天の川 3   114句

戸隠や顔にはりつく天の川   矢島渚男   船のやうに

銀河 天の川 冬銀河 夏銀河

作品
作者
掲載誌
掲載年月
みづうみへ流れの先を天の川 藤原照子 200611
それぞれの過客なるべし天の川 大島翠木 200611
魂の抜くると遺句や天の川 磯野しをり 雨月 200611
天の川逢ひたき人は皆遠し 菊池ふじ子 馬醉木 200612
父母と心かよはせ天の川 小阪喜美子 遠嶺 200612
天の川人それぞれの暮しあり 赤羽正行 遠嶺 200612
ポストまで髪の濡れゐる天の川 米澤光子 火星 200612
天の川能登上布機休めあり 中山純子 万象 200701
天の川語れば長き過去のあり 鈴木栄子 酸漿 200701
我に過去汝には未来天の川 木村享史 ホトトギス 200703
いいことが朝着くような天の川 中原幸子 以上、西陣から 200705
磨り硝子にもどる少年天の川 渋川京子 200706
ヴィーナスの貝の上なる天の川 雨村敏子 200709
好日の夜々に及びて天の川 鷹羽狩行 200709
仰ぐ身も丈なす思ひ天の川 鷹羽狩行 200709
天の川杉の中なる摩耶夫人 山田六甲 六花 200709
老い先の未だ描けず天の川 小山田子鬼 200710
天の川湯音空まで響かせて 三井孝子 六花 200710
天の川見えず麻沙子の影茫々 大橋晄 雨月 200710
天の川杳と多感の日の杳と 久保田雪枝 雨月 200710
天の川近し燭蛾はとびたてる 定梶じょう あを 200710
良き友はみな黄泉に在り天の川 塩田博久 風土 200711
流れ橋よりつづきけり天の川 丸山照子 火星 200711
天の川夜間工事の鶴嘴に 緒方佳子 火星 200711
天の川ほどの輝き命の火 高橋将夫 200711
マンモスの尾骨の化石天の川 雨村敏子 200711
天の川仰ぎ傘寿の生死かな 駒井でる太 200712
天の川まはり道して帰りけり 小阪喜美子 遠嶺 200712
麻沙子忌の過ぎしと仰ぐ天の川 玉置かよ子 雨月 200712
天の川横たふ空や目のあたり 西本春水 あを 200712
還暦の男と女天の川 中条さゆり 200712
ホルン響く氷河を跨ぐ天の川 金山藤之助 200801

 祝槐創刊二百号

槐二百冊の質量天の川

高橋将夫 200802
それぞれの光消し合ひ天の川 ことり 六花 200808
天の川流るる韻き誰も聞かず 渡邊千枝子 馬醉木 200809
天の川生野の空を割りにけり 山田六甲 六花 200809
天の川煩悩一つ消えたまふ 竹内悦子 200810
眼で辿る天の川原乱るるか 柳生千枝子 火星 200810
天の川辿り寂しくなりにけり 柳生千枝子 火星 200810
父見舞ふためにくぐりぬ天の川 伊藤白潮 200810
天の川二等兵には星一ツ 須田紅三郎 200810
敷紙に天の川の句盃弾む 河本利一 200811
われは書き子は読み耽る天の川 田中春生 200811
平らかに熟寝子運ぶ天の川 田中春生 200811
高原や流れの早き天の川 中村房子 馬醉木 200811
音のなき瞬きのなか天の川 吉田悦花 炎環 200811
航跡の拡がって来し天の川 大畠響 炎環 200811
シャンパンの合はすグラスや天の川 町田美枝子 遠嶺 200811
外厨使ふ母郷の天の川 小林朱夏 200811
甲板を素足で踏める天の川 杉浦典子 火星 200811
母牛のねむりに入りし天の川 杉浦典子 火星 200811
天の川家のかたちが町つくる 酒本八重 200811
天の川ひとに海馬といふところ 細川洋子 200811
きしきしと砂踏みゆけり天の河 米澤光子 火星 200811
酷愛の書を教本に天の川 小澤克己 遠嶺 200812
生涯を謙虚に一誌天の川 林友次郎 遠嶺 200812
藁売ってすこしく富む夜天の川 定梶じょう あを 200901
天の川澄まず濁らず流れをる 高橋将夫 200902
天の川けふの終りの黄楊の櫛 松野睦子 遠嶺 200902
うつし世の雲の過ぎりし天の川 有吉桜雲 200903
天の川やつぱり君と見ることに 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908
伝へたきことのあふれて天の川 安居正浩 200908
ふためぐりならぬ人の世天の川 鷹羽狩行 200909
懸橋は胸中にあり天の川 渕上千津 200909
しっかりと筆持つ子供天の川 芝尚子 あを 200909
姉恋し天空もやふ天の川 村上絢子 馬醉木 200910
翁慕ひし旅はもはるか天の川 西川保子 春燈 200910
天の川に流したきもの二つ三つ 北岸邸子 春燈 200910
天の川雨の洗ひし卓と椅子 根岸善行 風土 200911
天の川見て満足の山泊り 泉田秋硯 200911
存分に生きて仰ぎぬ天の川 島ひろし 末黒野 200911
わが身とて末は粉々天の川 千田敬 200911
二人ゐてふたつの孤独天の川 小田里己 200911
沖も陸も眠りの中や天の川 沼田巴字 京鹿子 200911
天の川船酔ひの足地に下ろす 浜口高子 火星 200911
信号を待つ眼に溢る天の川 飯塚ゑ子 火星 200911
父祖の地にいつか帰らん天の川 稲岡長 ホトトギス 200912
荒海と化するも間近天の川 吉田裕志 200912
シャンパンの泡のさざ波天の川 副田氷見子 炎環 200912
天の川旅の机にペン借りる 野崎タミ子 炎環 200912
天の川やんちやな人を掌に 加藤みき 200912
円周率の果ては海神わたつみ天の川 雨村敏子 200912
齢一つ重ねて仰ぐ天の川 佐藤康子 遠嶺 200912
かの言葉いま胸に沁む天の川 藤原はる美 200912
笹舟にのりて渡りし天の川 松木溪子 200912
忘却といふ救ひあり天の川 山田弘子 ホトトギス 201001
亡き友をあつめて早し天の川 小堀寛 京鹿子 201001
濡れたくて一人ゆく道天の川 沼田巴字 京鹿子 201001
本閉ぢて自分ひとりの天の川 村上幸子 京鹿子 201001
山頂や触るるばかりの天の川 淺井照子 京鹿子 201001
天の河山廬へ降ると告げらるる 伊藤敬子 201001
むかしへと流るるごとし天の川 國田欽也 201003
天の川見てゐるわたし星の中 續木文子 あを 201008
天の川鬼籍の人ら列なして 中田みなみ 201009
待つことにすこし倦みけり天の川 あさなが捷 201009
暗黒の伽藍を覆ふ天の川 久保東海司 201010
山国の鐘滔々と天の川 古川夏子 201010
天の川二十で仰ぎ今仰ぐ 谷田部栄 万象 201010
年ごとに故郷遠し天の川 中川すみ子 201011
天の川妹山を抱く背山かな 延広禎一 201011
骨壺を川の字に置く天の川 井上信子 201011
涛々と雲を押し出し天の川 中村江利子 京鹿子 201011
天の川に翼を休め白鳥座 高橋将夫 201012
文弱に産んで貰ひし天の川 大島翠木 201012
一枚は割れたる硝子天の川 足立幸信 201012
旧姓といふこと父に天の川 定梶じょう あを 201011
川の色変へる夜空の天の川 續木文子 あを 201011
天の川さてさて登る梯子ない 佐藤真隆 京鹿子 201012
雲外を近しと思ふ天の川 吉弘恭子 あを 201011
潮騒の他なき島や天の川 森清信子 末黒野 201101
天の川二タ夜寝かせし願ひごと 西條李稞 京鹿子 201101
山峡の空狭くして天の川々 鈴木一広 201102
天の川三瓶の旅を彩れり 稲畑汀子 ホトトギス 201108
満天の星従へり天の川 稲畑汀子 ホトトギス 201108
天の川→ 4      

 

2021年9月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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