梅雨曇      104句

梅雨ぐもり  梅雨曇

作品
作者
掲載誌
掲載年月
梅雨曇り気分爽快とは云へず 熊谷みどり いろり 199908
梅雨曇り母が遺せし母子手帳 桑垣信子 いろり 199909
梅雨曇り真っ赤な薔薇をひとかかえ わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
燻銀の一打が払ふ梅雨曇 能村研三 200008
梅雨曇り遠く江の島かすみたり 久保田一豊 いろり 200009
危ぶみ書く異国の宛名梅雨曇 岸本久栄 雨月 200010
テロップの速報流る梅雨曇 南浦輝子 火星 200109
歌舞伎座の路地の自転車梅雨曇 江倉京子 あを 200206
噛み合はぬ話の続く梅雨曇 武本節子 築港 200209
石庖丁などをも展示梅雨曇 河中透水 雨月 200209
梅雨曇九官鳥のよくしゃべる 陶山泰子 ぐろっけ 200210
梅雨曇路面電車に揺られをり 大杉千津子 築港 200308
酒蔵に主の気配梅雨曇 陶山泰子 ぐろっけ 200309
梅雨曇盥舟にて旅終る 糸川白水郎 築港 200309
大寺の座布団重し梅雨曇 萩谷幸子 雨月 200310
蘭鋳の身をもて余す梅雨曇 羽田岳水 馬醉木 200311
蒟蒻の芽のほぐれつつ梅雨曇 小林優子 酸漿 200405
降りさうな空を支へて梅雨曇 稲畑汀子 ホトトギス 200506
小仏の山々の消ゆ梅雨曇 佐々木しづ子 酸漿 200509
梅雨曇テロのニュース報じをり 早崎泰江 あをかき 200509
桑畑をまるくのこして梅雨曇 瀧春一 常念 200606
鍋底にガス火とびつく梅雨曇 宇根綾子 二輪草 200606
立札の字に怒りあり梅雨曇 斉藤裕子 あを 200607
長所ならいくつも言えて梅雨曇る 森田子月 ぐろっけ 200608
浜独活はそびゆる草や梅雨曇 阿部ひろし 酸漿 200608
白浜の砂の波型梅雨曇 関まさを 酸漿 200609
梅雨曇陣馬の里の狐雨 関戸文子 酸漿 200609
梅雨曇牛はひたすら虻払ふ 島崎勇作 酸漿 200611
梅雨曇心にマーチ響かせて 三間菜々絵 遠嶺 200611
海と空いつわかるるや梅雨曇 林翔 200709
梅雨曇鳩や鴉の声ばかり 早崎泰江 あを 200709
梅雨曇見えざる富士を訪ねけり 四條進 200709
下を向く人多くなり梅雨曇 大空純子 ぐろっけ 200710
梅雨曇る墓石寄場や倶会一処 神山志堂 春燈 200710
石庭の苔の青さや梅雨曇 山村修 酸漿 200711
田の堀に沢蟹歩む梅雨曇り 阿部文子 酸漿 200712
梅雨曇喋るトラック無事左折 森一枝 八千草 200801
庭の木々それぞれ黙す梅雨曇 阿部ひろし 酸漿 200807
野を行きて昼顔親し梅雨曇 阿部ひろし 酸漿 200808
間延びせし研屋の声や梅雨曇 山田孝枝 酸漿 200809
いく度も鏡を磨き梅雨曇 西本輝子 雨月 200809
カリヨンの黙せるチャーチ梅雨曇 勝原文夫 ペン皿 200811
梅雨曇鴉のさがす消えし森 沼田桂子 春燈 200909
梅雨曇るみ佛の顔木目美し 近藤紀子 200909
梅雨曇り赤松の幹清らなり 岩本紀子 200909
満々と濁る木曽川梅雨曇 坂上香菜 200910
もう妻のこゑのあらずよ梅雨曇 太田寛郎 200910
梅雨曇予報は晴と聞いて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201006
空調音はブブゼラの音梅雨曇 佐藤喜孝 あを 201008
エプロンの紐くたびれし梅雨曇 江草礼 春燈 201009
鳥の声のみの静けさ梅雨曇 佐々木智子 201010
記憶とて定かならねど梅雨曇 稲畑汀子 ホトトギス 201106
対岸は恩師住む街梅雨曇 増田一代 201108
男三人庭の角掘る梅雨曇 森理和 あを 201108
このところ度忘れ多し梅雨曇り 先山実子 ぐろっけ 201109
梅雨曇糊を堅めに夫のシャツ 粟倉昌子 201109
鬱の字をルーペで探す梅雨曇 野口喜久子 ぐろっけ 201110
母の忌を過ぎて花買ふ梅雨曇 志方章子 六花 201110
梅雨曇大河の光奪ひけり 山下美典 ホトトギス 201110
梅雨曇り夜毎日毎に救急車 谷泰子 ぐろっけ 201110

 シーボルト邸跡

梅雨曇り赤き羅紗垂れ火事兜

荒井千佐代 201110
筆洗に命毛のこる梅雨曇 大村かし子 万象 201209
梅雨曇湖の木陰にヘラ釣師 佐々木薫 かさね 201209
梅雨曇り雑木林へ尾長飛び 渡邉孝彦 やぶれ傘 201211
梅雨曇塔の九輪に日のあかり 渡邊孝彦 やぶれ傘 201301
朝夕に鳩含みなく梅雨曇 早崎泰江 あを 201308
薄墨の空に流るる梅雨曇 出口誠 六花 201309
桑の木の池辺に傾ぐ梅雨曇 渡邉孝彦 やぶれ傘 201310
ケイタイを落した土地は梅雨曇 向江醇子 ぐろっけ 201310
黒塗りの教科書繰りぬ梅雨曇 坂根宏子 野山の道 201404
下町の音を吸ひ上げ梅雨曇 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407
だみて鳴く鴉のつがひ梅雨曇 大村かし子 万象 201409
笙の音にはじめありけり梅雨曇 山田美恵子 火星 201409
梅雨曇り待合室のハーブティ 高橋泰子 201409
梅雨曇子鼠の尾の一文字 赤座典子 あを 201409
井戸蓋に鬼瓦据ゑ梅雨曇 林範昭 火星 201409
病室で漏れ聞く人生梅雨曇 斉藤裕子 あを 201507
梅雨曇なべて失敗重ねたり 岸本久栄 雨月 201508
梅雨曇り長く水脈引き渡船着く 白石正躬 やぶれ傘 201509
お染久松恋路の塚や梅雨曇 大橋晄 雨月 201509
梅雨曇る朝にちいんとトースター 小山陽子 やぶれ傘 201510
剣道の竹刀の音や梅雨曇 波多野孝枝 末黒野 201510
地続きや大和山城梅雨曇 上辻蒼人 風土 201511
伊万里より唐津が好み梅雨曇 コ田千鶴子 馬醉木 201607
蔓薔薇の白が飲み込む梅雨曇 森理和 あを 201608
留守居して熱く濃いお茶梅雨曇 森理和 あを 201608
梅雨曇り料金不足の封書来て 渡辺やや 風土 201609
梅雨曇り池にぷかりと亀浮かぶ 小山陽子 やぶれ傘 201610
高齢の免許更新梅雨曇り 久世孝雄 やぶれ傘 201610
鯔の子のピシピシ跳んで梅雨曇り 青谷小枝 やぶれ傘 201708
借りて読む家庭医学書梅雨曇 大石よし子 雨月 201709
待ち人も雨も未だなり梅雨曇 宮崎他異雅 末黒野 201710
梅雨曇園の芝刈る重き音 森清堯 末黒野 201810
世事多難どんよりに染む梅雨曇 七郎衛門吉保 あを 201908
老犬の歩みは遅し梅雨曇り 秋山信行 やぶれ傘 201910
木曽川の眠れるごとく梅雨曇 佐藤花木 雨月 201911
ソニックビルの上部が見えぬ梅雨曇り 橋本美代 やぶれ傘 201911
梅雨曇り親しき友の訃報あり 箕田健生 やぶれ傘 201911
チェンソーの音きこえくる梅雨曇り 渡邊孝彦 やぶれ傘 202109
潮騒を鎮めて暗し梅雨曇 田中臥石 末黒野 202209
久々の大筆重し梅雨曇 小山ほ子 末黒野 202209
昔読みし本読み返す梅雨曇り 橋本美代 やぶれ傘 202210
糠床の味さだまらず梅雨曇 菅野日出子 末黒野 202210
毎朝の人と会はざり梅雨曇 木村純子 末黒野 202210

 

2023年6月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。