馬の子    130句 (仔馬・含他季)

馬の子の故郷はなるゝ秋の雨   一茶

春の馬  馬の子  若 駒  孕み馬

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一群の雲を見てゐる仔馬かな 小澤克己 遠嶺 199805
厩出しの仔馬つまづく雲の影 貞吉直子 馬醉木 199905
海に出て日高の仔馬跳ねつづく 皆川盤水 高幡 199905
片側は母を離さず仔馬の眸 太田誠 春耕 199908
ラベンダー仔馬も瑠璃の瞳もつ 益本三知子 馬醉木 199909
母を追ふ春の子馬よ尾を跳ねて 新井田操 酸漿 200006
馬の子がしろつめ草を妻に乞ふ 小泉晴露 酸漿 200006
濡れている仔馬の瞳遠桜 富沢秀雄 船団 200010
曲屋に仔馬が覗く懸煙草 和田和子 馬醉木 200012
仔馬はね大地の息吹動きけり 稲畑汀子 ホトトギス 200104
血統といふ伽ありて仔馬かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
祭馬飾らぬ仔馬まつはらせ 村上沙央 200112
初夢の親より速い仔馬かな 山田六甲 六花 200202
むずがゆき歯を研ぐ仔馬厩栓棒 中村房子 馬醉木 200204
鼻づらを寄せくる仔馬岳日和 大沼眞 200204
囀の中ひた走る親子馬 内藤順子 酸漿 200204
甘え咬む仔馬なだめて梳る 中村房子 馬醉木 200204
馬の子の生ると獣医立ち合はす 下平しづ子 雨月 200207
母馬が歩めば仔馬添ひて行く 小松鈴子 酸漿 200207
母馬を子馬が追へり風も追ふ 小石秀子 酸漿 200207
子馬生る雲の切れ間の北斗星 安原ときこ 遠嶺 200207
子馬まだとことこ走り南風岬 原教正 200208
長月の乳の匂ひの子馬かな 田中重子 雲の峰 200211
青時雨草食む子馬濡れゐたり 阿部悦子 酸漿 200211
はぐき出し笑ふ仔馬と赤とんぼ 松木桂子 200212
親子馬影も親子や秋日和 古川さかえ 酸漿 200212
片頬の秋日仔馬と同じうし 伊藤多恵子 火星 200302
母馬の瞳にゐる仔馬潮頭 須佐薫子 帆船 200303
馬の仔が生るるよ遠き波奏で 林翔 200305
仔馬立ち上がる前脚うしろ脚 山田弘子 草の蝉 200305
馬の子の乳のむほかは跳ねてをり 柴田佐知子 200306
仔馬跳ぶ尾のあることが嬉しくて 山口速 200307
母親の尻ばかり追ふ木曽仔馬 松崎鉄之介 200308
太陽はいつもまんまる仔馬跳ぶ 白髭美佐子 200308
鬣に名門宿す仔馬かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
母馬と仔馬のあとは鰯雲 元田千重 火星 200311
木下闇馬車屋に子馬生まれをり 佐藤喜孝 あを 200402
囀に名門宿す仔馬かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200404
子馬跳ね母馬しざりをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200404
火の町の大草原の仔馬かな 大串章 百鳥 200405
昨夜生れし仔馬が歩く下萌ゆる 河口仁志 200405
仔馬あまた軍馬牧場ありと云ふ 松崎鉄之介 200406
若葉風母馬仔馬吹かれをり 水田清子 200407
ノサップの岬を牧に親仔馬 三関きよし ホトトギス 200408
道産子と呼ばれ仔馬の脚太き 坊城としあつ ホトトギス 200408
仔馬の眼ときどき親を確かめて 中嶋陽太 ホトトギス 200408
仔馬へも怖さの距離置きにけり 大塚信太 ホトトギス 200408
仔馬駈けはるかな富士へ牧なだれ 大木さつき ホトトギス 200408
風かろき牧の起伏や仔馬駆け 長沼冨久子 馬醉木 200408
馬の仔の眉間の星のただならず 坊城としあつ ホトトギス 200408
牧広し仔馬自由をもて余す 三関きよし ホトトギス 200408
牧草の揺れ馬の子の風となる 湯川雅 ホトトギス 200408
高原の教会の鐘聞く仔馬 大木さつき ホトトギス 200408
夜べ生れし仔馬に牧舎灯しあり 大木さつき ホトトギス 200408
この中に名をなす仔馬幾頭ぞ 三関きよし ホトトギス 200408
風と跳ね風に踏ん張る仔馬かな 中嶋陽太 ホトトギス 200408
仔馬生れ蝦夷の駿馬と脚長し 坊城としあつ ホトトギス 200408
仔馬駈くマッチのやうな細き脚 大塚信太 ホトトギス 200408
駈け曲り仔馬駈く音裏返る 大塚信太 ホトトギス 200408
成長の姿瞼に仔馬撫で 小川公巴 ホトトギス 200408
歓迎の仔馬の跳ねに馴れるまで 小川公巴 ホトトギス 200408
はや駆けて仔馬の群の岬の岸 浅井青陽子 ホトトギス 200408
つんつんと仔馬の尻でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
母を恋ふさまも仔馬でありしかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
馬の仔にあそぼあそぼと牧の雲 門脇なづな 対岸 200505
月山や仔馬バケツの乳を飲む 須佐薫子 帆船 200506
仔馬から母馬離す騒ぎかな 荒井和昭 200508
仔馬跳ね牧の太陽跳ねてゐし 竹下陶子 ホトトギス 200508
外洋に突き出す岬仔馬跳ぶ 木場田秀俊 200509
まどろみつ尾を振りてをり木曾仔馬 小林優子 酸漿 200512
木の芽風まだ名の付かぬ仔馬ゐて 小林優子 酸漿 200512
せっかちの父に茄子馬転けるかも 野村智恵子 八千草 200602
春雲を育て仔馬を育てけり 大串章 百鳥 200605
ぴくぴくと仔馬の鼻の好奇心 伊藤憲子 200606
馬の仔の栗毛に似たる山つつじ 瀧春一 常念 200606
御料地の仔馬爪立つ桃の花 阿久津勝利 万象 200606
長き足縺れし仔馬母を追ふ 林陽子 万象 200608
日高路は仔馬天国風光る 三好雷風 ホトトギス 200609
指笛に子馬駆け寄る蝮草 松澤秀昭 200610
嬉嬉として仔馬は親に従ひぬ 小牧喜美子 遠嶺 200706
跳びはねて仔馬全身にて甘ゆ 柳生千枝子 火星 200706
韓愈越えし藍関古道仔馬行く 松崎鉄之介 200707
立ち上がる仔馬の影を草の上 片山由美子 200708
生れきし仔馬も走る襟裳岬 浮田胤子 ぐろっけ 200712
断崖へ行き尽く花野仔馬嘶く 泉田秋硯 200712
舐められてよろめく仔馬牧の風 林八重子 馬醉木 200806
母を追ふ仔馬の走り真価問ふ 宮田香 200807
乳を飲む首の伸びきる仔馬かな 安部康子 万象 200808
仔馬連れ馬柵に寄る母息荒し 安部康子 万象 200808
首振つて仔馬が親を追ひにけり 金子知代 万象 200901
馬具つけぬ仔馬の跳ねるサーカス小屋 後藤とみ子 ぐろっけ 200905
マリオネットのごとく馬の子立ちあがる 田口紅子 200907
馬の子の遊べる岬より晴るる 天谷翔子 火星 200907
馬柵に朴咲きて仔馬のうひうひし 水野節子 雨月 200908
新茶賜ぶ丘の斜面に仔馬跳ね 戸田春月 火星 200909
流鏑馬の子の頬赤しおんまつり 小林成子 201002
こぼれくる朝の光や仔馬立つ 黒滝志麻子 末黒野 201007
白南風や寄り添ふ牧の親子馬 小滝奈津江 酸漿 201010
仔馬生れ空と存問始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
人見る目親を見る目を持つ仔馬 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
爪先に未来を秘めし仔馬かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
都井岬栗毛の仔馬跳ねてとぶ 林美智 ぐろっけ 201106
駆くること覚えし仔馬日粲粲 大橋伊佐子 末黒野 201108
名を貰ひ牧へ駆け出す仔馬かな 松田明子 201109
一燈の掛声の下仔馬立つ 野坂民子 馬醉木 201205
乳さがす仔馬に早も取材かな 宮田香 故郷 201207
北国に生れし仔馬に陽の優し 西垣順子 201306
放牧の仔馬は母の影を踏み 神田恵琳 春燈 201406
親の目にとどきて遠き仔馬かな 大内マキ子 万象 201407
馬の仔の駆けても視野に母の影 佐瀬晶子 ろんど 201502
馬柵越しにはねる仔馬を呼び寄せぬ 相沢有理子 風土 201506
足太き仔馬の駆ける今朝の秋 岩永はるみ 春燈 201512
馬の仔や母より父の血は重し 藤丸誠旨 春燈 201605
一歩一歩未知が嬉しい仔馬かな 有松洋子 201705
朝駆けの子馬のうなじ風薫る 中村洋子 風土 201708
海鳴りに耳立ててゐる仔馬かな 林陽子 万象 201709
仔馬立つたてがみを雨伝はりて 赤堀洋子 万象 201710
柵に沿ひ仔馬は草を食んでゐる 瀬島洒望 やぶれ傘 201807
馬の仔の乳吸ふ力跳ぶ力 斉藤マキ子 末黒野 201904
牧開き仔馬のかける鳥轍図 江見巌 六花 201905
柵に寄る仔馬のまつげ風光る 升田ヤス子 六花 201906
岬端の広き裾野や仔馬駆け 渡会昌広 馬醉木 201907
たてがみを梳かす春風親子馬 石澤昭代 京鹿子 201907
乳を欲る木曾の仔馬よ遠嶺晴 岡杜詩 201910
秋潮の上へ跳ねたる子馬かな 田中とし江 202102
殿の仔馬飛び越ゆ潦 高木邦雄 末黒野 202105
馬の仔の馬柵にすり寄り朝まだき 宮元陽子 末黒野 202105
仔馬立ちしばらく揺れてをりにけり 角野良生 202108
逞しき脚に血統持つ仔馬 山下美典 ホトトギス 202109
子馬跳ね空の広ごる草千里 七田文子 202204

 

2022年4月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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