秋 雲    82句

秋雲やふるさとで売る同人誌    大串章

秋雲  秋の雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋雲の速さに絵筆遣ひつけず 鹿野佳子 199811
秋雲や漂ふごとき夫の試歩 田中藤穂 水瓶座 200002
海の秋雪山の秋雲恩人数多 金子皆子 海程 200102
秋雲や白転にすこし酔いにけり 小田さやか 船団 200112
来し方を思ひ秋雲見てゐたり 細川コマヱ 雨月 200201
楕円球蹴る秋雲の彼方まで 峰尾秀之 200202
秋雲や橋赫ければ人黝く 藤井勢津子 200206
満たされぬ日の秋雲の離々とかな 蔵持柚 銀化 200209
高原の秋雲とあり誕生日 山田弘子 円虹 200210
秋雲の白極まれば母憶ふ 林翔 200210
秋雲の迅き流れや赤い橋 上田繁 遠嶺 200212
秋雲や文字ぎつしりと干拓碑 太田土男 百鳥 200212
秋雲離々張和平氏の雷峰見ゆ 松崎鉄之介 200301
巻舒たる秋雲火星大接近 安陪青人 雨月 200310
秋雲の色の重なる夕ごころ 野内妙子 200312
秋雲をしたがへてをり屋形船 白井墨絵 遠嶺 200402
秋雲のさざ波生るる山湖かな 山田禮子 遠嶺 200411
秋雲に爆音残し機影迅し 三関浩舟 栴檀 200501
秋雲を連れて翁のとぶらへり 小澤克己 雪舟 200506
秋雲の低きは疾し綾子の忌 卓田謙一 万象 200509
秋雲と索道そらにやすみなき 瀧春一 菜園 200509
秋雲の白をまぶしみ点眼す 渡辺輝子 200511
草千里秋雲の影移り行く 氏家知子 栴檀 200512
秋雲を映し静もる鏡池 佐野静子 遠嶺 200601
秋雲の隠しきれざる八ヶ岳 峯桜子 遠嶺 200601
秋雲を映す小川に鮠の影 青木政江 酸漿 200601
氷原の端秋雲へつづきけり 山本耀子 火星 200611
新しき街の秋雲高きかな 岸本林立 雨月 200611
歩行かち捨てて秋雲に乗り天駈けたし 荻野千枝 京鹿子 200701
秋雲へ竹籠売りの遠ざかる 野沢しの武 風土 200703
秋雲や筆一本を自恃とせり 小澤克己 遠嶺 200709
秋雲の奔放羨し坂下る 柳生千枝子 火星 200711
流れ去る秋雲すでに過去のもの 高橋将夫 200712
游泊の身や秋雲に翳りなし 小澤克己 遠嶺 200712
秋雲を置くにはたづみふくべ型 西山美枝子 酸漿 200712
秋雲の何処を指せる早さかな 柳生千枝子 火星 200712
墓苑広し秋雲流れつつうすれ 小島みつ代 200801
秋雲の懸かりて親し岩木山 北尾章郎 200802
夕映えの秋雲より生れ三鴉 奥田筆子 京鹿子 200802
無音なり高原秋雲物語 西山美枝子 酸漿 200805
白鳥の如き秋雲崩れつつ 柳生千枝子 火星 200808
秋雲の片々はしり富士いびつ 手島靖一 馬醉木 200901
秋雲と友と下りぬ長良川 中井光子 ぐろっけ 200901
帰心ふと峽の秋雲淵を白め 瀧春一 深林 200901
秋雲の高く遥るけきトスカーナ 神原徳茂 遠嶺 200908
秋雲や永久の流れを最上川 水原春郎 馬醉木 200911
秋雲や緩くやさしく手話の語尾 菅谷たけし 200911
朝の富士秋雲海に聳え立つ 富田ヒナ江 200912
天つ底しばし秋雲湛へけり 島青櫻 炎環 200912
秋雲の母のふるさと訪ねけり 東芳子 酸漿 200912
ゆつたりと渡る秋雲潮境 鳥取博子 200912
秋雲の尾をつかみゐる旅なかば 豊田都峰 京鹿子 201001
秋雲のただよふ方への旅おもひ 豊田都峰 京鹿子 201001
秋雲やゆるく優しく手話の語尾 菅谷たけし 200101
秋雲にのせ片恋の果てとせむ 豊田都峰 京鹿子 201002
秋雲に載せて弱気を送り出す 岡佳代子 201101
秋雲の影の走るや湖の面 福田房子 末黒野 201101
綾子忌の秋雲繭の白さかな 三谷道子 万象 201101
秋雲や小魚ばかり泳ぎをる 竹内悦子 201112
高枝鋏秋雲をさぐりけり 山田美恵子 火星 201201
秋雲を遊ばせてゐる御釜かな 池端英子 ろんど 201202
秋雲を踏まへて王者冨士の嶺 八幡操 ぐろっけ 201212
稜線を際立て天も秋雲も 山田六甲 六花 201311
 秋雲へ詩吟は捻れまたねじれ 鳳蛮華 201401
秋雲の出番を拒みをる大気 岩村惠子 ホトトギス 201401
秋雲を誘ふ影や能勢の山 杉原ツタ子 201412
秋雲の三片や高さそれぞれに 高橋道子 201501
秋雲を両手で測る建築士 高田令子 201501
秋雲と並びて大阪望みたり 山田佳子 201501
秋雲の暮れゆくさまを露天風呂 廣瀬雅男 やぶれ傘 201511
秋雲を綿菓子といふ日和の子 元橋孝之 京鹿子 201602
秋雲の下を鴉の四羽ほど 小山陽子 やぶれ傘 201611
秋雲の再へ流るる風の道 鈴鹿仁 京鹿子 201612
秋雲の下を鴉の四羽ほど 小山陽子 やぶれ傘 201612
大空は一つ秋雲のかず知れず 山田六甲 六花 201711
秋雲で磨かばわが歯白からむ 山田六甲 六花 201712
秋雲を生む岩山の古法華 山田六甲 六花 201809
ちち思う殊に秋雲奔る時 松井季湖 201812
秋雲の自在に千切れ相模湾 森清信子 末黒野 201902
秋雲に問ふ新しみ何ぞやと 野村重子 末黒野 202004
秋雲や船頭歌ふ最上節 延川五十昭 六花 202101
秋雲に見え隠れする機影かな 濱野新 やぶれ傘 202212

 

2023年9月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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