雪 解 1     99句

色々に谷のこたへる雪解かな    太祇

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪解まづ根元の窪む樹勢より 渡部節郎 199805
盆中の富士の雪解の眩しかり 松崎鉄之介 199805
フィヨルドの奈落とよもし雪解水 柏井幸子 円虹 199805
ふと上着置く雪解けを聞きながら 二瓶邦枝 遠嶺 199806
盆中の富士の雪解にふくらめり 松崎鉄之介 199806
雪解山魚が一匹ゆきくれる 松田曼莉 京鹿子 199810
またたきにみどりさしそめ雪解星 鷹羽狩行 199902
股げるのに股がずにゐる雪解川 尾形不二子 遠嶺 199903
雪解川減法先を急ぐかな 大橋敦子 雨月 199904
雪解風声やはらかに山鴉 木下節子 俳句通信 199904
兜棟暮れて雪解の音止める 根岸善雄 馬醉木 199905
円空仏雪解雫を聴き給ふ 根岸善雄 馬醉木 199905
細字読むに眼鏡をはづす夜の雪解 野沢しの武 風土 199905
うぶすなの闇のきしめる雪解音 佐藤よしい 風土 199905
雪解川蚕飼ひの村をゆさぶれり 小林共代 風土 199905
雪解光田に辺境の人ひとり 小川栄一 遠嶺 199905
雪解川雪置く町を貫ける 深澤鱶 火星 199905
水甕の周りから雪解けてをり 高橋将夫 199905
三鈷杵の投地や雪解ことごとく 栗栖恵通子 199905
井戸蓋にひねもす雪解雫かな 北吉裕子 俳句通信 199905
きのふ今日高尾の小さき雪解川 盛良孝 199905
雪解川腹をよぢりて笑ひをり 小宮山勇 青胡桃 199905
屋台蔵開くや飛彈の雪解風 山本雅子 馬醉木 199907
銅(あかがね)の器を洗ふ雪解川 水野恒彦 199907
雪解水治水遺跡に音高む 宮城島たか子 199907
藍色の羽毛を拾ふ雪解川 穴澤光江 花菜風 199907
雪解の日差し集めて信濃川 穴澤光江 花菜風 199907
羊歯叢の溺れんばかり雪解沢 岡野美代子 馬醉木 199908
夜は音の立ち上がりくる雪解川 宮沢房良 199908
びしよぬれの薬師神社の雪解風 武井美代子 風土 199908
農小屋の中の明るし雪解風 武井美代子 風土 199908
雪解水ドナウの流早めをり 夏目満子 酸漿 199908
折れ歯朶の浸りて動く雪解かな 広渡敬雄 遠賀川 199909
雪解けてしまへば忘れたるごとく 稲畑汀子 ホトトギス 200002
積もること楽しむ間なく雪解かな 稲畑汀子 ホトトギス 200002
ねむたさの雪解しづくとなりにけり 鷹羽狩行 200002
雪解富士見しより峠越えにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200003
くれなゐに染めし雪解の富士見しと 稲畑汀子 ホトトギス 200003
ふり返り雪解富士もう見えぬ旅 稲畑汀子 ホトトギス 200003
どの坂のどの軒からも雪解かな 朝妻力 雲の峰 200003
皺深き頬に額に雪解風 朝妻力 俳句通信 200004
雪解けの丹波の里の案内図 小池槇女 火星 200005
雪解けて砂が残つてをりにけり 高橋将夫 200005
まつさきに雪解音受く登窯 甲州千草 200005
落城のあとに石碑や雪解風 中浜菌芽 京鹿子 200005
杣出しや山墓つつむ雪解靄 大泉伸 遠嶺 200005
雪解晴して猛禽の声ひびく 市川英一 遠嶺 200005
暮れて来し谿に雪解の風を聴く 熊岡俊子 雨月 200005
雪解の峡に澄みきる鳶の笛 唐沢静男 春耕 200005
雪解川行くには遠し生家まで 松沢久子 いろり 200005
九頭龍の雪解に生水流れくる 春田淳子 俳句通信 200005
本流に乗り滔々と雪解川 中村祭主 ぐろっけ 200005
山門の絵馬のからから雪解風 中村祭主 ぐろっけ 200005
雪解けの直前かこのしづけさは 佐々木東道 200006
雪解のあたりを払ふライン川 福場朋子 200006
流木の根の立ち上る雪解川 小林輝子 風土 200006
雪解靄村を沈めてしまひけり 工藤ミネ子 風土 200006
雪解水引いて観光バス洗ふ 高村梢子 火星 200006
雪解晴ひとり遊びの朽小舟 村田冨美子 京鹿子 200006
嶺揺する雷かしこみぬ夜も雪解 中沢文次郎 200006
雪解川へ注ぐ捨湯の川瑠璃色 高橋洋子 200006
雪解風たてがみ長き阿蘇馬に 和田敏子 雨月 200006
雪解けの一滴海を志す 川名将義 銀化 200006
三面の川辺は雪解にいさんと 山岸みずき 船団 200006
機上よりなの字ねの字の雪解川 中村和江 ぐろっけ 200006
雪解水滝なして沼溢れいづ 水原春郎 馬醉木 200007
雪解風こもごも孕む水芭蕉 小林碧郎 馬醉木 200007
雪解野や迅さ違へて川ふたつ 鈴木まゆ 馬醉木 200007
牛鳴けば牛の応へて雪解谷 西山常好 200007
剥製の羚羊に吹く雪解風 小林優子 酸漿 200007
富士山の雪解水とふ富士見えず 小林優子 酸漿 200007

 悼三浦勲君

君悼み毅然と立てり雪解富士

松崎鉄之介 200007
羚羊の目と合ひし崖雪解急 黄川田美千穂 200007
火の山の雪解の水の火山灰濁り 中杉隆世 ホトトギス 200010
燕群れ集へるところ雪解沢 中杉隆世 ホトトギス 200010
橋脚の力出しきり雪解川 吉田陽代 200010
雪解けの川を渡りて栗駒へ 須賀敏子 あを 200101
尾根越えて町に届きぬ雪解風 稲畑汀子 ホトトギス 200102
雨降つて雪解うながしをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200102
降る心雪解雫の中にあり 稲畑汀子 ホトトギス 200102
雪解急神木樹齢千余年 小山徳夫 遠嶺 200102
雪解けや図鑑の疑似餌閃光す 小山徳夫 遠嶺 200102
化野に子なき身を置く雪解風 武藤嘉子 木椅子 200102
せせらぎの音の高まり雪解道 栢森敏子 あを 200102
八方へ畦走りだす雪解村 鷹羽狩行 200103
夜も雪解えんぶり囃子遠ざかり 野沢しの武 風土 200103
雪解靄米寿の未来にも似たり 林翔 200103

 内山和江句集『奥嶺』

雪解の北信五岳諳ずる

能村研三 200103
身の内をほとばしりゆく雪解水 岩村節子 200104
杉山を躍り出でたる雪解川 山田弘子 円虹 200104
御堂建つ予定地殊に雪解急 西澤信生 円虹 200104
縄文の土器片散れり雪解畑 松本潔子 200104
雪解川巨獣の背を見せてをり 小澤克己 遠嶺 200104
白象の雪解けぶりとなりにける 栗栖恵通子 200104
雪解や杣も通れぬけもの道 森脇恵香 俳句通信 200104
潔き落差雪解の吉野川 森脇恵香 俳句通信 200104
雪解川他の物音は寄せつけず 十河恭子 俳句通信 200104
雪解風長靴履きて小僧めく 十河恭子 俳句通信 200104
朝市のうしろに躍る雪解川 杉江茂義 俳句通信 200104
雪解 2→      

 

2021年3月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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