夜 寒 2     91句

夜寒  夜を寒み  宵寒

起きて居てもう寝たと云夜寒哉  蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
すりこぎの音ととのうてきし夜寒 蘭定かず子 火星 201401
風音の止みて深まる夜寒かな 石原節子 春燈 201401
犬に声かけて夜寒の警備員 渡辺数子 火星 201402
草に座す猫にもの云ふ夜寒かな 藤井美晴 やぶれ傘 201402
書き出しに手間どる便り夜寒かな 坂場章子 201402
山頂に星一つある夜寒かな 杉浦典子 火星 201402
蒟蒻の刺身の透けし夜寒かな 佐藤喜仙 かさね 201403
木戸閉めに出づる夜寒の石畳 安立公彦 春燈 201412
地震ありて目を覚まされし夜寒かな 小池一司 やぶれ傘 201412
薬一つ床に落ちゐる夜寒かな 西岡啓子 春燈 201501
袖なしに残る母の香夜寒し 中村紀美子 春燈 201501
人恋し虫の末枯れる夜寒かな 菊谷潔 六花 201501
こほろぎに耳鳴り添ふる夜寒かな 菊谷潔 六花 201501
リムジンの排気のにほふ夜寒かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201501
鍋底を音立て磨く夜寒の灯 斉藤マキ子 末黒野 201502
賽銭の落つる音聞く夜寒かな 正谷民夫 末黒野 201502
留守居して猫の寄り来る夜寒かな 小池一司 やぶれ傘 201502
とこしへに遺影幼き夜寒の町 大久保白村 ホトトギス 201503
タイガース日本シリーズてふ夜寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
靴音の後ろから来る夜寒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
忌心を解き夜寒のネオンヘと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
都心にも満天の星置く夜寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
夜寒さの浅野川べり加賀料理 松本三千夫 末黒野 201512
黒パンに熱きボルシチ夜寒かな 奥田茶々 風土 201512
照らさるる夜寒の城の泛き上がる 来海雅子 201601
竹幹の触れて夜寒の軋みかな 生田作 風土 201602
夜寒しふつくら豆の煮上がりて 菊池洋子 やぶれ傘 201602
夜寒し猫のじやれつく紙袋 菊池洋子 やぶれ傘 201602
大歳時記の綻び修す夜寒かな 安立公彦 春燈 201612
学寮の窓や夜寒の灯を連ね 江木紀子 雨月 201701
能更けて夜寒眼下の浪速の灯 密門令子 雨月 201701
通夜終へて泊つふるさとの夜寒かな 落合絹代 雨月 201701
夜寒なり師への想ひに寝返りて 錫木妙子 馬醉木 201701
通夜終へて泊つる故郷の夜寒かな 落合絹代 風土 201701
誰ぞ訪へ夜寒の門は鎖さずおく 鷹崎由未子 春燈 201701
これ切りかも知れぬ夜寒の別れかな 小張昭一 春燈 201701
貼薬いっ気に剥す夜寒かな 田代貞香 201701
ただいまの声の空しき夜寒かな 下田奉枝 雨月 201702
チェリストの楽屋口より出る夜寒 丑久保勲 やぶれ傘 201701
寝る姿勢うまく決まらぬ夜寒かな 小山陽子 やぶれ傘 201701
夜寒さや血をしたたらす北京烤鴨 下山田美江 風土 201702
蜜入れて牛乳沸かす夜寒かな 亀卦川菊枝 末黒野 201702
夜寒急屋台の主も茶碗酒 藤浦昭代 ホトトギス 201704
種子島生れの医師と夜寒の灯 碇天牛 雨月 201801
朝寒も夜寒も母の笑ひ声 高橋将夫 201801
妻入院レシピ本買ふ夜寒かな 七郎衛門吉保 あを 201801
芸無しの猫の手をとる夜寒かな 大野芳久 やぶれ傘 201712
発車ベル響きわたりて駅夜寒 高濱朋子 ホトトギス 201803
売られゆく牛を梳きやる夜寒かな 栗坪和子 201803
絵蝋燭燭夫に灯せる夜寒かな 及川照子 末黒野 201804
夜寒さや介護日誌の文字詰めて 西村操 雨月 201901
消しゴムの角を使つてゐる夜寒 根橋宏次 やぶれ傘 201901
雲切れてぽつんと覗く夜寒星 佐津のぼる 六花 201902
出港を待ちて夜寒の岬の灯 大西乃子 201905
終電の尾灯目で追ふ夜寒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
タワーの秀夜寒の星を誘へる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
かの女優、血族だって夜寒かな 近藤綾 201912
夜寒さの机に落とす鍵の束 南うみを 風土 202002
紙の傷指に八十八夜寒 服部早苗 202010
投げつけし言葉が淋しがる夜寒 森なほ子 あを 202101
幼な子の手の触れて行く夜寒かな 小山よる やぶれ傘 202101
南東に明るき星の夜寒かな 出口誠 六花 202101
夜寒かな「聞こえてゐない」と聞き返す 出口誠 六花 202101
階段に足音ひびく夜寒かな 出口誠 六花 202101
風吹きて骨身にしみる夜寒かな 出口誠 六花 202101
息子らの帰りを待ちて夜寒かな 出口誠 六花 202101
夜寒かなごみをさはりて手を洗ひ 出口誠 六花 202101
夜寒かなノックしないで開けるドア 出口誠 六花 202101
四秒でドアを閉めたる夜寒かな 出口誠 六花 202101
正座してももで感じる夜寒かな 出口誠 六花 202101
夜寒かな静かにペンを置いてゐる 出口誠 六花 202101
手に包むホットワインを飲む夜寒 吉田幸恵 やぶれ傘 202101
街灯の切れぎれ灯る夜寒かな 浅嶋肇 やぶれ傘 202101
トイレットペーパーぷつと切る夜寒 泉一九 やぶれ傘 202101
恩師宅辞して夜寒の中仙道 木村瑞枝 やぶれ傘 202101
三角に手折るぺージの夜寒かな 中村洋子 風土 202102
パソコンの音のひびける夜寒かな 山田閏子 ホトトギス 202103
こごえゐしあの日あの夜寒の月 三村純也 ホトトギス 202106
書き初めて夜寒を忘れをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202110
夜寒など言うてはをれず出掛け来し 稲畑汀子 ホトトギス 202110
取り戻す生活のリズム夜寒とて 稲畑汀子 ホトトギス 202110
夜寒とていつか忘れてをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202110
鉄無地の父の着物や夜寒来る 兵藤惠 202112
改札窓たたき物訊く夜寒かな 農野憲一郎 春燈 202201
LEDの電球替へる夜寒かな 丑久保勲 やぶれ傘 202201
夜寒し渡し場の灯を右に見て 白石正躬 やぶれ傘 202201
浮世絵の流し目と会ふ夜寒かな 伊藤希眸 京鹿子 202201
紅ささぬくちびるに翳夜寒かな 安田優歌 京鹿子 202201
いのち一つ抱き夜寒の底にゐる 亀井福恵 京鹿子 202206
大皿の汚れの落ちず夜寒かな 福田水明 春燈 202301
気がかりな服のほころび夜寒かな 永田万年青 六花 202305
寝返りて猫抱きよせる夜寒かな 高橋 均 やぶれ傘 202302
夜寒かなこのみづうみに湖賊とは 栗坪和子 202305
夜寒 →1

 

2023年11月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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