破 蓮     106句

敗蓮  破蓮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
拓本の老いし李白に破れ蓮 松崎鉄之介 199901
破蓮筑波の風に鳴りにけり 内藤八重 俳句通信 200001
破蓮の百態百の輪廻かな 安藤和子 海程 200002
破蓮丈をあらはに吹かれけり 朝妻力 俳句通信 200012
ものわすれ度忘れ雨の破蓮 武井清子 200102
破蓮風の無頼を待つこころ 水木沙羅 銀化 200112
軈て来ん時や待つべし破れ蓮 奥村鷹尾 京鹿子 200202
雲間より日矢の一筋破蓮 二瓶洋子 六花 200202
破蓮やどうせ行くなら踊りつつ 中島陽華 200301
未練なほすっくと立てる破れ蓮 永井雪狼 200302
破蓮のかぜ風鐸を鳴らし過ぐ 山下佳子 馬醉木 200302
破蓮の堂に神将勢揃い 小阪律子 ぐろっけ 200302
日を吸つて水冥くなる破れ蓮 平田はつみ 馬醉木 200401
破蓮この世の気負ひまだありし 鈴木綾 200401
破蓮ちよつと口紅ひきなほす 永嶋みね子 火星 200401
破れ蓮の八方に水流れけり 岩脇五風 草の花 200401
捨てきれぬ古きもろもろ破れ蓮 橘沙希 「月の雫」 200404
破蓮茎にも傷のありにけり 岡崎桂子 対岸 200411
破れ蓮水を抜かれて立ちつくす 早崎泰江 あを 200412
破れ蓮の真つ向へ日がめぐりけり 宮津昭彦 200501
たそがれて日の影もたず破蓮 赤松丹山 雨月 200501
破れ蓮おもひおもひの水の翳 吉澤恵美子 春燈 200501
昨日より嵩をひろげし破れ蓮 矢島久栄 200502
触れ合うて驚き合うて破れ蓮 矢島久栄 200502
破蓮の泥まみれなる乾きやう 内山けい子 200503
破蓮の池の迷路に鴨遊ぶ 木村迪子 酸漿 200504
破蓮の風は没日を濁らする 渡邉友七 あを 200504
見てゐたる園燈ともる破蓮 岡本眸 200509
破蓮に月の射し入る動きかな 岡本眸 200511
破蓮田より一村のはじまれる 安部和子 雨月 200512
破れ蓮を見て医通ひのついでなり 宮津昭彦 200601
うかうかと薬忘るる破蓮 藤井昌治 200612
骨密度もつと鍛へよ破蓮 石橋萬里 ぐろっけ 200702
破蓮に佇ちし記憶に師との距離 岡本眸 200712
破れ蓮のあやし危ふき雨の粒 布川直幸 200712
いろいろな帽子来てゐる破蓮 坂口夫佐子 火星 200801
破蓮となり行く青臭さを放ち 宮津昭彦 200801
大甕の水のゆれゐる破蓮 宮川みね子 風土 200802
破蓮を騒がせ去れり夕日差 宮津昭彦 200803
破蓮ペリカンの入る餘地のあり 佐藤喜孝 あを 200809
しんしんと命の韻き破れ蓮 上原重一 200812
破蓮の打ち重なりて暮れにけり 高倉和子 200812
全きの葉よりも親し破れ蓮 布川直幸 200812
体ごと引きて破蓮取りにけり 高倉和子 200812
破れ蓮伏目がちなるルオーの絵 北島正太郎 炎環 200901
良寛の文字のくびれや破れ蓮 関口道代 200901
破蓮の激浪のごと揺れやまず 上原重一 200901
破蓮や佛は旅に出でにける 中田禎子 200912
乾く音立てし魚板や破れ蓮 岡田史女 末黒野 201001
破蓮風吹くとなく熄むとなく 川崎良平 雨月 201001
佇めばひとも佇む破蓮 北岸邸子 春燈 201001
あんまりなニュースばかりや破蓮 赤座典子 あをかき 201001
空の青水に映して破れ蓮 渡辺若菜 春燈 201002
破蓮の向かうは人の棲むところ 原田達夫 201002
リベラルに立ち葉浮き葉の破れ蓮 川井秀夫 ろんど 201002
破れ蓮の力抜かざるものは立つ 占部美弥子 末黒野 201101
破蓮や素顔隠さぬ間柄 坂場章子 201101
破蓮田激しき雨となりにけり 中江月鈴子 201101
破れ蓮午後の散歩に出でたれば 大島英昭 やぶれ傘 201101
破れ蓮や上に聳ゆる裁判所 吉村摂護 201101
爆心の如くなりけり破れ蓮 大場ましら 201102
日と風に身を任せたる破れ蓮 大橋晄 雨月 201102
破蓮の静を揺らして鯉の動 稲畑汀子 ホトトギス 201111
破蓮や静まりかへる夜の水 吉田希望 201112
破れ尽き風に鳴りをり破れ蓮 柴田靖子 201201
刀折れ矢尽きし濠の破れ蓮 池内結 ろんど 201201
香合は東大寺の破れ蓮とや 前田玲子 ぐろっけ 201211
破蓮三分の精根余し立つ 荒木甫 201301
破蓮見ごろの水に己が影 吉弘恭子 あを 201302
破蓮のスリラーダンス風の夜 田下宮子 201302
ここだけに戦残れり破れ蓮 松本恒子 ぐろっけ 201312
破蓮も沼の彩り朝日さす 塩田博久 風土 201401
宗門を守りし寺や破蓮 後藤大 春燈 201411
破蓮の気骨反骨畳みをる 千田百里 201411
敗れざる軍師の城の破蓮 野中亮介 馬醉木 201501
破蓮にそよぐ力のなかりけり 塩野谷慎吾 201501
静かなる時やうやくに破蓮 近藤喜子 201501
長考に入る破蓮の屯して 門馬貴美子 京鹿子 201501
達磨忌の破蓮の水見てゐたり 雨村敏子 201502
破蓮のざわめき選挙カーはしる 岡山敦子 京鹿子 201503
ささくれし風の終点破れ蓮 山田佳乃 ホトトギス 201503
破蓮の幾何学模様織りなして 寺田すず江 明日葉 201505
破れ蓮の姿さまざま湖の風 水井千鶴子 風土 201512
弁天の肩なだらかや破蓮 菊池洋子 やぶれ傘 201602
盛衰の容をまざに破蓮 笠井敦子 201602
破蓮闇に聳ゆる裁判所 吉田葎 201602
漫ろ雨露をため込む破れ蓮 佐藤きょうこ あを 201602
亡き人を外出といふ破れ蓮 上野紫泉 京鹿子 201603
破れ蓮老人となる面白さ 高木晶子 京鹿子 201701
破蓮やはちすの穴の黒さかな 延川五十昭 六花 201701
破蓮の底の陽光鏡とす 松井鶴子 京鹿子 201703
破れ蓮の面テみな日を仰ぎをり 江木紀子 雨月 201801
破れ蓮池面の風の吹き溜り 上辻蒼人 風土 201801
八つ橋をさかひに右は破れ蓮 大島英昭 やぶれ傘 201711
影追ふもの何もなかりし破蓮 西村滋子 京鹿子 201801
月光を静かに浴ぶる破蓮 荒井ハルエ 春燈 201802
破れ蓮の風骨凛と水に立つ 深川淑枝 201801
月光を静かに浴ぶる破蓮 荒井ハルエ 春燈 201802
ひよどりの鳴くたび蓮の破れ深む 南うみを 風土 201901
破れ蓮の池掻い潜るかいつぶり 安部和子 雨月 201902
みづからの重みに揺れて破れ蓮 中村洋子 風土 201902
破れ蓮裏返されてなほ浮ぶ 坂本和穂 やぶれ傘 201902
戦国の城の盛衰破れ蓮 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
守りには入らぬ気合ひ破蓮 塙誠一郎 202012
破蓮中央へ橋盛り上がり 今瀬一博 202101
破蓮の寄する沼端風の道 浜崎喜美子 202101

 

2023年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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