浮人形・浮いてこい  119句

浮いてこい浮いてこいとて沈ませて   京極杞陽   くくたち

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
もう飽きて水の濁れる浮いてこい 柳生千枝子 火星 199809  
長子家を出てより暇な浮いてこい 折原あきの 船団 199811  
文明のおごる波間の浮人形 渡辺純 京鹿子 200007  
残生のもはやなりゆき浮いてこい 水野里枝 200009  
今生は残り一割浮いてこい 本山卓日子 京鹿子 200010  
遠き日の借家の窓よ浮いてこい 林翔 200010  
仲見世の浮人形の廻りづめ 岬雪夫 200109  
浮人形水飲みすぎて沈みをり 棚山波朗 春耕 200109  
浮人形抑へあらがふことをさせ 亀丸公俊 銀化 200109  
叩かれてひとくせありぬ浮いてこい 河口仁志 200110  
韃靼の鉾携へて浮いてこい 木曽岳風子 六花 200111  
泣くよりは笑ひながらに浮いてこい 後藤比奈夫 ホトトギス 200201  
てのひらは意味を手放す浮いてこい 亀田憲壱 銀化 200208  
空つぽは重たきこころ浮いてこい 暮岸江 銀化 200208  
忘れたきこと思ひ出す浮いてこい 土井田晩聖 銀化 200209  
雨しとどいのち朝夕浮人形 本山卓日子 京鹿子 200210  
浮いてこいビタミンばつX不足かも 木戸渥子 京鹿子 200302  
投身のやすけくあらむ浮人形 佐藤喜孝 「青寫眞」 200304  
川面より低き横丁浮いてこい 上谷昌憲 200309  
がんばらない流儀を通し浮いてこい 伊藤白潮 200309  
北天に星の墓ある浮人形 栗栖恵通子 200309  
浮いてこい表の門をあけしまま 木下野生 200310  
飛びつきりの笑顔を見せて浮いてこい 飯塚久美子 対岸 200310  
浮人形細かく揺れて漂へり 小田道知 円虹 200310  
またひとりかまつてゆきぬ浮人形 戸田和子 200310  
子が底に押しつけてをり浮人形 柴田佐知子 200310  
浮いてこい向ひの家もひとりつ子 佐々木悦子 帆船 200407  
泣き顔を見たくなければ浮いてこい 城間芙美子 対岸 200409  
女波へとぶつかる男波浮いてこい 藤岡紫水 京鹿子 200409  
浮いてこい天の底とは思はずに 豊田都峰 京鹿子 200410  
子等遠く浮人形のすぐ浮ける 福井隆子 対岸 200410  
横丁のはや賑はひて浮人形 菊地光子 200508  
人間と生まれて笑ふ浮いてこい 水野恒彦 200509  
浮いてこい然るべくとは詮もなや 折橋綾子 200510  
忘れある浮人形と湯につかる 山田美恵子 火星 200510  
すでに少女浮人形に罅走り 藤井英子 対岸 200510  
色褪せし浮人形のなほも浮く 秋千晴 200510  
泣けばすぐ弟のもの浮人形 安原葉 ホトトギス 200512  
どうしても浮かねばならぬ浮人形 稲畑汀子 ホトトギス 200607  
そのたびにおどけ浮きして浮人形 鷹羽狩行 200607  
暮れてゆく畳の上の浮人形 柴田佐知子 200608  
二世観あくまで信じ浮いてこい 伊藤白潮 200609  
浮人形なかのひとつは科学の子 辻美奈子 200609  
裏返るばかりで飽かれ浮人形 高倉和子 200609  
苦しくて飛び上がりくる浮人形 柴田佐知子 200611  
浮いてこい浦島太郎にはさせぬ 井上菜摘子 京鹿子 200612  
浮いてこいの昔の力手に覺ゆ 佐藤喜孝 あを 200612  
浮人形むかしとおなじく力持 佐藤喜孝 あを 200612  
鈍感に生きて米寿よ浮いてこい 有田蟻太 200709  
朴訥にもの売る男浮いてこい 山崎祐子 万象 200709  
浮人形浮きゐて浮きたがつてゐず 後藤比奈夫 ホトトギス 200711  
ありつたけの浮人形と子は風呂に 苑実耶 200711  
百態の水の疲れや浮人形 三好千衣子 200711  
水蹴つて鉄腕アトム浮いてこい 森下光江 200801  
十までの数のあやしき浮いてこい 坂本緑 幸せのかたち 200808  
まだ役に立つ歯の疼き浮いてこい 上谷昌憲 200809  
盥の中にぶつかり合つて浮人形 折橋綾子 200809  
浮人形どこへも行けず浮き上がる 柴田佐知子 200810  
水を出て微熱のつづく浮人形 柴田佐知子 200811  
はしたなく見られもしたり浮人形 堀江惠子 200811  
銭湯に泳ぎしことも浮いてこい 根橋宏次 やぶれ傘 200909  
ひとの世にかく長居して浮人形 鳥居秀雄 200909  
軽石を代りとしたる浮いてこい 山田六甲 六花 201006  
筋書きになきわが余生浮いて来い 千坂美津恵 201008  
曾祖母とふ名を頂くや浮いてこい 宮野照子 馬醉木 201009  
浮いてこいリストラされても浮いてこい 吉村摂護 201009  
デパートの水に売らるる浮いてこい 根橋宏次 やぶれ傘 201009  
大小の浮力大小浮人形 後藤比奈夫 ホトトギス 201011  
呉服屋の店棚にある浮いて来い きくちきみえ やぶれ傘 201011  
昼風呂のお湯はぬる目に浮いてこい 天野美登里 やぶれ傘 201012  
疲れし日の風呂はぬるめよ浮いてこい 刈米育子 201103  
シナリオのなき人生や浮いてこい 寺村年明 春燈 201107  
荒磯へ鎮魂の酒浮いてこい 延広禎一 201107 東日本大震災
浮人形胴体はづし干してをり 秋千晴 201108  
浮人形子供の夢の膨らみぬ 林紀夫 春燈 201109  
時といふ万能薬や浮いて来い 川崎真樹子 春燈 201109  
脱原発と宣ふばかり浮いて来い 千田敬 201109  
人の世に托卵のあり浮いて来い 秋葉雅治 201109  
天窓の明かり湯槽に浮いてこい 根橋宏次 やぶれ傘 201109  
横好きのものに執すよ浮いてこい 高橋道子 201110  
今朝からの頭空つぽ浮いて来い 七田文子 201110  
大差なき自慢話や浮人形 福島松子 ぐろっけ 201110  
縁日より家の湯船へ浮いて来い 安藤久美子 やぶれ傘 201110  
定石をはづす一手や浮いて来い 鷹崎由未子 花野 201112  
目のさきに母ゐる冩眞浮いてこい 佐藤喜孝 あを 201208  
司る年金家計浮いてこい 高橋道子 201209  
眷属に知らぬ子が居る浮いてこい 上谷昌憲 201210  
従心てふ出発点や浮いてこい 岡田史女 末黒野 201210  
浮いてこい占ひ横丁にぎはへり 福島せいぎ 万象 201210  
朱鷺・狼・日本獺浮いてこい 石崎和夫 201211  
浮いて来い医師に預くる子の命 田嶋洋子 七線譜 201306  
水掛論のいつまで続く浮いてこい 岩永はるみ 春燈 201310  
盥には置いてけぼりの浮人形 臼杵游児 春燈 201310  
浮人形寄りて離れて仕舞風呂 小田嶋正敏 末黒野 201310  
甲矢乙矢ぜんぶ使うて浮いてこい 雨村敏子 201310  
いく度も底を見て来し浮人形 中田みなみ 201311  
番台に浮人形の忘れ物 根岸宏次 やぶれ傘 201408  
赦すとは愛する事よ浮いて来い 宮井知英 201409  
遠目には金魚と見紛ふ浮いて来い 森幸 雨月 201410  
浮いて来い今更ながら麻疹とは 吉村摂護 201411  
胸底にいつも誰かが浮いてこい 久保東海司 201508  
浮いて来い意地張ることの有りにけり 阪倉孝子 201509  
麻酔醒む力を入れて浮いて来い 山本明彦 201509  
何も彼も手につかぬ日や浮いて来い 綱徳女 春燈 201509  
東京の片隅に住み浮いてこい 安藤久美子 やぶれ傘 201510  
銀行のロビーの隅に浮いて来い 有賀昌子 やぶれ傘 201510  
浮いて来い抱きて眠る青き星 近藤喜子 201510  
浮いてこい言はれなくとも浮いてやる 柳川晋 201510  
すぎし日の良くも悪しくも浮人形 柴田靖子 201510  
浮いてこいたくさん浮かべ盥の子 きくちえみこ 港の鴉 201510  
手短な電光ニュース浮いて来い 箕輪カオル 201511  
浮人形真正直は寂しかり 能村研三 201708  
幸せはゆつくりと来い浮いて来い 本多俊子 201708  
浮人形この世恋しと浮いて来し 柴田佐知子 201707  
浮いて来い胸中いちど空(から)にして 近藤喜子 201709  
師の亡くて遠き謦咳浮いてこい 古居芳恵 201709  
まつすぐに帰れぬ日なり浮いて来い 近藤牧男 春燈 201709  
腹筋は歌ふためなり浮いて来い 箕輪カオル 201710  
宰相の嘘つく世なり浮いて来い 福島せいぎ 万象 201710  
浮いてこい浮かない人はほっとけない 阪野基道 船団 201811  
浮いてこい句座に掛け声入り乱る 手島伸子 雨月 201811  

 

2019年7月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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