重陽〈重九)  96句

重陽や椀の蒔絵のことごとし    長谷川かな女

重陽  菊の酒〈菊の日〉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
重陽の墓の前にて降られたる 竹内悦子 199912
重陽の田に深々と轍かな 高野清風 俳句通信 199912
重陽の小鉢の音の厨かな 辻のぶ子 俳句通信 199912
ひそかにも重陽の忌と偲ぶ日よ 稲畑汀子 ホトトギス 200009
重陽の雪花菜を炒つてをりにけり 中井和子 200010
重陽やおまけにもらう世界地図 中原幸子 遠くの山 200010
重陽や嵯峨野直ぐなる道あらず 長田等 200102
重陽の力士に挑む園児たち 中御門あや 雲の峰 200112
重陽の姉より届く手紙かな 北嶋美都里 200112
重陽に対の盃下ろしけり 間瀬淑子 春耕 200112
重陽の宴なごやかに師の笑顔 米須あや子 遠嶺 200112
重陽の嶺に確かな水脈のあり 山下寿祇子 遠嶺 200112
重陽節菊の着せ綿贈りけり 山田耕子 京鹿子 200201
重陽や遺影の夫にコップ酒 下島千代子 春耕 200201
重陽や海に張りだす能舞台 山口マサエ 雲の峰 200201
偲びては重陽の日のめぐり来し 桑田青虎 ホトトギス 200203
重陽の洞の神様酒二本 西山美枝子 酸漿 200204
虹描く日も重陽の滝飛沫 西山美枝子 酸漿 200204
壽ぐ日待つ重陽の句会かな 上田繁 遠嶺 200212
重陽の風入れて拭く床框 竪ヤエ子 雲の峰 200212
重陽に偲びて式部官杞陽 粟津松彩子 ホトトギス 200302
腹水を抜く重陽の日の晴れ渡り 田村みどり 京鹿子 200303
重陽の夢虫に節ありにける 栗栖恵通子 200311
重陽の日の神門や木の香して 内山けい子 200312
重陽や七を重ねし誕生日 橘澄男 山景 200408
鳥さやさや重陽の日の竹林に 大島翠木 200412
重陽の波かぶりたる孔雀貝 雨村敏子 200412
息災や重九の酒の盃あぐる 山田富朗 遠嶺 200501
重陽や盃に浮べし菊匂ふ 小松鈴子 酸漿 200512
重陽や久闊を叙す八重州口 奥山絢子 風土 200601
重陽の掌にあたたかき卵かな 栗栖恵通子 200611
重陽の宴ふかふかの座布団 桜井葉子 遠嶺 200701
重陽の節句とて僧招かるる 古田考鵬 雨月 200701
重陽の節句着せ綿賜ばりけり 古田考鵬 雨月 200712
重陽や手ずれ親しき謡本 出口賀律子 雨月 200712
重陽や相撲童子の尻白き 松井倫子 火星 200712
重陽やまるく濡れゐる土俵跡 松井倫子 火星 200712
重陽の日を食べ歩きして伊勢路 柴田良二 雨月 200801
重陽に重ねて偲ぶ一忌日 稲畑汀子 ホトトギス 200810
重陽に卒寿祝を賜はれり 松崎鉄之介 200811
重陽やくらべて右手ひだりの手 風間史子 200812
重陽や異国で去年の句集繰る 伊吹之博 京鹿子 200812
重陽の穴ほる飯に卵割る 大島翠木 200812
重陽の海わたりくる蘭亭序 雨村敏子 200812
重陽の母の言葉の重みかな 二見淑子 遠嶺 200912
重陽の雲動き出す俄雨 中村喜美子 春燈 200912
菊うかべ重九のワイン飲み干しぬ 島谷征良 風土 200912
重陽や海の青さのよみがへり 大野崇文 201001
重陽のささに浸して鯛の鯛 冨松寛子 201012
重陽や仲見世の灯のつぶらなる 黒滝志麻子 末黒野 201101
重陽や垂の真白き献上酒 松本文一郎 六花 201102
重陽の葭のしろがね暮れゆけり 小野恵美子 馬醉木 201112
重陽や町内一の高齢に 三谷ゑい 末黒野 201112
何や彼や誘ふ文きて小重陽 西田美ち ろんど 201112
重陽の雨に浮き出る胸の染み 竹中一花 201112
重陽に数珠一連を賜りて 古田考鵬 雨月 201112
重陽の菊屋の最中包みをり 雨村敏子 201201
重陽や雲をあみだに十日月 岡野里子 末黒野 201201
重陽の水を発ちたる鷺の白 浜口高子 火星 201201
重陽の菊屋の最中包みをり 雨村敏子 201201
重陽の羽黒の山の力餅 北崎展江 くりから 201209
重陽や尻もち茄子蒸しもして 南うみを 風土 201212
重陽の弓矢抱へし烏帽子かな 橋添やよひ 風土 201212
重陽の艦に神馬の像白き 山口キミコ 201311
重陽や掛軸大き余白もち 甕秀麿 201312
重陽の島相撲の負けっ振り 和田郁子 201312
重陽のせせらぎの音笙のおと 山本無蓋 201312
重陽の絵皿を買うて帰りけり 荒井千佐代 201401
重陽の名菓胃の腑を惑はする 宮崎左智子 201411
重陽の朝の空の入れ替る 岩下芳子 201412
誕生の重陽の子や父と酌み 塩見英子 雨月 201412
重陽の豆腐づくしの夕餉かな 井上静子 201511
重陽やをのこばかりを生みにける 雨村敏子 201512
重陽や米寿祝され畏まる 奥山テル子 万象 201512
重陽や青柚の香ある雑煮椀 水原秋櫻子 馬醉木 201610
重陽の生駒連峰歌はずむ 杉原ツタ子 201612
重陽や故山の団居今さらに 安立公彦 春燈 201612
重陽や折り目正しく日章旗 樋口みのぶ 201702
重陽や平均寿命また仲びて 宮内とし子 201711
涌き水をもて重陽の点前かな 森山暁湖 万象 201712
葉書大の夫と重陽つれ立ちぬ 山崎靖子 201712
いくたびも開け重陽の道具箱 加藤峰子 201712
重陽や闇に一縷のひかりあれ 犬塚李里子 201712
重陽や闇に一縷のひかりあれ 犬塚李里子 201801
重陽の雨のあかるきまま不意に 辻美奈子 201811
重陽の水音立つる里曲かな 鈴木直充 春燈 201812
罪科めく重陽の日の吹き降りは 田代民子 201902
重陽の神木に手を押しあてて 篠崎志津子 やぶれ傘 201902
重陽や父の七十八回忌 竹内悦子 201912
重陽や献酒の並ぶ上賀茂社 稲岡みち子 雨月 202001
重陽や父の遺品の大硯 森清信子 末黒野 202001
重陽の四つ目の犬に逝かれけり 中島陽華 202002
重陽の日の出の天の神がかる 鈴鹿呂仁 京鹿子 202010

 

2021年9月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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