八手の花 6     100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
スニーカーの跫音ひそと花八手 生方義紹 春燈 201502
一日を愛しみ生きる花八つ手 斉藤裕子 あを 201502
甦る視力の先に花八手 須賀敏子 あを 201502
求名てふ小さな駅の花八つ手 菅谷たけし 201503
護摩を焚く読経の響き花八手 沼崎千枝 末黒野 201503
飾り気のなくそのままに花八ツ手 寺田すず江 201503
翅音をひねもす集め花八つ手 森和子 万象 201503
八手咲き山里丸に供花となす 大橋晄 雨月 201503
うすき黄を帯ぶる華やぎ花八手 久保田雪枝 雨月 201503
異国の名付く坂多し花八手 木下慈子 馬醉木 201504
杖をもつわれにまぶしき花八つ手 鈴木阿久 201504
立ち止まることなく親し花八手 稲畑汀子 ホトトギス 201511
花八手赤子の拳ほどに出づ 戸辺信重 春燈 201601
猫預け長き一日花八手 斉藤裕子 あを 201601
花八つ手昭和沖縄健忘症 池田光子 201602
何時をもて八手の花の盛りとや 蒲田豊彦 雨月 201602
飛石のほどよき歩幅花八つ手 菊池洋子 やぶれ傘 201602
老い二人終の栖の花八つ手 臼井珊瑚 201602
水垢離の飛沫清らに花八手 平田はつみ 馬醉木 201602
花八つ手八雲の家の古ガラス 橋本順子 201603
健やかに老ゆるも大志花八つ手 田岡千章 201603
埴輪館出でて目を引く花八手 田中臥石 末黒野 201603
月光の燭となるかに花八手 森清堯 末黒野 201603
花八つ手門のみ残る武家屋敷 横田敬子 201604
放たるる鶏に怯む子花八手 森清信子 末黒野 201604
平凡に卒寿を過ぎぬ花八手 大橋伊佐子 末黒野 201606
八つ手咲き雀のめざめおそくなる 水原秋櫻子 馬酔木 201611
英発の代々代議士花八手 稗田夏子 201612
イケメンのキリンの角や花八つ手 大日向幸江 あを 201701
花八つ手玄関口で押すはんこ 根橋宏次 やぶれ傘 201701
近道は子等の地図なり花八つ手 成宮紀代子 201701
遠山の薄日を妬む花八つ手 片山煕子 京鹿子 201701
花八手呆けてよりの自己主張 河崎國代 春燈 201701
奥の手を使ひ果すや花八ツ手 新倉ゆき江 末黒野 201702
波郷忌の日の犇犇と花八手 田中臥石 末黒野 201702
寂光院の塀より覗く花八つ手 箕輪カオル 201702
箱階段登る旧家や花八ツ手 犬塚李里子 201702
神さまはなべて鈴好き花八つ手 熊川暁子 201702
消えやすき日向のありて花八手 高橋あさの 201702
花八つ手ほろほろ日暮れ道遠し 武藤嘉子 201702
誰にでも懐く番犬花八手 小林朱夏 201703
花八つ手家業継ぐため職を辞す 苑実耶 201703
背戸口の暗みに著し花八手 三橋玲子 末黒野 201703
地の人と話のはづみ花八手 森清堯 末黒野 201703
命毛をあやつる力花八手 江島照美 201703
片隅の八手の花にも朝日さし 柴田靖子 201703
ぬけぬけとひよんな処に花八ツ手 瀬川公馨 201704
惜命の波郷の杖や花八つ手 中村弘 万象 201705
勝手乍ら本日休業花八つ手 中川句寿夫 ここのもん 201705
茶室へと飛び石続く花八手 廣瀬雅男 やぶれ傘 201711
花八手鼠返しの蔵古りぬ 古谷昌女 春燈 201802
八手咲くルビー婚にて終はりけり 溝越教子 春燈 201802
日のぬくみ舐めゐる猫や花八ツ手 宮本加津代 万象 201802
床屋迄路地抜けてゆく花八手 川上恵子 雨月 201802
花八手歩くは蠅のたぐひなる 南うみを 風土 201802
霊柩車をもてあます路地花八ツ手 曽根富久恵 201803
いつしかに故郷はるか花八手 森清信子 末黒野 201803
夕闇の屋根より迫り花八手 森清堯 末黒野 201803
一湾に犇く舟屋花八つ手 福田禎子 末黒野 201803
不器用に生きて親しき花八手 西村しげ子 雨月 201803
ぶらぶらと石畳過ぎ花八手 天野美登里 やぶれ傘 201803
本殿のうしろに祠花八つ手 瀬島洒望 やぶれ傘 201803
こども等の自転車が来る花八手 藤井美晴 やぶれ傘 201803
花八手ポイント二倍セール中 林田麻裕 201803
情報の豊かな日本花八つ手 鈴木みのり 201803
いつも来る猫のまだ来ぬ花八つ手 奥田温子 やぶれ傘 201804
風を呼ぶ八手の花はつめたき香 鈴木直充 春燈 201804
ビル群を映す池の面花八手 長田厚子 末黒野 201804
鍵かけて引いてみる癖花八つ手 岸洋子 201806
古井戸の残る更地や花八ツ手 横田敬子 201806
薄墨の文読み返す花八手 林徹也 201806
花八手父に晩年あらざりき 小原芙美子 風土 201811
花八手筧の水の音近く 廣瀬雅男 やぶれ傘 201901
ただいまの声がどこかに花八つ手 根橋宏次 やぶれ傘 201901
一書成ることも佳きかな花八つ手 望月晴美 201901
八手咲く日和くづれの蜑の路地 能村研三 201901
花八つ手一人の午後のストレッチ 谷口摩耶 201901
ロダンの鼻欠け白燦々と花八手 伊丹さち子 馬醉木 201901
波郷忌を修す夕べの花八手 田中臥石 末黒野 201902
ここよりは思索の小道花八手 森清堯 末黒野 201902
寺町や塀をはみだす花八手 中村風信子 馬醉木 201902
揃へある厠草履や花八手 外山妙子 雨月 201902
道標の一字隠るる花八手 西村しげ子 雨月 201902
草庵の口の魚点に花八手 谷村祐治 雨月 201902
花八手生家はとうに在らざりし 安部和子 雨月 201902
濁声のかたまり過ぎる花八手 南うみを 風土 201902
あかときの鳥語のはるか花八手 小原紀香 末黒野 201903
常連の一番風呂や花八手 小田嶋野笛 末黒野 201903
おほかたは小暗きところ花八手 石黒興平 末黒野 201903
紅殻のくすむ赤門花八手 菅野日出了 末黒野 201904
打ち捨てて置けと自在の花八手 田中臥石 末黒野 201904
酒蔵に翫摺り唄や花八手 鈴木庸子 風土 201904
花八つ手朱印は大日如来かな 竹内悦子 201904
花八手ゆらし自転車出てゆきぬ 今井千鶴子 ホトトギス 201904
干物売る店並びゐて花八つ手 嶋田一歩 ホトトギス 201904
花八つ手むかし見しままにも咲いて 嶋田一歩 ホトトギス 201904
軽口で終はる診療花八手 角野良生 201906
病室を淋しがらせず花八手 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
慰めの色もて咲けり花八手 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
花八手風に揺れざる矜持かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911

八手の花→ 7

     

 

2021年11月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。