茶の花 4     100句

お茶の花地主の畑売りつくす    飯島清子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
茶の花を夫の銚釐に挿しにけり 山尾玉藻 火星 201501
茶の花は心の翳にこぼれける 稲田和子 201502
茶の花や余談といひつ詳細に 成田美代 201502
茶の花や厨灯せば見失ひ 佐々木良玄 春燈 201502
茶の花や隣家にやつと嫁が来る 金山雅江 春燈 201502
茶の花の蕊金色に惜命忌 小林輝子 風土 201502
茶の花を咲かせ陶房閉ざさるる 岡田史女 末黒野 201502
茶の花の蕊に気品の満ち溢れ 青野安佐子 201502
北限の茶の花母の眠れる地 大畑善昭 201502
茶の花や塵一つ無き枳殻邸 西村しげ子 雨月 201502
花蕊の見事なお茶の花咲けり 國保八江 やぶれ傘 201502
茶の花を好む母似となつてきし 谷岡尚美 201503
茶の花の凜と咲き初む座禅堂 森一枝 末黒野 201503
茶の花にくもるともなき日の差して 根橋宏次 やぶれ傘 201503
茶の花や卵の黄身のごとき蕊 布川直幸 201509
茶の花といへば京都の枳殻邸 稲畑汀子 ホトトギス 201511
園ことに触れて茶の花日和かな 稲畑汀子 ホトトギス 201511
幼には茶の花すらも尿(しと)の的 布川直幸 201511
ゆる坂の茶の花垣を歩みけり 山田六甲 六花 201511
茶の花の鈴咲き鳴つて西鶴忌 神蔵器 風土 201512
金色の蕊の山なすお茶の花 赤座典子 あを 201601
抱き込むやうに蕊包みたるお茶の花 斉藤裕子 あを 201601
茶の花や峡に夕日の惜みなく 金子浩子 馬醉木 201602
茶の花やビルの狭間の本能寺 渡辺やや 風土 201602
茶の花の自尊の白を解く下枝 松本鷹根 京鹿子 201602
茶の花や空に鎌岳反り聳ちて 浅井青二 雨月 201602
茶の花や鳥獣戯画を玻璃中に 大石よし子 雨月 201603
茶の花の籬に干せる素焼壺 戸栗末廣 201603
寺町や茶の花垣の金の蕊 辻井ミナミ 末黒野 201603
参道に茶の花の蘂くすぐりぬ 廣畑育子 六花 201603
茶の花の包みきれざる黄を零す 山田佳乃 ホトトギス 201604
茶の花や平屋住まひのいくとせか 蒲田豊彦 雨月 201604
茶の花や駿河の風を独り占め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
葉隠れといふ茶の花の褥かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
一輪に茶の花日和広ごれる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
茶の花や日表の白日裏の黄 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
茶の花や吉備の日差に倦みもして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
花揺れて茶の花日和引き寄せる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
茶の花に日は寄り易く逃げ易く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
蕊揺れてゆれて茶の花日和かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
茶の花や島の半分日が暮れて 七種年男 輪中の空 201612
金の蘂大き茶の花今日佳き日 大橋晄 雨月 201701
茶の花を伝へて茶祖の八世紀 密門令子 雨月 201701
茶の花の寺に風神雷神図 密門令子 雨月 201701
茶の花は桂郎の花垣を結ふ 浜福惠 風土 201701
暮れのこる茶の花の白濃きところ 鷹崎由未子 春燈 201701
原節子偲ぶ茶の花こぼれゐて 鶴岡紀代 春燈 201701
金の蘂大き茶の花今日佳き日 大橋晄 雨月 201701
茶の花を伝へて茶祖の八世紀 密門令子 雨月 201701
茶の花の寺に風神雷神図 密門令子 雨月 201701
茶の花は桂郎の花垣を結ふ 浜福惠 風土 201701
暮れのこる茶の花の白濃きところ 鷹崎由未子 春燈 201701
原節子偲ぶ茶の花こぼれゐて 鶴岡紀代 春燈 201701
賢しらの茶の花なりきムスターシュ 瀬川公馨 201702
茶の花や静かに放つ匠の美 江島照美 201702
日の縁や茶の花密に主婦の時 石川桂郎 風土 201702
茶の花や径をぬらさず雨の過ぐ 南うみを 風土 201702
屋敷跡名残りの垣にお茶の花 長谷川信也 万象 201702
茶の花の睦み合ふ蕊との曇り 卯木堯子 春燈 201702
茶の花や朝日さしくる野面積 天野美登里 やぶれ傘 201702
茶の花に日照雨カフェの大硝子 安藤久美子 やぶれ傘 201702
茶の花も戦も知らぬ大学生 平野多聞 201703
茶の花にそつと陽が差す内緒ごと 松本鷹根 京鹿子 201703
茶の花のほろりほろりと野面積 菊地光子 201703
ふる里の茶の花垣や母はなく 島田和枝 万象 201703
茶の花や多弁な姉とゐて無口 斉藤マキ子 末黒野 201703
水音や茶の花垣の女坂 山田六甲 六花 201711
茶の花や汽笛谺す峡の里 柴田昭子 雨月 201801
茶の花暮れ大過なき日の暮れんとす 大村仍子 雨月 201802
茶の花や酒粕匂ふ母の家 山田春生 万象 201802
月あれば月の濕りにお茶の花 藤岡紫水 京鹿子 201802
茶の花やかくも静かに茶祖の寺 加瀬伸子 末黒野 201802
茶の花や本家なくなるかも知れぬ 高木春夫 201802
茶の花や卒寿の父と歩む道 江島照美 201802
茶の花の白き矜恃を吾も欲し 内山花葉 201803
茶の花や男結びの四つ目垣 加瀬伸子 末黒野 201803
茶の花や一筆箋で済ます文 小田嶋野笛 末黒野 201803
茶の花のひかり纏ひぬ弥陀の径 今村千年 末黒野 201803
茶の花をしるべとしたる墓一基 藤生不二男 六花 201803
冬の日を背負ふ茶の花シルエット 上家正勝 末黒野 201803
茶の花の導顔なり奥の院 田中繁夫 末黒野 201804
咲き残る茶の花一つ朝日影 溝内健乃 雨月 201804
茶の花の金を浮かべて盛りなる 今橋眞理子 ホトトギス 201804
茶の花におのれ生れし日なりけり 久保田万太郎 春燈 201811
旅続く茶の花日和伴ひて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
茶の花の白し寺門の閉るころ 足立典子 雨月 201901
茶の花や空濠残る館跡 瀬島洒望 やぶれ傘 201901
茶の花を門に「小唄を教えます」 間島あきら 風土 201901
少しづつ道は狭まりお茶の花 大島英昭 やぶれ傘 201901
茶の花や一筆箋の置き手紙 菊池和子 京鹿子 201901
茶の花や日当る所咲き続き 岡田正義 雨月 201902
茶の花の武蔵が庭へつづきをり 笹村政子 六花 201902
茶の花や金の小仏抱きをる 久保夢女 201903
茶の花の無限地獄を覗きたる 瀬川公馨 201903
茶の花や母の一語の甦へる 荒川心星 201904
茶の花や卒寿を句読点として 岸洋子 201905
茶の花の挿してありけり貴賓館 田中美恵子 202001
茶の花や三途の川の通せん坊 長谷川翠 馬醉木 202001
茶の花や静かに暮るる隠れ里 野田光江 雨月 202002
茶の花の蘂の黄をもて点りけり 藤生不二男 六花 202002
茶の花→ 5

 

2021年1月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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