団 扇 5    79句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
七輪をあふぐ音する渋団扇 加藤タミ 末黒野 201610
秋団扇われに馴染みの風をくれ 加藤みき 201610
風を請ふ団扇片手にねむりたる 今井充子 201610
鉾を待つ萬の団扇をひたあふぎ 南うみを 風土 201610
ショーウインドに幾つ団扇の江戸小町 間島あきら 風土 201610
鉾を待つ大群衆の団扇揺れ 池田光子 風土 201610
都市対抗野球応援団扇振る 本田武 やぶれ傘 201610
美人画の前で団扇の手を止める 井上静子 201611
昭和遠しやさしきものに団扇風 渡邊千枝子 馬酔木 201611
先斗町下駄の音して団扇風 伊吹之博 京鹿子 201611
百万の団扇の風や祇園祭 田中とし江 201611
ビアホールの団扇を使ふ交差点 丑久保勲 やぶれ傘 201611
眠る児の涙を煽ぐ団扇かな 吉田きみえ 末黒野 201611
挫けるな閻魔団扇に励まされ 東野鈴子 雨月 201612
お召しかへして団扇手に坐らるる 竹下陶子 ホトトギス 201612
葬儀屋と刷りある団扇捨てにけり 小林愛子 万象 201612
晴れ女雨女居る丸団扇 石森理和 あを 201610
愛宕山に天狗のゐたり秋団扇 岩田洋子 201701
秋団扇笑顔とともにいただきぬ 都築繁子 201701
渋団扇時折りクイズ当たりけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
身ほとりに団扇を置きて寿 稲畑汀子 ホトトギス 201707
滞在の長し団扇の置きどころ 稲畑汀子 ホトトギス 201707
さりげなく言葉をかへす団扇かな 小林のり人 春燈 201708
天壇へ香駆けのぼる団扇撒き 中島陽華 201709
奈良団扇ゆるりと送る山の風 岩下芳子 201709
団扇風母の小さな寝顔かな 岡部名保子 馬醉木 201709
スマホ程小さき団扇の風よろし 石森理和 あを 201709
林立の筆立に挿す団扇かな 加藤良子 春燈 201709
本立てをちよつと出てゐる団扇かな 山田健太 風土 201710
手にいつも団扇の妣へ風送る 中貞子 201710
方丈に風の一字の古団扇 藤岡紫水 京鹿子 201710
渋団扇席を外してくれないか 井上菜摘子 京鹿子 201710
馬籠宿土間商ひの渋団扇 稲岡みち子 雨月 201710
配られし団扇で捌く縄暖簾 宮崎他異雅 末黒野 201710
井戸端の会話はづみし団扇かな 井上静子 201711
吹き漆に虫の屍や秋団扇 瀬川公馨 201712
日のとどく子規の机や秋団扇 森田節子 風土 201712
煽ぎみては鳩居堂の団扇かな 奥田茶々 風土 201808
兵児帯に団扇とはこれまた粋な 前田美恵子 201809
京なれや柄の雅を団扇にも 岡村彩里 雨月 201810
鰻焼く一日忙し渋団扇 岡田正義 雨月 201810
梵妻の気遣ひ廊の団扇かな 福岡かがり 雨月 201810
ここだけと言ふ客の大団扇かな 小林のり人 春燈 201810
尋ねられ団扇忙しくなりにけり 松本三千夫 末黒野 201810
応援の揃ふ団扇や体育館 新井八重子 末黒野 201810
団扇の風では用成さぬ立ちくらみ 田代民子 201812
御会式や団扇太鼓の子も練りて 秋川泉 あを 201901
名書家の妙なる文字の団扇かな 内田梢 末黒野 201904
団扇撒きの団扇をしかと車椅子 赤峰ひろし 201908
団扇貼る思ひ思ひの胡坐かな 小田嶋野笛 末黒野 201908
朝夕と団扇を使ひ寛ぎぬ 岡本まち子 馬醉木 201909
足下の痒みを払ふ団扇かな 出利葉孝 201909
知らぬ間に団扇の落ちて夢の中 吉原ひろ子 末黒野 201909
夢二絵の風かぐはしき団扇かな 久米憲手 春燈 201909
団扇にて曲舞の所作信長忌 篠田純子 あを 201909
浮世絵の女三相古団扇 和田華凛 ホトトギス 201910
絵団扇の閻王さまの風賜ふ 宮平静子 雨月 201910
嵩の無き垂乳根団扇にて凌ぐ 篠田純子 あを 201910
渋団扇こんな所にさしはさみ 定梶じょう あを 201910
間八の鱗とびたる渋団扇 竹内悦子 201911
息を止め団扇を止めて土俵際 小田嶋野笛 末黒野 201911
晩酌のぢぢや幼の団扇風 吉原ひろ子 末黒野 201911
団扇風送られてゐる背中かな 志方章子 六花 201911
子を扇ぐ母の団扇の止まりがち 広瀬済 やぶれ傘 201912
ゆるやかに使うてゐたる秋団扇 藤生不二男 六花 201912
観客の団扇の止まる大相撲 秋千晴 201912
坐りよき松の根に待つ団扇撒 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
幼児の団扇の遊び切りもなし 石井美智子 風土 202009
無口なる夫のあふげる団扇かな 浅田光代 風土 202010
ゆつたりと団扇を使ふ父の前 江見巌 六花 202010
居酒屋の骨の出てゐる渋団扇 秋津令 202010
噴水の向こふとこちら団扇振る 篠田純子 202011
団扇風裏に返せば風新た 加藤みき 202011
翔ける透かしの鳥や奈良団扇 谷口一献 六花 202011
見るからによろけさうなる団扇まき 山田六甲 六花 202106
よく撓る奈良団扇とふ古団扇 丑久保勲 やぶれ傘 202109
濡縁は団扇の方が良く似合ふ 山田暢子 風土 202109
古団扇なれども風のあたらしく 中島昌子 202109
幼児の昼寝に母の団扇風 亀岡睦子 やぶれ傘 202110
含羞の佳人の使ふ団扇かな 善野行 六花 202110
酢の香り団扇かまへて待つ瞳 浅岡麻實 末黒野 202111
俳人の端くれに座し渋団扇 中貞子 202111
上がり框団扇が置いてありにけり 近藤牧男 春燈 202111
客送る美容師の手の渋団扇 石黒興平 末黒野 202112
絵団扇の風動き出す水流る 上原玲子 京鹿子 202112
笑ふ顔隠してゐたる団扇かな 石橋幾代 202112
配られし団扇の揃ふ盆踊 秋津令 202112
まるまると太りし猫に団扇かな 山田六甲 六花 202209
半玉のぎくしやくあふぎ京団扇 小田嶋野笛 末黒野 202210
柔らかき団扇の風に目覚めけり 坂井博 202211
絹団扇納め白寿の柩閉づ 林徹也 202212
団扇→ 1

 

2023年7月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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