踏む野の点景に道祖神
藤岡紫水
京鹿子
200606
瀬戸内や裸の島の青き踏む
博多永楽
雨月
200606
青き踏む更なるいのち授かりて
稲次登美子
雨月
200606
青き踏む子に青雲の志
高村令子
風土
200606
激つ瀬の渦に逆らひ青き踏む
長沼三津夫
200606
思ひ出にみな姉がゐて青き踏む
小阪喜美子
二輪草
200606
飛鳥路の自然に惚れて青き踏む
伊藤稔代
200607
なにもかも途上にありて青き踏む
岩岡中正
ホトトギス
200607
青き踏む声の並んでゆきにけり
塙告冬
ホトトギス
200607
青き踏みふと胸よぎるブッセの詩
山岸治子
馬醉木
200607
大方は付和雷同の青き踏む
野田梅月
遠嶺
200607
世に遅れ人におくれて青き踏む
上田明子
雨月
200607
いくつもの病を友と青き踏む
高倉恵美子
200607
新しき靴の弾力青き踏む
原田しずえ
万象
200609
青き踏む雫の光砕きつつ
ことり
六花
200609
新しき名刺一箱青き踏む
中嶋陽子
風土
200612
後楽園ところどころの青き踏む
北川英子
200704
青き踏む薬師寺の塔近く見て
石川元子
酸漿
200704
女身佛の眼の端にゐて青き踏む
水野恒彦
200705
晴れ渡る筑波遠見に青き踏む
本藤みつ
200705
ゲレンデにまさかと思ふ青き踏む
秋葉雅治
200705
耳ざはり良いお話で青き踏む
丸山佳子
京鹿子
200705
決意とは陽射しのやうに青き踏む
小澤克己
遠嶺
200705
幼な子に母の手父の手青き踏む
松原三枝子
万象
200706
癌転移なしとのことや青き踏む
小林昭
春燈
200706
腕ぢから頼みて青き踏むことも
山崎靖子
200706
大胆なチェックのよけれ青き踏む
高橋道子
200706
北上の流れ嫋やか青き踏む
杉田春雄
風土
200706
本名はウイリアムアダムス青き踏む
平田紀美子
風土
200706
子らをて父のこゝろに青き踏む
瀧春一
200706
幽かなる歡びに芝の青き踏む
瀧春一
200706
波荒き安宅の関の青き踏む
木暮剛平
万象
200707
新しき句帳を持ちて青き踏む
中谷葉留
風土
200707
わが影も句友のひとり青き踏む
小山徳夫
遠嶺
200707
やはらかき風や水辺の青き踏む
今井松子
遠嶺
200707
青き踏む足元を波もりあがり
高橋さえ子
200707
まつさらなフェルトの靴や青き踏む
田中久仁子
万象
200708
誘はれて洗濯をおき青き踏む
坂井和子
酸漿
200709
青き踏むみんな身ぬちのどこか欠け
金井充
百日紅
200711
赤の花黄の花分けて青き踏む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
万物の霊長として青き踏む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
青き踏む言葉はいらぬ二人かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
富士を見て六甲を見て青き踏む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
鳩鴉猫犬童青き踏む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
この道は花鳥諷詠青き踏む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
来馴れたる稲城野といふ青き踏む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
公園の端から端へ青き踏む
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
都心にも空地ありけり青き踏む
稲畑汀子
ホトトギス
200803
青き踏むかつて角力をとりし丘
滝沢伊代次
万象
200803
来し方のことは思はず青き踏む
鷹羽狩行
200804
つつがなく日々は遠のき青き踏む
ことり
六花
200804
サッカーのボール空へと青き踏む
中島玉五郎
200805
追ひかけるかたちに終始青き踏む
高橋道子
200805
青き踏み来て君の靴なぜ赤い
林翔
200805
生きて在るかぎり途中よ青き踏む
楠原幹子
200805
熱気球上る真下の青き踏む
河口仁志
200805
ビバルディかつて教師や青き踏む
小林奈穂
200805
青き踏む詩の接ぎ穂を考へつ
北尾章郎
200806
不意に鳴る携帯電話青き踏む
穐好樹菟男
馬醉木
200806
田毎より棚田と変はり青き踏む
能村研三
200806
青き踏む土の匂ひに日の匂ひ
羽賀恭子
200806
山城は海抜八十青き踏む
林いづみ
風土
200806
水に沿ひ水を離れて青き踏む
長谷川歌子
春燈
200806
馬に伍し都井の岬へ青き踏む
田中峰雪
雨月
200806
粗衣粗食なりてすこやか青き踏む
水野節子
雨月
200806
青き踏むけふのことのみ考へて
中田みなみ
200806
母といふ役に生かされ青き踏む
安武晨子
200806
少欲のこころの軽し青き踏む
邑橋節夫
菊揃へ
200806
青き踏むこの東京へ向かふ道
安田久太朗
遠嶺
200807
青き踏むまた風鐸の遠ひびき
豊田都峰
京鹿子
200807
青き踏む過客の跫音蹄の音
荻野千枝
京鹿子
200807
青き踏みたくて川原に下り立ちぬ
中里信司
酸漿
200807
目指したる丘はすぐそこ青き踏む
北原瑞枝
遠嶺
200808
死なざりし一兵の地や青き踏む
柴崎甲武信
月日
200811
ビバルディかつて教師よ青き踏む
小林奈穂
200901
青き踏み踏みて生涯一詩人
遠藤和彦
彩雲
200901
青き踏み楢の林に身を容るる
瀧春一
深林
200901
爪先の眠くなりけり青き踏む
山田六甲
六花
200904
青き踏む吹かれてしろき盆の窪
中嶋憲武
炎環
200905
青き踏む偶蹄類は反芻中
辻美奈子
200905
人類の進化のはじめ青き踏む
辻美奈子
200905
杖に身をあづけて青き踏みにけり
渡辺鶴来
春燈
200905
青き踏むその感触の心地よき
青垣和子
雨月
200905
恙無き身を愛ほしみ青き踏む
諸戸せつ子
春燈
200905
下総の一茶の足跡青き踏む
細江久美子
春燈
200905
直に生き英傑の地の青き踏む
森岡正作
200906
こころざしなきにもあらず青き踏む
堀口希望
200906
危ふさの明日を侍み青き踏む
高橋和女
春燈
200906
限りある日々を大事に青き踏む
大木清美子
200906
青き踏む天下分け目の戦跡
園多佳女
雨月
200906
水辺への小径こ青き踏みにけり
阿部悦子
酸漿
200906
携帯で居場所報告青き踏む
嶋田摩耶子
ホトトギス
200907
慕ふとは青き踏むこと墓前祭
岩岡中正
ホトトギス
200907
地球まろし山いただきの青き踏む
鹿島釣人
炎環
200907
楢山の裾を巡りて青き踏む
渡辺昭
200907
青き踏む亡き師の一句歳時記に
長谷川友子
春燈
200907
心いつも同じにあらず青き踏む
丸山佳子
京鹿子
200907
足裏にも生命線か青き踏む
鎌田慶子
ろんど
200907
青き踏む地球は軽く廻りをり
吉村摂護
200908
ぽるとがるはたての岬の青き踏む
湯浅夏以
遠嶺
200909
鎌倉の長谷の御寺の青き踏む
佐藤喜仙
壁炉
200911
青き踏む子に蹤く風の柔らかき
宮田豊子
春燈
201004
源流は雲浮くあたり青き踏む
嘉住きよ美
末黒野
201004
目標は日に七千歩青き踏む
中本吉信
201005
青き踏み聞き流しゐる友の夢
千手和子
馬醉木
201005
義民碑に香を手向けて青き踏む
鈴木阿久
201005
青き踏むとき日の本の女なる
安立公彦
春燈
201005
古墳とも思へる裾の青き踏む
柴田佐知子
201005
遷都祭広き宮址に青き踏む
小林成子
201006
青き踏み見知らぬ児らとお一段
新実貞子
201006
職を引く覚悟は出来て青き踏む
松嶋一洋
201006
青き踏む人体にある螺子の数
相良牧人
201006
足を引く鴉に付いて青き踏む
古川京子
万象
201006
青き踏むぽん菓子袋持ちながら
白石正躬
やぶれ傘
201006
風待ちの港見下ろし青き踏む
井口淳子
201006
いくつもの別れありけり青き踏む
田中佐知子
風土
201006
どこまでも平城宮址青き踏む
浅田光代
風土
201006
みどり子の靴はフェルト青き踏む
柴田良二
雨月
201006
青き踏む一病神に委ねつつ
村上美智子
雨月
201006
のこされし月日は知らず青き踏む
中沢三省
風土
201007
信玄の本陣跡に青き踏む
山田春生
万象
201007
老犬の一歩一歩と青き踏む
新妻奎子
万象
201007
どた靴や詩を得んために青き踏み
定梶じょう
あを
201007
恐竜は草食といふ青き踏む
山田正子
201008
ドロップをひと粒口に青き踏む
丑久保勲
やぶれ傘
201008
バス停をはるかに畦の青き踏む
丑久保勲
やぶれ傘
201008
青き踏む「ママがいいの」と言ふ子供
萩原渓人
やぶれ傘
201008
晩年といふには早し青き踏む
大沼遊魚
倭彩
201009
頂近き風の甘さや青き踏む
西村雪園
風土
201101
青き踏む久しぶりなる君との歩
稲畑廣太郎
ホトトギス
201103
はなれゆく鳥を見送り青き踏む
ことり
六花
201104
ステッキや背筋伸して青き踏み
北尾章郎
201105
青き踏む縁切寺へ抜くる道
コ田千鶴子
馬醉木
201105
ジパングは黄金の島青き踏む
柳川晋
201105
青き踏む秩父札所の結願寺
鈴木鳳来
春燈
201105
青き踏む遠き日の風身ほとりに
中嶋昌子
春燈
201105
若き日の夢道づれに青き踏む
宮川英子
春燈
201105
犬歩くままに従ひ青き踏む
白石正躬
やぶれ傘
201106
青き踏む鳥語に耳をあづけつつ
小林千草
馬醉木
201106
青き踏み老に折合ひつけて生く
高橋和女
春燈
201106
屈託は風にあづけて青き踏む
矢口笑子
春燈
201106
女らのぺちやくちや話青き踏む
松嶋一洋
201106
青き踏むいつしか丘を占めにけり
豊田都峰
京鹿子
201106
一行の詩をあたためて青き踏む
阪上多恵子
雨月
201106
体重の過不足なくて青き踏む
野口喜久子
ぐろっけ
201106
青き踏むみんな燥ぎの風のなか
西田美ち
ろんど
201106
青き踏む白球を追ふ万歩計
森下岩男
風土
201106
夫の靴私のくつや青き踏む
中山皓雪
201107
降り立ちて要塞跡へ青き踏む
城戸緑
末黒野
201107
就職の決まりたる子と青き踏む
寺村年明
春燈
201107
青き踏む二条大路の西はづれ
豊田都峰
京鹿子
201107
村中に鳴る昼のポー青き踏む
丑久保勲
やぶれ傘
201108
青き踏むひとつ覚えのわらべ唄
安武晨子
201108
明日知れぬ定めを生きて青き踏む
高橋定峰
末黒野
201108
再興を祈り祈りて青き踏む
今村征一
ホトトギス
201110
諷詠の虚子の心と青き踏む
竹下陶子
ホトトギス
201111
この道を行けば着く筈青き踏む
伊藤とほ歩
ホトトギス
201203
青き踏む少年に翳なかりけり 原和三 末黒野 201204
とれさうな釦を押さへ青き踏む 三上程子 春燈 201205
就中情濃き人青き踏む 井田実代子 雨月 201205
原子より原始へこころ青き踏む 藤原照子 201205
杖もまたわが身の一部青き踏む 河口仁志 201205
子の下宿定まり旅の青き踏む 井村和子 風花 201206
青き踏むけふを忘れず少年よ 岩月優美子 201206
青き踏む地下に千古の天体図 千田敬 201206
青き踏む明日香に石と陵と 菅谷たけし 201206
縄文の楽湧くごとし青き踏む 大沢美智子 201206
青き踏む一人は明日を語りけり 風間史子 201205
胸中になほ恃むもの青き踏む 森田尚宏 201205
弥生人住みし遺跡や青き踏む 鈴木セツ 201206
ローマへの一歩少年青き踏む 上家弘子 万華鏡 201206
その辺といふは曖昧青き踏む 湯川雅 ホトトギス 201207
青き踏む天使ミカエル地にありて 西村純太 201207
風化仏かしげる方へ青き踏む 豊田都峰 京鹿子 201207
青き踏む強気かくさぬもの同志 河村啓花 ろんど 201207
よちよちと歩む子の居て青き踏む 廣瀬雅男 やぶれ傘 201207
青き踏む虚子生誕の日の句座へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
ゆるやかにまはる風車や青き踏む 渡邊孝彦 やぶれ傘 201209
保育車に童四つたり青き踏む 野村靹枝 京鹿子 201209
刀禰川と書きある利根の青き踏む 北崎展江 くりから 201209
低くゆくセスナ機の音青き踏む 丑久保勲 やぶれ傘 201210
青き踏むまさかの人に誘はれて 山尾玉藻 火星 201304
青き踏む一歩一歩に仏かな 神蔵器 風土 201304
桟橋よりすぐに野道や青き踏む 荒井千佐代 201304
青き踏む被爆の町の子と生まれ 鳳蛮華 201304
外連味のなくて只々青き踏む 山崎靖子 201305
草競馬懐かしきかな青き踏む 碇天牛 雨月 201305
頼り来し夫にたよられ青き踏む 上柿照代 馬醉木 201306
青き踏む自然治癒力信じつつ 塙誠一郎 201306
それぞれの行き方ありぬ青き踏む 寺田すず江 201306
取り立てて語らぬふたり青き踏む 田村園子 201306
高麗王の墓をめざしつ青き踏む 山田春生 万象 201306
老いたるを互ひに言へり青き踏む 川上久美 ろんど 201306
心地よく足裏はづませ青き踏む 村上悦子 雨月 201306
万葉の狩場の跡や青き踏む 間宮あや子 馬醉木 201307
お手玉や思ひははるか青き踏む 池田光子 201307
青き踏む雲のカタログ取り寄せて 本郷公子 京鹿子 201401
をとめらに明日香の風や青き踏む 井上石動 あを 201404
風は詩水はメロディー青き踏む 高村令子 風土 201405
終活を先送りせむ青き踏む 阪本哲弘 201405
職辞して只人として青き踏む 能村研三 201405
とばし読む風にさそはれ青き踏む 豊田都峰 京鹿子 201405
青き踏むときをり山羊の声入れて 甲州千草 201405
まなかひに恋の香具山青き踏む 南光翠峰 馬醉木 201406
やむごとなき人の踏みけむ青き踏む 大村仍子 雨月 201406
今届く一書を抱き青き踏む 落合絹代 風土 201406
日輪はひとりにひとつ青き踏む 本多俊子 201406
恋初めし時は戦時下青き踏む 田代貞枝 201406
老犬と日々三千歩青き踏む 戸田澄子 末黒野 201406
青き踏む今日と言ふ日を生かされて 熊川暁子 201406
青き踏む昨日と同じ道ですが おーたえつこ 201406
青き踏む詩の未来を信じ踏む 小山繁子 春燈 201406
青き踏む杖つくほかは無一物 河口仁志 201406
海見えぬ風の匂ひや青き踏む 野上杳 201407
鳩を追ふ児のすり足や青き踏む 西川みほ 末黒野 201407
青き踏む足の川風さばきつつ 白石正躬 やぶれ傘 201407
青き踏む→2      

2021年3月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。