雪 女 2     84句

錦鯉は夜がくるまでの雪女   尾崎喜八

雪女  雪女郎  雪鬼

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪をんな滑る男に魅せられて 秋葉雅治 201501
美人かも知れぬ消えたる雪女 稲畑汀子 ホトトギス 201501
豊満な乳を与ふる雪女 小林朱夏 201502
雪女己が白さに飽いてをり 柴田佐知子 201503
雪をんな人恐ろしと言ひにけり 柴田佐知子 201503
カーナビで探す煙突雪女 鈴木みのり 201503
雪をんな学芸会を覗きをり 藤井彰二 馬醉木 201503
雪女の濡らしてゆける封書かな 竹内悦子 201503
雪女佇ちてわが窓見上げをり 犬塚李里子 201503
雪女わすれちやつていいのよぜんぶ おーたえつこ 201503
ふるさとは平家谷なり雪女 柴田佐知子 201503
湖際を俯きてゆく雪をんな 今井妙子 雨月 201503
雪女島田の宿を去りしとぞ 福田周草 風土 201504
雪をんな突然窓を叩きけり 熊川暁子 201505
東京へ跡つけて来し雪女 安原葉 ホトトギス 201506
山寺に紛れ込みたる雪女 安原葉 ホトトギス 201506
嫌はるるほどは愛さぬ雪女 押田裕見子 201506
天と地の間を通ふ雪女 中村嚢介 ホトトギス 201507
雪女夢の続きのあやふやに 岸本順子 京鹿子 201601
まばたきて夫を忘れし雪をんな あさなが捷 201603
雪をんな山の裏側知り尽す 近藤喜子 201603
雪女指で辿ってみる地球 つじあきこ 201603
白馬の夜ムーンウォークで雪女 のざきまみこ 201603
防犯カメラ見上げ迂回の雪女 佐藤恭子 あを 201603
外燈を迂回深夜の雪女 定梶じょう あを 201603
南廻り嫌ひと降りて雪女 千田百里 201604
口紅を忘れて来り雪女 浅木ノヱ 春燈 201604
鴇色の烏賊の腸ぬく雪女 阪倉孝子 201604
踏切に塞かるるひとり雪女 定梶じょう あを 201604
雪女うづくまるかに玉黄揚は 竹内弘子 あを 201604
石に坐し何に思案の雪女 竹内弘子 あを 201604
雪女母の顔して近付きぬ 山内碧 201605
同じ径辿らせてゐる雪女 中村嚢介 ホトトギス 201606
まばたいて雪に紛れて雪女 阪野基道 船団 201612
私を捜さないでと雪女 森岡正作 201702
雪女マグマのやうな情を秘む 近藤喜子 201703
雪女一駅乗りて消えてゆく 井上静子 201703
雪女上目使ひに笑ひけり 高倉和子 201704
声あらばきつと忍び音雪女 佐藤保子 馬醉木 201704
風ときて風と去りゆく雪女 橋添やよひ 風土 201705
黒髪の芯まで強き雪女 高倉和子 201705
嫌はるるほどは愛さず雪女 押田裕美子 201706
雪女のお高祖頭巾は濃紫 河本由紀子 春燈 201802
雪女さびしき後姿かな 安居正浩 201803
雪女か枝折戸ぎいと鳴りにけり 西川保子 春燈 201803
溶接の窓さし覗き雪女 定梶じょう あを 201804
後手のたれかに似をり雪女 田中藤穂 あを 201804
雪女天女の裔と言ひ張れり 田中藤穂 あを 201804
くれよんの赤を買ひ足す雪女 雨宮敏子 201804
すれ違ふとき水の香の雪女 大畑善昭 201804
足跡を置いてゆきたる雪女 吉澤恵美子 春燈 201804
名園を出し気配なし雪女 安原葉 ホトトギス 201806
さつきまで雪女ゐし椅子濡れて 木村享史 ホトトギス 201807
恋人も愛人も捨て雪女 三池しみず 船団 201809
雪女にも確とある鼓動かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
赤ん坊の声にふり向く雪女 小林朱夏 201902
夢やゆめ髪切つて来る雪女 村田あを衣 京鹿子 201903
雪女たくみな言葉使ひかな 本田保 春燈 201903
煩悩に身をこがしたる雪女 藤田美耶子 201903
雪女ひさしのやうなまつげつけ 鈴木庸子 風土 201904
手と胸で温度差のあり雪女 高橋将夫 201904
母子手帳持たされてゐる雪女 山中志津子 京鹿子 201905
妬心などきつぱり棄てし雪女 大西乃子 201906
覗くたび鏡の古りぬ雪女 深川淑枝 201906
雑踏の中のひとりは雪女 高倉和子 201906
逢へるかもしれぬ雪女になれば 柴田佐知子 201906
筑紫野や会へさうもなき雪女 山内碧 201907
雪女来るかも眉刷毛万年青咲き 沼澤石次 馬醉木 202001
現実を受け入れられぬ雪女 藤田美耶子 202002
嫉妬して影薄くなる雪女 大槻春美 202003
雪女木彫りの鏡持ち歩く はしもと風里 202003
雪女になりたしといふ男の子 中野千代子 末黒野 202003
高層のけやき坂行く雪女 植木戴子 202003
雪女口説けば溶ける性哀し 田中信行 202004
雪女消えし館や夢二の絵 宮岡弘 202004
ほろ酔ひのわれに蹤き来る雪女 大杉映美 馬醉木 202004
膝を立てがりをガリガリ雪女 庄司久美子 202004
理系女の友風除けとして雪をんな 奥田筆子 京鹿子 202005
裾あげの赤い待針雪をんな 高野春子 京鹿子 202005
聞き耳の寄り座のひとり雪をんな 鈴鹿呂仁 京鹿子 202101
雪女夜は大沢崩れ掻く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
天城越え富士の雪女と別れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
雪女連れて帰つて来てしまふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
雪女山門くぐり逢ひに来る 吉田葎 202102
鏡の中は誰なのかしら雪女 小張志げ 春燈 202103
マスクしてのつぺらぼうの雪をんな 柿沼盟子 風土 202104
AIが恋知りそめし雪女 高橋将夫 202104
耳鳴りの奥に足音雪女 太田良一 末黒野 202104
爪研いで恋盗ろ子とろ雪女 安田優歌 京鹿子 202105
焦がれては転生を待つ雪女 高倉和子 202107
雪女墓は深山の洞穴に 押田裕見子 202107
都会には都会の顔や雪女 稲畑廣太郎 ホトトギス 202201
ありがとと十年の恋雪女 本田豊明 202203
後ろから付いてこないで雪をんな 久米憲子 春燈 202204
飛騨路へとマグマを抱く雪をんな 鷺山珀眉 京鹿子 202204
雪女青き夜空の軋む音 秋山蔦 春燈 202205
今生に会ひたきものに雪女 岩岡中正 ホトトギス 202206
かごめかごめ言ひ当てらるる雪女 高倉和子 202210
幼児の手を引きゆくは雪女 角野良生 202211
眼鏡屋に入つてゆきし雪女 千田百里 202301
伊吹嶺の稜線統べて雪女 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
語部のさも見しごとく雪女 石黒興平 末黒野 202305
足湯ためらふ雪女かも知れぬ 太田良一 末黒野 202305
履物を提げて通りぬ雪女 坂本緑 202302
雪女→ 1

 

2024年1月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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