菊の酒〈菊の日 菊酒〉       77句

売文は明日へまはして菊の酒   加藤郁乎   初昔

重陽  菊の酒〈菊の日〉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
菊の酒無口な肝臓話し出す 森景ともね 船団 199909
菊酒に眠気拂ひて朱印受く 三浦喜久子 ぐろっけ 199912
菊酒を勢子に振舞ひ牛角力 島田万紀子 馬醉木 200002
退院を賀す菊酒を享けて居り 太田蓁樹 馬醉木 200011
那智黒の山重なれり菊の酒 栗栖恵通子 200012
団十郎見て来てよりの菊の酒 安徳由美子 200101
菊酒や超光速の話して 小澤克己 遠嶺 200101
夢にあらで米寿を迎ふ菊の酒 二村蘭秋 雨月 200201
菊の酒米寿の命尊びて 二村蘭秋 雨月 200201
とことわの炎たちたる菊の酒 天野きく江 200201
病者にもひと口すすめ菊の酒 小川匠太郎 200211
皺々な手の出て握手菊の酒 中原道夫 銀化 200212
菊酒や血縁といふ重きもの 神山ゆき子 200212
勲章飾り菊の酒もて祝ぐ宴 二宮桃代 雨月 200301
菊の日の美容師任せの仁王立ち 角谷美恵子 ぐろっけ 200302
話上手聞上手居て菊の酒 吉田多美 京鹿子 200302
幻の延喜楽として菊の酒 堀内一郎 あを 200312
ラバウルの名を知る齢菊の酒 泉田秋硯 200401
俎板に檜の匂ひ菊の酒 中島瑞枝 百鳥 200412
菊酒や母の形見の帯締めて 尾堂Y 河鹿 200412
菊酒やシルクハットの調教師 安原ときこ 遠嶺 200503
迎へ得しこと菊の酒酌みしこと 山田弘子 ホトトギス 200504
へしこてふ鯖の糠漬菊酒に 能村研三 200510
菊の酒大事な時に出ぬ涙 吉田明子 200601
ささやかに米寿肴に菊の酒 有田蟻太 200612
下戸とても押し戴きて菊の酒 西千代恵 雨月 200612
喜寿を祝ぐ菰野の里に菊の酒 加藤北天 雨月 200701
菊の酒まぶたとじれば熊野の碑 本多俊子 200702
相槌の間合遅れて菊の酒 柴崎則子 遠嶺 200702
菊酒や今宵は白き菊を選み ことり 六花 200709
菊いろに淡く澄みゐし菊の酒 松井倫子 火星 200712
菊の酒命いとしみ戴きぬ 中村芳子 ホトトギス 200804
装うて婦人ばかりや菊の酒 黒澤登美枝 200901
今更にと思へど受くる菊の酒 稲次登美子 雨月 200901
菊の日や吉事を包む奉書紙 田下宮子 200911
はや喜寿よまだ七十路と菊の酒 丸尾和子 雨月 200912
登るべき山なき島や菊の酒 澤井玲子 200912
老禰宜に賜ばる菊酒畏みて 丸尾和子 雨月 200912
再診の菊の日和をよしとせり 武藤嘉子 201002
ヴェネツィアの硝子の猪口に菊の酒 山口耕堂 万象 201002
三才はすこぶる寧し菊の酒 小形さとる 201102
めがね橋とほくに置きて菊の酒 甕秀麿 201112
猩々出づ波の鼓と菊酒と 延広禎一 201201
菊の日の水面に映る猩々緋 西村純太 201201
句座あげて長寿祝ぎ呉る菊の酒 岸本久栄 雨月 201201
菊の日の水面に映る猩々緋 西村純太 201201
猩々出づ波の鼓と菊酒と 延広禎一 201201
菊の日や天橋立の股のぞき 岡野安雅 かさね 201211
菊酒や夫は長寿の眉もちて 丸尾和子 雨月 201212
花びらの浮ける菊酒乾すは惜し 丸尾和子 雨月 201212
寒菊の日に抗うて咲きにけり 藤生不二男 六花 201304
下戸なれど菊酒の列に並びける 和田郁子 201312
おのづから長幼の序や菊の酒 秋葉雅治 201312
孫の守さんざ遊んで菊の酒 津田霧笛 ぐろっけ 201401
いつしかに祝がれ役なる菊の酒 今田清三 馬醉木 201401
長き一生(ひとよ)短く語り菊の酒 千田敬 201402
坐して酌む菊酒父のごとかりけり 安立公彦 春燈 201412
誕日に受くる一献菊の酒 横山昭子 雨月 201412
読みかへす母よりの書や菊の酒 西岡啓子 春燈 201501
百才の母まん中に菊の酒 苑実耶 201502
菊酒や先に逝くなと言はれても 天谷翔子 201611
宿坊に「風」の寄せ書き菊の酒 内海良太 万象 201612
菊の酒眺むるのみとなりし夫 立花一枝 201612
切株の椅子にいただく菊の酒 田中藤穂 201701
友来る膳に添へゐる菊の酒 佐俣まさを 春燈 201712
菊の日や古びし杜甫の文庫本 磯貝尚孝 清閑 201804
菊の酒猪口三杯の酔ひでよし 中島昌子 201812
同行二人菊の日の菊を見に 雨村敏子 201812
菊酒を酌みかはすことなき別れ 中谷富子 201812
百歳へまだ間のありぬ菊の酒 田代民子 201902
菊の日の女子高生の手前かな 松川昌義 末黒野 202102
菊の酒指やわらかき巫女より受く 田中藤穂 202112
菊の酒遺影にこぼす愚痴ひとつ 大山夏子 202112
賜りし杯に溢るる菊の酒 大山夏子 202112
菊の酒止めてゐるのにすすめられ 本田保 春燈 202201
菊の日や鳥居に神楽時刻表 岡本尚子 風土 202201
亡夫へと庭の一輪菊の酒 菅野日出子 末黒野 202212

 

2023年9月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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