浮寝鳥 2     98句

浮寢鳥いましみじみと古俳諧      高島茂

水鳥

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大琵琶を狭めし数の浮寝鳥 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
江戸よりの濠知り尽し浮寝鳥 稲畑廣太郎 ホトトギス 201512
つかず離れずとは浮寝鳥のこと 岸洋子 201601
浮寝鳥次の橋まで流れゆく 遠藤逍遙子 風土 201602
もう少し待つてみやうか浮寝鳥 岡部名保子 馬醉木 201603
靄込めて櫓音近づく浮寝鳥 能勢俊子 馬醉木 201603
内濠の穏し日溜り浮寝鳥 谷村祐治 雨月 201603
水昏れて地にぬくみあり浮寝鳥 林いづみ 風土 201603
流されて己失ふ浮寝鳥 小林共代 風土 201603
江戸川の渡し賑やか浮寝鳥 遠藤逍遙子 風土 201603
浮寝鳥千里来しこと忘じをり 松田泰子 末黒野 201603
池の面の百羽百態浮寝鳥 斉藤マキ子 末黒野 201603
浮寝鳥水の眠りを誘へり 森清堯 末黒野 201604
波動けど上下するのみ浮寝鳥 織田高暢 201604
安心を容にすれば浮寝鳥 笠井敦子 201604
浮寝鳥ときに鼾のやうなこゑ 山本無蓋 201604
自動車を降り見ることに浮寝鳥 嶋田一歩 ホトトギス 201605
船着いて発つも動かず浮寝鳥 嶋田一歩 ホトトギス 201605
風の筋陽の筋ありて浮寝鳥 松本鷹根 京鹿子 201605
荒川の暮色を曳いて浮寝鳥 赤岡茂子 春燈 201605
浮寝鳥こころの奥は醒めてをり 成瀬櫻桃子 春燈 201610
浮寝鳥白し夕づく橋ひとつ 鶴岡紀代 春燈 201701
この湖を塒と決めて浮寝鳥 鈴木鳳来 春燈 201701
鴨場跡とはつゆ知らず浮寝鳥 大島寛治 雨月 201702
考へぬ幸せもあり浮寝鳥 石橋みどり 201702
またねとは何時のことなる浮寝鳥 久保夢女 201702
しらじらと明くる夜ばかり浮寝鳥 玉田瑞穗 万象 201702
時じくの雪に相寄る浮寝鳥 上谷昌憲 201702
浮寝鳥吹きっさらしの風の濠 山田天 雨月 201702
乱世を遠くに置きて浮寝鳥 笠井敦子 201703
泉亭の揺るる水影浮寝鳥 石黒興平 末黒野 201703
大川のさざなみに群れ浮寝鳥 安藤久美子 やぶれ傘 201703
朝の日の水尾濃く引きて浮寝鳥 鈴木良戈 201703
浮寝鳥同じ夢みてゐるならむ 鎌田八重子 馬醉木 201703
岸の辺に換羽の痕や浮寝鳥 岡村彩里 雨月 201704
浮寝鳥波過ぎたれば元の位置 升田ヤス子 六花 201704
潮入りの離宮の水面浮寝鳥 菅野日出子 末黒野 201704
浮寝鳥吹きをさまりて毬の如 廣瀬克子 春燈 201704
水門に吹寄せられし浮寝鳥 持田信子 春燈 201704
浮寝鳥水底のこと見逃さず 高橋将夫 201704
水上バスに押し戻さるる浮寝鳥 松林依子 201704
浮寝鳥湖の余白を大きくす 涌羅由美 ホトトギス 201704
浮寝鳥ときどき脚で頬をかき 原友子 201707
機音にときをり応へ浮寝鳥 谷田明日香 風土 201802
浮寝鳥生死を悟りゐる如く 吉田順子 201802
浮寝鳥群の一羽は目覚めをり 松原智津子 万象 201803
流さるることの寧けさ浮寝鳥 浅田光代 風土 201803
浮寝鳥こころもとなき日の差せり 藤生不二男 六花 201803
切り岸を借景として浮寝鳥 太田良一 末黒野 201803
風吹けば一緒に揺れる浮寝鳥 鈴木みのり 201803
水掻は常に休まず浮寝鳥 斉藤マキ子 末黒野 201804
御成門跡水輪小さく浮寝鳥 堀田こう 雨月 201804
哲学を実践中の浮寝鳥 木戸渥子 京鹿子 201805
良き間合ひ保ち群なす浮寝鳥 矢野百合子 201806
浮寝鳥湖の眠りをいざなへり 亀井福恵 京鹿子 201806
世に疎くゐて流されぬ浮寝鳥 押田裕見子 201806
寝て覚めて浮寝鳥見てまたも寝て 原ゆき 船団 201809
空欄の空っぽは濃し浮寝鳥 原ゆき 船団 201809
浮寝鳥ベンチに人の居眠れる 安藤久美子 やぶれ傘 201901
さざ波の光を纏ふ浮寝鳥 相川健 201901
たゆたふて波を褥や浮寝鳥 安斎久英 末黒野 201902
流れ行く夕日の名残り浮寝鳥 阪倉孝子 201902
浮寝鳥群れの端より崩れけり 笹村政子 六花 201902
残照の池や番の浮寝鳥 太田良一 末黒野 201903
置物のごと夕映えの浮寝鳥 金森教子 雨月 201903
まろまろと莟のやうに浮寝鳥 内藤静 風土 201903
流さるることを楽しみ浮寝鳥 小林共代 風土 201903
浮寝鳥ここは源氏の池なるぞ 平田きみこ 風土 201903
ぴつたりと風やんでゐる浮寝鳥 大崎紀夫 やぶれ傘 201903
玄海や手毬のごとく浮寝鳥 山本則男 201904
暮れつ方ぽつりぽつりと浮寝鳥 瀬川公馨 201905
東雲の城址散策浮寝鳥 今村千年 末黒野 201905
和の国の今が幸せ浮寝鳥 平野無石 201907
さざ波を母の唄とし浮寝鳥 沼田巴字 京鹿子 201912
浮寝鳥夢におどろく日のあらむ 亀田虎童子 202002
浮寝鳥湖北は夢を浮かす雲 松本鷹根 京鹿子 202002
浮寝鳥いま一生のどのあたり 火箱ひろ 202003
仮の世にいささか長居浮寝鳥 田畑耕之介 京鹿子 202003
音符の上にスタッカートや浮寝鳥 瀬川公馨 202004
落日の黄金の川面浮寝鳥 及川照子 末黒野 202005
浮寝鳥波の高さの見えてをり 根橋宏次 やぶれ傘 202101
浮寝鳥一羽に水の折れ曲る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
いつまでも頭を上げぬ浮寝鳥 谷口一献 六花 202101
怠りなき見張りのをるや浮寝鳥 神谷さうび 末黒野 202103
浮寝鳥数へ直されゐたりけり 根橋宏次 やぶれ傘 202103
羽撃きの出来る間合や浮寝鳥 石黒興平 末黒野 202105
光から影へと変はる浮寝鳥 高倉和子 202107
浮寝鳥足より覚めてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
流さるる力のこして浮寝鳥 辻美奈子 202202
下総の風なき日なり浮寝鳥 石橋邦子 春燈 202202
みづうみの膨らんでゐる浮寝鳥 浅田光代 風土 202203
持て余す首を納めて浮寝鳥 三好康子 風土 202203
浮寝鳥ひとりにベンチ余りけり 山内宏子 202203
琵琶湖より余呉湖は昏し浮寝鳥 藤井啓子 ホトトギス 202204
金閣に向き替へ浮寝鳥となる 森田節子 風土 202204
波頭押さへてゐたる浮寝鳥 栗原京子 202208
流されぬことが身上浮寝鳥 兒玉充代 202208
水平は眠りをさそふ浮寝鳥 山本則男 202210
浮寝鳥 →1

 

2022年12月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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