氷 柱 2     166句

軒氷柱百姓の掌が一と薙す    細川加賀

氷柱  つらら

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大瀧の全容を見せ大氷柱
黒田敏子
円虹
200205
野地蔵の鼻先に垂る氷柱かな
小林光美
春耕
200205
氷柱立つ滝は鋼の匂ひせり
近藤幸三郎
風土
200206
大いなる氷柱の束の滝凍つる
宮原みさを
花月亭
200208
光り落つ氷柱の伸びてをりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200301
どの氷柱にも地を目ざす力あり
稲畑汀子
ホトトギス
200301
昼と夜の氷柱伸びたり縮んだり
稲畑汀子
ホトトギス
200301
水音の絶えて氷柱に夜の来し
稲畑汀子
ホトトギス
200301
一滴づつ光となりて氷柱消ゆ
岩松八重
六花合同句集
200205
軒氷柱太らせてゐる機の音
桑田眞佐子
火星
200302
一文字に氷柱銜へてドラキュラめく
望月洋子
200302
この人に氷柱持たせば剣としぬ
望月洋子
200302
軒氷柱落着いてゐる母の臼
禰寝瓶史
京鹿子
200302
中陰の氷柱折りとることもなく
中原道夫
銀化
200302
みちのくや灯すにともる軒氷柱
ほんだゆき
馬醉木
200303
宿坊の十戸がほどの太氷柱
伊藤白潮
200303
今日の富士軒の氷柱の間に在り
戸栗末廣
火星
200303
月光を宿し五箇山軒つらら
永井雪狼
200304
清濁の濁濁氷柱しづくかな
中原道夫
銀化
200303
飛鳥路の崖の垂氷の蒼きかな
鈴木良戈
200303
風なりの氷柱斜めにさがりをり
谷合青洋
酸漿
200303
琴坂の岩の割れ目の氷柱かな
野川義宣
円虹
200304
糶台の下へ氷柱の蹴り込まる
米澤光子
火星
200304
太陽が木端微塵となる氷柱
奥田節子
火星
200304
山かげの氷柱の長し神の猿
谷村幸子
200304
すきとほる氷柱の中の星の声
清水晃子
遠嶺
200304
仮の世の軒借りてゐる氷柱かな
山田禮子
遠嶺
200304
大地をも貫く勢い氷柱かな
関本真一郎
帆船
200304
羽黒山坊つららの隙に鬼やらふ
岸のふ
馬醉木
200305
氷柱みなまとふしぶきに育てられ
朝倉富次
酸漿
200304
大氷柱内なる修羅の燦めけり
山本涼
銀化
200304
湧水の氷柱に崖の輝けり
英龍子
百鳥
200305
大氷柱通行禁止の札の立つ
泰江安仁
百鳥
200304
源流は金剛光りの草つらら
丸山佳子
京鹿子
200304
薙ぎ払ひたきほど伸びて軒氷柱
有吉桜雲
200305
簷氷柱隠さふ紋は揚羽蝶
有働亨
馬醉木
200306
金剛の氷柱一丈瀧凍る
山陰石楠
200306
ひとすじの地上に春の氷柱かな
水野恒彦
200305
昼過ぎて氷柱の丈のそろひたり
城孝子
火星
200306
激つ瀬に岸辺の氷柱太りゆく
桑原泰子
八千草
200307
囚はれびとめきていづれも氷柱窓
北川英子
200307
つららごとせり出す宿の雪廂
藤原照子
200307
つらつらと日を溶かしをり軒氷柱
清水公治
200307
人減りし村に氷柱の数減らず
高木嘉久
200307
子等通りたるは明らか氷柱折れ
稲畑汀子
ホトトギス
200001
崖氷柱痩せて下校の時間かな
稲畑汀子
ホトトギス
200001
軒氷柱一日人の出入りなく
稲畑汀子
ホトトギス
200001
しづくして氷柱日和となりにけり
鷹羽狩行
200402
大屋根のつららのしづく大粒に
長崎桂子
あを
200402
奔流を避けて留まる大氷柱
水谷ひさ江
六花
200403
またひとつ氷柱雫の水輪かな
朝妻力
雲の峰
200403
須臾たりき氷柱に茜差したるは
大畑善昭
200404
よく晴れて涙法師の氷柱なり
大畑善昭
200404
隠れ蓑てふと照り合ふ大氷柱
於久昭臣
雲の峰
200404
スコツチに氷柱浮べむ草津の夜
於久昭臣
雲の峰
200404
氷柱落つ音さえざえと峡の村
中元英雄
河鹿
200404
峡の家光となりて氷柱落つ
中元英雄
河鹿
200404
町氷柱二階より地へ届きけり
須原正三
200404
霊水の氷柱にふれて手を洗ふ
谷村幸子
200404
子の家の氷柱幸せ太りせり
渡辺美代
対岸
200403
氷柱よりコロボックルのあらはるる
吉田明子
200404
生国は氷柱の太る頃ならむ
笠井敦子
200404
氷柱折るせいも力も失くなりし
戸田和子
200404
つらら解けお顔を見せし磨崖仏
松本硯友
帆船
200405
氷柱垂るるところ托鉢僧の列
矢野節子
草の花
200405
軒氷柱通夜の花輪の並びけり
鈴木綾子
百鳥
200404
菩提寺の氷柱雫に柩出づ
坂井あかり
草の花
200403
透明に雪を抜け出す氷柱かな
田丸千種
ホトトギス
200405
瑠璃色の空溶け込んで軒氷柱
涌羅由美
ホトトギス
200405
先端に光宿して氷柱解け
涌羅由美
ホトトギス
200405
町の子の視線集めて大氷柱
涌羅由美
ホトトギス
200405
軒氷柱育つひそかな音に泊つ
山田弘子
ホトトギス
200405
大氷柱星座しづかに歩みをり
山田弘子
ホトトギス
200405
軒氷柱雫のうたふ湯浴かな
山田弘子
ホトトギス
200405
氷柱垂れ加賀の山々晴れ渡る
藤崎美恵
ホトトギス
200405
旅宿の氷柱に明けし越泊り
藤崎美恵
ホトトギス
200405
駅長が氷柱砕きて初発待つ
山下美典
ホトトギス
200405
どつと落ち遠くにも音軒氷柱
岡田耕人
ホトトギス
200405
夜の明けし山家氷柱をまとひたる
岡田耕人
ホトトギス
200405
男衆夜明けの宿の氷柱薙ぐ
岡田耕人
ホトトギス
200405
てらてらとつらら光つてをりにけり
松井秋尚
ホトトギス
200405
軒氷柱光の連鎖してゐたり
岡田順子
ホトトギス
200405
氷柱折る音の休憩時間かな
岡田順子
ホトトギス
200405
解け落つる氷柱のリズム速くなる
稲垣美枝子
ホトトギス
200405
大寺の氷柱落としは子等のもの
松本松魚
ホトトギス
200405
鴟尾昏れて大氷柱まだ伸ぶ気配
松本松魚
ホトトギス
200405
氷柱なる昨日の時間折られけり
岩垣子鹿
ホトトギス
200405
小屋を発つ合図に氷柱払はるる
岩垣子鹿
ホトトギス
200405
お不動の願ひ氷柱となつてをり
岩垣子鹿
ホトトギス
200405
軒氷柱炊事当番二等兵
宮崎正
ホトトギス
200405
軒氷柱裸電球ぶら下がり
宮崎正
ホトトギス
200405
闇の黙月光透ける氷柱かな
宮崎正
ホトトギス
200405
さみしさをつのらす氷柱太らせて
足立幸信
200405
日当りて氷柱雫をこぼしけり
鎌居千代
築港
200405
光りつつ二本の氷柱丈くらべ
鎌居千代
築港
200405
軒氷柱点滴のごと雫せり
印牧緑
築港
200405
投函すポストの朱き氷柱折り
佐々木幸
200404
恐竜展見て来し夜の軒氷柱
渡辺美代
対岸
200406
逃げ腰にかまへて氷柱打ちおとす
藤原照子
200501
観音に百日しづる軒氷柱
橋本榮治
馬醉木
200502
軒つらら一薙ぎにして登校す
小林呼溪
200502
氷柱より滴りさうに空の青
長岡新一
200503
軒氷柱雫なすときささやける
工藤進
200503
日に隠れ月にかくれて草氷柱
平子公一
馬醉木
200503
瀧壺に青き氷柱の刺さりゐて
足利徹
ぐろっけ
200104
行滝の氷柱が落ちて凭れ合ふ
大森ムツ子
ぐろっけ
200105
等間隔に氷柱が立つ商店街
永野秀峰
ぐろっけ
200111
穂高小屋氷柱の戸口砕き入る
鈴木てるみ
ぐろっけ
200307
取り来るつらら洗面台に溶け
陶山泰子
ぐろっけ
200308
遠洲作男滝女滝に初氷柱
佐々木スガ子
ぐろっけ
200405
延着の特急車輌大氷柱
市橋香
ぐろっけ
200406
切石積みの天城トンネル氷柱垂る
松崎鉄之介
200504
日日新た氷柱と氷柱丈伸ばす
村越化石
200504
氷柱伸ぶポストに我は投函す
二口毅
築港
200504
かうしてる間も氷柱長くなり
高橋将夫
200503
地震の地の仮設の家に氷柱垂る
高山志げる
築港
200503
バスの窓氷柱当りて破壊せり
上原口チヱ
ぐろっけ
200504
大氷柱地球に刃向けてゐし
藤井久仁子
ぐろっけ
200504
矢も楯も味方もいらぬ軒つらら
丸山佳子
京鹿子
200502
山水の垂氷なしたる杉の闇
坪井洋子
200501
軒つらら還り来ぬ日の眩しさに
松内佳子
百鳥
200502
漁終へし漁夫の昼酒軒つらら
野々村紫
百鳥
200404
海峡の風の研ぎゆく氷柱かな
吉村一郎
百鳥
200404
余滴なほ一纏に縋り垂氷照る
鈴木伸一
200504
長氷柱ねぶりて渇を癒やしけり
泉田秋硯
200504
湯治場の規律五箇条軒氷柱
北尾章郎
200505
軒つらら育つはさびし喜ばし
定梶じょう
あを
200504
山出し馬シャンデリアめく氷柱垂る
佐々木ミツヱ
200505
金剛の月下の氷柱四方に垂れ
室伏みどり
雨月
200505
不動明王の掴みし滝氷柱
松本恒子
ぐろっけ
200505
巡拝の寺の手洗い大つらら
大西ユリ子
ぐろっけ
200505
日々太り窓に迫れる軒氷柱
小松敏郎
万象
200505
御手洗に龍の口より氷柱垂る
宮原利代
ぐろっけ
200506
溶けるとき光大きく軒つらら
滝沢環
京鹿子
200506
日の光集めて細る氷柱かな
長谷川幸子
200506
大氷柱に白熊もまたノスタルジー
金山藤之助
200510
地謡の唱和弾けり軒氷柱
鈴木漱玉
馬醉木
200512
滝氷柱水の未練のさまとどむ
宮津昭彦
200603
篳篥の音の氷柱となりにけり
栗栖恵通子
200603
豆腐屋の氷柱がけふもよく太り
定梶じょう
あを
200603
小涌谷数数立てり滝氷柱
鈴木ひろ子
200604
マンモスの牙めく反れり大氷柱
三戸千佐子
200604
光彩の中の氷柱や朝日中
渡辺玄子
酸漿
200604
神の御手時に厳しく大氷柱
高野明子
風土
200604
不揃ひの氷柱のおそろしき長さ
恒川絢子
対岸
200604
五彩なる雫朝日の軒氷柱
田中千枝子
対岸
200604
マンモスの牙さながらの軒氷柱
友田直文
200606
住みなせりめぐらす氷柱垣として
村松紅花
ホトトギス
200606
大氷柱巌の匂ひに垂れにけり
坊城俊樹
ホトトギス
200606
泣けば氷柱が頬よりぐらぐら動き出す
八田木枯
晩紅
200606
長浜の町のいぶせき氷柱かな
桑田青虎
ホトトギス
200608
狛犬のおでこの氷柱溶けはじむ
漢隆司
八千草
200608
軒氷柱燕返しの構へかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200701
氷柱輝くまぼろしの馬に角
辻美奈子
200703
氷柱より虹の零るる夜明けかな
近藤幸三郎
風土
200703
荘厳に軒氷柱垂れ籠る家
村越化石
200703
久女忌の刃と垂るる軒氷柱
三輪温子
雨月
200704
崖の氷柱渦まくごとき夜の犬声
八田木枯
晩紅
200704
あかときの崖の氷柱の鬩ぎ合ひ
若井新一
200705
山中の時のこごりぬ滝氷柱
若井新一
200705
氷柱解けをり尖端の饒舌な
齊藤實
200705
叩き折る音まで青き氷柱かな
小山徳夫
遠嶺
200705
秩父路や研ぎ澄まされし軒氷柱
和島出
遠嶺
200705
つむじ毛を氷柱の狙ふ月夜かな
梶浦玲良子
六花
200705
溶けながら今をときめく氷柱かな
土井田晩聖
万事
200711
片品の風に氷柱の育ちゆく
稲畑廣太郎
ホトトギス
200801
氷柱 3      

 

2021年1月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。