雪 解 9      113句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
靄生みて靄を走れり雪解川 広渡敬雄 201303
極まれば慟哭となる雪解川 宮内とし子 201303
丁字屋の雪解雫に打たれけり 坂上香菜 201304
雪解けの水滔々と里坊へ 竹内悦子 201304
生くるにも加速度のあり雪解川 川崎真樹子 春燈 201304
京菜洗ふ比叡の裾の雪解水 竹中一花 201304
んとある山の雪解の始まりぬ 山田六甲 六花 201304
いく瀬にも砥がれて来たる雪解水 山田六甲 六花 201304
幾筋も雪解の走りゐる山河 山田六甲 六花 201304
たまゆらに耳朶のふくらむ雪解川 塩貝朱千 京鹿子 201304
東京の雪解けず靴滑りけり 田中臥石 末黒野 201304
どぼっどぼっと長靴沈む雪解山 坂根宏子 201305
戸袋に雛の声あり雪解風 林八重子 馬醉木 201305
音たかくゆたかに郷の雪解川 小山繁子 春燈 201305
人なべて黙劇めくや雪解川 藤沢秀永 201305
切株を翔つ山雀や雪解光 浜福惠 風土 201305
海までの山越え幾つ雪解靄 大畑善昭 201305
雪解川小諸の闇を深くして 五十嵐章子 201305
雪解けの雫三味線大方丈 田中貞雄 ろんど 201305
本流を押しやる勢ひ雪解川 竹田ひろ子 ろんど 201305
雪解の山々遠くなりにけり 大木清美子 201305
夕暮の瀬の音高き雪解水 長崎桂子 あを 201305
雪解水水路満たして畑にまで 長崎桂子 あを 201305
雪解けの坂蟹股に薬売り 門間としゑ 末黒野 201305
水郷へ小溝も雪解水早し 中原吟子 雨月 201305
比良の壁やはらぎ見ゆる雪解靄 中原吟子 雨月 201305
雪解川廃家ふえゆく里を過ぐ 中原吟子 雨月 201305
オルゴール雪解雫に和して鳴り 中原敏雄 雨月 201305
湖のいろ変へゆく比良の雪解川 宮崎正 ホトトギス 201306
雪解や脹らんでくる水の音 山村幸苑 馬醉木 201306
雪解けの清水を求め山路行く 後藤克彦 かさね 201306
集落のはじめにポスト雪解風 田中佐知子 風土 201306
京へ十里雪解の村に祇園橋 田中佐知子 風土 201306
丈成さず咲けり雪解の犬ふぐり 田中佐知子 風土 201306
雪解や栃の大樹の注連ゆるび 田中佐知子 風土 201306
大粒の星が近づく雪解村 本間羊山 風土 201306
わが祷りさまよひ落つる雪解川 水野恒彦 201306
水音の底を走れる雪解畑 大内和憲 火星 201306
羊蹄山をけづる響きや雪解川 大内和憲 火星 201306
音立てて宿場を巡る雪解水 横川良子 万象 201306
拳骨のこつの連峰雪解晴 丸井巴水 京鹿子 201306
踏んまへて踏んまへて行く雪解道 小林和世 末黒野 201306
雪解靄立つ遠山や昼の月 松林順子 雨月 201306
大山を響動もし渡る雪解風 宮原悦子 雨月 201306
雪解水棚田の細流の滔々と 堀田恵美子 雨月 201306
野も山も雪解日和となりにけり 安原葉 ホトトギス 201307
雪解水大蛇のごとく岸降るる 山本達人 かさね 201307
ドライブの終日飽かず雪解富士 北尾章郎 201311
雪解や湯宿の祀る子安神 瀧春一 花石榴 201312
積ること稀な雪解を惜みけり 稲畑汀子 ホトトギス 201402
午後はもう山より届く雪解風 稲畑汀子 ホトトギス 201402
雪解風第一陣でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201402
音高くゆたかに郷の雪解川 小山繁子 春燈 201403
切り株の虚心坦懐雪解風 山田六甲 六花 201403
寂しいといへばさうかも雪解して 定梶じょう あを 201404
間伐の杉ころがれる雪解川 坂上香菜 201404
犀川の雪解千鳥を見にゆかな 山田六甲 六花 201404
雪解けの雫の二重三重奏 鈴木セツ 201404
雪解けの水を一掬富士の宮 碇天牛 雨月 201404
言の葉のあはひを満たす雪解水 本多俊子 光のうつは 201404
どの枝も雪解雫の光かな 鎌田光恵 201405
雪解けや昭和は遠し里訛り 池田光子 201405
雨降つて地固まらず雪解けり 藤波松山 京鹿子 201405
日の射せば雪解雫の賑やかに 桂敦子 201405
かすかなるうねりを海へ雪解川 浜福恵 風土 201405
堂塔の雪解をこぼす室生寺 藤岡紫水 京鹿子 201405
鴉よく鳴くはうが雄雪解風 大畑善昭 201405
幾山河越えて十勝野雪解風 神戸やすを 201405
深山の呪縛解けたり雪解川 岩月優美子 201405
切株の渦緊まりたり雪解風 平田はつみ 馬醉木 201405
雪解けて悪戯鴉畑つつく 宮田香 201405
雪解けて公民館で聴く落語 松山三千江 春燈 201405
雪解けの音とどろかせ流れ来る あさなが捷 201405
雪解けの滴の音や光ふる 菊谷潔 六花 201405
雪解けの歩道にまたぐ鴎の絵 小川玉泉 末黒野 201405
雪解の天地根元造りかな 田中佐知子 風土 201405
雪解や大地の呼吸聞えたり 岩月優美子 201405
雪解水溝底透けて速かりき 永田万年青 六花 201405
雪解川貨車さしかかり恐る恐る 定梶じょう あを 201405
雪解川渡つてゆきし婚の列 大山文子 火星 201405
雪解道子らもつれつつ帰りける 橋本順子 201405
雪解風余呉の湖面を撫でて過ぐ 坂根宏子 201405
大仏殿雪解雫をほしいまま 戸栗末廣 201405
湖に行け伊吹山(いぶき)を駆ける雪解水 前田美恵子 201405
湖の懐に入る雪解川 岩下芳子 201405
昼よりの雪解雫の切れ目なし 内海良太 万象 201405
朝市の背を滔々と雪解川 碇天牛 雨月 201405
底力見せて流るる雪解川 下平しづ子 雨月 201406
黒々と車窓に嵌る雪解富士 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
二三日雪解の音や忘れ水 瀬川公馨 201406
音たてて排水管の雪解水 神山市実 やぶれ傘 201406
手稲嶺の山腹の町雪解光 上家弘子 ろんど 201406
雪解けて土塊さへもいとほしく 苑実耶 201406
雪解けの流れの早し石菖藻 菅野日出子 末黒野 201406
雪解やニコライ堂の鐘やはし 岡山敦子 京鹿子 201406
雪解や庚申塚も疲れたり 工藤ミネ子 風土 201406
雪解一村水音のゆきわたり 柴崎英子 201406
雪解雫鋸持つて屋根に人 内海良太 万象 201406
雪解風ホバークラフト沼地駆る 相沢有理子 風土 201406
風なりに畑の明けゆく雪解靄 半田稜 ろんど 201407
雪解けの白き谿水宙を打つ 伊藤希眸 京鹿子 201407
雪解光タイムマシンの停車場は 松川悠乃 ろんど 201407
雪解山すそ野の村に水溢る 石坂比呂子 ろんど 201407
雪解村水音たかく動き出す 園部蕗郷 春燈 201407
断末魔の声あぐ閑の雪解渦 園部蕗郷 春燈 201407
午後四時の日を山の端に雪解急 工藤ミネ子 風土 201407
起き上る竹の響や雪解光 山田和 京鹿子 201501
鳥のこゑ消えしひととき雪解風 上田由姫子 京鹿子 201501
海へ出て色失へり雪解川 小野 寿子 201501
渋滞のどこまで伸びてゆく雪解 稲畑汀子 ホトトギス 201502
雪解をうながす力ある日和 稲畑汀子 ホトトギス 201502
目覚めゆく大地いとしと雪解川 稲畑汀子 ホトトギス 201502
雪解の早さに大地息づける 稲畑汀子 ホトトギス 201502
雪解→ 10      

 

2021年3月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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