秋の雲 1     95句

よつにわれみつにわかれて秋の雲    成美

秋雲  秋の雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋の雲なほ青空といへるほど 稲畑汀子 ホトトギス 199810
とりあへず死の掛けものに秋の雲 神蔵器 風土 199811
秋の雲結論ひそと育ちつつ 岡本眸 199811
水飲んでそのまま仰ぎ秋の雲 岡本眸 199811
大空に変体仮名の秋の雲 富田道子 円虹 199901
白壁に背中あづけて秋の雲 津田このみ 船団 199903
結びの日伊吹は秋の雲をのせ 深川知子 俳句通信 199910
兵舎跡ある筈もなく秋の雲 大場燈児 風土 199911
ほうと息つけば秋草秋の雲 能村登四郎 芒種 199911
サックスの音のかなたの秋の雲 小枝恵美子 ポケット 199911
干し物は七いろ秋の雲白く 林翔 199912
秋の雲ビクと動かず白一色 岩田ひろあき 船団 199912
秋の雲耳より低く垂れ込めし 中村安伸 海程 200001
秋の雲どこかほつれて海の音 小島とよ子 遠嶺 200001
寺の端に掛けて見上げる秋の雲 小島とよ子 遠嶺 200001
鋏買ひ荷を重くせり秋の雲 田中藤穂 水瓶座 200002
まだ鱗つくれず厚き秋の雲 稲岡長 ホトトギス 200003
川が食むよくふくらんだ秋の雲 奥田筆子 京鹿子 200004
晴れてゆく刻々秋の雲となる 稲畑汀子 ホトトギス 200010
風音と別にうすうす秋の雲 稲畑汀子 ホトトギス 200010
秋の雲昼更けにつゝ嶺に寄る 阿部寒林 200010
街道は秋の雲へと消えゆけり 山田禮子 遠嶺 200011
雲の上のアルプスの上の秋の雲 奥田智久 ホトトギス 200012
秋の雲ちぎれてすぐに集まりて 熊谷みどり いろり 200012
海に遊ぶ夢の羊よ秋の雲 林翔 200101
秋の雲棒高とびなら乗れそうだ 今城知子 船団 200108
手を振れば応へてくれし秋の雲 山田禮子 遠嶺 200111
秋の雲しばらく佐渡のかたちかな 中村昭義 百鳥 200111
いつか見し秋の雲なりひとり旅 大橋克巳 俳句通信 200111
秋の雲うつりて潟の忘れ汐 田所洋子 雨月 200112
むらさきの秋の雲中菩薩かな 神蔵器 風土 200112
飛び乗りて席のありたり秋の雲 伊藤多恵子 火星 200112
馬の尾のふはりと刷きし秋の雲 安原ときこ 遠嶺 200112
鰯より鯖になりたき秋の雲 水上陽三 200201
爽やかに九輪を走る秋の雲 大畠政子 雨月 200201
鉾杉の間を分けて秋の雲 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
錦秋の雲ひとすじの髪存す 中島陽華 200202
秋の雲子の未来図に親をらず 小川美知子 200202
秋の雲小学校は丘の上 久保田由布 ぐろっけ 200202
甘橿の丘より望む秋の雲 齋藤幸子 酸漿 200204
伝導率零なら秋の雲つんつん 松山律子 六花 200210
早世の絵本作家や秋の雲 祐森彌香 遠嶺 200211
傀儡師と傀儡粧ふ秋の雲 半澤佐緒里 百鳥 200211
秋の雲横へ横へと拡がりぬ 大東由美子 火星 200211
夏雲と秋の雲間を母逝ける 小林成子 火星 200211
飲み代はどこぞより湧く秋の雲 中原道夫 銀化 200211
ミロの鳥飛び翔たんとす秋の雲 西田もとつぐ 雲の峰 200211
帆揚げねば巨船はさびし秋の雲 小野恵美子 馬醉木 200212
遠汽笛大桶に汲む秋の雲 永田哲心 遠嶺 200212
父のこと父の世の事秋の雲 本橋墨子 200212
白壁の卯建の家や秋の雲 木暮剛平 万象 200212
入日後のばらばらにあり秋の雲 今瀬剛一 対岸 200212
行き違ふ高さありけり秋の雲 斎藤くめお 対岸 200212
担ぎゆく五尺の丸太秋の雲 木下野生 200301
秋の雲消えゆく先の宇宙かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
秋の雲一筋づつにほぐれ消ゆ 宮津昭彦 200310
秋の雲ヨツトのよぎる潮目かな 大森美恵 風土 200311
残照をとどめひとすぢ秋の雲 鷹羽狩行 200312
バスに乗る踏み台のあり秋の雲 木村みかん 200312
わが才の見えてきてゐる秋の雲 岡正実 200312
愛情の形はいびつ秋の雲 玉川梨恵 200312
せかさるる思ひ背にあり秋の雲 佐藤瑛 帆船 200312
罷り通る勧進帳や秋の雲 水島夜雨 京鹿子 200401
大玻璃の大き三面秋の雲 渡辺美代 対岸 200401
分校のプール干されて秋の雲 徳田正樹 河鹿 200401
西空は高くあかねの秋の雲 本城愛 草の花 200401
秋の雲塩胡椒して喰ふと云ふ 中谷喜美子 六花 200402
あんぐりと口ぽつかりと秋の雲 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
秋の雲星に吸はれてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200410
水は水へと連なりゐたり秋の雲 福井隆子 対岸 200410
疲れ易きは母より継ぎぬ秋の雲 杉浦典子 火星 200411
秋の雲指差す稚に顔並ぶ 東亜未 あを 200411
足湯して遠き峰々秋の雲 松山佐治彦 河鹿 200412
ふたたびは帰らぬ秋の雲なりし 諸岡孝子 春燈 200412
礼状を海辺の友へ秋の雲 与川やよい 遠嶺 200412
秋の雲二刷け三刷け流れけり 山田景司 遠嶺 200412
夭逝の丘に不乱の秋の雲 富沢敏子 200501
世界平和祈る聖地の秋の雲 徳田正樹 河鹿 200501
村一つ影に入れたり秋の雲 市堀玉宗 栴檀 200501
秋の雲横断歩道の白踏まず 玉川梨恵 200502
秋の雲去来病窓思ひ千ぢ 辻口静夫 ホトトギス 200503
青空の増えて減る旅秋の雲 稲畑汀子 ホトトギス 200509
秋の雲杣木の棚のみづみづし 瀧春一 菜園 200509
秋の雲一つなく備後の空よ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200510
猫の尾のゆらゆらと立つ秋の雲 森理和 あを 200510
割箸でかきあつめたき秋の雲 齋藤厚子 200511
あいに夕暮れ運ぶ秋の雲 対馬正子 四葩 200512
秋の雲命終を守りをりにけり 二瓶洋子 六花 200512
病室の窓を磨けば秋の雲 平居澪子 六花 200512
秋の雲投げし釣糸流れゐて 佐藤淑江 対岸 200601
秋の雲祭りの如く拡がり来 柳生千枝子 火星 200601
黒犀や水に映りし秋の雲 岩月優美子 200601
柊に空巣の残る秋の雲 生方義紹 春燈 200601
父居らぬこの世に秋の雲ひろがる 市堀玉宗 栴檀 200601
外泊は帰宅のことよ秋の雲 次井義泰 200602
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2021年9月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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