茶の花 3     129句

お茶の花地主の畑売りつくす    飯島清子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
茶の花の垣を跨ぎて隣家へと 國保八江 やぶれ傘 201001
茶の花や日暮の早きペンの先 渡辺若菜 春燈 201002
茶の花や母の晩年まだ永し 山田暢子 風土 201002
茶の花の小夜の中山日の暮るる 山口耕堂 万象 201002
茶の花や祖父の遺品の聴診器 山荘慶子 あを 201002
整然の中の点々お茶の花 嶋田一歩 ホトトギス 201003
茶の花やむかし桶屋と足袋屋あり 池田光子 201003
鰐口を引けば茶の花日和かな 池田光子 201003
金の蕊重たきほどにお茶の花 小林玲子 ぐろっけ 201003
茶の花のかこむ寺なり寺料理 内藤順子 酸漿 201003
茶の花や読み返しゐる母の文 石原光徳 酸漿 201003
茶の花や気兼ねのいらぬ間柄 曷川克 遠嶺 201004
茶の花や声を低めに暮らす日々 佐藤博美 201004
茶の花や日向へ回す濯ぎもの 山本静子 201004
三島駅次は新富士お茶の花 嶋田一歩 ホトトギス 201005
茶の花や京想ふ日の和紙人形 服部郁史 京鹿子 201005
茶の花に抜け道ありて通りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201011
夕近き茶の花を言ひ別れけり 山尾玉藻 火星 201012
茶の花へ筵の塵のきらきらと 山尾玉藻 火星 201012
悦に入る茶の花生けし古丹波 山田六甲 六花 201012
茶の花を確かめ来り妻に供華 久保田嘉郎 酸奬 201012
茶の花の囲める芋銭旧居かな 西田史郎 201101
鳥立ちて日向よごせりお茶の花 城孝子 火星 201101
茶の花や昨夜の祝賀の余燼とも 杉本光祥 201101
蔵の前咲く茶の花の株丸し 井上幸子 酸漿 201101
茶の花やよく笑ふ母甦る 赤座典子 あを 201101
母恋ふは何時もこの頃お茶の花 林和子 201102
茶の花や道を濡らさぬほどの雨 南うみを 風土 201102
茶の花や仏徳山の晴れ渡る 近藤きくえ 201102
茶の花の仰向いて咲く己がじし 岩下芳子 201102
茶の花や自らを弁へてをり 小瀧洋子 ろんど 201102
籬垣や声なき声をお茶の花 土居通子 ろんど 201102
茶の花をこよなく愛し逝かれけり 中島知恵子 雨月 201102
石積みて茶の花咲いて深吉野は 丸山照子 火星 201102
退院の父が茶の花言ひにけり 山本耀子 火星 201102
茶の花を覗く垣根の茶が咲いて 大山文子 火星 201102
茶の花に屈めば鳥の発ちにけり 西村節子 火星 201102
祝の日の雀弾みしお茶の花 笠置早苗 火星 201102
茶の花の雨に匂へる垣根かな 長谷川惇子 末黒野 201102
ひかへめな茶の花にある黄の主張 大石誠 201103
茶の花や水戸街道のかじや坂 池田光子 201103
相模湾見下ろす路のお茶の花 渡邉孝彦 やぶれ傘 201104
光悦寺茶の花垣をめぐらせて 清水侑久子 201106
茶の花に古りし魚板や利休の碑 川崎利子 201201
茶の花や雪舟観の丘に佇つ 岩木茂 風土 201201
列をなし茶の花夫を迎へけり 安永圭子 風土 201201
茶の花の白きを己が心とし 堀岡せつこ 201202
茶の花やここは街道陣屋跡 池田光子 201202
膳に置く茶の花一枝桂郎忌 井口光石 風土 201202
遠きゆゑ会釈も深くお茶の花 藤岡紫水 京鹿子 201202
茶の花や沢音とどくそば処 小川玉泉 末黒野 201202
茶の花の早ほつほつと朝日影 堺昌子 末黒野 201202
茶の花や山手を下る急な坂 宮島ムツ 末黒野 201202
茶の花の蕊のふくよか匂ふかに 宮島ムツ 末黒野 201202
茶の花や病む人につく嘘少し 岡井マスミ 末黒野 201202
茶の花や泣くこともなく生きてをり 岡澤田鶴 201203
茶の花にあるとしもなき日のさして 根橋宏次 やぶれ傘 201203
茶の花や古希を過ぎたる日々早し 廣瀬雅男 やぶれ傘 201203
茶の花の二つ三つ咲き恙なし 小川涼 201204
茶の花の開きしのちもうつむいて 遠山のり子 201204
茶の花の蕊の金色晴れつづき 柳生千枝子 火星 201204
天空より茶の花垂るる宇津の谷 淺場英彦 万象 201204
ふつうといふ家のぬくもりお茶の花 直江裕子 京鹿子 201204
手の中の茶の花匂ふ夕ぐれに 國保八江 やぶれ傘 201204
二つ三つ散りてもゆかし茶の花は 和田郁子 粥の味 201209
日イ射してきし茶の花を剪る手許 山尾玉藻 火星 201211
茶の花へ頤あげし刃物売 坂口夫佐子 火星 201212
朝ごとに交はす茶の花籬かな 横田初美 春燈 201301
俯きて蕊を見せずにお茶の花 松嶋一洋 201301
ありのまま生きて茶の花日和かな 橋添やよひ 風土 201301
茶の花に含差の雨上りけり 浜福惠 風土 201301
茶の花の蕾のないしよないしよかな 池田光子 風土 201301
茶の花のかそけき風を聴いてをり 浅田光代 風土 201301
茶の花の開けば蘂のあふれけり 大木清美子 201301
茶の花や間の土山雨となる 竹内悦子 201302
茶の花の明恵上人御廟かな 山口キミコ 201302
茶の花の小径下れば東山 川崎利子 201302
茶の花の白きは佗し日のかげり 宮崎左智子 201302
茶の花のしづく一滴桂郎忌 橋添やよひ 風土 201302
鞘堂を洩れし光やお茶の花 中田のぶ子 ろんど 201302
茶の花の垣をへだてゝ両千家 大西八洲雄 万象 201302
茶の花のとぼしらの白こぼれけり 溝内健乃 雨月 201302
鶴首に活け茶の花の侘と寂 服部珠子 雨月 201302
まろやかに咲く茶の花に母偲び 服部珠子 雨月 201302
茶の花を咲かせて祀る茶祖の神 小原登志春 雨月 201302
裏木戸の鍵こはれゐるお茶の花 天野美登里 やぶれ傘 201302
茶の花や磴を登るに杖借りて 國保八江 やぶれ傘 201302
茶の花の思ひ思ひの開きやう 岩下芳子 201303
茶の花にほつこり母が来てゐます 熊川暁子 201303
茶の花の生垣に添ふ日ざしかな 桑原逸子 201303
茶の花の通夜の明け染む白さかな 古川忠利 ろんど 201303
いつ来ても茶の花畑に人見えず 嶋田一歩 ホトトギス 201304
茶の花や新幹線のまた通る 嶋田一歩 ホトトギス 201304
茶の花の迫り出してゐる金の蕊 加藤みき 201304
茶の花や茶祖の碑凛と建仁寺 落合由季女 雨月 201304
茶の花の影がくすぐる母の畑 梶浦玲良子 六花 201304
茶の花の白さを薄き日の包む 外山生子 末黒野 201304
侘寂を秘めて茶の花日和かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
金の蕊茶の花垣をはみ出せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
ひそかにも葉隠れなりし茶の花よ 稲畑汀子 ホトトギス 201311
見逃せしことも茶の花葉隠れに 稲畑汀子 ホトトギス 201311
雨止みて茶の花日和持ち直す 稲畑汀子 ホトトギス 201311
熱きお茶いくど茶の花日和かな 島谷征良 風土 201311
茶の花やふふみこぼして金の蘂 神蔵器 風土 201312
茶どころや茶の花咲ける宇治の橋 山口キミコ 201401
茶の花や番茶焙ずる老舗の香 竹内悦子 201401
茶どころや茶の花咲かせ宇治の橋 山口キミコ 201401
隣りより日のさして茶の花の垣 根橋宏次 やぶれ傘 201401
茶の花やあれほどの虻見当たらず 中江月鈴子 201401
茶の花や番茶焙ずる老舗の香 竹内悦子 201401
夫に遇へさうな茶の花畑ゆく 山尾玉藻 火星 201401
茶どころや茶の花咲かせ宇治の橋 山口キミコ 201401
茶の花のふくみ笑ひに高台寺 神蔵器 風土 201401
茶の花やいまでは残る畑境 中江月鈴子 201401
茶の花や屋号の残る根つ子町 星芳子 馬醉木 201401
茶の花や島の半分日が暮れて 七種年男 201402
茶の花や叱り上手と誉めらるる 岡澤田鶴 201402
茶の花や僧堂の廊黒光り 本多正子 雨月 201402
茶の花や農四代の長屋門 久世孝雄 やぶれ傘 201402
茶の花や用件のみの父の文 渡辺若菜 春燈 201402
茶の花や俎板干して留守らしき 相良牧人 201402
茶の花を一輪活けて書斎とす 加藤峰子 201402
老犬の歩み止めたるお茶の花 野村鞆枝 京鹿子 201403
茶の花の垣根めぐらし庄屋跡 野村鞆枝 京鹿子 201403
茶の花や子等と夫の三回忌 田村加代 末黒野 201403
茶の花や昔庄屋の垣根跡 小倉純 末黒野 201403
茶の花や畚払ひし塵ながれ 山尾玉藻 火星 201412
茶の花の零れ藁屋の黙ふかし コ田千鶴子 馬醉木 201501
茶の花や素読の声のよくとほり 能勢俊子 馬醉木 201501
茶の花→ 4      

 

2021年1月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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