椿 8      100句

落ちなむを葉にかかへたる椿かな   召波

作品
作者
掲載誌
掲載年月
浦風やつらつら椿鳥の影 原桂子 201005
ふんはりと落ちて上向く椿あり 須賀敏子 あを 201005
紅椿火伏の宮の磴高し 川端郷思 雨月 201005
湯の滾る音聞き椿活けてをり 中原敏雄 雨月 201005
黒潮の洗ふ岬の紅椿 原桂子 201005
燈台の灯のまたとどく椿叢 山尾玉藻 火星 201005
訪ね来て千の椿の咲く城祉 小澤淳子 201005
忙しく椿啄む小鳥たち 五十嵐勉 201005
磨崖仏二体取り持つ椿かな 中根健 201005
取手宿咲くは白妙八重椿 清水伊代乃 酸漿 201005
目白ゐて白き椿の枝揺るる 小澤昭之 201005
芽吹き待つ木の間縫ひきて紅椿 田中藤穂 あを 201005
瞑想へ誘ふ海や藪椿 河瀬俊彦 遠嶺 201005
褒められてますます五色椿かな 竹内悦子 201005
岸壁に砕くる波や藪椿 河瀬俊彦 遠嶺 201005
人恋ひの夜の白椿見てをりぬ 柳生千枝子 火星 201005
生きるとは死ぬる助走や白椿 関根洋子 風土 201005
生き抜きて余生に力藪椿 松葉よし江 201005
赤心の笑顔なりけり夜の椿 安田久太朗 遠嶺 201005
内侍塚椿の一花のせるほど 豊田都峰 京鹿子 201005
ねんごろにわが血かよはす紅椿 瀬戸悠 風土 201005
抽んでて宗易の墓白椿 浅田光代 風土 201005
おおふろしき敷くや椿の蜜吸はむ 中島陽華 201005
ほの暗き土の湿りや椿山 熊切光子 末黒野 201006
紅椿声を掛くれば応へさう 松本三千夫 末黒野 201006
紅椿老いて花数増やしけり 大谷昌子 馬醉木 201006
行く程に椿濃くなる杣の道 坂根宏子 201006
在りし日の医院の跡の薮椿 池田光子 201006
白をもて十字架くるすの如き椿かな 奥山絢子 風土 201006
白椿紅椿地を染めわける 田中藤穂 あを 201006
白椿病後の吾をば癒しけり 武智恭子 ぐろっけ 201006
飛ぶ鳥のこゑは高みに藪椿 有本惠美子 ろんど 201006
四海波とふ祝ぎの名の白椿 和田崎増美 雨月 201006
頼らざるがわたしの一善椿東風 奥田筆子 京鹿子 201006
寿福寺の雨の一日紅椿 菅原末野 風土 201006
崖道の果ては大海藪椿 松本三千夫 末黒野 201006
埋み火のやう杜裏の紅椿 後藤那生 ろんど 201006
湘南の海眩しめり椿山 関根喜美 201006
水銹みさび浮くよどみに落ちて藪椿 藤井美晴 やぶれ傘 201006
玉椿昔の恋は輝けり 田下宮子 201006
石庭の白き筋目に椿かな あさなが捷 201006
川音を抱くつらつら椿かな 熊切光子 末黒野 201006
咲くよりも落ちて華やか八重椿 大坪景章 万象 201007
八重椿潜れば薫り満ちゐたる 筒井八重子 六花 201007
落ちてなほ花の色濃き椿かな 野坂民子 馬醉木 201007
校倉のみちびき給ふ椿道 鳳蛮華 201008
歳月の記憶交々虚子椿 藤浦昭代 ホトトギス 201008
竹林の奥に椿の見えかくれ 加藤克 201008
白椿花新しき夕かな 河野千恵子 酸漿 201009
碧眼の点前美し佗椿 杉本綾 201101
みよしのの椿象はらふ扇かな 丸山照子 火星 201102
白椿松陰母へ遺せし詩 松林順子 雨月 201102
蕉庵の蔀戸明かり西王母椿せいおうぼ 土居通子 ろんど 201102
廃屋の椿は鳥によきところ 常田創 201103
裏垣の椿はひそと家護る 伊藤希眸 京鹿子 201103
老いてなほ明日あらばこそ紅椿 芝尚子 あを 201103
日陰ことにことりとつぼむ白椿 井上信子 201103
挿木して祖の椿を弥栄に 鳥居おさむ ろんど 201103
瀞に揺れ流れに呑まれ浮く椿 森理和 あを 201104
黄の蕊の丸き羅列の椿美し 大橋敦子 雨月 201104
つくばひに椿一輪芙美子邸 相澤春江 風土 201104
吹き下す風の御堂や白椿 青木陽子 酸漿 201104
綻ぶる乙女椿の冷たかり 大坪景章 万象 201104
雨粒に椿のいろの移りたる 加藤みき 201105
伝承の「散り椿」咲く伝香寺 笠井清佑 201105
行きずりの背に落ちたる紅椿 芝宮須磨子 あを 201105
塔頭の門前飾る玉椿 笠井清佑 201105
踏切を隔てて巨勢の寺椿 廣瀬義一 雨月 201105
遠目にも椿ならむと寄れば落つ 大橋晄 雨月 201105
山響みたりしまた落つ椿かな 水野恒彦 201105
武士椿の固きつぼみや万燈会 栗山恵子 雨月 201105
家ごとに椿咲きゐるむかし路地 和田郁子 201105
「一字庵」の霰こぼしや藪椿 小幡喜世子 ろんど 201105
良寛の「天上大風」椿咲く 神蔵器 風土 201105
白椿喪服の母の待ちゐたり 西村節子 火星 201105
丈低き白玉椿咲きそろふ 阿部ひろし 酸漿 201105
世に長居したる椿の重ね落つ 森岡正作 201105
胸中の火種つらつら椿かな 鈴木榮子 繭玉 201105
ほこほこの土に落ちたる椿かな 谷岡尚美 201105
地に落ちてよりの烈しさ紅椿 ほんだゆき 馬醉木 201105
椿一花のせて古池静まれり 吉弘恭子 あを 201105
雨の香の椿の花を拾ひけり 蘭定かず子 火星 201106
唐子椿満開となり師を想う 水上貞子 ぐろっけ 201106
散り際も洒酒落落と山椿 増田甚平 ろんど 201106
弁天の島とし咲ける赤椿 江木紀子 雨月 201106
母恋の乙女椿をひいふうみい 山本耀子 火星 201106
夕暮は落ちし椿を遊ばせて 柴田朱美 京鹿子 201106
落ちてなほ樹下彩れる紅椿 乙坂きみ子 末黒野 201106
海へ散る津波のあとの崖椿 岡部玄治 201106
海光を蒐めて島の椿園 江木紀子 雨月 201106
豊満な志功のをんな玉椿 藤岡紫水 京鹿子 201106
抛筌斎好みの茶器や白椿 森脇貞子 雨月 201106
躙口入れば目を惹く紅椿 片岡良子 雨月 201106
遙かなるものへの慕情肥後椿 藤岡紫水 京鹿子 201106
心みな寄り添ひてをり玉椿 三井公子 酸漿 201106
あて椿砂の箒目踏みてゐし 深澤鱶 火星 201106
水の上の椿向き向き春休 城孝子 火星 201106
静寂の戻り白玉椿かな 中田禎子 201106
待ちあぐむ白椿咲き吾笑顔 武智恭子 ぐろっけ 201106
椿→ 9      

 

2021年4月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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